チャンピオンベースボール

【ちゃんぴおんべーすぼーる】

ジャンル スポーツ

(画像は移植版)
対応機種 アーケード
発売元 セガ
開発元 アルファ電子
稼働開始日 1983年3月
プレイ人数 1~2人
判定 なし
備考 コンピュータ野球ゲームの基礎となった作品

概要

それまで投げる・打つ・守るだけのゲームだったコンピュータ野球ゲームに選手データを表示し、さらにバント・走塁・変化球の操作を完成させた、今日におけるコンピュータ野球ゲームの原点とも言えるソフト。

システム

  • 1レバー3ボタンで操作。ボタンは投球/打撃ボタン、盗塁ボタン、選手交代ボタンとなる。
    • 投球の際にはレバーの上下で球速の調整、投球後に左右操作で変化球になる。
    • 守備の際にはレバーで送球先のベースを選択、ボール補球後に投球ボタンで送球する。
    • 打撃の際にはボタンを軽く押すことでバントも可能。
    • 走塁の際にはレバーでランナーを選択、ボタンに応じて前進・バックが可能。
    • 投球/打撃の前に選手交代ボタンで選手の交代が可能。
  • ゲーム中の試合の得点とは別にスコアが設定されており、攻撃側のヒッティングや進塁、守備側のアウトカウント取得などで加算される。
  • 各イニング終了時にCPU側がプレイヤーよりも高い点数を取っていた場合はゲームオーバーとなる。
    • 9回裏までリードを守り切れば勝利となりボーナス加算後、チームを再選択した後リプレイとなる。
      • 店舗側の設定によりリプレイとならない(試合終了でゲームオーバー)ようにもできる。

評価点

  • 野球ゲームとしての操作を本作で確立したこと。
    • 概要にあるとおり、野球盤の延長のようなこれまでの野球ゲームに比べ簡単な操作でありながら多彩なアクションが可能になり、プレイヤーにも本格的に野球をプレイしている感覚を味わわせてくれた。
    • 今どのボタンでどんな操作ができるかが画面に常に表示されているため、ルールの把握もしやすい。
  • 当時としては臨場感あふれる演出
    • 当時としては珍しいサンプリング音声も使用しており、デモ画面でも聞けるため印象に残りやすい。
    • スライディング時に砂煙が上がったり、ヒッティング時に観客席からの鳴り物が響き渡るなど、試合に対する臨場感も高い。
  • コンピュータの野球ゲームとしては初めて選手の個性を打ち出した点
    • チームは当時のセパ両リーグの12球団を全て網羅。選手ごとに打率だけでなく打席や投法の左右が設定、さらに代打やリリーフも設定されており、実戦さながらのプレイを体験できるため感情移入しやすい。
    • 海外版ではメジャーリーグから選抜された12球団の選手データが使われている。

問題点

  • イニング経過時の難易度の上がり方が理不尽。
    • 特にこちらがリードしている場合はCPUは発狂でもしたのかと思うくらいに長打コースのヒッティングを乱発するため、対処できない場合は速攻でゲームが終わることも多い。
    • アーケード作品ゆえにインカムの面も考えなければならないため仕方のない側面もあるが。
  • バント攻撃がやたらと強い
    • 本作は野手の足が遅いため、通常の野球ゲームに比べ何でもないゴロでも余裕でセーフになるケースが多い。
      • そのため送球中の二重進塁・退塁との組み合わせで点を稼ぐという戦法がよくとられた。
    • 後期バージョンではこの対策がなされたバージョンも出た。
  • リプレイ時の演出があっさりしすぎている
    • 当時としては演出できる限界があるのは仕方がないとはいえ、さすがに勝利した後に客席からの鳴り物すらなくそのままリプレイなのはさみしいところ。

総評

初期の野球ゲームゆえに粗削りな部分も多いが、現在に至るまでの野球ゲームの基礎を作り上げたマイルストーンともいうべき作品。
本作以降の野球ゲームが本作の影響を何らかの形で受けていることからも歴史的に重要な作品と言える。

移植

  • SG-1000/SC-3000版
    • ローンチタイトルの一つとして発売。チーム選択はなく*1音声演出や選手交代の概念もないが、当時としては移植度は高い。2人対戦プレイ対応。
    • スコアの概念は廃止されている。また、1人プレイ時でも最終回まで無条件でプレイ可能でアーケード版のような理不尽な難易度上昇はない。

続編

  • チャンピオンベースボール2
    • 1984年稼働。2人対戦プレイに対応。
  • スーパーチャンピオンベースボール
    • 1989年稼働。タイトル画面にアルファ電子のロゴがあるので開発自体は明らかにアルファ電子だが、販売はSNK。グラフィックやシステムが大幅に変わり、球場が3つから選択できる、風向き・風の強さ・降水確率の要素によって試合進行が左右される、代打やリリーフを出す時に監督が選手の説明をしてくれる等、時代に合わせた順当な進化を遂げている。
    • ロケテスト時は『帰ってきたチャンピオンベースボール』というタイトルだったが、海外展開も考慮の上、現在のタイトルになった。ちなみに販促チラシにも『帰ってきたチャンピオンベースボール』の名は書かれているが『スーパーチャンピオンベースボール』が正式なタイトルである。
    • 後に『SNKアーケードクラシックス ゼロ』に収録された。ただしアドホックモード非対応のため2P対戦ができず、収録されているのも海外版のみ。

余談

本作の権利はセガではなくアルファ電子が持っており、現在はSNKが保有している。
そのせいか、サントラ「セガ SG-1000 30th アニバーサリーコレクション」では『セガ 野球ゲーム』とぼかされている。

最終更新:2021年08月30日 04:45

*1 1PがCチーム、2PがPチーム固定。それぞれセパ両リーグのオールスターチーム扱いとなっており、打者の設定もされている。