映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~
【えいが ごとうぶんのはなよめ きみとすごしたいつつのおもいで】
ジャンル
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ドキドキ卒業旅行ADV
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4
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発売・開発元
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MAGES.
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発売日
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2022年6月2日
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定価
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パッケージ版:7,800円(税別) 限定版:10,800円(税別) ダウンロード版:7,000円(税別)
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判定
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良作
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ポイント
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沖縄旅行を楽しむオリジナルストーリー
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少年マガジンシリーズ
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概要
春場ねぎ原作のかわいさ500%の五つ子ラブコメ漫画『五等分の花嫁』の終盤の展開をもとにした、アドベンチャーゲーム。公式の略称は「ごときす」。
五等分の花嫁のコンシューマーでのゲーム化は『五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~』に続いて2作目となる。
2022年に公開された映画では原作の学園祭(日の出祭り)を中心に展開されており、本作はそのアニメ映画を原作としたゲーム化作品となるため、タイトルに「映画」と入っている。2022年以降に展開されたコラボやグッズでも同様である。
日の出祭りの3日目の後夜祭が終わった後に他の姉妹に告白していたら…といったifのシナリオが特徴。
原作にはない五つ子と過ごす卒業旅行を楽しめる(原作では卒業旅行に行く直前で完結しており、行き先も沖縄と決まっていなかった)。
限定版には前作と内容が異なるシチュエーションドラマCD5枚組が同梱。内容は聞き手が上杉風太郎となって、五つ子それぞれとの新婚生活を体験できるというもの。
また、早期購入特典として「デジタルビジュアル集(媒体はCD)」が付いている。
そのため、CDケースは6枚収納可能なものになっている。
あらすじ
舞台は沖縄! 目的はキス!
五つ子と行く卒業旅行!
高校3年生最後の学園祭の後夜祭で、風太郎は自らの思いを五つ子の一人に伝え、お互いの気持ちを確認する。
それから半年後。
それぞれの進路へと進む春を前に、共に過ごす思い出を作ろうと考えた風太郎は五つ子たちに卒業旅行を提案する。
風太郎の胸の内には、もう一つの目的があった。
受験や卒業を迎えることを優先していた風太郎の恋の進展は、これまでスローペースだった。
このままではいけないと考えた風太郎は、旅行中に告白相手にキスをし、これから先の遠距離恋愛を乗り越えられるよう絆を確実なものにする決意をしたのだ。
行き先は沖縄。
果たして、どんな卒業旅行になるのか?そして、風太郎のキスは成功するのか?
(公式サイト ストーリーより抜粋)
ゲーム内容
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今回は前作のような育成要素はなく、単に読み進めるだけのゲームとなった。
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開始時に五つ子のうち一人を選んで告白する場面からストーリーが始まる。
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なお、みんなでルートは5人全員のエンディング(ノーマル・グッド問わず)を見た後に解禁される。
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つまり、ADVでいう個別ルートのみで所謂共通ルートが実質存在しない、といったところ。
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沖縄での卒業旅行でその告白相手との関係を深めていく。
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一般的なアドベンチャーゲームのように、会話パートで発生する選択肢によって風太郎ポイントが上がったりもする。
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旅行中に何度か移動選択があり、移動選択の時は3つの場所を選択することができる。基本的に五つ子とらいはを含めたメンバーが2人ずついる(1人しかいなかったり、3人いる場合もある)。
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最終的な風太郎パラメータの数値によってEDが分岐する。EDはそれぞれグッドとノーマルが2種類ずつ存在し、数値が一定以上だとグッド、一定以下だとノーマルになる。
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グッドエンドだと原作121,最終話の5年後の結婚式になり、ノーマルエンドだと風太郎上京後のエピローグが流れる。
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みんなでルートでは学園祭で誰にも告白しないルートなのだが、結局最後に告白することになる。そこでも五つ子分のEDが用意されている。
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つまりエンディングは1人当たり3つ、合計15のエンディングが用意されている。
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オートセーブが実装。場面が切り替わるとき、移動選択、選択肢の部分でオートセーブが行われる。
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クリア後に沖縄の観光ビデオが解禁される。ナレーションはらいは役の高森奈津美。
メインキャラクター
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上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう)
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主人公。家が貧乏であるため中野家の家庭教師を請け負っていた。卒業後は東京の大学に進学。
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中野一花(なかの いちか)
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中野家の長女。イメージカラーは
黄
で、風太郎のことを「フータロー君」と呼ぶ。髪型はアシンメトリーのショートヘアー。
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ある時期から休学しており、特例として卒業試験で合格することで卒業扱いとなった。女優として頑張る為に東京で過ごす予定。
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女優としての知名度が上がっているようで、それに関するアクシデントもあったりする。
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中野二乃(なかの にの)
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中野家の次女。イメージカラーは
紫
で、風太郎のことを「フー君」と呼ぶ(髪型を変える前は「上杉」と呼んでいた)。髪型は黒い蝶の髪飾りを左右に着けたツーサイドアップ。
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自分の店を出すのが夢であり、卒業後は料理の専門学校に進学。
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中野三玖(なかの みく)
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中野家の三女。イメージカラーは
青
で、風太郎のことを「フータロー」と呼ぶ。セミロングで右側が隠れるような前髪が特徴で、ヘッドホンがトレードマーク。
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風太郎のために料理が上手くなりたいと思っており、卒業後は二乃と同じく料理の専門学校に進学。
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中野四葉(なかの よつば)
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中野家の四女。イメージカラーは
緑
で、風太郎のことを「上杉さん」と呼ぶ。リボンがトレードマーク。
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風太郎が過去に会った京都の子の正体であり、原作で風太郎に選ばれたヒロイン。
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体育大学の推薦を取ったため、大学に進学。
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中野五月(なかの いつき)
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中野家の五女。イメージカラーは
赤
で、風太郎のことを「上杉君」と呼ぶ。星型の髪飾りとアホ毛が特徴。
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原作では序盤はメインヒロインっぽく見せていたが、結局風太郎への想いを恋に変えることなく終わっていた。
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亡き母が教師であったため、教師になる夢を叶えるために大学に進学。
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上杉らいは
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風太郎の妹。上杉家の家事担当。旅行に行く予定はなかったが、五つ子の意向で付いていくことに。
評価点
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原作ではありえなかった、四葉以外の姉妹が選ばれるifストーリーを楽しめること。本作の最大の魅力。
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原作では最終的に四葉が選ばれることになったが、原作の媒体が漫画である都合もあり、それに納得していないファンも少なくなかった。
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本作では四葉以外のキャラに告白したときの展開が見られる。もちろん原作と同じように四葉に告白したときの展開も見られる。
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一花・二乃・三玖は原作からして風太郎に恋愛感情を持っているのでそれが遺憾なく発揮されている。
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四葉は原作で選ばれたキャラなのでパラレルならではの喜びは少なめ。だが、告白後の2人の掛け合いを見ることができ、原作補完としても機能している。
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五月は一番パラレル色が強い。原作では恋愛から遠いキャラだったため、恋人っぽいことを積極的にしていく姿が描かれている。
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5年後の結婚式も五つ子それぞれのエピソードで見られるというところもファンにとっては嬉しいところ。
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この場面では選んだヒロインから他の姉妹への思いが聞ける。
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みんなでルートでは原作の「スクランブルエッグ」でも見られた五つ子ゲームが開始され、全員五月の姿と喋り方をしてくる。
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立ち絵が全部五月の姿で、移動選択でも名前でしか判別できない。五月が5人いるイラストもあったりする。
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その他、ファンならニヤリとする展開がいくつも存在している。前作『ごとなつ』に触れているものもある。
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沖縄が舞台となっており、沖縄旅行らしい展開もある。
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旅行のプランはルートによって異なり、行く場所や順番などで五つ子の個性が出ている。
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首里城、国際通り、海洋博公園、アメリカンビレッジなど、有名な名所を訪れながら旅行している。
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ビーチで水着になって遊んだりというものもある。
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場所を移動するごとに地図が出たり、ストーリー中でも解説が入ってきたり、ギャラリーで沖縄の名所の観光ビデオも見られたりするので、沖縄のことをあまり知らなくても楽しめる。
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チュートリアルが丁寧。
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今回はらいはがゲームの説明や各種エンディング条件などを教えてくれる。本作は単に読み進めるだけのゲームではあるが親切。
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グラフィック(立ち絵、CG、背景)のクオリティも高い。
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立ち絵も私服のパターンが前作よりも増えている。
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背景にも沖縄の名所をしっかりと表現できている。
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CGの量はどの姉妹も1人16枚(差分除く)ある。前述の五月が複数いるのはその他扱いになっている。
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サウンドのクオリティも高い。
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五つ子のメインテーマBGMのアレンジ、テーマソング「君の笑顔見たいから」も、イメージに合っている。
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前作『ごとなつ』のBGMも五つ子のメインテーマBGMなど10曲ほど引き続き使われている。
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アドベンチャーゲームで必要である機能は一通り備えており、システムに関しても充実している。
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オートモード、バックログ、クイックセーブや未読/既読スキップ、キャラごとの音量変更の機能も当然のように備えてある。前作にもあったシステムボイスも引き続き搭載。
問題点
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五つ子のストーリーそれぞれにバラつきがある。
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ネタバレなので詳細は伏せるが内容が多いものもあれば一人のストーリーが薄いこともある。
総評
今作は純粋にストーリーを楽しむだけの作品になっているが、それに見合うだけのストーリーが詰め込まれている。
四葉以外の姉妹が選ばれるifストーリーが見られるというのはゲームという媒体ならではこそだろう。
五等分の花嫁が好きな人には是非遊んでほしい。
余談
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本作は動画サイトでの実況・配信が公式にて禁止されている。
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ゲーム本体のキャプチャ機能もタイトル画面やプロローグ部分でしか使用できない。
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ギャラリーモードでも使用不可という徹底ぶりを見せている。
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早期購入特典にデジタルビジュアル集が存在しているのもこう言った理由があるのだろう。
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今作の序盤にある旅行先を決めるシーンであるが、映画「五等分の花嫁」とは少し展開が違い、映画の方では二乃が沖縄に行くことを提案していた。
最終更新:2024年08月20日 10:45