MOTESOLO ~非モテ男の恋愛奮闘記~
【もてそろ ひもておとこのれんあいふんとうき】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション5 Xbox Series X/S プレイステーション4
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開発元
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INDICAVA INTERACTIVE
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販売元
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CFK
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発売日
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【Switch/PS5/XSX】2023年11月30日 【PS4】2024年3月28日
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定価
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2,178円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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IRAC:12+
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判定
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良作
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ポイント
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全編実写動画のインタラクティブムービー 非モテの男性にはいろいろと刺さる内容
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概要
韓国のインディーゲームスタジオINDICAVA INTERACTIVEによって開発された作品。
全編通して実写の動画によって進行する、いわゆるインタラクティブムービー系のゲームであり、プレイヤーの選択によってストーリーの展開や結末が変化する。
2021年のKorea Game Awardsでは「インディーゲーム賞」を受賞した。
タイトルの「モテソロ」は「彼女いない歴=年齢」を指す韓国のスラング。またSteam版のタイトルは「母体ソロ」となっている。
ストーリー
30歳になっても一度も彼女が出来たことがない、「母体ソロ」の非モテ男カン・キモ。
一念発起し女性との「ソゲティン(韓国のスラングで、友人に異性を紹介してもらいデートすること)」に挑むが、緊張と恋愛経験のなさから空回りを連発してしまう。
はたしてプレイヤーはキモを上手く導き、ソゲティンを成功させることができるのか?
特徴・システム
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全編通して実写の動画が流れながらゲームは進行する。他のゲームで言えば『デスカムトゥルー』や『春ゆきてレトロチカ』に近い。
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選択肢が提示されると映像も一時停止する。
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メニュー画面からチャプターを選んで後ろに戻ることが可能。また一度観たシーンはスキップできる。
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シーンによってはキモのスマホを操作することができる。メッセージを返信することで物語の展開が変わったり、作中の人物が投稿しているSNSを覗いたり、恋愛指南のYouTube動画を観たりできる。
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ストリーミングモード
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ゲーム実況など、本作を動画として配信する場合に選択するモード。内容は変わらないがやり直し回数に制限がある。
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ボーナストラック
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本編を進行すると開放されていくおまけ要素。本編では語られなかったエピソードや、撮影時のメイキング映像などが観られる。
評価点
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実写がゲームにフィットしている
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比較的珍しいフル実写ゲームだが、全編通して動画で進行するので違和感はない。まるで韓国ドラマを観ながら物語に参加する感覚でプレイできる。
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役者の表現力も高く、キャラクターの表情だけでも心境が伝わってくる。修羅場シーンでは「顔芸」級の印象的な表情も見せてくれる。
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リアリティがありながらユーモラスなキャラクター描写
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初のソゲティンに悪戦苦闘するキモの空回りっぷりがユーモラスに描かれており、その言動を笑いながらも応援したくなるように描かれている。特に非モテの経験がある男性なら、キモの心理や振る舞いに恥ずかしながらも共感できてしまうことだろう。
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キモだけでなく、ソゲティン相手のユミや友人のセチ・ソナといった脇役のパーソナリティも作り込まれており、メッセージアプリやSNSを見るとそれぞれのキャラクターに合った細かい表現が仕込まれているのがわかる。
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ストリーミングモードの工夫
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リトライ回数が制限されているので、すべてのエンディングを配信で観るのは難しい。「自分でグッドエンドを観たい」と視聴者に思わせ、購入を促す仕組みになっている。
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この手のアドベンチャーゲームは「配信で全部観たから自分で買う必要はない」となってしまいがちであり、完全に配信を禁止にするタイトルも存在する中、うまく折り合いをつけていると言える。
問題点
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やや単調な構造
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基本的に全編通してカフェでの会話シーンのみで構成されているため、繰り返しプレイしているとマンネリ感や冗長さを感じてしまうかもしれない。
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エンディングの分岐も、基本的に「ユミの好感度を上げられなければソゲティン失敗でバッドエンド」というパターンばかりなので、ルートによって大きく展開が変わるような目新しさは薄い。
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UI面
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バックロールや既読選択肢の表示といった、ノベルゲーム定番の便利機能が無い。
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エンディングリストもゲーム内にはない。
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ただしエンディングに到達すると対応するトロフィー/実績が解除されるので、そうした機能があるプラットフォームであればリスト代わりとして使える。
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翻訳面
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スラングや方言が再現されているなど翻訳の質は決して悪くはないのだが、ところどころで助詞がおかしかったり誤字脱字が見受けられる。
総評
全編実写の動画で進行する、「操作できる韓国ドラマ」とでも言うべきインタラクティブムービー。
モテない男が初デートで悪戦苦闘するという一見地味な題材ではあるが、リアリティのあるキャラクター造形やユーモラスな雰囲気により、どんなプレイヤーでも自然とソゲティンの成功を目指してプレイしたくなる仕組みになっている。
非モテや恋愛といったテーマに興味がある人であれば、きっとキモの言動に共感しつつ楽しむことができるだろう。
最終更新:2024年08月03日 21:21