小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス
【こばやしさんちのめいどらごん さくれつ ちょろごんぶれす】
小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス DIRECTOR'S CUT
【こばやしさんちのめいどらごん さくれつ ちょろごんぶれす でぃれくたーず かっと】
ジャンル
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飛んで、撃って、殴って、 超!爽快シューティング
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4 Windows (Steam)
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発売元
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ブシロード
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開発元
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カミナリゲームス
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発売日
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【Switch/PS4】2022年3月24日 【Win】2022年10月27日
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定価
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4,680円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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ボリューム少なすぎ なぜSTGで出した?
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概要
アニメ『小林さんちのメイドラゴン』のゲーム化作品。
原作は人型に変身できる「ドラゴン」と人間との交流を描いた日常系の作品だが、本作は登場人物がゲームの世界に吸い込まれたという設定のもと、彼女らを操作するシューティングゲームとして作られている。
まずSwitch/PS4版がリリースされたのち、ゲーム内容が調整された『DIRECTOR'S CUT』がSteamで発売され、Switch/PS4版でも同等の内容のアップデートが配信されている。
システム
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基本は見下ろし視点の弾幕型シューティングで、大量の攻撃を避けつつ自弾をぶつけて敵を倒し、得点を稼いでいく。最後に登場するボスを倒せばステージクリア。
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自機は以下の3キャラクターで、ステージ中で自由に切り替えられる。
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トール…メイド服・金髪のドラゴン。HPが最も多く、攻撃力も高い。前方に直進する強攻撃とホーミングする小攻撃を同時に放つ。
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カンナ…白髪の小柄なドラゴン。HP・攻撃力とも最小だが、攻撃がホーミングし、一定間隔で敵弾を消すバリアも展開する。
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エルマ…槍を持った黒髪のドラゴン。HPは中間程度だがぶっ飛ばしの威力が強い。攻撃は一様に拡散する弾を放つ。
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HPは3体それぞれに設定されており、使用中のキャラ以外はほんの少しずつ回復する。ただし、HPが0になってしまったキャラは以降一切使用できず、HPも回復しない。3体のHPが全部無くなるとゲームオーバー。
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攻撃は基本技のほか、スーパーアーマー状態で敵に突進する「ぶっ飛ばし」、画面全体にダメージを与える「ちょろゴン☆ブレス」の3種類。ブレスは時間経過でDゲージが溜まると発動でき、最大3発分キープできる。
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敵を倒すと「竜玉」というパワーゲージが溜まり、多くなるほど攻撃力が上がっていく。
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ステージ中にはコレクション要素として「ピース」と「秘宝」が出現する。詳細は後述。
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敵の数や攻撃の激しさが変わる難易度は5段階。他に5段階の「リスクレート」の設定があり、高いほど1発ごとのスコアが高くなり、ピースや秘宝が出やすくなる。一方でコンボ時間は短くなり、初期HPが減ってしまう。
ゲームモード
ゲームプレイ
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ストーリー…オリジナルストーリーに沿って全ステージクリアとハイスコア更新を目指す。
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ボスラッシュ…ボス戦だけをプレイする。全ステージのボスと連戦することも、選んで戦うこともできる。
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ステージ探索…1ステージだけをプレイする。
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ルコアチャレンジ…最終ボスの「ルコア」と相手体力が無限かつこちらのHP回復がない状態で戦い、どれだけ長く耐えられるかに挑む。攻撃を当てるごとに得点が入り、スコアとして記録される。
コレクション
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想い出のかけら…様々な絵師が手掛けたキャラクターのイラストを閲覧できる。イラストはステージ中でピースを集めることで部分的に埋まっていき、完成するとミニボイスが聴ける。
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秘宝格納庫…簡単な解説付きのコレクションアイテムである秘宝を閲覧できる。
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ギャラリー…ストーリーの一枚絵や、ゲームに関する設定資料を閲覧できる。ゲームの進行状況により追加されていく。
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キャラクター…登場人物の解説やボイスを閲覧できる。
ランキング
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「ストーリー」「ボスラッシュ」のオンライン・オフラインそれぞれのランキング、「ステージ探索」のオフラインランキングを確認できる。
ゲーム設定
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一部ゲージの初期値や音声・キーコンフィグの設定、スタッフロールの閲覧ができる。
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ゲーム開始時の設定とは別に、HPを1%〜200%、Dゲージのキープ値を3〜5に変更できる。ただしこれを変更するとオンラインランキングには登録されない。
評価点
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シューティング部分の完成度はそれなり
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性能の全く違う3種類の自機を操作してステージクリアを目指す、昔ながらのシンプルスタイル。
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原作と合っているかはともかく、敵弾の動きや自機の操作性もまさしくクラシックなそれであり、安定した楽しみやすさである。
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一方で操作キャラを途中でチェンジできるシステムは採用例が少なく、ある種キャラゲーに合った仕組みが採用されている。
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難易度は5段階から設定でき、最低難度ならSTG慣れしていない層にもとっつきやすい。
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コレクション要素が集めやすい
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後述の通りライトゲーマーには敬遠したくなる仕様のストーリーモードだが、ピースや秘宝はステージ探索でも集めることができるため、1プレイに時間をかけることなく集めきれる。
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集められるイラストには自重しないサービスカットが多数あり、作品ファンなら全部集めたい。
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演出面
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ストーリーはもちろん、モード選択からチュートリアルまで全てフルボイスである。
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ステージの道中では小林とルコアによる掛け合いがあるほか、進行状況に応じてキャラクターのカットインが入る。設定で消すこともできる。
問題点
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原作とSTG部分の繋がりが非常に薄い
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本作最大の不評点。原作でも一時的なシリアス展開として派手な技が登場したことがあるとはいえ、ほぼ無関係なシューティングにされたことには疑問の声が多い。
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「ファフニールが遊んでいたゲームの中」という設定もあってステージや敵キャラの意匠には原作らしさはほぼ皆無。自機キャラの攻撃も特に原作での技を反映しているわけではなく、ガワだけがアニメ風になっている感が否めない。
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ストーリーはあるにはあるが本当に申し訳程度のもので、途中セーブの類も一切なく、実態は何度も周回してハイスコアに挑戦することが前提となるゴリゴリのアーケードスタイルである。ライトなゲーマーにはハマりにくいだろう。
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ボリューム
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5000円のソフトで全6ステージというのは、難易度によるバリエーションを考慮してもかなり少ない。ストーリーも1種類しかない。
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最低難度でもコレクションはそこそこ集まるので作業ゲーにはなりにくいが、その分ゲームに熱中できなければ遊べなくなるのも早いといえる。
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グラフィック
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露骨な手抜きというわけではないが、3D部分の出来はSwitch/PS4の作品として高いとはいえない。
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一瞬しか表示されないものの、ちょろゴン☆ブレスの際のドラゴンのグラフィックは前世代ハードレベルといっても過言ではない。
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イルルの扱い
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アニメでは2期から登場するキャラクターであるイルルの登場機会が妙に少なく、メニュー画面以外ではストーリーモードの終盤に少し登場するだけ。
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しかも立ち絵は原作で登場直後のみ見られたドラゴン腕・パンツ丸出し状態のもの。2期放送終了からかなり経ってから発売されたのに、どうしてこうなった。
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一応新録ボイスは存在する。
総評
原作とはほぼ無関係な内容のゲームにされたうえ、ストーリーもごく簡素であり、原作ファンからの評価は散々なものに。
シューティングゲームとしての出来には肯定的な声も多いが、いかんせんボリュームが価格不相応のため、ここでも良ゲーと評されるには至らなかった。
キャラゲーとしてもSTGとしても中途半端な部分があまりにも大きく、人気作品のゲーム化としては残念なものと言えるだろう。
余談
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失敗ゲー扱いされることも多い本作だが、STGとして展開するに至るまでには原作者の意向もかなり反映されているといわれており、一概にマーケティングだけの問題とは言い切れない。
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また、STG市場は2010年代半ばから冬の時代に突入しており、商業ベースで新作が出されること自体かなり珍しいくらいには衰退していた。そういう意味ではある意味貴重な作品とも言えなくはない…かもしれない。
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アニメ1期と2期の間に公開されたショートアニメ『ミニドラ』には、トールを操作キャラとするファミコン風のSTGが登場する。
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本作の開発を手掛けたカミナリゲームスは『III』以降の雷電シリーズや『カラドリウス』などを手掛けたMOSSの子会社として2018年9月に設立されたデベロッパー。これまでにも『雷電V Director's Cut』や『カラドリウス ブレイズ』のSwitch移植を手掛けている。
最終更新:2023年11月11日 16:00