リバイブ・オブ・ザ・ムーン
【りばいぶおぶざむーん】
ジャンル
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ゾンビアクション
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対応機種
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Nintendo Switch Windows(Steam)
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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レジスタ
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開発元
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レジスタ YMCAT プラス81
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発売日
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【Switch】2024年6月20日 【Steam】2024年9月13日
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定価
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【Switch】2,480円(税込) 【Steam】2,300円(税込)
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レーティング
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CERO:C(15歳以上対象)
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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お笑いタレント狩野英孝氏監修のゲーム 作風とミスマッチな3Dモデル 粗の多いゲームバランス せっかくの芸人監修なのに色々と残念な出来
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概要
マセキ芸能社所属のお笑い芸人、狩野英孝氏が監修を務めるゾンビアクションゲーム。
あらすじ
地下鉄の脱線事故に遭遇した主人公・美月は、
避難の途中、赤い眼をした異形の化け物に襲われる。
悪い夢に違いない。
そう言い聞かせ、必死の想いで地上へ辿り着くが、
目の前には変わり果てた街の風景が広がっていた……
現代日本…突如として起きた未曾有の災厄。
荒れ果てた街を、異形の化け物が徘徊し、
人々を襲いはじめる……
(公式サイトより引用)
特徴
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三人称視点のゾンビアクションゲーム
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敵であるゾンビ(作中での呼び名は「アカメビト」)が敵として襲ってくるので、倒したり逃げたりしながらストーリーを進めていく。
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操作キャラとして、2人のキャラクター(磯神美月/子安燕)がおり、切り替えることができる。
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美月を操作している際は刀で、燕を操作している際はハンドガンで攻撃ができる。
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刀で攻撃する場合は、ゲージが溜まってないと攻撃できない。ハンドガンで攻撃する場合は、弾薬を消費し、弾切れになると当然攻撃できなくなる。
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敵を倒していくうちに、経験値のようなものを取得でき、レベルが上がるとポイントを取得し、振り分けることができる。
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ポイントは攻撃力/耐久力/敏捷性の3つに振り分けることができ、それぞれ最大値は10。
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ポイントの振り直しはいつでも可能。
問題点
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作風と噛み合っていない3Dのモデリング
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本作の3Dグラフィックは、3頭身のデフォルメがされたものとなっており、全体的にシリアスな作風とミスマッチ。
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また、中盤登場する巨大なアカメビトが「やせる」と書かれたシャツを着てたりと、ギャグなのかどうなのか判別に困る微妙にヘンテコな要素も。
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初見殺しが地味に多い
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最短距離で進もうとすると地震で崩れた瓦礫に潰されてゲームオーバーになるなど、初見殺しが地味に多く、ストレスが溜まりやすい。
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とりわけ多くのプレイヤーに批判されているのが、ドッグランにアカメビトを閉じ込めるイベント。
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このイベントではドッグランにある二つの出入口の内、手前側の出入口から入ると閉じ込められず、奥側の出入口から入らないと閉じ込められないという、理不尽な攻略方法となっている。
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一応、これらでゲームオーバーになった時はヒントが表示されるが、そもそもこのような初見殺しを多数入れる必要性があるのか疑問である。
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雑魚敵を殲滅させないと進めない場面が多い
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最初の内は10〜20体程度倒せば進めるので、さほど面倒ではないが、中盤以降は30体以上、終盤に至っては50〜60体以上倒さないと進めない箇所も出てくるようになり、これも地味にストレスが溜まる。
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また、終盤からは建物の上から銃を持ったアカメビトが射撃をしてくるのだが、これを倒すには燕のハンドガンで倒すしかない。
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しかし、ハンドガンで攻撃する際は操作キャラの動きが止まる上に、上部への射撃はポインターを合わせなくてはならないため、こちらが撃つ前に相手に撃たれるということになりやすい。
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本作にコンティニューの類はなく、途中で死んだら最終セーブ地点から殲滅をやり直すことになるので、うかつに気を抜けず、かなり面倒くさい。
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ボスについての問題点
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道中のボスが弱い。
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というのも、ボスが攻撃を繰り出す前に、赤い攻撃範囲が表示される上に、発動までの猶予もかなりあるので、攻撃が簡単に回避できてしまう。
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逆にラスボスはかなり強い。
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回避の難しい広範囲に渡る攻撃を繰り出してくるせいで、前のエリアで回復アイテムを大量に持ち込むか、敏捷性をある程度上げておかないと、かなり苦戦する。
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その他
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状況によってはフレームレートが下がり画面がガクガクになることがある。
評価点
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アクションゲームとしての最低限の体制は整っている。
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全体的に粗の多い箇所が垣間見える本作であるが、アクションゲームとして大きな破綻が存在するわけではない。
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巨大なアカメビトは燕のハンドガンで、ドラム缶や車を爆破させると大ダメージを与えられるなど、一応面白く感じる箇所も無くはない。
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シナリオ自体の評価は悪くない
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全体的にシリアスな作風だが、暗くなりすぎないように、ムードメーカーキャラを入れたりと、シナリオ自体の大筋や構成などは、そこまで評価が低いわけではない。
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もっとも、タレントプロデュースでありながら、そこらのラノベにありそうな、中二病感のある作風や台詞回しは、賛否が分かれるかもしれないが……。
総評
せっかく芸人・タレントがプロデュースしたのに、全体的にありきたりな作風かつ、ゲームとしてもそこまで出来が良くない上、クソゲーやバカゲーと呼ばれるほど変な要素も特になくネタにもできないという、ある意味非常に残念な一作。
一つのゲームとしては粗がかなり多く、完成度は正直低い。クソゲー一歩手前と言っても過言ではない出来。
シナリオ自体は悪くはないし(ものすごく良いというわけでもないが) 、アクションゲームとしても最低限の出来は保っているものの、狩野英孝氏のファンでもなければ、購入する意義は殆ど無い作品と言える。
余談
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狩野英孝氏自体は、ゲームとの関わり自体はそれなりに深く、2025年の昨今では自身のYouTubeにおいて、ゲーム実況・配信を行い人気を博している。
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またそれ以前でも『新宿の狼』にゲスト出演していたり、『侍道3』のCMに起用されていたりする。
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本作と同じくお笑い芸人が監修に携わったゲームとして、野田ゲーが存在しており、それらと比較されることもある。
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開発元に同じ会社があるなど、共通点も少なからずあるが、そちらではバカゲーとして一定の評価や人気を得ているなど、芸人監修の強みを活かせており、せっかくの芸人監修なのに、陳腐かつ微妙な出来で、大きな話題にもならなかった本作とはある意味対照的とも言える。
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もっとも、野田ゲーは監修した本人が、ある程度プログラミングをできたりと、ゲームクリエイターとしての一面が元々あったので、そこが大きな分かれ目になったのかもしれないが。
最終更新:2025年09月28日 15:44