@SIMPLE DLシリーズ Vol.1 THE 密室からの脱出 ~不思議なクマドナルバーガー編~
【あっとまーくしんぷる だうんろーどしりーず ぼりゅーむわん ざ みっしつからのだっしゅつ ふしぎなくまどなるばーがーへん】
| ジャンル | 脱出ゲーム |  | 
| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | インテンス | 
| 発売日 | 2011年3月24日 | 
| 定価 | 500円(税込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | シリーズ第1作目 ドナルクマ初登場
 システム面に粗が多い
 マクドナルドではない
 | 
| @SIMPLE DLシリーズ | 
 
様々なアイテムを駆使して閉鎖空間からの脱出を試みる謎解きアドベンチャーゲーム。舞台は有名バーガーチェーン店「クマドナルバーガー」。昼食をすませ店内で寝入ってしまった主人公。目が覚めてあたりを見渡すと客も店員もいない。店を出ようとするが出口のドアが開かない。いま、生死を賭けた壮大な脱出劇の幕があがる。
概要
D3パブリッシャーがニンテンドー3DSのダウンロードソフトで展開した@SIMPLE DLシリーズの第1作目であり、『THE 密室からの脱出』シリーズ初のニンテンドー3DS対応作品。
これまではニンテンドーDSiウェアをメインに展開してきたが、今作から3DSへと移った。
プレイヤーは閉じ込められた場所からアイテムやヒントを見つけ出し、密室からの脱出を目指す。
ステージは全部で3つ用意されており、2通りのエンディングが存在する。
システム
- 
主な操作
- 
スライドパッド・十字ボタン・下画面のいずれかを使用して上画面に表示されているカーソルを動かし、調べたい物に合わせてAボタンを押して辺りを探索していく。調べたものが入手出来るアイテムだった場合、アイテム一覧に追加される。
- 
カメラワークは一人称でいくつかに固定されており、L/Rボタンまたは下画面を使うことで視点が変更出来る。
- 
アイテムはXボタンを押すことで使用状態になり、特定の場面ではそのまま調べることで変化が起きる。また、アイテムの表示画面でAボタンを押すと別のアイテムと合成出来る場合がある。
 
- 
DS版からの変更点
- 
スライド機能は削除され、代わりにマイクを使用する「吹く」機能が追加された。
- 
下画面だったステージの表示が上画面になり、これに伴って直接タッチして調べる方式からスライドパッド・十字ボタン・下画面のいずれかを使ってカーソルを動かし調べる方式になった。
 
評価点
- 
設定された謎の難易度
- 
謎解きにこれといった難所はなく、誰でも気軽に楽しめるような難易度になっている。
 
- 
印象の強い「ドナルクマ」
- 
その絶妙なビジュアルは勿論、最初のステージからして暗号の入力を間違えると全力で煽ってくるようななんともクセの強いキャラクターだが、本作独特のシュールな雰囲気を作り出すのに一役買っている。
- 
「MAD動画でネタにされている」など、モデルとなったであろう某有名バーガーチェーンのマスコットを思わせる小ネタもある。
 
- 
バーガーチェーン店という舞台
- 
それ自体が珍しい上、脱出のステージはイートスペースからスタッフルーム・厨房といったものがあり、舞台がフル活用されている。
- 
見慣れたハンバーガーチェーンの、普段は見ることができない舞台裏を気軽に見ることができ、楽しい。
 
- 
主人公の一人語り
- 
アイテムや周辺を調べた際、一部初回のみ主人公が調べたものについて話す。
- 
語りは短くまとまっており何を話すのかという面白味がある。
 
- 
エンディング分岐の存在
- 
トゥルーエンドルートでは追加ステージがあるためお得感がある。
 
賛否両論点
- 
操作性について
- 
ステージ探索の際タッチペンを使わずに操作することが可能になったが、いちいちカーソルを対象物に合わせなければならなくなった。
 
問題点
- 
テンポの悪さ
- 
視点を切り替える際や物を調べて動作をする際、やたらリアルよりの動きになっていて演出が長い。
- 
そのためかなりもっさりとした印象になってしまっており、ストレスを感じやすい。
 
- 
メモ機能の削除
- 
脱出ゲームにはほぼ必須なメモ機能だが、本作には搭載されていない。
- 
恐らく3DSの機能であるゲームメモの活用を見越しての削除だと思われるが、HOME画面に戻らなければ使えない為手間がかかり不便。
 
- 
マイク必須の「吹く」機能
- 
本作より新たなギミックとして取り入れられたのだが、ボタン等で代用することは一切出来ない。
- 
息を吹きかけるという動作を強制されるのはなかなかに面倒。外でプレイする時はそれなりの勇気がいる。
- 
主人公の行動をなぞることで没入感が味わえるというメリットもあるので、オンオフの設定が欲しかったところ。
 
- 
先にフラグを立てなければ入手できないアイテムが多い
- 
例えばコップを見つけても、先に別の場所を調べて「コップが必要だ」というメッセージを見ておかなければ、アイテムとして入手することが出来ない。そのため、本当はアイテムとして入手できるものを先に調べて見逃してしまい、行き詰まることがある。
 
- 
ヒントについて
- 
本作にヒント機能などは無いが、主人公がすべき行動を示唆する発言が多い。
- 
すべてを自力で解きたいという人やノーヒントの所で詰んでしまった人にはやや不親切。
 
総評
ニンテンドー3DSにハードを移してから初の『THE 密室からの脱出』シリーズ作品ということで調整不足からかテンポの悪さやシステム面の粗さが目につくが、脱出ゲームとしては充分な出来と言えるだろう。
余談
- 
本作の舞台「クマドナルバーガー」のイメージキャラクターとして登場したドナルクマは以降のシリーズでも頻繁に顔を出すようになる。
- 
本作においては表題通り不思議なマスコットという感じだが、シリーズが進むにつれてやたら自己主張してきたり、生きた本物のドナルクマが登場したりなど好き放題に振る舞うようになっていく。
 
- 
3DSのシリーズは以降も続編がコンスタントに製作され、2016年まで計13作が発売された。これらをセット収録したパッケージ版『THE 密室からの脱出 アーカイブス』も2作発売されている。
- 
しかし本作と第2作『THE 密室からの脱出 ~学校の旧校舎編~』、最終作『THE 密室からの脱出 ~大不自然キャンプ場編~』は『アーカイブス』には収録されておらず、3DSのニンテンドーeショップの終了に伴って購入不可になってしまった。
- 
ところが2024年に3DSシリーズのうち4作のNintendo Switchへの移植が行われ、その中に本作と『学校の旧校舎編』も含まれた。残りは第4作『THE 密室からの脱出 ~南国のリゾート編~』と第6作『THE 密室からの脱出 ~テレビ局密着24時編~』である。
- 
Steamでも配信され、4作をまとめたSwitchパッケージ版『THE 密室からの脱出 世にも奇妙な4つの話』も発売されている。
- 
これにより、めでたく本作と『学校の旧校舎編』は再び手に入るようになったが、『大不自然キャンプ場編』はこの機会でも移植されず未だ購入不可のままである。
 
- 
移植版は複数言語への対応の他、グラフィックがリファインされており、息吹きや傾けはボタン操作で代用する形式になっている。また、複数スロットへのセーブも可能に。
- 
一方、Switch版の十字キーは何故かアイテムの選択以外では利かなくなってしまい、カーソル操作は元より選択肢などもスティックで選ばなくてはならない。
- 
3DSシリーズ第3作『THE 密室からの脱出 ~セレブな豪邸編~』から登場した、ヒントが多く表示される「初心者モード」が第1作、第2作でも使用可能になった。
 
 
最終更新:2025年07月30日 09:05