傭兵 - バトルテック日本語ルール@ ウィキ

傭兵とは

独立は傭兵生活の特徴であり、大義名分、任務、リスクを自ら選択する自由そのものである。継承王家軍という巨大機械の小さな歯車のひとつであることに嫌気がさしている普通の兵士であれ、家柄よりも実力で道を切り開こうとする王族の末裔であれ、戦う意志はあるが自分が信じていない指導者の後ろ盾になることを嫌う破天荒な人間であれ、現代の傭兵戦士は継承王家軍では与えられないもの、つまり自分自身の主人となるチャンスを求めている。
31世紀の傭兵部隊は、大小、名声の有無にかかわらず、大義のためだけでなく報酬のためにも戦う。傭兵はいかなる領主にも屈服せず、いかなる大名家にも仕えない。その代わり、彼らの第一の忠誠心は戦友にある。同僚であり、友人であり、家族でもある戦士たちは、国籍や政治よりもはるかに深い絆で結ばれている。他のどのタイプの兵士よりも、傭兵は戦場の内外で生き残り、成功するために互いに依存し合っている。ステレオタイプとは裏腹に、平均的な傭兵は高い金を払えば売買されるというものではない。傭兵部隊は何よりもまずビジネスであり、部隊の装備や状況は適正な給与、サルベージ、指揮権に左右される。傭兵部隊の指揮官とその配下の兵士にとって、キャリアを成功させることは、物質的な報酬とより高い理想との間で適切なバランスを取ることを意味する。傭兵部隊はその雇用主の大義を信奉しているからこそその雇用主を選ぶのだろうが、どんな傭兵であれ利益を度外視するわけにはいかない。契約は傭兵の生命線であり、傭兵は報酬と戦場でのサルベージを頼りに、装備品や資材など、傭兵部隊を維持するあらゆるものを調達する。継承王家軍の部隊には必要なときに頼れる軍組織全体があるが、傭兵には自分と仲間しかいない。だが彼らはそのやり方を好んでいるのだ。
インナースフィアにおける傭兵は、ウルフ竜機兵団のような伝説的な組織から海賊に毛が生えた程度の荒くれ部隊まで、実にさまざまである。ほとんどの傭兵部隊はこの両極端の中間に位置し、確かな戦闘技術を提供し、そこそこの利益を得ている。一般に傭兵部隊は契約を全力で履行することが期待される。彼らの生活は評判に左右され、成績の悪い者や雇い主を騙した者が再び雇われることはめったにない。しかし、傭兵のプロ意識は両極端だ。傭兵を酷使する雇用主は、評判の良い傭兵団を集めるのが難しくなり、傭兵の星ガラテアでコムスターが運営する傭兵審査委員会(MRB)で法的手続きに直面することもある。
すべての大王家が傭兵部隊を雇用しているが、その状況や傭兵に対する態度は大きく異なる。クリタ家は傭兵部隊を敵視することで有名だが、これは支配者一族に対する個人的な忠誠心を他の美徳よりも重視する文化に起因する。他方、恒星連邦とライラ共和国は拡張と防衛のために長い間傭兵に依存してきた。特にライラ共和国は傭兵を受け入れやすいことで知られ、彼らは傭兵を同じビジネスマンとみなし、認める傾向にある。
良い雇い主と悪い雇い主がいるように、良い傭兵部隊と悪い傭兵部隊が存在する。インナースフィアの最高の傭兵部隊は、既知の宇宙で最も輝かしい部隊で構成されている：ウルフ竜機兵団、ケル・ハウンド、ノースウィンド・ハイランダーズなどだ。これらの部隊は、最精鋭の継承王家部隊と肩を並べるほどのプロ意識と卓越した戦闘技術で際立っている。ケル・ハウンドやマッカロン装甲機兵隊のように、特定の支配者である王家への熱烈な忠誠心で知られる部隊もある(ただし、特定の王位継承者に忠誠を誓うとは限らない)。
もう一方の極端な例としては、ライラ共和国との駐留契約に基づいて行動しながら、デモ参加者を殺害し、都市全体を略奪したオベロン守備隊のような部隊がある。このような極端な行動は守備隊を惑星から追放することにつながり、その結果辺境で最も恐れられている海賊の一人であるレッドジャック・ライアンが台頭することになった。雇い主を裏切り、公認されていない軍事的冒険主義を追求し、戦争犯罪を犯すなどの不名誉な行為や明白な違法行為を行う傭兵部隊は、しばしば名誉を失い評判の良い傭兵契約からブラックリストに載る。そのような道はしばしば海賊生活につながる。

MRB

傭兵審査委員会(MRB)は2789年にコムスター創設者のジェローム・ブレイクによって創設され、傭兵生活の中心的役割を担っている。傭兵審査委員会は、傭兵問題の中立的な立場で、雇用者と被雇用者のどちらの代理人でもない。理論的には、MRBは双方の公正なビジネス慣行を保証するだけである。実際には、MRBは傭兵とその雇用主との間の取引について、コムスターに詳しい情報を提供している。どの部隊がどの王家に雇われ、傭兵がどこに配置され、契約に何が定められているかなどについてである。傭兵の多くは審査委員会の権限に不満を抱き、コムスターの監視なしに独自の交渉を進める者もいる。そのような傭兵部隊の指揮官は、雇用主が部隊を見捨てたり、犠牲にしたり、契約を反故にしたりしても何の手立てもないため、契約条件が守られるかどうかは雇用主のなすがままになってしまう。MRBの監視があれば、雇用主と傭兵部隊の両方がより高い基準で管理される。どちらか一方による契約違反や犯罪行為は公表され、違反者の評判に傷がつくため、倫理観の欠如を強力にチェックできるのである。

ガラテア

テラからわずか3ジャンプで行けるライラ共和国の不毛の世界ガラテアは何世紀もの間、SLDFとライラ共和国軍の主要な訓練世界だった。大規模な軍隊が常に存在することで強力な経済が維持され、ガラテアはテラから共和国に入るルートの主要な貿易港となった。しかしスターリーグが崩壊すると、この世界は経済恐慌に陥った。自活するための産業や農業もなかったガラテアは、仕事を求める失業傭兵の流入がなければ過疎化していたかもしれない。逆にもしこの世界が経済崩壊に見舞われていなければ、傭兵たちはそっぽを向かれていたかもしれない。
しかしその代わりに何らかの産業が切実に必要とされたことで、ガラテアでは傭兵という職業が盛んになった。何世紀にもわたりあらゆる国々が傭兵の雇用を活発に行ったことで、この世界は"傭兵の星"と呼ばれるようになった。ジェイム・ウルフの統治下でアウトリーチが勃興すると、ガラテアの運命は衰退した。しかし近年その光が弱まったとはいえ、多くの人々にとってこの世界は今も傭兵の星である。
傭兵たちは通常、一度に大量のドロップシップを収容できる巨大な宇宙港、ガラポートに到着する。ガラポートの南東には、傭兵取引の中心地であるガラテアン・シティがある。この巨大で広大な都市はスターリーグの黄金時代に誕生した当時の面影を色濃く残しているが、一方でスターリーグが崩壊した後の好景気と不景気のサイクルは、都市そのものの混沌としたレイアウトに顕著に表れている。この都市は献身的でタフな防衛軍によって守られているが、しばしばどんな報酬をも求める自暴自棄の傭兵によって増員されている。放棄された大規模な住宅地区がなければ、アウトリーチがこの世界に与えた影響は気づかないかもしれない。このまま傭兵の流出が竜機兵団の故郷に向かうと、ガラテアの経済は再び崩壊する可能性が高い。

アウトリーチ

アウトリーチは、地表の大部分を巨大な海が覆い、潮の流れを遮るのはロムルスとレムスの2つの小さな大陸だけという快適な世界だ。かつてはスターリーグ闘技オリンピックの開催地でもあり、アウトリーチはさまざまなメック軍を受け入れてきた。ハンス・ダヴィオンは3030年、第四次継承権戦争でのウルフ竜機兵団の奮闘と多大な損失に対する感謝として、ジェイム・ウルフにこの世界を贈った。
竜機兵団はレムスを個人的な領地とし、ロムルスに多くの施設を建設、整備した。首都ハーレシュはすぐにインナースフィアの傭兵たちの首都となり、さまざまなサービスを提供するようになった。壮大な雇用ホールでは主に竜機兵団の傭兵仲間たちが正規雇用を得るための手助けをし、無限とも思える倉庫やあらゆる戦闘マシンの修理室、最高レベルの訓練施設などがある。ハーレシュ宇宙港はインナースフィアで最大級の規模を誇り、アウトリーチで唯一竜機兵団以外の人員の上陸を許可している。
アウトリーチでの傭兵取引は非常に寛容で、反逆者や犯罪者のレッテルを貼られた傭兵だけが取引を禁じられている。指揮官の経歴や最近の戦場での成績に関係なく、アウトリーチには(一時的な)居場所がある。
実際、多くの落ちぶれた傭兵がハーレシュを経由するため、街の南東部は彼らを受け入れるために大きく拡張された。テンプタウンと呼ばれるこの地域のみすぼらしい状況はそこに住む傭兵たちを反映しており、多くの傭兵が仕事を見つけることができず、事実上の街の住民となっている。アルコールと憂鬱が入り混じるとカッとなるのか、テンプタウンでは犯罪が多発する。この地域の評判の悪さは、住民が有為な職を得ることをさらに妨げている。