ボンバーマンストーリーDS

【ぼんばーまんすとーりーでぃーえす】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 ハドソン
開発元 アンブル
発売日 2007年3月21日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~8人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 良作
ボンバーマンシリーズ


概要

ボンバーマンを主役としたアクションRPGの(ボンバーマンクエストから数えれば)第四作目。
ゲームボーイアドバンスで発売された『ボンバーマンストーリー』の続編にあたるが、ストーリー的には特に前作とのつながりはない。

ボンバーマン定番の対戦モードもあり、最大で8人まで対戦が可能。


ストーリー

(説明書より引用)
はるかかなたの銀河系……。
そこでは、さまざまな種族がともに暮らし、星ぼしの間を行き来していました。
人々は、どんなに小さなことでも困ったことがあれば、慈善団体「ジャスティスライツ」に連絡し、事件を解決してもらっていました。

ある満月の夜、ジャスティスライツ研究所から「ボラトル」というものに関するデータがまるごと盗まれてしまうという事件が起こりました。
どうやらプロフェッサージールという人物がその事件に関わっているようなのです。
総帥のウォルフェマンと主任研究員のDr.アインは相談の上、結成されたばかりだがもっとも信頼のあるチームに捜索を依頼することにしました。
2人は、万が一事態が悪化した場合は、ある男を呼び寄せることを決めていました。
その男の名はしろボン、彼は宇宙の平和を守るボンバーマンなのです。


システム

  • ストーリーモード
  • ボンバーマンを操作して敵を倒したり、仕掛けを解いたりしながら冒険を進めていく。
    • 敵への攻撃はもちろん爆弾。なお本作における爆弾は円形に爆発する。
    • 本作には経験値とレベルの概念が存在し、一定の経験値を溜める事でレベルが上がりボンバーマンが強化されていく。
      • 爆弾の火力や一度に置ける数が上がったり、ボムキックを習得したり、爆弾を置いてから爆発するまでの時間や爆弾を投げた時の飛距離まで決められるようになる。
    • また敵を倒すといろんなアイテムを落とす。実用アイテムの他にショップで換金するためのアイテムが多く存在。本作は敵を倒しても直接お金は手に入らないのでこれが本作の資金源となる。
    • 本作のボンバーマンは体力制である。大きなハートが小さなハート5つ分。なくなればゲームオーバーとなる。
  • 各エリアには町か村が存在し、住人に話を聞く事が出来る。中にはサブイベントが発生する事も。
    • 町や村にはショップも存在し、アイテムの売買ができる。
  • 行く先々には多くのトラップも存在。トラップの攻略はミニゲームとなっている。
    • 一部のミニゲームは始まる前にDr.アインの説明を見る事ができる。
  • 各エリアに存在するダンジョンの奥にいるボスを倒すことでそのエリアはクリアとなり、次のエリアに進めるようになる。
  • 今作にはカラーボムというものが存在し、状況に合わせていろんなボムを使い分ける事が出来る。
    • ただしノーマルボムを除いてカラーボムには個数制限があり、なくなると使用できなくなる。
カラーボムの種類 解説
ノーマルボム 特殊な効果は何もない普通のボム。個数制限がなく扱いやすい。
エサボム 置くと敵が集まってくるボム。ただし威力は低め。効果がない敵もいる。
クロスボム 爆発すると上下左右の4方向に火の玉が飛ぶ。火の玉は壊せるブロックを貫通するのでブロック破壊に役立つ。
パイルボム 投げて重ねる事で威力が増す。4つまで重ねる事ができる。単発の威力も高めで重ねずとも硬い敵に効果的。
バリアボム 持ち上げている間は無敵になる。ただし制限時間あり。投げて地面に当たると即座に爆発する。
リモコンボム 置いた後Bボタンを押すことで任意のタイミングで爆発させる事が出来る。
プロウボム 投げると円状に、蹴ると直線状に分裂するボム。おかげで広範囲に攻撃できる。
シャイニングボム 特定のボスに効果的なボム。使うと他6種のカラーボム全ての個数が1個減る。
  • カードボックス
  • ストーリーモードに登場する敵やアイテムをカードとして見る事ができる。
  • アイテムカード。ストーリーモードで手に入れたアイテムを見る事ができる。
  • スレッドカード。ストーリーモードで登場する敵の情報を見る事が出来る。このカードはストーリーモード内で手に入れなければならない。
  • トラップカード。ストーリーモードでクリアしたミニゲームを再度プレイする事ができる。
  • ボンバーマンバトルパック
  • ボンバーマンおなじみの対戦モード。こちらではストーリーモードと違い爆弾は十字型に爆発する。
  • シングルプレイは一人用モードで最大7人のCOMと対戦ができる。
  • マルチプレイでは最大8人までの対戦が可能。DSカードが一つしかなくても持ってないプレイヤーがダウンロードする事で対戦できる。
  • Wi-FiではニンテンドーWi-Fiコネクション(現在はサービス終了)を使ってのネット対戦ができる。参加できるのは一度に4人まででそれ以外はCOMが担当。つまり参加人数が3人ならCOMが5人入る。
  • 今作では選んだステージによって対戦のルールが異なる。
    • ノーマルバトル。いつも通り爆弾の炎で相手を倒し、最後まで生き残ったプレイヤーが勝利。
    • クラウンバトル。ステージ内に置かれている王冠を最初に取ったプレイヤーの勝利。
    • パネルバトル。爆弾の炎で床の色を変える事が出来、もっとも多くの床を塗り替えたプレイヤーの勝利。
    • Wi-Fiではノーマルバトルのみ。
    • いずれのバトルも勝利数で競う「トロフィー」かポイント合計値で競う「スコア」か選ぶ事ができる。
  • なお本作は同じくニンテンドーDSで発売された『Touch!ボンバーマンランド』とも対戦が可能。

評価点

  • ストーリーモードの難易度は低めで初心者にもとっつきやすい。
    • 一方で終盤のボスは手強く、ただ簡単なだけでもない。
  • セーブポイントはかなり頻繁に置かれており、セーブに困るという事はほぼない。携帯機のゲームである以上手軽にセーブ出来るのはありがたい。
  • カラーボムはなかなかに個性が強く、状況に合わせて使い分ける楽しさがある。
    • またカラーボムは個数制限こそあるものの店で買えたり、壊せるブロックの中から出てきたりと意外と頻繁に手に入る。少々無駄遣いしても問題ない。
  • 途中で入るミニゲームが良いアクセントになっており、単に敵を倒し続けるだけの単調なゲームにはなっていない。
  • ストーリー前半で手に入るアイテム「ホーミングローブ」が非常に便利。
    • 装備すると投げた爆弾が自動で近くの敵に向かっていく。少しくらいなら軸がずれていても当たってくれる。ザコ敵相手に非常に役立ちゲームのテンポも良くなる。
  • カードボックスのコンプリートを目指すやり込み要素もある。コンプリートはかなり難しいが…(後述)
    • ちなみにカードをコンプリートするとおまけムービーとジャステイスライツのメンバー5人+Dr.アインのカードを見る事が出来る。
  • バトルモードも相変わらずの面白さ。単純ながら出来はいい。後述する問題もあるが…

問題点

  • アイテムカードのコンプリートが難しすぎる。
    • 問題となるのはサブイベント関連のアイテム。というのも今作のサブイベントはそのエリアのボスを倒すと発生しなくなる期間限定イベントなため。
    • もし入手しないままボスを倒すともう関連するアイテムは手に入らない。最初からストーリーモードをやり直すしかない。
    • サブイベント自体も、特定のキャラに何度も話しかけないと発生しなかったり、わざと失敗しないとアイテムが入手できないなど、一筋縄ではいかない。
  • スレッドカードの入手が面倒。
    • スレッドカードを入手するには各エリアにいる特定のキャラに特定のアイテムを渡す事で手に入る…のだが入手できる種類も枚数もランダム。
    • つまり、すでに手に入れたカードがダブる事はしょっちゅう。直前にセーブしておけばやり直す事が可能だが…
      • ここでさらに面倒な事にこのゲーム、ストーリーモードからタイトルに戻ったりゲーム自体をリセットする方法がない。最後のセーブからやり直すためにはゲーム自体を一度やめてまた始める…という面倒な事をしなければいけない。カードのコンプリートを目指すとこの作業を何度も繰り返さなくてはならない。
  • トラップカードの種類が不完全。
    • トラップカードはストーリーモードのミニゲームを完全網羅しているわけではない。
    • 収録されているのは直前にDr.アインの解説が入るタイプのみ。それ以外のミニゲームは収録されていない。
      • 例えば2面でコンブに集る虫を退治するイベントのミニゲームは収録されていない。他にも収録されていないミニゲームは多い。
  • ミニゲームの一つ「かぜにのせて」が難しすぎる。
    • 4面の途中で挿入されるミニゲームであり、本作で唯一DSのマイク機能を利用したミニゲームである。
    • 飛行するボンバーマンを天井の岩や下のマグマに当たらないように操作するのだが、この操作にマイクを使う。マイクに息を吹きかける事でボンバーマンが吹き上がり、それがない時は下に落ちていく。
    • 慣れないうちはいくら息を吹きかけてもボンバーマンがろくに上がらずマグマに落ちていく事になる。幸い一発アウトではないが、それでもゴールまでたどり着くのは至難。何度も挑戦して自分なりのコツをつかむまで頑張るしかない。
    • そしてこのミニゲームをクリアしないと先に進めない。恐らく今作の最大の詰みポイントと思われる。
  • 一部のカラーボムが使いにくい。
    • エサボムは敵を引き付ける効果こそあるものの、いかんせん威力が低すぎて攻撃には向かない。
      • エサボムは置いてから爆発するまでけっこう間があるので、その間に別のボムで攻撃した方が効率的。
    • シャイニングボムは手に入るのが本当に終盤で、しかも手に入れるために必要なアイテムが多い。にもかかわらず、威力は並で特殊な効果もなし。唯一の効果は5番目に戦うボス「ガフネ」に対して効果的というだけ。つまりガフネを倒した後に手に入れた場合は本格的に役立たず。
      • 他のカラーボム全てを消費する特性上もっと強くても良かったはず。
  • ジャスティスライツのメンバーの存在意義。
    • 今回ボンバーマンの仲間としてジャステイスライツのメンバー5人が登場するのだが、彼らは敵に捕まってしまう。
    • そして助けた後も特に役立つ事はなく、ストーリー的にはほぼ意味のない存在と化してしまっている。仮にも銀河系に知られる慈善団体のメンバーとしてそれはどうなのか…
  • ボスのサイズ感がおかしい。
    • 各エリアのボスは「ロードオブギャラクシー」と呼ばれる組織のメンバーなのだが、彼らはいざ戦闘に入ると何の説明もなく大きくなる
    • 特に2面ボス、4面ボス、そして最終ボスはほぼ人間に近い姿のため、ボンバーマンとのサイズ差ですごい違和感が出る。
      • 設定上5番目のボス「ガフネ」のサイズもおかしい事になる。
    • かつての凶悪ボンバー5人衆のように大型メカに乗り込むのではダメだったのだろうか…せめて大きくなる理由だけでもあればもうちょっとマシだったろうに…
  • 各ダンジョンの敵が見た目がほぼ同じのロボットばかり。
    • ダンジョンの敵は「ロードオブギャラクシー」の戦闘員であるロボットしか出てこない。もちろん攻撃はいくつか種類があるものの、外見は同じであり、それがラスダンまで続くのでいまいち個性が足りない。
  • ダンジョンの特定のポイントでザコ敵が前触れもなく突然出現する事がある。
    • 本当に突然現れるので対処が難しい。しかも狭い道に現れる事も多い。
  • バトルモードに出現するアイテムの種類が過去作と比較してかなり少ない。
    • 今作のバトルモードに出現するアイテムは基礎能力を上げる「ファイアーアップ」「ボムアップ」「スピードアップ」。逆に能力が下がる「ファイアーダウン」「ボムダウン」「スピードダウン」。そして特殊アイテムの「ボムキック」。これだけである。
    • 本作より先に発売されたDS版『ボンバーマン』で登場した「ボムパンチ」「ラインボム」「ボヨヨンボム」などは未登場であり、なんとシリーズでおなじみの「ドクロ」ですら出てこない。
    • 「ハート」*1のアイテムも出てこない関係か、ハンデをつける際にもハートは持たせられないため、ハンデとしてはいささか弱い。
    • そのためバトルモードに限って言えば『ボンバーマン(DS版)』より劣化していると言わざるを得ない。

総評

色々問題点はあるものの普通に遊ぶだけなら支障のあるものは少なく問題なく遊べる作品。
ストーリーモードは初心者にもとっつきやすい難易度で、バトルモードもシンプルな内容ながら出来はいい。
どうにもマイナーな所は否めないがゲームとしての出来は決して悪くないので、気になった方はプレイしてみるのもいいだろう。

最終更新:2024年03月18日 21:59

*1 持っていればダメージを受けても一回だけ耐えられるアイテム