バックギャモン
【ばっくぎゃもん】
| ジャンル | テーブル |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ ディスクシステム | 
| 開発元 | インテリジェントシステムズ | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 監修 | 日本バックギャモン協会 | 
| 発売日 | 1990年9月7日 | 
| 書換開始日 | 1990年9月21日 | 
| 定価 | 2,600円(片面) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | アナログではちょっと難しいゲーム 最後の任天堂無印系タイトルゲーム
 出目調整のハンデを跳ね返さなければ優勝できない
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概要
ファミコンディスクシステム末期の頃1990年9月に任天堂が発売したソフトで、同名のアナログボードゲームをコンピュータゲーム化したもの。
『ベースボール』『テニス』『麻雀』『F1レース』らと同様、任天堂がファミコン草創期に現実で行われたスポーツやアナログゲームなどを、そのままゲーム化した無印系タイトルのゲーム。
日本バックギャモン協会が監修し、その名誉会長でもあるすぎやまこういち氏が一部BGMを担当している。
内容
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実際のルールをそのまま落とし込んだもの。ゲーム自体が日本ではマイナーな類なので、CPU同士のデモンストレーションプレーを通して解説するモードも設けられている。
 ルール自体はバックギャモンそのものなので各自で検索して欲しいところだが、大まかなルールは以下の通り。
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サイコロを振って15個のコマを任意にスゴロクのように動かし、すべてのコマをゴールさせればゲーム単位で勝ちとなり得点が得られる。
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サイコロは2つ振って、出た目の数だけ任意のコマを動かせる。ゾロ目の場合その出目の数分を4回動かすことができる。
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最初の条件では1点だが、流れの中でダブルアップをかけることができ、そのゲームの基本得点が2倍にできる。
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権利は交代で一度ダブルをかけると、次は相手しかかけられない(最初のダブルはどちらがかけても良い)。基本得点の最大は64点。
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拒否すると降伏負けのような扱いとなり、ダブルをかける前の基本得点が相手のポイントになる。
 
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ゴール時の状況に応じて得点に倍率が設けられている。
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相手のコマが1つも上がれていない場合は基本得点の2倍が得られる(ギャモン)。さらに相手のコマがバーの上、または勝者のインナーボード内に残っている場合は基本得点の3倍が得られる(バックギャモン)。
 
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何回かゲームを行い、合計得点が特定点に達すれば勝利となる。
 
ゲームモード
デモンストレーション
トレーニングプレイ
マッチプレイ
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1人用の対CPU対戦モード。
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5ポイントマッチ、11ポイントマッチ、エンドレスマッチの3通りのゲームができる。
 
トーナメント
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CPU相手に勝ち抜き戦を行う、ステージクリアを目指すモード。最大4戦を戦う。
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決勝に進むことができれば優勝・準優勝に応じてエンディングが見られ、それ以前で敗退すればゲームオーバーという扱いになる。
 勝利条件の点数は下記の通り。
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1回戦・5ポイント
 2回戦・7ポイント
 準決勝・11ポイント
 決勝・15ポイント
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このモードで優勝することがこのゲームの目的となる。
 
 
2プレイヤーズゲーム
評価点
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解説付きのデモンストレーションでゲームの流れを覚えられる。
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知らないとルールが少々ややこしい上に、ゲーム用語も初めて聞くものが多いこともあって説明書だけでは理解が難しいゲームなだけに親切設計。
 
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初回一発のロードで以後は不要。
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このゲームの特徴として、コツをつかまないと自分のコマが動かせない状況に陥り、サイコロが振れなかったり、バーから戻さなければならないのに、戻せない場所のゾロ目が出たりするとイライラがたまりやすいため、そんなケースではリセットに手が出やすい。
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そのためリセットでタイトルに戻るだけというのは、すぐやり直せるのは効率が良い。またリロードが挟まれると一層イライラして投げ出しにつながりかねない。
 
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当回でのコマの移動は記憶されており、何度でもやり直しができる。
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頭の中で考えるだけでは決めきれないこともあるので「もし、こう動かしたら」という思考を実際に見ることができる。
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最後のコマを動かしても強制確定にならず、そこからでもやり直しが可能。
 
問題点
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タイトルの通り無印系なので仕方ないが1990年のゲームにしてはかなり地味で時代遅れなイメージも否めない。
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ステージクリア型のトーナメントをクリアしても、エンディングは賞状が出るのみでだいぶ地味なものになっている。
 
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トーナメントモードではサイコロに恣意的な調整がされている。
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CPUは終盤でかなり遅れていると、5や6のゾロ目を出してくる。こちらはギャモンなど高得点の上がりが非常に狙いにくい。
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このようなゲームなので、こうでもしなければ難易度の調整が難しいのはあるにしても、不公平には違いない。
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プレイヤーのコマがバー上にいて、動けない(出せない)状況などではやたら嫌味まがいに5や6などの大きい目のゾロ目が頻出するのは、かなりイライラを募らせてくる。
 
総評
現実にアナログボードゲームでもできることだが少々マイナーなゲームであることとルールが少々ややこしいこともあって、コンピュータゲーム化したことでそれを活かしたCPUによるデモンストレーション解説などもあって、その理解しやすさを非常に高めている。
時期が時期だけに、ファミコン初期スタイルのアナログゲームをそのまま使った無印なゲームは少々地味臭さが否めないが、お手軽に楽しめるという点では決して悪いものではない。
その後の展開
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バックギャモン自身は麻雀、将棋、トランプ、オセロ(リバーシ)あたりに比べるとアナログでは一般家庭でさほど馴染みはない部類だがゲーム化は比較的されている。
余談
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片面ソフトとして発売のため、もう片面には好きな片面ソフトを入れることができた。
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そのため1988年から始まったカセット既存ソフトの片面移植とも好相性で、同時に本作自身も書換え可能だったため裏面を持て余していたカードに入れるのには最適だった。
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6月に発売された『ナイトムーブ』同様、当時ロムカセットに対し容量の上では不利になり、書換えやディスク自身の安価さを活かした「お手軽なゲーム路線」というディスクの新しいスタイルにマッチしている。
 
 
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このようなストレートな無印タイトルのゲームは以後任天堂からは発売されていない。
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日本の競技人口は推定20万人(約600人に1人)のバックギャモンだが、世界の競技人口は約3億人(約25人に1人)とかなり開きがある。(2021年時点の情報)
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2021年ともなれば上記の通り、DSやSwitchといったトップシェアのゲーム機でバックギャモンがプレーできた時代なので日本でもある程度馴染んだプレイヤーが多くなったきた時期と考えられるため、本作が発売された1990年頃ともなれば、その格差はもっと大きかったと思われる。
 
最終更新:2023年03月08日 01:27