ゲーム ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021
【げーむ どらえもん のびたのりとるすたーうぉーず にーまるにーいち】
ジャンル
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パーティゲーム
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売元
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フリュー
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開発元
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グルーブボックスジャパン
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発売日
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2022年3月4日
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定価
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6,578円
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プレイ人数
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1〜4人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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ドラえもんのパーティーゲームが復活、が… 水増しに次ぐ水増し、作業プレイの嵐 過去作からことごとく改悪
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ドラえもんシリーズ
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概要
フリューより発売されている、ドラえもん映画作品のゲーム化シリーズ『ゲーム ドラえもん』のSwitch第3弾。本作は2022年公開の『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』を題材としている。
これまでの作品は3Dアクションを基本としつつ、作品ごとの特徴を踏まえた独自の要素で肉付けしていく構成が取られていたが、本作では映画のシーンを題材にしたミニゲームを基礎に据えたパーティーゲームとしてリリースされた。
システム
まずは映画の物語をなぞる「ストーリー」を視聴する。視聴後はそのストーリーに登場する「ミニゲーム」と「ミニゲームパック」が解放され、規定回数これらを遊ぶことで次のストーリーが見られるようになる。これを繰り返し、ストーリーを全て見ればクリアとなる。
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ストーリーではADV形式で物語を読み進めていく。ミニゲームは1人プレイ専用で、クリアできなくても先に進める。
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ミニゲームは1〜4人でプレイする。COMの強さは選べないが、「かんたん」から「むずかしい」まで難易度を3段階で選べる。
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ミニゲームパックはミニゲームを何個かまとめたもので、全ミニゲームを終えた時点での合計得点で順位が決まる(ミニゲームは全て得点制)。
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ミニゲームとミニゲームパックには「○点とろう」のようにミッションが設定されており、クリアすることで簡単なひみつ道具の説明が見られる「コレクション」が手に入る(全100個)。
問題点
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あまりにも水増しがひどいシステム
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プレイヤーからすれば次のストーリーを早く見たいのに、すでにプレイしたミニゲームを何度も繰り返し遊ばないと解放されない。露骨なプレイ時間の引き延ばしであり、ストーリー経過に合わせたステージクリア型だったこれまでの『ゲーム ドラえもん』作品と比べて数段劣化していると言わざるを得ない。
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ストーリー1話ごとに解放されるミニゲームは最大でも1つ。新規ミニゲームが存在しないことまであり、同じものをただ遊ばせられる非常に作業感の強い進行となっている。
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ストーリーでは必ず「かんたん」で遊ぶことになるので難易度を変更したらどうか?と思われるかもしれないが、難易度の変更にもまたミニゲームのプレイ回数が必要。何から何まで繰り返しである。
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ミニゲームパックも結局のところゲーム側でミニゲームの順番と組み合わせが固定されたラウンドマッチでしかなく、ミニゲームを何回か遊ぶのと大差ない。
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内容が薄い
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ストーリー以外にできることは実質ミニゲームしかない。パーティーゲームを謳っていながら対戦方法はミニゲーム一択、ラウンドマッチも自由にゲームが選択できないというのはかなり残念である。
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ボードマップや好きなミニゲームを選んでのラウンドマッチができる、Wiiの『ひみつ道具王決定戦!』のほうがよっぽど遊びごたえがある。
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頼みの綱のミニゲームも、難易度違いを除けばわずか18個。アクションゲームのおまけならともかく、ミニゲーム主体のパーティーゲームでこの数となるとSwitchの作品としてはかなり物足りない。
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その他の問題点
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ラウンドマッチの得点集計はミニゲームごと共通ではなく各ゲームの得点をそのまま反映するため、点数が稼げる重要なゲームとそうでないミニゲームが生じてしまっていてバランスが悪い。
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パーティーゲームにおけるミニゲームのラウンドマッチというと、各ゲーム内の得点は関係なく順位ごとに固定された点数を割り振るのが普通である(『ひみつ道具王決定戦!』でもそうであった)。
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3Dのグラフィックやモーションも良くない。破壊した岩がエフェクトもなく一瞬で消滅したり、ぶつかった障害物が物理法則を無視した方向に吹っ飛んだり、喋っているキャラの口が動かなかったりとかなり杜撰。
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ドラえもんゲーのお約束だが、コレクションで見られるひみつ道具の説明は必要最小限レベルであり、ドラえもん公式サイトで見られる解説の方がよっぽど充実している。
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ミニゲームの難易度を変えるとCOMの強さもそれに合わせたものに自動で変わり、プレイヤーごと難易度を変えることもできないので、プレイヤー間で強さに差があるときの救済措置がない。
評価点
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ストーリー部分は話数ごとぶつ切りになっている問題点こそあるが、これまでの作品同様に重要な部分をカットせず収録している。
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また、フルボイスではないが主要人物に一通り声がついている。
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ミニゲームそのものの出来は悪くない。
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先述したエフェクト不足などが目立つものの、ルール被りや退屈なものが少なく、1人でもそれなりに楽しめる。
総評
久々のドラえもんのパーティーゲームということで期待したファンも多かったが、それを大きく裏切る出来となってしまった。
フィールド探索にミニゲーム・育成の要素を加えた前作『新恐竜』はもちろんのこと、3DS時代の作品と比較してもボリュームダウンは明らかである。同じミニゲームを何度もプレイすることを要求する、水増し感の強いシステムもそれに拍車をかける。
条件さえ満たせば進むことができ、ストーリーに特に問題は問題ないので、決して遊べないわけではないが、ゲームクリアまでには作業プレイによる大きな苦痛が伴うことは間違いないだろう。
荒削りながらもアクションゲームとして最低限の完成度を保っていた『ゲーム ドラえもん』シリーズだが、残念ながら本作は例外と言うべきと出来となってしまったことが惜しまれる。
最終更新:2024年03月21日 20:21