ヴラッド・ワード - バトルテック日本語ルール@ ウィキ

ヴラッド・ワード

生涯	3026-3083
地位	カーン
所属	クラン・ウルフ

人物列伝

ウラジミール・ワードのような人物を判断する際には、その視点が重要になる。
ある者にとっては、彼はインナースフィアの喉に突き刺さったナイフであり、信頼できず、予測不可能な存在だった。他の者にとっては、ただの成り上がりの小童であり、壊れかけたクランの中でも最も嘆かわしい存在だった。魂もトゥーマンも打ち砕かれたクラン・ウルフにとっては、彼は拒絶戦争の後に残された血まみれのスクラップから彼らを再生させた救世主に他ならなかった。多くの者はヴラッドを遅咲きの男と見ており、ブラッドネームを得たのは30歳を過ぎてからだった。実際、ウォーデン(守護派)が支配するクランの中の熱狂的なクルセイダー(侵攻派)として、ヴラッドはクラン・ウルフが解体されるまで出世のチャンスに恵まれなかった。しかし彼はクルセイダー・ウルフとして、新たな種族の運命を切り開く自由を得た。
強い個性は、磁石が砂鉄を集めるようにライバルを集めるもので、ヴラッドは早くからその最大のライバルを引き寄せていた。運命はヴラッドを侵攻の初期にフェラン・ケルと引き合わせ、ヴラッドが決して優位に立つことのできない数十年にわたる確執が始まった。フェランはすべての戦いでヴラッドを打ち負かし、彼が狙っていたブラッドネームを手に入れ、サカーンに昇格した。ヴラッドは、自分が征服するためにやってきたはずの2人に率いられたクランの中で少数派となった。ヴラッドのフェランに対する憎しみは結局のところ徒労に終わった。彼らは結局、最後まで決着をつけられなかったからだ。ふたりは互いを映す暗い鏡であり続け、それぞれが別の狼の群れのリーダーだった。
ヴラッドの台頭はイルカーン・ウルリック・ケレンスキーの信用を失墜させ、ツカイードの休戦協定を反故にしようとする試みから始まった。塵も積もれば山となる。その後ウルリックとナターシャ・ケレンスキーは死に、フェランは守護派ウルフと逃亡した。ファルコンによるウルフ・クランの吸収に反対するウルフの戦士はいなかった。ワード家のヴラッドを除いては。彼は吸収を否定するためにカーン・ヴァンダーヴァン・チストゥを殺害し、エリアス・クリシェルがイルカーンの座に謀反を起こした直後にクリシェルを殺害した。ヴラッドはカーンとして、その名においても精神においてもクランを取り戻した。
ウルフの再建への道は他のクランとの衝突を意味したが、休戦状態が続く限り、インナースフィアとは敬意をもって距離を置いていた。
だが次にウルフがインナースフィア人の軍と対峙したとき、その休戦協定は流動的なものとなった。ヴラッドは「大拒絶」の際、フェランのほかにもう一人の危険なインナースフィア戦士と対峙することになった。ヴラッドのウルフたちはソラリスⅦのチャンピオン、カイ・アラード＝リャオ率いる第一セント・アイヴス・ランサーズと対戦した。クランの中の誰も、見世物の戦士に率いられたカスのような国家の取るに足らないこの部隊が、ウルフたちの力を脅かすとは思っていなかった。それが現実のものとなるまでは。サカーン・マリエル・ラディックの日記には、ヴラッドが引き分けを受け入れたのはカイがそれを勝ち取ったからだと記されている。それはインナースフィアを過小評価することの危険性を示すためであったと。
ヴラッドのカーンシップにおける最大の論争のひとつは、キャサリン・シュタイナー＝ダヴィオンとの親密な関係だった。失脚した元大公を兄が投獄する前に捕らえたヴラッドは、クラン・ウルフの名誉ある地位を与え、メックウォーリアの訓練を提供し、怪しげではあったが戦士の地位を得るために職位の審判を受けさせた。彼の敵対者たちは、ライラの魔女が彼の首に牙を突き立て、今や彼女がクラン・ウルフを支配しているのだとささやいた。ヴラッドはそれらすべてを鎮圧し、キャサリンを近くに置いた。ヴラッドにデヴリン・ストーンの連合を支持するよう促したのは彼女だった。兄がストーンを支持していたからだ。どんなに兄を憎んでいても、ヴィクターが常に勝利することを彼女は学んでいた。
ヴラッドはウルフ・クランをどう強化するかを考えずに動くことはなく、死の瞬間までその目標に向かってたゆまぬ努力を続けた。クラン・ヘルズホースとのハーベストの審判中、ヴラッド・ワードはクラン・ウルフの栄光のために戦い、生きていた時と同じように気高く死んだ。

乗機