「うるさいんだよ、おまえは! いいか、オレを一人にしろ、オレの中を見るな、オレの夢をかってに使うな…………!! おまえが、おまえが、おまえがいつもオレを支配するから、オレは不安でたまらないんじゃないかっ!」
「……出て行けよ。オレの中から出て行け。オレの家から出て行け、オレの名前から出て行け! 邪魔なんだ、邪魔なんです、邪魔なんだってば、オレが!!!!」
本物の遠野の長男で秋葉の実兄。勿論 どっかの閻魔とは関係ない。
スタッフからの通称はハルオ。秋葉の兄貴だからハルオ(春男)という直球なネーミング。ファンでもそのまま通称としてハルオと呼ばれている。
秋葉同様鬼の血を引く混血。遠野の血についてや反転などの詳細については 遠野秋葉の項を参照のこと。
かつては、父親とは反りが合わなかったものの、妹である秋葉を家族として深く愛すると共に、
義理の兄弟である志貴とはとても仲が良く、親友といって良い間柄であった。
しかし、ある日ついに「ロアの意思」が覚醒し「人間としての四季の意思」は消されてしまう。
通常ならそのまま覚醒した「ロアの意思」が肉体と人格の主導権を得る。
しかし混血である四季は、本来鬼としての意思と鬩ぎ合い抑制するはずの「人間としての四季の意思」がロアに消されたことで、
「鬼としての四季の意思」が覚醒し、幼くして魔に傾いた混血に反転してしまう(同時にロアの意思も鬼の血により正常に顕在化できなくなり、 8年間ほど精神が壊れた状態の過程を経て、表ルートではロアがなんとか顕在化に成功するが、 裏ルートでは人間としての四季の人格のほぼ完全な崩壊に伴い、反転した四季に破壊と殺戮衝動を送るだけの弱い意志に成り下がってしまう)。
その際に側にいた秋葉を殺そうとするが、志貴が秋葉を庇ったため代わりに彼を殺害、その後すぐさま父親の遠野槙久によって処断された。
だが混血としての能力で志貴の命を奪い取って共融したためことで辛うじて生存。志貴も秋葉から命を分けてもらうことで生存する。
『月姫』において秋葉と志貴が倒れやすいのはこれが原因(秋葉一人分の命で秋葉と志貴と四季の三人分の命を担っている)。
一度は完全に反転したものの、一度死亡したことで四季はある程度人間に近づいた状態で落ちついた。
このため槙久は四季が人間として社会復帰できる時まで彼を家に閉じこめ、同時に世間体のため志貴を一時的に実子だということにすることを計画、
志貴に暗示を掛けると共に記録や戸籍を改ざんし、この一件を なかった事にする。
志貴は四季の穴を空けないために遠野の長男にされた、言わば偽物の「遠野シキ」であり、
槙久自身も四季が人間よりの人格に落ち着き次第、四季と志貴を再度すりかえるつもりであった。
槙久は四季が落ち着くまでの世話を琥珀に任せていた…が、凶暴化したシキに痛めつけられたことで
本格的に壊れてしまった琥珀は感情がない状態で人間らしくあろうと「遠野家への復讐」を計画、「槙久は四季を死ぬまで幽閉するつもり」といった嘘を吹き込み続けた。
そのため、「遠野シキ」の地位を得て秋葉と楽しく暮らしている志貴を、「自分を殺して全てを奪ったも同然」として強く恨んでいる。
結果的に槙久は四季に殺害され、そのまま四季は野に出て殺人鬼として好き勝手やり始めるのだった。
そして、槙久の後を継いだ秋葉が志貴を呼び戻したことから月姫本編が始まる。
混血としての能力は『不死』と『共融』。
不死は要は「死に難くなる」力(「死なない」ではない)、共融は「他人と混ざる」力。
この能力の片鱗として、肉体を欠損してもその部分がなくても生存できるように肉体を組み替える「拒死性肉体」、
肉体を組み替える力で血を意のままに凝固させる「血刀」、
臓器移植のごとく、失った部分を他者の肉体で補う接触融合呪詛『蝕離』として使う。
しかしロアが顕在化して完全に死徒になると、これらの混血としての能力は全く不要になる。
幼い頃は志貴や秋葉と遠野邸で遊びまわっており、また設定を考えれば翡翠も志貴ごしに四季と一緒に遊んでいた可能性がある。琥珀さん孤独すぎる
秋葉が自分より志貴に懐いてた事には心の何処かで嫉妬していたが、それ以上に「良い奴」である志貴との想い出を大切にしたかったようである。
しかし、ロアが覚醒したことで全ては台無しになる。ロアの覚醒による人としての意思の消滅、それに伴う魔への反転、
その後の実父に殺され長年の幽閉、そして琥珀の謀略から自分の立場と秋葉を奪い去った志貴を強く恨むことしか残されなかった。
月姫表ルートでは志貴への憎しみしか四季としての要素は無く、志貴への復讐を遂げた後は意識すらも消えてしまい、ロアとしてそのまま殺害され消滅し、
月姫裏ルートでは反転による凶暴化と道徳性の欠如と、破壊と殺戮衝動を四季に送るロアの影響で、かつての四季の性格はほぼ崩壊した「反転した四季」として暴れて殺されて死ぬ。
おまけに志貴も四季と遊んだ記憶どころか四季自身のことも忘れ去っているため、ほとんどのルートでただの仇敵としてしか見なされない。
秋葉からも当然恨まれているからどうしようもない。秋葉は肉親であり、また同じ血を引き反転してしまった混血として同情できるものがあるのか、反転してしまってもまだ四季への情が残っている描写があるが、
翡翠に至っては思い出すだけで怒りに震えるくらい恨んでいる。
琥珀さんは他人を恨むとか不可能な人なのだが、心の奥底では哀憎入り混じる非常に複雑な感情を抱いているようだ。優先順位は秋葉と志貴と翡翠>超えられない壁>四季だが。
そしてロアの転生先になってしまったばっかりにアルクェイドやシエルからも恨まれるのだから、もう……
結局、本編中において、彼が人間らしい会話ができたのは、とある要因で反転した志貴と、お互いに相手の正体に気付いていない時にした会話のみ。
お互い正常だった時はマブダチであっただけあって、長年の恨みやロアの影響による破壊衝動や吸血衝動を抜きにすれば、
双方異常者に反転すると、出会った瞬間に刃物で相手を殺そうとしたり、会話の内容もぶっ飛んでいるが、のんびりと談笑できるくらい性格の相性は良いようだ。
「久しぶりに人間と話してる」
なお、本編中ではほとんど救いが無く殺されるだけのキャラであるためか、メインキャラでは珍しく「犠牲者」と解説されている。
元々、秋葉を一途に思う気持ちは(歪んではいるものの)本物であるし
上述した志貴との会話シーンや、救われない設定、悲しさを残す最後、特徴的な戦い方などから
発売当時より人気は高く、同情の声も大きかった。
それを受けてか、歌月十夜や漫画版月姫では志貴の友人としての立場を強くクローズアップした話がある。
ちなみに、メルブラや漫画版を見る限り魔術回路はあるようだが平均的な魔術師程度らしい。
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