グレムリン2 THE NEW BATCH
【ぐれむりんつー ざ にゅー ばっち】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイ
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メディア
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1MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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サン電子
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発売日
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1990年12月21日
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定価
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3,400円(税別)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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原作再現・グラフィック・サウンドは良好 ゲーマーも舌を巻く難易度 ノーダメージクリアはほぼ無理
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概要
同名の映画を題材にした横スクロール型の2Dアクションゲーム。
同月にファミコンで発売された『グレムリン2 新・種・誕・生』とはまた別内容のゲームである。
『THE NEW BATCH』は映画の英題、『新・種・誕・生』は邦題のため原作はどちらも同じ。
ストーリー
水にぬらしてはいけない。
光にあててはいけない。
そして、真夜中の12時すぎに食べ物を与えてはいけない。
アメリカの平和な田舎町、キングストン・フォールズを恐怖におとしいれたあのクリスマスのグレムリン騒動から6年。
ビリーとケイトは、ニューヨークの若き成功者ダニエル・クランプの支配する、クランプセンタービルに勤めていた。
そこでビリーは研究所に捕らえられていたギズモに再会し、助け出す。
が、ギズモは自らの不注意で水にぬれてしまい再びあの手につけられない凶暴な、グレムリンが生み出されてしまった。
(取扱説明書より抜粋)
システム
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プレイヤーはギズモを操作し全4ステージを攻略するのが目的。ステージの最後にはボスが待ち構える。
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十字キーで左右移動。Aボタンでジャンプ。Bボタンで手持ちのアイテムを使って攻撃する。
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ギズモの基本武器はえんぴつだが、最終ボス戦では弓矢が装備される。Bボタンで横方向に発射されるが連射は不可。
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ライフ制でギズモの最大HPはハート4つ分。攻撃やワナによって受けるダメージがハート1つ分か1/2分と異なる。
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ステージ中のギミック
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ベルトコンベア
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パンチ
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グラブの絵が描かれたブロックで、乗ると左右にパンチが飛び出して敵を攻撃出来る。
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すりぬけ
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バネ
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タイミング良くAボタンを押す事で大ジャンプが出来る。
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トゲ
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ステージ中のアイテム
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えんぴつ
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取ると近接攻撃が出来るようになる。何度でも使えるがステージクリアすると失われる。
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えんぴつを取らずにボスエリアに入った場合、えんぴつは自動的に装備される。
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ラジカセ
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取るとギズモの頭上に「♪」のマークが表示され、この♪を飛ばして攻撃する事が出来る。使い捨て。
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道具箱
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取るとBGMが変化し、敵を体当たりで倒せるようになる。5回敵を倒すかトゲに接触すると効果は失われる。
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小さいハート
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大きいハート
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ギズモのHPを最大値まで回復する。取得すると専用のジングルが鳴る。
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ステージ1と3をクリアするとボーナスステージが挿入される。
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10カウントまでにAボタンorBボタンを連打してパンチングボールを100回叩けば1UPする。
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なお、残機を増やす手段はこのボーナスステージに限られる。
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HPが0になる、穴に落ちると1ミス。ステージ中でミスした場合はステージの最初から、ボス戦でミスした場合はボス戦から再開。
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残機が全て無くなるとゲームオーバーとなり、コンティニューするかタイトル画面に戻るかを選べる。
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コンティニューした場合、そのステージの最初からスタートする。またコンティニュー回数制限はなし。
評価点
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原作再現度が比較的高い。
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トマトを投げて攻撃する1面ボスの「ベジタブル」、自身がイナヅマ状となって画面中を動き回る3面ボス「エレキ」等、キャラクターの特徴や個性を上手く捉えている。
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ラスボス「スパイダーモホーク」を火のついた弓矢で倒すというのも原作通り。
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BGMが良質で耳に残りやすい。
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ステージ1~3は明るい曲調だが、一転して最終面であるステージ4では恐怖感のあるBGMになる等、雰囲気作りにも貢献している。
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道具箱取得時のBGMも軽快で聴いていて楽しい。
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グラフィックが綺麗。
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デモシーン時やゲームオーバー時の一枚絵は非常に力が入っており、この辺りはさすがサン電子と言ったところ。
問題点
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難易度が高すぎる。この一言に尽きる。
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後述するように全体的にプレイヤーに不利な要素が多く、攻略には相当な忍耐を要する。
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コンティニュー回数に制限がないのが唯一の救いである。
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プレイヤー(ギズモ)が弱い。
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ダメージを受けると初撃に限りしばらく硬直する。この為追尾系の敵に纏わりつかれて連続ダメージをくらう事が多い。
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メイン武器のえんぴつが頼りない。攻撃モーションに入るまでに僅かなラグがある上にリーチが短く、距離感を誤ってダメージを受けやすい。
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えんぴつも次のステージに進むと失われてしまう為また拾わなければならない。
無くすなよ
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一回限りの飛び道具(音符)も蛇行しながら飛ぶ上に一定距離で消えてしまうため敵に当てづらい。
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敵の攻撃に避けにくいものが多い。
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コウモリの敵はこちらがジャンプすると上昇してしまう上に、時折こちらに突っ込んでくる事があり対処しにくい。
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2面ボス「バット」が上空から出してくる小さいコウモリ(上記のコウモリとは別)はギズモ以上の速さで降下してくる為、回避が困難。
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ラスボスは上から蜘蛛を降らせてくるだけだが、ダメージを与えていくと蜘蛛が出現するスパンがだんだん短くなっていき最終的には避ける隙間がなくなる。
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ステージのレベルデザインが尖っており、悪くいってしまえば陰険である。
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『ドラキュラ伝説』や『ロックマンワールド3』のような足場ギリギリから、かつ天井に頭をぶつけないように次の足場へ飛び移らなければならない箇所が非常に多く、ステージ2からその片鱗を味わう事になる。
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ステージ3では上記のギリギリジャンプに加え、トゲをジャンプでよけながら高速移動する足場を乗り移っていく場面が厳しい。
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特にステージ4の難易度は鬼畜。ここがクリアできずに断念したプレイヤーも多い。
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開幕からバネを利用した垂直ジャンプを要求してくる。ここでの残機ロストは日常茶飯事。その後はトゲを避けつつバネで微調整しながら飛ぶ動作を3回もやらされる。
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しばらく進んでいくと今度はバネジャンプしつつ対岸から飛んでくる弾を避けなければならない。ここが第2の嵌りポイントであり、上記のダメージ硬直もあって突破に難儀する。
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さらに進むとギズモがすりぬけブロックに隠れてしまい、トゲと足場しか見えなくなる箇所も存在しここもかなりの難関。ただし、ここは手前でラジカセを取っておくと頭上の♪がすりぬけブロックの手前に表示されるようになるのでいくらか楽にはなる。
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最後の最後では冗談抜きでドットフレーム単位の誤差が許されないジャンプをしなければ確実にダメージを喰らう場面がある。
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ボーナスステージの有難味が薄い。
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2回しかない上に上記の通りパターン構築には何度も何度もミスする必要があるゲームなので、1UP程度ではもはや焼け石に水。
総評
良質なサウンド・綺麗なグラフィック・シンプルなゲーム性…と、うまく纏まっている。
が、理不尽に片足を突っ込んだ高すぎる難易度が足を引っ張ってしまったどうにも惜しい作品。
腕に自信のある人は挑戦してみよう。高難易度だけにクリアした時の達成感もひとしお…かもしれない。
余談
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先駆けて1990年12月14日にFCで発売された『グレムリン2 新・種・誕・生』は本項のGB版とゲーム内容が大きく異なり、見下ろし型のアクションゲームになっている。
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映画『グレムリン2』を原作としたゲームなので『2』と付いているが、国内では前述のようにFC/GBでそれぞれ『グレムリン2』が発売されたものの、初代『グレムリン』のゲームは未発売だった。
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そのため、『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』や『聖飢魔II 悪魔の逆襲!』等のように「1を探し回ったが見つからないゲーム」とネタにされることもある。
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なお『キングコング』と同様に、海外では1984年にAtari2600で初代映画を原作としたアクションゲーム『Gremlins』が発売されている。
最終更新:2023年09月19日 15:40