ザ・プロ野球 ペナントレース
【ざ ぷろやきゅう ぺなんとれーす】
ジャンル
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スポーツ
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対応機種
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セガ・マークIII
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メディア
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1MbitROMカートリッジ
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発売元
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セガ・エンタープライゼス
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発売日
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1987年8月17日
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価格
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5,000円
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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なし
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概要
『燃えろ!!プロ野球』とかなり近い時期に発売された野球ゲームで、画面構成やシステムもよく似ている。
収録されているチームは当時のセ・パ12球団、オールスターモード限定の当時のセ・パオールスター2チーム、CPU限定の隠しチームとして日本アニメチームと名球会チーム、アメリカ選抜チームの計17球団。
特徴・評価点
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グラフィックや演出力は当時としては高かった。
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各投手には通常投げられるストレート・カーブ・シュートのほかに各選手固有の決め球も存在しており、差別化も十分図られている。
選手のグラフィックもデフォルメ表現ではなく、高い頭身で描かれているので臨場感がある。
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マークIIIの性能の高さも相まって、グラフィックの細かさでは頭一つ抜けている。
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バッティング画面はピッチャー後方からの視点となっており、本物の野球観戦のような醍醐味がある。
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ただ、左腕投手の投球フォームはいろいろおかしいため、当時の雑誌でも語り草になってしまったが……
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音声合成も一部使用、審判のジャッジや交代で利用されている。
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デッドボール時にはランダムで乱闘も発生することがある。これもボイス付き。
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モードが豊富
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通常1人プレイのペナントレースモード、2人対戦モードに加え、オールスター戦やホームランコンテスト、ウォッチモードも備えている。
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また、守備時の選手の自動/手動も切り替えられるので、操作に不慣れな場合でも安心。
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試合終了後にプロ野球ニュースの形式で試合結果の内容が表示される。
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画面構成は当時フジテレビ系で放送していた『プロ野球ニュース』風の構成で、佐々木信也氏風のキャスターが登場している。
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セガハード系のソフトで始めてパリーグに完全対応した。ちゃんと12球団が揃っている。
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初作の『チャンピオンベースボール』ではセパ両リーグのオールスターのみで1P2Pが固定、次作の『グレートベースボール』ではセリーグのみで選手の個性もなかったので、かなりバリエーションは増えている。
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それに加えて隠しチームの個性も際立っており、ボリュームは十分に高い。
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『燃えろ!!プロ野球』と比べて、ゲーム進行に影響を及ぼすような致命的なバグはない。
問題点
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サウンド面は若干貧弱。
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本作では得点圏にランナーがいない場合は無音なため、若干さみしい。
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効果音もゲーム的なものであるため、リアルさにおいては『燃えろ!!プロ野球』に比べると物足りない側面も。
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登録されている選手は『燃えろ!!プロ野球』に比べると代打4人・先発投手4人・リリーフ投手2人で代打の守備ポジションについても設定はない。
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とはいえ、『燃えろ!!プロ野球』自体が当時としては破格の選手登録数であるため比べるのはさすがに酷というものか。
また、この選手登録数は同時期の『プロ野球ファミリースタジアム'87』を上回っているため、本作の登録数が少ないというわけでもない。
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CPU戦の際には、プレイヤーが強打者を使っていた場合は高確率で敬遠されるアルゴリズムのためせっかくの強打者の機会を生かさせてもらえないことが多い。
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1Pのペナントレースモードではコンティニューやパスワード等による途中セーブ機能もないため最低でも9試合分のゲームを中断なしで行う必要があるため時間がかかる。
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そのうえエンディングの内容も苦労に見合ったものとはいいがたい。
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また、ゲームの基本的な難易度も高めで、ある程度のセオリーをつかまないと勝てないのもつらいところ。
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幸いコールドゲームの概念はあるため、慣れればそれを使って試合時間の短縮は可能になるが……
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左投げのピッチャーのモーションがおかしなことになっている。これは当時の雑誌で度々ネタにされていた。
総評
発売時期が近かった『燃えろ!!プロ野球』とは発売当時何かと比較されたものの、野球ゲームとしての出来についてはこちらのほうが完成度は高い。
ただハードがマイナー系のセガマークIIIだった上に『燃えろ!!プロ野球』がいろいろな意味でインパクトの強い作品だったこともありどうしても陰に隠れてしまいがちであった。
とはいえ同時期の野球ゲームとしての出来は水準以上ではあるので、セガ旧機種系のハードで野球ゲームを楽しむのであればお勧め。
その後の展開
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海外では『Great Baseball』のタイトルで発売されている。
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リーグ名がメジャーリーグ風となり、オールスター戦とウォッチモードが削除されている。
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収録チーム数はア・リーグ14チームとナ・リーグ12チームの計26チームを収録。
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なお、基本的なシステムは本作に準拠しているものの、守備画面については日本版『グレートベースボール』に準拠したものとなっている。
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のちにGGにて、本作のシステムを流用した野球ゲーム『THEプロ野球'91』が発売されている。
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GGの画面解像度の都合上若干表示レイアウトは変更されているものの全体的な構成はほぼ同じ。選手は1991年版のものが登録されている。
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ゲーム中のBGMは大部分がリニューアルされ、ピッチング/バッティング時には常にBGMが流れるようになった。
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対戦ケーブルを用いた通信対戦にも対応。
最終更新:2024年08月13日 00:36