本稿はソーシャルゲームが原作のゲームを扱っています。
本Wikiはソーシャルゲームの執筆が一切認められていないため、本作(パズドラゼロ)の詳細に関する記述に限定し
原作に関する情報は割愛しています。
本作は不定期なアップデートが行われます。
現在の本稿は、Ver1.1.3(2025年7月24日配信)に基づく内容です。
パズル&ドラゴンズ ゼロ
【ばずるあんどどらごんず ぜろ】
ジャンル
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パズルRPG
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プラットフォーム
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iOS/Android
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メディア
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スマートフォン
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開発・販売元
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント
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配信日
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2025年5月29日
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定価
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基本無料(アプリ内課金あり)
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プレイ人数
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1人
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対象年齢
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4歳以上
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判定
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良作
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ポイント
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ソーシャルゲームでないパズドラ 倍速モードでプレイが快適 ゲーム性は前作(ストーリー)とほぼ同じ
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パズル&ドラゴンズシリーズ
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概要
2012年に配信されたソーシャルゲーム『パズル&ドラゴンズ』(以下、本家)を原作として、iOS/Android向けに再びリリースされた外伝作品。
ゲームのシステムは事実上の前作となるApple Arcade『パズル&ドラゴンズ ストーリー』(以下、ストーリー・前作)を踏襲しており、「基本プレイ無料」かつ「有料ガチャが存在しない」、安心して遊べる間口の広いゲーム性を提供している。
ゲーム内容
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基本ルールは前作『ストーリー』と概ね同じ。ガチャは存在せず、敵が落とすクリスタルやマナを集めてチームメンバーを「クリエイト」で入手しながら、一続きのダンジョンを順に進めていく面クリア性の1人用ゲームである。
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システム上の変更点としては以下のようなものがある。
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前作では「クリーチャー」という呼び方がされていた様々なキャラクター達が、他のシリーズと同様の「モンスター」呼びに戻された。
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前作では5色あったマナが、1種類のみに統合された。
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モンスターのLv上限は、前作の初期15→最大50から、初期20→最大99に改められた。最大育成時のパラメータには大きな差はない。
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ダンジョン潜入時に「スタミナチケット」を消費するようになった。無料プレイだと広告視聴を含めても1日に使用できるチケット数が最大20枚までに制限されているが、下記の「永久広告免除パス」を購入するとスタミナチケットが常時無限となる。
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助っ人システムが廃止され、チームは6体全て自前モンスターのみで選出して組むようになった。
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一度クリアしたことがあるダンジョンは、クリア後orゲームオーバー後に直ちに再度潜入できる「再戦システム」が追加された。
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プレイヤーランクのシステムが刷新され、ダンジョンでランクEXPを入手することがなくなった。今作のランクは「クリエイトしたモンスターの総数」と等しく、常に明確な上限値が存在するが、新しいモンスターが追加されるたびに自動的に上限も上がっていく。
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プレイヤーランクを上げていくと、序盤ではシンクロ機能や限界突破機能などのシステムが、中盤以降は下記のチャレンジダンジョンが開放されていく。
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Ver1.1(2025/07/09配信)ではログインボーナスが追加され、限定モンスターやクリスタル、多量のマナなどが配布されるようになった。
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ダンジョンは、「ノーマル」「イベント」「チャレンジ」「ボーナス」の4種類に分けられる。
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「ノーマル」は前作「ストーリー」に相当するメインコンテンツ。今作では各エリアに10個ずつ(最初のみ5個)のフロアがあり前作から倍増している。リリース時点ではエリア14まで、Ver1.1以降はエリア18まで存在する。
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「イベント」は前作「スペシャル」に相当。本編に絡まない単発のダンジョンが集められており、その場所限定のモンスターが出現する。
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毎週追加されていた前作から、月3回(1日・10日・20日)追加に変更されダンジョン数は減少したが、代わりにいずれのダンジョンにも新規モンスターが複数割り当てられている。
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「チャレンジ」は前作における「スペシャル」の高難易度部分、および「コロシアム」に相当する。ノーマルダンジョンの進行とは別個で、プレイヤーランクの上昇によってダンジョンが追加されていく。
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その名の通り★6モンスターがボスとなる「★6-◯◯」と、10バトルの長丁場ダンジョンでボスが2種類の★7モンスターからランダムで選ばれる「EX」の2種類が存在する。後者はスタミナチケットを2枚消費しないと挑めない。
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「ボーナス」はマナ獲得用のダンジョンで、ノーマルダンジョンを進めるとフロアが増えていく。スタミナチケットは不要だが、全体を通して1日に2回までしか潜入できない(2箇所クリアすると残りには入れなくなる)。
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今作の課金体系は買い切りのパスとして実装されている。Ver1.1時点で存在するのは以下の3種類で、値段はそれぞれ1,600円ずつ。いずれも一度買えば効果は永続する。
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永久広告免除パス
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広告試聴で得られる特典が広告なしで得られ、その回数制限も撤廃される。スタミナチケットが無限になるうえ、クリスタルドロップ率2倍とダンジョンクリア時の報酬2倍も常に適用されるようになる。
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また、手持ちのクリスタルやマナのストック上限も増加する。
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永久高速パス
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ダンジョン内で自分がパズルを行っている最中を除く全てのシーンが2倍速で流れるようになる。つまり、パズルを終えた瞬間から、ドロップが消えてダメージを計算して敵を攻撃、その後敵が反撃してくるまでの、「プレイヤーが操作できない待ち時間」が半減する。
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また、このパスを購入すると専用の「周回チーム」が手に入る。このチームスキルは常に「落ちコンなし」であり、本作で能動的に落ちコンなしにできる唯一の手段である。
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一括受取パス
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Ver1.1(2025/07/09配信)で追加された。同アプデで登場したログインボーナスを、1日ログインしただけで全部一括で受け取れるようになる。
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今後のアプデで追加されるログインボーナスも、このパス一つあれば同様に全部受け取れる。
評価点
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縦画面でのプレイが可能に
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今作のティザーサイトでも第一に挙げられていたセールスポイントで、横画面専用だった前作と異なり、縦画面と横画面の好きな方を選択して遊べるようになった。本家を中心にプレイしていたユーザーであれば、縦画面の方が馴染みやすいだろう。
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広告免除パス・高速パスによるゲームの快適化
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買い切り課金要素として登場した上記2種類のパスを用いることで、常にドロップ率2倍・報酬2倍・ゲーム進行が倍速の状態でプレイし放題になる。これらのおかげで、特定モンスターをクリエイトするためにかかるプレイ時間は前作の4分の1未満となり、より短時間で濃密なプレイ体験を得ることが可能となっている。
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有料要素でこそあるが、両方購入しても3,200円で一般的な買い切りゲームと同程度であり、値段設定は良心的。前作と異なり月額課金要素もない。
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なおクリエイト中の演出を早送りできる機能は前作にもあったが、今作ではこの速度も凄まじく上がっている。
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メリハリの効いた難易度設定
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前作と同様、本家と比べると難易度は全体的に低め。色々なモンスターをクリエイトし、それらをチームに入れて試行錯誤しながらダンジョン攻略を進めていく楽しみを体験しやすい。
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前作と比べ、厄介なギミック(大ダメージ無効、覚醒無効、トゲドロップ、スキル遅延など)の登場が全体的に遅めになっており、ゲームに慣れるまでの準備期間が長めに用意されている。
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一方で、ゲーム後半の難易度は前作より上がっている。例えば前作のストーリーダンジョンのラスボスがHP1000万だったのに対し、今作リリース時点で同じポジションであった14-10のボスはHP7800万もある。
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Ver1.1で追加された高難易度ダンジョンの中にはHP25億に達する敵も。
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覚醒スキルの攻撃倍率が全体的に上方修正されているほか、前作には未だに登場していない超コンボ強化2個持ちが今作ではリリース時点から存在する等、味方側も前作より強力なモンスターが活用できるための難易度調整であると思われる。
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敵が使う「特定コンボ以下の攻撃を無効」が前作より厳しめに設定されているが、代わりにコンボ加算スキルを持ったモンスターが増加している。パズルだけでなくスキルの使い所に前作より深く気を配る必要が出る調整となっている。
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チーム編成を縛る要素の削減
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助っ人機能がなくなったため、チームの6枠目に特定のキャラしか入れられないということが起こらなくなった。
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ただし、これにより「自前と助っ人で同じキャラを2体使う」ことも出来なくなっている。
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今作はリリース当初から「ダンジョンボーナス」覚醒を複数持ったモンスターが存在している。前作では効率よくクリスタルを入手するためにチームのほぼ全員をダンジョンボーナス持ちで固める必要があったが、今回は少数のダンジョンボーナス複数持ちに役割を任せて、それ以外はダンジョンボーナスなしのキャラを起用しても問題ない。
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さらにバリエーションが増えたモンスター
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モンスターの追加ペースは前作より増加傾向にあり、リリース2ヶ月の時点で既に前作(リリースから1年半以上経過)とほぼ同等の総数に迫っている。
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前作から引き続き、本家ではアニメーションしないが今作で新たにアニメーションが書き起こされたキャラが、少数ではあるが登場している。
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加えて、本家にまだ登場していない完全新規モンスターがお披露目される機会も前作より増えている。
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ルーツツリーの見やすさが改善
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実質的な図鑑機能であるルーツツリーは前作から続投しているが、上下(レア度)が反転したほか、各属性ごとに特定の★2モンスターを選択してその上に伸びるキャラのみを表示するように変更されている。
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前作ではアップデートを重ねるとツリーが横方向に際限なく膨らむ状態になっていたが、今作では上記のように分割表示になったおかげで常に1画面に収まるようになっている。
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モチベーションに結びつくランクシステム
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本家や『パズドラSwitch』『ストーリー』で定番となっていたランクEXP形式のランクシステムが廃止され、クリエイトしたモンスターの総数でカウントする単純なシステムになった。
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モンスターのクリエイトは本作の主要なコンテンツであり、ランクがそれに直結するようになったことで、ゲームの進行度がランクの上昇にダイレクトに反映されるようになった。常にランクの上限が存在するため、そこをゲームプレイの目標にしやすくなっている。
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ランクを上げるためだけに特定のダンジョンをひたすら周回しなければならない状況が無くなったため、多様なクリスタルを求めて気軽に様々なダンジョンに挑みやすくなった。
賛否両論点
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やること自体は前作と変わり映えしない
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ダンジョンを攻略してモンスターのルーツを入手し、クリスタルとマナを集めてクリエイトを行っていく大まかなゲームの流れは、前作『ストーリー』からほとんど変化がない。
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登場するモンスターの種類や順番、パラメータ等のゲームバランスが変わっただけで、ノーマルダンジョンの攻略過程は「前作のストーリーダンジョンの焼き直し」と取られても仕方がない面はある。
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前作も「良作」判定を出せる程度には優秀なゲームであったのと、プラットフォームが異なる都合でそもそも前作プレイ済みの人口が少ないことなどを併せて考えると、新鮮味がないことは致命的な欠点とはなっていないと思われる。
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ストーリー面について
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前作で
『ストーリー』という副題なのに評判が良くなかった物語面の設定だが、今作では物語性そのものを大幅に削るという強引な改善(?)がなされた。本家や『パズドラSwitch』に近い、明確な目標設定がない淡々とした冒険となっている。
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今作の案内役は、新規キャラクターの「ムクリット」が担当している。言動は人当たりが良く、マスコットキャラとしては過不足ない。
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前作と違い、ダンジョンの開始時やボス出現時にストーリーが挟まるのは非常に限定的な場面のみになった。冒険する地域が変わった時の最初のダンジョン開始時に限り、一度だけ専用のやり取りが発生する。
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ノーマルダンジョンは、「忘れられた地 リーブラ」(3〜7面)、「黄金の国 ジパング」(8〜10面)、「魔法王国 アブラカナン」(11〜14面)、「大樹そびえる聖地 エデン」(15〜18面)に分けられている。それぞれの地域で登場するモンスターにある程度の傾向がみられる。
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ちなみに、このうち「リーブラ」は前作の舞台となった地域と同名である。
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リリース当初のノーマルダンジョンを全て制覇してもエンディングにはならず、「新たな冒険の場所が見つかるまで、モンスターの育成をして待っていてね」という旨のメッセージをムクリットから受け取ることになる。
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その後Ver1.1で追加されたダンジョンを制覇してもまだエンディングにはならず、上記と似た反応を示すのみ。
問題点
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前作から廃止された要素
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評価点で挙げたランクシステム変更・助っ人廃止など良い点もあるが、廃止されたことで不便になった要素も少なからず存在する。
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ダンジョン内のBGMを自由に変更できなくなった。
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クリエイト一覧の画面にクリエイト済みのモンスターを表示できなくなった。
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モンスターの育成前に「レベル最大時のステータス」などを閲覧できる機能がなくなった。
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メニュー画面に現在使用中のチームのモンスター全員のイラストを表示する機能がなくなった。
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今作では一部のボスに戦闘前のカットインが存在するが、これをスキップできる機能がなくなった。前作でのストーリー挿入よりは短く済むが。
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不具合や設定ミスが前作より若干多い
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一例として、つなげ消しチームの攻撃倍率が表記より低い状態になっていた不具合が、リリースから1ヶ月以上そのままにされていた。
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リリース当初はノーマルダンジョンのとあるフロアで、同じ大型の敵が複数回登場することがあった。流石に2バトル連続ではなかったが。
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「イベントダンジョンに追加されたとある敵の根性を2回発動させると、敵が一切の行動をしなくなり、0コンボを繰り返すことで敵の行動までの残りターン数がどんどんマイナスになっていく」という見た目が面白い不具合もあった。こちらは実害はないもので、修正も迅速に行われた。
総評
パズドラの外伝作としてリリースされていた『パズドラストーリー』をベースに、
ドロップ率2倍機能・倍速機能などの買い切り要素を取り入れ、
月額課金サービスなしに基本無料プレイを可能としたシリーズ新作。
ゲームシステム自体は前作と大きな変化はないが、
新しくなった舞台で多数の新規モンスターとともに冒険ができ、
有料パス適用時のプレイの快適さは前作どころかシリーズ作品全部と比較しても群を抜く。
公式では新規プレイヤーだけでなく「昔パズドラをプレイしていた人」にも向けて制作されたことが語られており、
現在の本家パズドラをプレイしている方はもちろん、
かつてのパズドラを気に入っていた方、新しくパズドラの世界に踏み入れたい方など、
万人に勧められるポテンシャルを持った意欲作である。
余談
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iOS版は、本来のリリース日より2日早い2025/05/27に誤ってフライング配信されてしまった。
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サーバーがオフラインのため広告視聴や課金ができず、序盤のダンジョンしかプレイできなかったが、チュートリアル内にあるスタミナチケット無しのダンジョンは回数無制限で自由に挑戦できた。
最終更新:2025年08月31日 17:19