ピットフォールII
【ぴっとふぉーる つー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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SG-1000
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メディア
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セガマイカード
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発売元
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セガ・エンタープライゼス
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発売日
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1985年7月
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定価
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4,300円
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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良作
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ポイント
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セガから発売された『II』のアレンジ移植 『II』とあるが『初代』の要素もある
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ピットフォールシリーズ
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概要
ATARI2600で海外で発売された『Pitfall II: Lost Caverns』のアレンジ移植。
タイトルこそ『II』と冠しているが、初代『Pitfall!』の要素も含まれている。
セガからリリースされた『ピットフォールII』は、AC版とSG-1000版が存在するが、本稿ではSG-1000版の紹介とさせていただく。
特徴
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基本システム
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2Dのジャンプアクションで敵や罠などを避けつつ宝を集めるゲーム。攻撃手段は原作と同様存在しない。
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『初代』と同様、残機制を採用している一方、時間制限は無い。
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エリアは広く、『II』と同じく広大なマップを探索していく。
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2600版『II』にあったチェックポイントはオミットされているが、ミスした場合は残機を消費して、その場のエリアから再開する。
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原作からの変更点
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原作ではスコアアタックがメインのゲームであったが、本作では4つのキーアイテムを取得するのが目的となっている。
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キーアイテムは「ラージのダイヤモンド」「王冠」「魔法のカギ」「水晶玉」の4つで、このうち「水晶玉」は「ラージのダイヤモンド」「王冠」「魔法のカギ」を先に取得しないと取ることができない。「水晶玉」を取ればゲームクリアとなる。
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基本的なギミックは『II』に準拠しているが、『初代』のターザンロープや池のワニ、開閉する落とし穴なども搭載されている。
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また、本作オリジナルのギミックとして、トロッコやツララといったものも追加されている。
評価点
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引き継がれたピットフォールの面白さ
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原作のピットフォールの面白さである、ジャンプアクションと広大なエリアを探索する面白さをしっかりと引き継いでいる。
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後述するように難易度は高めだが、理不尽な要素や初見殺しはあまりない。
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『初代』と『II』の折衷案となっているゲーム内容
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単に『II』を移植しただけではなく、本作独自のアレンジも効かせており、『初代』のギミックも多数取り入れている。
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豊富なギミックの数々
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前述したようにゲーム内のギミックやエリア構成は、『初代』と『II』の折衷案のような内容となっているが、オリジナルのギミックも多数用意されている。
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またギミックそのものにバランス調整が行われており、例えば『初代』にあったワニのギミックは、3匹のワニが順番に口を開くようになっており、2600版と比べて渡りやすくなっている。
賛否両論点
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この時代の2Dアクションとしては珍しい探索型の広大なエリア構成
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元となった『II』の時点でそうなのだが、エリアが上下左右に広がっており、道に迷ったり、正規ルートがわかりづらかったりする。
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そのため、本気で攻略するならマッピングはほぼ必須……というか、取扱説明書にも「地図を描きながら進むと、迷子にならないよ。」というアドバイスが書かれている。
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無論、手探りで探索するのが好きな人にとっては楽しめるゲームである。子供のプレイヤーにとっては厳しいだろうが…。
問題点
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難易度はやや高め
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原作の『II』と異なり、残機制となっているため、ミスに対するプレッシャーが原作よりも大きくなっている。
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コンティニューが存在しないため、残機が無くなってゲームオーバーになると、最初からやり直しとなってしまう。
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スコアアタック要素との兼ね合いなのかもしれないが、純粋にクリアを目指そうとすると、それなりの腕前が要求される。
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もっとも、本作に時間制限の類は存在しないため、焦らずゆっくりタイミングを計れば攻略しやすくなる。このことも説明書にアドバイスとして書かれている。
総評
国内の家庭用ゲーム機で初めて移植された『ピットフォール』。
後年の『スーパーピットフォール』がアレンジを効かせすぎたことと、異常な高難易度で不評を買った一方、本作は原作の良さを保ちつつ上手にアレンジを効かせている良移植である。
難易度こそレトロゲーム相応の高さではあるが、国内でのピットフォールシリーズの移植の中でも指折りの出来であることには間違いない。
余談
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本作は当時のセガのゲームとしては珍しく、1985年11月20日発売のHOBBY's JUMP第7号にて『冒険少年ハリー』という題名で本作のコミカライズが行われていた。作者は森本サンゴ。
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ストーリー展開はゲーム内容に比較的忠実。作中にはちょっとしたゲームの攻略法も書かれている構成になっている。
最終更新:2025年07月18日 01:23