みんなのGOLF4
【みんなのごるふ ふぉー】
| ジャンル | スポーツ |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 開発元 | クラップハンズ | 
| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 
| 発売日 | 2003年11月27日 | 
| 定価 | 4,980円 | 
| プレイ人数 | 1人(みんなのゴルフモード:4人) | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 廉価版 | PlayStation2 the Best 2004年7月8日/3,800円
 2005年11月2日/2,800円
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| 判定 | 良作 | 
| ポイント | みんゴル史上最多のキャラ数・コース数 演出面が大幅に強化
 初代以来の「パットゴルフ」復活
 みんゴル初の実名コース収録
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| みんなのGOLFシリーズ | 
 
概要
簡単操作で人気を博したゴルフゲーム「みんなのゴルフ」のシリーズ4作目。
綺麗なグラフィックはそのままに、PS2初期作故にボリュームがやや少なかった前作からキャラ数・コース数が増加、ボリュームが大きく増えた。
前作からの追加・変更点
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初心者用クラブ「みんなのクラブ」が追加された。パワーが大幅に落ち、コントロールの値も若干低下する代わりに、操作がパワー決定だけになり、インパクトの操作が不要になる。このとき、インパクトは常にジャストインパクトの判定になる。
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しかし、ミスショットしないメリットこそあれど、一部のテクニックが使用不可能になる強烈なデメリットもあるため、慣れてきたらみんなのクラブ以外のクラブを装備した方がスコアは伸びやすい。
 
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1W限定で更に飛距離を伸ばすことが出来る「フルパワーモード」が追加された。パワーモードよりも更にボールを飛ばせるが、その分どこまでボールが飛ぶか分からない上に飛距離自体のブレも凄まじく、運が悪いとパワーモード時より飛距離が下がってしまうというデメリットがあるため、通常のパワーモードとの使い分けが重要。
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パワーの値をミスしてしまっても、インパクトの際に×ボタンを押すと少し弱く、△ボタンを押すと少し強くショット出来るようになり、細かいパワー調整がしやすくなった。
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スーパー○○スピンを更に上回る新テクニック「ウルトラ○○スピン」の追加。スーパー○○スピンよりも更に強いスピンをかけられるようになる。そのスピンの強さは1Wでもバックスピンでボールが後ろに転がるほど。
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効果は絶大だが、その分操作はかなりシビア。例えばウルトラバックスピンを出す際は十字キー上を押しながらパワーを決定した後、インパクト決定と同時に十字キー下を押さなければならない。少しでもタイミングがずれるとスーパーバックスピンになったり、十字キーを押すのが遅れればそもそもスピンがかからなくなってしまう。
 
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インパクトゾーンの両端でインパクトすることで発動する超低弾道・超高弾道のドクロショットが追加された。障害物を避ける際に便利なショット。少しでもタイミングがずれるとミスショットになってしまうハイリスクハイリターンなショットとなっている。
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「VSモード」が9ホール勝負の短期決戦に変更された。前作のコールドゲームの仕様はそのままで、相手に4ゲーム差をつけた、もしくはつけられた段階で勝負が決まる。
評価点
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前作から演出面が大きく進化
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前作までは風が吹いていても木々が全く揺れずやや不自然だったが、今作では風の強さに応じて揺れ方が細かく変わるようになった。木の揺れから風の強さを読むなど、よりリアルなゴルフが楽しめるように。
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更に、パワーモードでパワー最大かつジャストインパクトで打つとボールが炎を纏うようになるなど、豪快かつ爽快感溢れる演出も追加。
 
 
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新たなテクニック追加によるコース攻略の自由度の増加
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前述した「ウルトラ○○スピン」「ドクロショット」のテクニックを活用し、現実ではまずありえないような弾道で立ちふさがる木々や岩などを避けつつグリーンオン…などといった芸当が更にしやすくなった。
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多少無茶なショットをしてでも打数を抑えてグリーンオンを狙うか、リスクのあるテクニックは使わず安全にフェアウェイキープを狙うか…など、戦略性も高まり、より白熱したゴルフが楽しめるように。
 
 
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シリーズ初となる実名コースの収録
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実在する2つのコース、「富士桜C.C」と「川奈ホテルG.C」が実名で収録されている。再現度も非常に高く、難易度もやや高いため、緊張感のあるゴルフが楽しめる。
 
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みんゴル史上最大のキャラ数・コース数
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キャラ数24、コース数は15と、みんゴル史上最多のボリュームを誇る。
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また、前作「みんなのゴルフ3」のキャディのうち、「みんなのゴルフ2」でプレイヤーキャラとして登場していたキャディは、全員ゴルファーとしてプレイ可能となっている。
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個性的な新キャラ、そして前作で人気だったキャラがパラメータが微調整された上で登場。更に、みんなのゴルフ2で登場したにもかかわらず、前作ではキャディとしても登場しなかったとあるゴルファーも久々に登場している。
 
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コースに関しては、前作から5つのコース、「みんなのゴルフ オンライン」から3つ、新コースが7つ収録されている。
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「みんなのゴルフ オンライン」にて全国のみんゴルファーにトラウマを植え付けた凶悪な難易度のコース、「ワンダーランド C.C.」もナンバリングタイトル初収録。当時は今ほどネットの環境が普及していなかったため、「みんなのゴルフ オンライン」をプレイ出来ていなかった人もついに当時のみんゴル史上最難関のコースに挑めるようになった。このコースはパスワードを利用しない限り最終盤での登場になるため、その難易度とインパクトは凄まじいものがある。
 
 
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初代以来となるミニゲーム「パットゴルフ」の復活
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ゴルフが苦手な人でも気軽に楽しめるミニゲーム「パットゴルフ」が今作でようやく復活。
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今作では初代からルールが変わっており、ボールが転がった距離に応じてポイントが貰える仕様となっている。1打目では最高50ポイントが貰えるが2打目では最高で5ポイントしかもらえないため、ミスせず確実にカップに入れるか、わざと障害物にボールを当てて、転がる距離を稼いでカップ入れるかなど、戦略性が問われる奥深いミニゲームに生まれ変わった。
 
 
賛否両論点
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更にインフレが進んだコースの距離とそれに合わせたパワー系キャラの増加
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前作と比べてパワーの値が高いキャラが増加しているうえ、コースの飛距離も更に長くなっている傾向がある。
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初心者向けのキャラにパワー値の高いクラブやボールを装備させて無理やり飛距離を伸ばすこともできなくはないが、それでも能力値的にはどうしても上級者向けキャラの下位互換になりがち。正統派の女性キャラでゴルフをしたいという人にとっては悩みの種になる。
 
 
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現実離れしたキャラの登場
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今作は現実離れしすぎているキャラや、派手すぎる演出がある。
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まずキャラについてだが、「ドギー」という犬がゴルファーとして参戦している。このドギーについてだが、まず犬のはずなのに二本足で立っている。しかも犬なのになぜか日本語を流暢に喋る。そして犬だからという理由でラフもバンカーも得意という超初心者キャラとなっている。
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前作までは人間のプレイヤーキャラしかいないこともあり、なぜ唐突に犬がゴルファーとして登場しているのかと戸惑う声も。次作以降は人間ではないゴルファーは他作品とのコラボキャラのみにとどまっている。
 
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また、キャディについても、「プッチ」というボストンテリアの犬がいる。しかしこちらの犬は鳴き声しか喋らない。また、ボールがカップに寄りそうなときの専用ボイスがないため、キャディとして採用するメリットがやや薄い。
 
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リアルさを求めている人にとって派手すぎる過剰な演出
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演出面については、前述したパワーモードで「パワー最大・ジャストインパクト」でショットするとボールが炎を纏うようになったり、カップイン時のガッツポーズでいきなり腕が銃に変形してエネルギー弾を思いっきりぶっ放したり、おまるに乗ってなぜか急に空を飛ぼうとするなど、現実離れした演出が用いられるようになった。
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前作時点でもやや過剰と言える演出もあるにはあったが、現実離れしているようなキャラや演出は、今作ほどは多くはなかった。
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もっとも、今作以降に出たシリーズでも現実離れした演出が引き続き用いられているため、リアルさよりもあくまで「ゲーム」として爽快さや派手な演出が優先されているようだ。
 
 
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ゲームシステムが初代から変わらずマンネリ気味
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シリーズものの宿命とも言えるが、新しいパワーモードやテクニック、豪快な演出が追加されており、前作までの細かい問題点も改善されてはいるものの、ゲームシステムや操作方法自体は初代から一切変わっていない。良く言えば安定しているが、悪く言えばマンネリ気味である。
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次回作以降では新しいショットの操作方法が追加されるなど、マンネリを解消しようとしている動きは見られている。
 
 
問題点
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「VSモード」でノーマルからいきなり面倒な色物ルールが追加されているキャラがいる
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特に厄介なルールなのが「キャラ限定」。飛距離のインフレが進んでいる本作で重要なパラメータである「パワー」が低い初期キャラ1人に固定されてしまう。
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しかもこのルールが設定されている相手はパワーの値が高い傾向にあり、更にノーマルながらCPUはなかなか強いため、初心者はまず間違いなくかなりの苦戦を強いられる。
 
 
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あまり改善されていないハードモードキャラの理不尽な強さ
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前作よりは頻度こそ若干減ったものの、運が悪いとホールインワンやチップインイーグルを連発してくることもある。
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しかもハードモードでは、大抵の場合ノーマルにはなかった厄介な色物ルールが追加されているため、対戦相手の強さと合わせてかなり面倒。
 
 
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総じて、今作のVSモードはいかに色物ルールと付き合っていくかが重要になってくるのだが、純粋なゴルフ勝負がしたい人には不評。
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対戦相手と3回戦うことで色物ルールは無くなるので、苦手な色物ルールがある場合は負けてもいいのでまずは3回戦うと楽になる。ある程度対戦しないといけない点は別の意味で面倒だが…。
 
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金髪の女性キャラの割合が多すぎる
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本作は女性キャラが12キャラいるが、なんと5キャラが金髪。性格の違いなどはあるが、金髪の女性キャラ全員がヨーロッパ国籍のキャラで見た目や顔立ちは似たり寄ったりである。
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しかも、よりによって飛距離のインフレが進んだ本作では総じて金髪の女性キャラはパワーの値が高い傾向にあるため、マルチプレイで4人が異なる女性キャラでプレイしようとすると金髪の女性キャラばかりになってしまうことも。
 
 
総評
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ややボリュームに難があり、粗が多かった前作から多数の改善が施された「みんなのゴルフ」4作目。みんなのゴルフ初心者でも気軽にプレイできるような救済措置が多数あり、また上級者は今作から新たに追加されたテクニックによってコース攻略の自由度が大幅にアップするなど、まさに「みんなのゴルフ」として1つの完成形に至った一本と言っても過言ではないだろう。
余談
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24キャラ・15コースは2025年現在でもみんゴル史上最多のキャラ数・コース数となっている。
最終更新:2025年07月21日 22:09