テトテ×コネクト
【てとてこねくと】
ジャンル
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リズムアクションゲーム
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対応機種
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アーケード
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販売元
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タイトー
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開発元
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タイトー、LIONA (リオナ)
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稼働開始日
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2021年12月1日
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プレイ人数
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1~4人
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備考
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NESiCA・アミューズメントICカード対応 2024年11月30日ネットワークサービス終了
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判定
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良作
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ポイント
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液晶タッチ式のダンス音ゲー 存在感抜群の等身大パートナー 見た目とは裏腹に取っつきやすい初心者向けのゲーム性が魅力
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タイトー音楽ゲームシリーズ
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概要
タイトーからリリースされた音楽ゲーム。『GROOVE COASTER 4 MAX DIAMOND GALAXY』以来久々の新作音ゲーとなる。
ロケテストは2019年6月に開催され、当初は2019年末の稼働予定となっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により複数回の延期を重ねた末、2年以上遅れてリリースされることになった難産タイトルでもある。
あまりの延期ぶり(とロケテスト時の評判の悪さ)からお蔵入りとの噂も流れたが、公式ツイッター等は延期発表やプロデューサーの謝罪文を載せるなどして活動を続けていた。なお、初音ミクとのコラボ企画も2020年2月には発表されていた。
プレイ料金設定は近年の音ゲーで見られるポイント制である「GP」を採用。「100円90GP(実質3曲設定)」「300円320GP(実質10曲設定)」の2つのプランが用意されている。
1曲ごとに30GPを消費し、楽曲終了後に楽曲を遊ぶGPが不足した場合はゲーム終了かコンティニューを選べる(残った端数のGPは次回プレイ時に使える獲得コイン増加アイテム「ブーストクーポン」に変換される)。なお、選曲画面で制限時間を超過した場合の延長にもGPを使用できる。
特徴・評価点
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大型のタッチパネルモニターを用いた液晶タッチ式の音楽アクションゲームであり、画面に表示されるノーツをノーツ周囲のサークルが重なるタイミングでタッチやスワイプなどの操作を行うシンプルな操作性が特徴。
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ノーツはいわゆる通常ノーツの「ヒット」、矢印の方向にスワイプを行う「スラッシュ」、タッチしたまま表示されるガイドライン及びパートナーに合わせて動かす「トレース」、押しっぱなしにする「ホールド」の4種類で、それらに加えて特殊な演出とリズムの読み上げが入るヒットノーツ「スペシャル」が加わる。どのノーツも見た目がしっかり描き分けられており、ノーツの形による視認性で難易度を無駄に上げているということもない。
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なお、ノーツの配置は原則「モニター内で踊るパートナーキャラの振り付け」に合わせた配置となっているため、その気になればパートナーと全く同じダンスを決めることも可能。
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ノーツの色は2種類あり、標準設定では右手側が青色、左手側が赤色のノーツとなっている。ただしあくまで振り付けに合わせた色分けであるため、無視することも可能。
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クリアの成否はグルーヴゲージ方式を採用していた『GROOVE COASTER』とは異なり『maimai』などのようなスコア方式(最大1,000,000点)を採用。
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判定は「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「MISS」の4種類と少な目で、判定自体は甘すぎでもなく辛くもない絶妙な調整。
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クリアノルマは難易度によって変わるものの、稼働当初最高難易度の「ULTIMATE」でも750,000点と緩めの設定になっているためステージクリアだけならば比較的楽。
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譜面難易度は稼働当初は「STANDARD」「EXPERT」「ULTIMATE」の三種類と最近の音ゲーとしては少ない方だったが2022年の夏頃のアップデートから更に高難易度の「MANIAC」、ノーツ表記が一切無くなる「CONNECT」が一部の楽曲に順次追加されている。
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「MANIAC」ではクリア基準が800,000に上昇し生半可な実力だと僅かなミスも命取りとなる。「CONNECT」に関しては完全な覚えゲーでありレーティングには反映されない。
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クリアランクはアルファベットで表示され、最高ランクは「SS+」となる。スコアだけでなくコンボ数も考慮されるため、最高ランク取得のためには原則フルコンボ必須。
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なお、ダンスの振り付けは全譜面で異なる。当然高難易度になればノーツを増やすため動きの激しい振り付けが増えていく。
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バリエーション豊富な楽曲面
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「ロストワンの号哭」「初音ミクの消失」「千本桜」「ゴーストルール」といったボーカロイド曲、「Bad Apple!! feat.nomico」「ナイト・オブ・ナイツ」「月に叢雲花に風」といった定番の東方アレンジはもちろんのこと、「ようこそジャパリパークへ」「POP TEAM EPIC」「女々しくて」など、今となってはある意味レアな版権曲も収録している。
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オリジナル楽曲の参加アーティストにも「SHOHEI TSUCHIYA(ZUNTATA)」「星野奏子」「小坂りゆ」「NAOKI」「コテアニ&下田裕」「REDALiCE」「TECHNOuchi」「MASAKI(ZUNTATA)」といった音ゲーではおなじみの面々が揃う。
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プレイヤーと共に踊る魅力的なダンサー「パートナー」要素
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本作の目玉要素とも言える「パートナー」は全9名(+常設コラボキャラ1名と期間限定コラボイベントのキャラが1名)から自由に選ぶことができ、楽曲演奏中はそれらのパートナーがプレイヤーと同じ等身(アカウント作成時にプレイヤーの身長を設定でき、それに合わせてパートナー側が調整される)でダンスを披露する。
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キャラクター自体もポスターや宣伝ポップにも使用されている看板キャラのアンドロイド「ドロシィ」、陽気なダンサー「フィエル」といった比較的クセのないキャラクターに加え、和装の鬼っ子「葦原ゆはた」、クール気取りの熱血メガネ学生「相馬みやこ」、内骨格が露出した女性ロボット「ナイセム」、露出度が異様に高いロリアイドル「パティー」、上半身裸のショタ妖精「リム」、ゴリラの硬派なおふざけ要素皆無のダンサー「ゴアレ」とありとあらゆるニーズに答えたメンツが揃う。
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声を担当する声優陣も杉田智和、日高里菜、沢城みゆき、水瀬いのり、津田美波といった実力派声優が勢ぞろいしており、楽曲プレイ中はもちろんホーム画面や選曲画面、着せ替え場面など喋る場面が非常に多いので存分に楽しめる。
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好感度のシステムも実装されており、そのキャラを使い込んで好感度を上げれば上げるほどゲーム中に発するボイスもそれに応じて増えていく。
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ちなみにタイトー作品ではおなじみの登場キャラクターによるデモ画面でのメーカー名読み上げも行われるが、キャラによって「タイトープレゼンツ(葦原ゆはた)」「タイトーコーポレーション(ナイセム)」「株式会社タイトー(相馬みやこ)」としっかり読み上げ方を変えてくるという無駄な力の入れよう。
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充実のオプション設定
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「判定タイミングの調整」「左右反転」「楽曲の音量設定」といった昨今の音ゲーでは搭載して当たり前なオプション要素はもちろんのこと、「背景のフィルター機能」「ダンスステージ背景の固定化」「システムボイスの削除」「画面上部のプレイヤー情報削除」「ノーツの色や透明度の変更」「サークルの表示範囲変更」とかなり豊富なオプション設定が可能。
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楽曲プレイ中の強制終了機能も搭載。フルコンボや高スコア狙いの際の周回も効率よく行える。
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これらのオプション設定や着せ替え要素を考慮してか、選曲の制限時間は120秒とかなり長めに取られている。
賛否両論点
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譜面研究ゲーの側面が強め
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「トレース」のノーツはガイドラインこそ表示されるが動かす速度が一切わからないので「ゆっくり動かすと思ったら高速の振り付けで追いつけない」「高速だと思ったらゆっくり動かす振り付けでタイミングズレが発生」といったケースは日常茶飯事。幸いトレースノーツは合わせていた時間によって判定が決まるため、少しでも合わせられればGOOD判定くらいは取れるもののPERFECT判定は速度の暗記が必須。
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両手同時トレースや他ノーツとの複合配置になっている場合、それぞれに置く手を間違えたり動かす速度を間違えると片腕がもう片方の腕に引っ掛かり物理的に積む配置も出現する。
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おそらく前提としてダンス自体を覚えてもらうという設計がなされているためこうなっていると思われる。その前提のためか既存のタッチ式リズムゲームにあるような各ノーツ間で次のノーツに繋がるような誘導がほぼ見られないため、ダンス無視でノーツ配置とタイミングを覚える場合はかなり厳しくなりがち。
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振り付けに合わせた故、多重ノーツが発生する譜面も見られる。「月に叢雲花に風」「Heaven knows…」「アスノヨゾラ哨戒班」などが該当する。
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スコア度外視のクリア目標であればさほど気にならないとはいえ、各楽曲の難易度ごとに全PERFECT判定達成称号が存在するため最終的にはそこを目指すことになる。
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楽曲追加ペースとジャンル偏りに関して
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稼働2年近くは新規楽曲の追加ペースは半月に1曲程度と決して頻繁とは言えない。
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ただし本作の場合、ノーツの配置だけでなく全譜面にダンスの振り付けが存在するため譜面制作の手間が格段にかかるという点は考慮すべきだろう。
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また、楽曲追加ではないものの「譜面リニューアル」も行われており、既存楽曲の譜面や難易度を調整するなど運営側の努力は垣間見える。
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近年は同じアーケード音ゲーである『GROOVE COASTER 4』の実質的なサービス終了に伴い、予算割当に余裕ができたのか楽曲の追加数が3曲前後と初期と比べてペースは上がって来ている。
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ジャンルの偏りに関しては追加楽曲の大半が「バーチャル」ジャンルで占めており、次点で自社他機種の「オリジナル」楽曲が移植されている。
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そのバーチャルジャンルもVtubarのホロライブ関連が大半であり、ホロライブ+ボーカロイドorオリジナル楽曲移植が近年の追加ペースとなっている。
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逆に「アニメ・ポップス」、「バラエティ」に至っては稼働開始から現在に至るまで全く追加されておらず、「東方アレンジ」も2022年の2月を最後に追加されていない。そのため前述のホロライブ関連とボーカロイド曲以外の版権曲は他機種に比べ貧弱なラインナップが並ぶ。
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ゲーム中以外のキャラ要素の薄さ
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前述の通りキャラゲー要素も強めに押し出されているが、某厨二ゲームのキャラSTORYのようなものは一切用意されておらず、各キャラクター自体の掘り下げ等はほとんど行われていない。
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完全にゲーム外要素のため不要な人には不要ではあるがキャラ要素強めでこれでは思い入れが強くなりにくくもある。
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また前述の楽曲追加ペースに通ずる点でもあるが、せっかく声付きのオリジナルキャラクターが複数いるにもかかわらず各キャラのテーマソングがほとんどなく、稼働開始以降にコラボキャラを除いてインスト系テーマを含め一曲も追加されておらず、他社のキャラ要素強めタイトル等と比べて予算割当の少なさが窺えてしまう。
問題点
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着せ替えパーツの価格設定
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ダンサーの着せ替えパーツはいずれも数十万単位の価格設定。その一方で一回の選曲で稼げるコインは300前後しかなく、とてもではないが初心者が気軽に手を出せる代物ではない。帽子やメガネならまだしも全身コスチュームにもなればソシャゲも真っ青の貢ぎ額を要求される。
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ちなみにこの価格設定のためか、稼働直後に行われたコラボイベントでは万単位のコインをイベント報酬として用意していた。
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平常時のログインボーナスが受け取れない
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稼働当初は当日の初回プレイ時にわずかながらコイン等が貰え、プレイ日数を増すごとに貰える額が少し増えるというログインボーナスシステムがあったのだが、プレイ日数分のカウントが正常に行われない不具合が発覚した際に中止となった。
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イベント期間中に開始される同種のスペシャルログインボーナスは正しくカウントされ受け取れるのが救いか。
総評
近年の音ゲーに見られる「上級者目線のシステム」「初心者お断り」といった要素が控えめとなっている取っつきやすい音ゲー。
ダンサー等の要素は少々人を選ぶが、それでも総合的に見れば誰でも手軽に楽しめる良質な音ゲーと言えるだろう。
余談
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ノーツの一つ「スペシャル」はロケテスト版では「画面上のパートナーと同じポーズをとる」というノーツとなっており、画面上部にプレイヤーを認識するカメラも備え付けられていた。
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また、楽曲の開始前にはその曲で行うポーズの練習を行う要素も存在していた。
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製品版にもカメラ自体は備え付けられているが、上記のノーツに関するものは今の所一切登場していないため認識精度などの問題で没になったと思われる。これについては本作のプロデューサー等に関わったSiFi-TZK氏のブログでも触れられている。
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なおカメラはプレイヤーの目線認識にも使用されており、パートナーが目線をこちらに合わせてくれるのはこれのおかげである。
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開発協力として名を連ねているLIONAは、過去にニンテンドーDSで発売されたタッチパネル式のリズムアクションゲーム『押忍!闘え!応援団』の開発元としても知られているかつてのイニス及び(後継会社の)イニスジェイでもあった。
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テトコネの操作ルールはよくよく考えると一部簡略・カットされているものの前述の応援団とそっくりであり、いわゆる精神的な続編…と言えるかもしれない。
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設置店舗の少なさ
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本作は直営店である「タイトーステーション」と、全国チェーンの「ラウンドワン」でしか原則稼働していない。そのため稼働店舗数は少なめであり、「遊びたいのに近場にない」という事態が起きやすい。
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同時期にリリースされた『クロノサークル』や『DANCE aROUND』といったラウンドワン限定稼働タイトルに比べればマシではあるが、本作稼働の翌年に同社が制作した『MUSIC DIVER』で再び同じ事になってしまった。
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2024年11月30日にネットワークサービスを終了した。
最終更新:2024年12月05日 00:52