「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 ---- *悪代官 【あくだいかん】 |ジャンル|シミュレーション|&amazon(B000068338)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|グローバル・A・エンタテインメント|~| |発売日|2002年8月8日|~| |定価|6,279円(税5%込)|~| |廉価版|GLOBAL The Best:2003年7月31日/2,940円(税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |>|>|CENTER:''悪代官シリーズ''&br;''1'' / 2 / 3 / [[漫遊記>悪代官漫遊記]] / [[正義の刃>悪代官漫遊記#seigi]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 グローバル・A・エンタテインメント渾身のバカゲー。タイトル通り時代劇において常にやられ役である「悪代官」にスポットを当てた作品である。~ システム自体は『[[影牢シリーズ]]』などに似ているが、コンセプトはむしろ『[[勇者のくせになまいきだシリーズ]]』に近いと言われる。 **システム 悪代官の元に正義の味方が攻め込んでくるので撃退せよ!…といったもの。内容自体はどこにでもありそうなゲームなのだが…… -準備パートと迎撃パートに分かれており、準備パートで罠と用心棒の支度、迎撃パートで正義の味方を迎え撃つ。 --用心棒は配置場所で待機(家臣は悪代官に追従)しており命令を出して行動させることが可能。基本的に時代劇よろしく''刀の錆''にしかならない。 ---かといって使いどころがないわけではない。正義の味方には「気力ゲージ」があり、これが残っているうちは罠にかからないのだが、用心棒をけしかけることでゲージを削ることができるのだ。 ---ただ、用心棒自身も罠に引っかかる((例外として、設置者である家臣系とこういうものに強そうな忍者系は引っかからない。ただし発動させないだけであって、他で発動した罠には巻き込まれる))ので配置場所に注意。 ---用心棒は死んだ時に小判を落とす((用心棒の手持ちの金で悪代官からの雇用費の残りだそうである。尚、落とす金額は全員固定の為、安い折助系の用心棒だと雇用費より多くの金が手に入る。))。クリア後の評価にも影響するのでしっかり回収しておこう。死人には無駄なものですしね((『2』説明書に本当にこう書いてある。))。 --本作のダメージ源は罠が基本になる。 ---罠には非常に多彩な種類があり、中には組み合わせて使うことで真価を発揮するものもある。(例:点火装置のない油や火薬→別の罠の火で大炎上・爆発など) ---ワープ装置、囮、文字通りの死に罠も存在する。 -準備パートでは資金の限界分までしか罠や用心棒の支度はできない。 --十分支度できたと思ったら、メニューから帯回しを選択すれば正義の味方が来るまで時間を潰せる。 -迎撃パートでは、逃げ回りつつ正義の味方を罠にはめていく。 --正義の味方の体力をゼロにすれば勝ち、悪代官の体力が尽きると負けである。 --用心棒も罠も尽きたら、最悪、悪代官自身が武器を振るって戦う羽目になる。武器によっては、弱めの正義の味方程度なら蹴散らせるものもあるが、正義の味方に接近する必要があるのでハイリスク。 ---上述の通りリスクこそあるが、悪代官が止めを指すと「悪代官地獄」のコンボが追加され特別報酬ももらえるので、狙う価値はある。 -火の強力さ。 --一度火がつくと消えるまでダメージを与え続ける。かなり強力でコンボを組み合わせると簡単に抹殺、瀕死にまで追い込める。 --だが火が付いたキャラは皆逃げ回る(悪代官以外)ので、あっと言う間に周りの人間に燃え広がってしまう((なぜか裸の力士系も火だるまになる。))。火がついて危険なのに斬りかかり引火して逃げまとう用心棒、それでも無事な周りの建物…シュールである。 -ステージクリアすると、そのステージ内の評価(後述)に応じて金が手に入る。これらと、ステージ内で集めたお金(主に用心棒が落としたもの)を使って、武装の強化ができる。 --一部の罠は強化によりランクが上がっていく(松、竹、梅など)。 --より強い罠や用心棒を準備することで、強大な正義の味方にも立ち向かっていけるのである。 ---- **おバカな点 とにかく徹頭徹尾''バカ''に徹しており、最後までその姿勢を微塵も崩さない。 -一応時代背景は江戸時代…のはずだが、そんなことは序盤で''完全に忘れられる''。時系列も無茶苦茶で幕末の志士より後に赤穂浪士(江戸時代中期)が出たりする。((流石に安倍晴明と天草四郎は過去の人間として幽霊で出てくる)) #region(カオスな宿敵一覧・ネタバレにつき折りたたみ) --柳生十兵衛 (1640年代)→神田三河町の半七(1840年代)→大岡越前(1700年代)→遠山の金さん(1840年代)→くの一姉妹(不明)→長谷川平蔵(1790年代)→石川五右衛門(1590年代!?)→新選組(1860年代後半)→安倍晴明(霊魂につき不明)→服部半蔵(戦国末期~1880年代)→天草四郎(霊魂につき不明)→雷電爲右エ門(1790年~1800年代)→ツタン仮面(呪いの品につき不明)→赤穂浪士(1703年・討ち入りの年)→水戸のご老公(1690年代) #endregion --「セキュリティ」「セッティング」「サービス」など、江戸時代にあるわけがない単語を連発するのは序の口。 --正義の味方が口上を述べる様は''テレビ(旧式)''で放映される。そしてキレた悪代官が刀で一刀両断。 --他にもヘッドライトや''携帯電話(ご丁寧にメニュー画面の着メロ付き)''が平然と出てくる。 ---しかも、この着メロは''公式サイトで無料配信中''である。ぜひDLして設定しよう。 --ストーリーを進めるにつれてあれよあれよと言う間に埃及(エジプト)に宝探しに行く羽目になり、白基地丸(どこからどう見ても''ホワイトベース'')などというものまで登場する。 ---これに限らず全体に[[ガンダム>ガンダムシリーズ]]ネタ多め。背景に過ぎないが、''機動木像・願仏(ガンブツ)''なんてモビルスーツもある。 -とにかく、悪代官・腹黒主水之介助兵衛(はらぐろ もんどのすけ すけべえ)と悪徳商人・大黒屋金次のキャラクターが濃く、インパクトがすさまじい。 --悪代官役は悪役商会所属の千本松喜兵衛氏が演じている。貫禄たっぷりながら、暴走する大黒屋に振り回される微妙な常識人っぷりが笑える。 ---用心棒の雇用や罠の設置時には自ら現場へ趣いて指示を出す、正義の味方登場時には逃げ出さずに用心棒の指揮を執り、いざとなれば自ら抜き身((刀系武器の他にもまきびしや火器、この時代ではハイテク技術とも言えるからくり兵器すら使いこなすというハイスペックぶり))を振るって応戦するなど、指揮官としてはそれなりに優れていたりもする。 --大黒屋はいわゆる悪代官の腰巾着役であるが、悪代官の名前を勝手に使って悪辣な事業を興し、そのせいで正義の味方が差し向けられるなど、むしろ悪代官を振り回す役回りである。趣味は通信教育で、陰陽師や真剣白刃取りの資格を持っているらしい。 --もちろん、あの名台詞も再現されている。「大黒屋、おぬしも悪よのう」「いえいえ、お代官様ほどでは…」「死人に口なしじゃ」 --その一方で、時代考証なんて眼中にないことがまる解りの「ワシの華々しいサクセスストーリーに傷が付く」「奉行所のテーマパーク」「この手のレジャー施設」「『秘密のア・ジ・ト』と表札((しかもこの表札は「来てね 待ってるわ」なんて書かれており、どう考えても大黒屋の悪乗りである。))を出しているからでございます」なんて台詞や…… --敵を迎え撃つ際の「柳生だと?いきなりビッグネームが出てきやがって!」「急に時代考証を意識しやがって。大体誰だよ、その松平ナントカってのは!」「おいおい(チッ)、時代と空間を越えてるぞ」「新選組の女性ファンを敵にするつもりか?このゲーム」といったメタな台詞や…… ---「''もー。時代劇とかじゃないだろ、コレ!''」 …しまいにはこんな台詞まで出てくる始末。 --「帯回し」「山吹色のお菓子」などお約束の要素も満載。特に帯回しは全作においてミニゲーム化されている。 -各ステージ冒頭では状況説明が行われるのだが、この状況説明は''実写''で行われる。明らかに力のいれどころを間違えている。 --しかも、予算の関係で悪代官達が密会を行う部屋のみ使いまわしている辺りもシュールな笑いを誘う。 ---それ以外のステージ導入部やゲーム本編・ミニゲーム等は全てCGで表現されており、舞台も豊富(長屋や屋敷、船上などなど)なのでご安心を。 --しかしその制約すら逆手に取り、悪代官に毎度のように「何故ここにいつもの部屋があるのじゃ?」と突っ込ませると言ったギャグに昇華させている。 ---ちなみにその理由は『行く先々に同じ部屋を毎回作っている』或いは『移動式に改造して部屋ごと空輸されている』と言ったトンデモ設定、大黒屋曰く「サービスで御座います」。 ---この部屋自体も安普請なのか悪代官が座り込む度にギシギシと軋み、その音がマイクに拾われている。 -正義の味方はどれも皆さんお馴染みのあの方々。[[隻眼の名剣士>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E7%94%9F%E4%B8%89%E5%8E%B3]]とか、[[名裁きで知られるお奉行>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B2%A1%E5%BF%A0%E7%9B%B8]]とか、ラスボスが[[諸国漫遊で名高いあの人>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%88%B8%E9%BB%84%E9%96%80]]だったりする。 --時系列的におかしい上に正義の味方として疑問符の付く新選組や赤穂浪士なども登場。''新撰組は本当に38人で襲撃してくる''((マップ内の敵は5人しか居ないが次から次へと増援が現れてキリがない。が近藤、土方、沖田の3人を倒すとモブが残って居てもクリアとなる))。 --その他、元ネタ不詳な『くノ一姉妹((悪代官を演じる千本松氏は「特撮物の悪役の人間態の姿」として出演していた事があり、それに関連付けていると思われる「あれ?どこかで聞いたことのあるセリフ」))』や時代劇と無縁の『ファラオの亡霊』((その名も「ツタン仮面」。なお正体は呪いの仮面をかぶってしまった悪代官の家臣))』が出てきたりもする。 --彼らの口上もしっかり再現されている。流石にそっくりそのまま再現するとマズいのかネタを入れている者が多い。 ---くのいち姉妹「オオタカの生息地を荒らし、無駄な''ダム工事''を行おうとするその企み……」 ---水戸光圀「金の力で将軍家の''DNA''に自分の遺伝子を混ぜ込んで…」((悪代官も「御老公を名乗る不届き者め!斬り捨てい!」と別番組でお馴染みの返しをする。最後の戦いということもあってかここは真面目)) --極め付けはエンディング。最後の最後までネタを仕込んであり、スタッフロールまでプレイヤーを笑わせに掛かってくる。 -ちなみに無念にも悪代官が殺されると、''ハッピーエンドと言う名のゲームオーバー''になる。 --挿絵を背景に時代劇風の解説が語られているのだが、序盤はともかく後半以降はこちらも突っ込みどころが多すぎる。 ---ステージが進んでいくと解説者も疑問に思っていくのか「…あれ?((悪代官の乗った飛行船が墜落、それが大いなる戦乱(ぶっちゃけガンダムの一年戦争のオマージュ)を招いたとの解説))」とか「そろそろ突っ込むのも面倒になってきたでしょ((悪代官を倒したファラオの仮面を被った家来のミイラが後の世でピラミッドから発見されて「ピラミッドは日本人が作った」と言う珍説が出されたという解説。))」などとメタ発言を言い出す。 --挿絵も真面目なものから突っ込み所満載のものまで様々。なお三作目の挿絵はほりのぶゆき氏が担当している。 ---- **評価点 基本のゲームシステムもしっかり練られており、決してバカなだけのゲームではない。 -基本的なシステム --まず、制限時間内に罠と用心棒を設置し、時間になると正義の味方がやってくるのでそれを倒す、というのが1ステージでやることとなる。 ---この過程でのプレイ内容次第でステージクリア時の賞金が増減し、それを用いて罠を開発しつつさらなるステージをクリア…と言うのが本作の進め方。 --ダメージソースは罠に偏っており、用心棒を資金いっぱい配置してもおそらく勝つことはできないだろう。 ---では罠ばかり置けばいいかというとそうではなく、正義の味方の登場時は集中力がMAXであり、&bold(){どんな罠にもかからない}。なので用心棒を配置し戦わせることで(または代官が視界にいると)集中力を一時的に少し減らすことができる。この状態で罠に巻き込むことで、初めて罠のダメージが通る((それとは別に正義の味方の中には特定の種類の罠を100%見切るものがあり、これらは集中力に関係なく回避される))。因みに何もない状態で放置すると集中力はMAXに戻る。 --つまりこのゲームは、この2つのバランスを良く考えつつ、如何に資金を使わずにクリアを目指すかの言わばチキンレースであるといえる。 -まずは罠の設置について --準備と称して罠・用心棒を設置することができるが、準備時間の刻限や使用可能な総額やが決まっているだけでなく、設置を指示すると&bold(){悪代官に追従している家臣が実際に買い付けに行く}。 ---家臣はステージ開始時に10名ほど与えられている。指示は何度でも出せて手の空いた家臣が自動で遂行するが、全員が指示遂行中だといずれかの設置が終わるまで再指示できない。刻限に間に合わなければ罠や用心棒は設置されない。 ---待ち時間ができてしまって勿体ない、という場合には家臣を追加で購入することもできる。もちろん正義の味方が現れた際には一緒に戦ってくれる(決して強くはないが)。 --また、罠同士も並べ方の工夫で連携させることが可能。例えば「岩石の母(転がる岩)で火炎放射器のスイッチを踏ませ、&bold(){その炎をずらっと並べた用心棒に引火させて導火線にし}((当然直で当ててもちゃんと反応する))、遠くの裂だる(炎で爆発する罠)に当てる」等々… ---逆に言えば、例えば岩石の母が転がって行く先に落とし穴や虎ばさみ等があれば全部ダメになるので、考えて配置する必要がある、ということでもある。 ---岩石の母、裂だるなどの爆風に巻き込むと範囲の罠は全て壊れる仕様になってるあたり、芸が細かい。逆にいうと爆風に巻き込まれる位置に用心棒や悪代官がいると当然吹っ飛ばされてダメージを喰らう。 -次は戦闘について --短時間に複数種の攻撃を正義の味方に当てる「連鎖」を上手く狙っていくことで、用心棒や罠の節約とダメージの増加が同時に狙える。重要なテクニックである。 ---これだけでなく、連鎖した罠でトドメを刺すと「○○地獄」というメッセージが表示される。このパターンも豊富であり、色々試してみたくなる。 --罠を大量に設置してゴリ押しすることも可能だが、そのような方法では評価が大幅に下がる。評価のランクも「便所蠅」「蚊とんぼ」など最悪クラスに。 ---というよりシステム上、一度喰らわせた罠と同じ種類の罠は、コンボ可能期間中に別個当ててもダメージを与えられないので、違う罠を組み合わせてコンボを狙わないと倒せない。 ---とはいえ、ランク違いの罠でも「地獄名が共通((裂ダルは梅も竹も松も『阿鼻叫喚地獄』。炎吹童子も三種すべて『黒縄焦熱地獄』。))だと連鎖不可」「地獄名が違えば((例えば仕掛槍は「仕掛槍梅→仕掛槍竹→仕掛槍松」にそれぞれ『剣林地獄』→『大剣林地獄』→『刀葉林地獄』が用意されている。))連鎖可能」と、この辺の扱いはバラバラ。 --ある程度慣れてきたら、是非とも低設置数クリアを目指したい。いかに無駄なく配置するかが重要。大黒屋の山吹色の菓子は無限ではないのだ! ---といいつつ設置費200両未満の罠は、置けば置くほど評価が上がる仕様になっていたりする。 -多彩にしてユニークなミニゲーム。今作では以下の三種類だが、こちらも本編に負けず劣らず突っ込みどころが満載。 --『ザ・帯回し』:着物娘の帯を引っ張ってほどいていくアレ。但し帯の長さが異常なまでに長く(230反=228099.174m2)、しかも高速で回すと娘が吐いてしまうので適度な速さで回していく必要がある。なおクリアできなかった場合は''娘にボコボコにされる。'' --『ザ・天井突き』:天井裏の忍者を槍で突く。比較的マトモである。''槍に刺されなかった忍者が命のポーズをとって「セーフ」と言う''のに目を瞑ればだが……。ちなみにミニゲーム説明は「君も新型人間に覚醒しよう」。 --『ザ・乱心斬り』:江戸城松の廊下にて強制スクロールで出てくる大名・幕閣を、ご乱心状態で「ファラオの波動」により片っ端から斬っていく。''なんで大黒屋がゴール地点でテープカット待ってんの?''とか''悪代官のやる事じゃないだろ''等もはやツッコミしか出てこない((ちなみにちゃんと(?)次のステージは赤穂浪士である。時系列もバッチリ!?))。 -地味にBGMのクオリティも高い。 --本編の暴走っぷりとは対照的に、BGMは正当派の時代劇調(一部除く)。 --サウンドを手掛けているのは畑亜貴・並木晃一夫妻。知っている人にとっては「ビッグネーム」である。 ---今作ではまだそれほどでもないが、一部には原曲を彷彿とさせるようなアレンジ曲も。 **問題点 -システム面での不備が多い。 --準備パートでは、正義の味方がどこから入ってくるか、迎撃パートでの悪代官の初期配置がどこになるかわかりにくい。(正義の味方の初期位置には用心棒・罠が置けないので判別は可能) ---このため用心棒を固めておいた場所とは全然違う場所から入ってこられたり、悪代官自身が無差別系のトラップに開始早々引っかかったりする。一応今作では出現位置は固定なので次回からはきちんと対策を練れるが…。 --罠の連鎖に関しては説明不足。「連鎖をすれば大ダメージ」という説明のみで、連鎖を繋がないと直前の罠のダメージの大部分が回復してしまうことや、前述のとおり連鎖中は一部の罠が無効になる事などが説明されていない。 ---また、先述のようにランク違いでも連鎖可能な罠と不可能な罠とがあるが、個々の罠がどちらに属するかはゲーム内には文章としての説明は存在せず、実際に使ってみないと分からない。 ---それ以外にも説明文でネタに走りすぎた結果、一読しただけでは使用方法の分かり難い罠や武器が散見される。&br()(次作以降では「ネタとしての説明文」と「まともな説明文」を分けて表記することで改善されている。) --罠や用心棒の設置を間違えたとしても修正できない。慣れないうちは非常に辛い。 --悪代官の足はものすごく遅い。一目でデブと分かる外見((演者は柔道黒帯であり、実際には筋肉質で大柄と言った方が正確))なのでリアルと言えばリアルだが…。 ---準備パートで罠を設置するために走り回っていると痛感する。総大将なんだからどっしり構えて図面の上から指示を出せばいいのに。 ---特にスイッチ起動型の罠は、罠本体とスイッチの2カ所に分けて設置する必要があるので、複数設置しようとしたときの手間は半端ではない。 ---もっとも、上で散々遅いと言ったものの実際にはどの敵よりも速かったりする。操作ミスが無ければ忍者型の敵からも延々逃げ続けることが可能。 ---また、図面の上からの指示だと実際のプレイ時に罠や現在位置の把握がしづらく(特にMAPが広くなり入り組むようになる後半)混乱してしまう可能性もあるので、罠設置画面で実際に動いてMAPや仕掛けた罠をプレイヤーに記憶させやすくするのは正解とも言える。 -敵が強くなく、ボリュームも薄めなので、旨くやれば一日でクリアできてしまう。 --ただ、あくまで悪代官様の武器や罠を開発した場合の話であり、初期のままだと、後半の敵が辛い。実際、初期罠、武器だけでどうやってラスボス3人衆を倒すか攻略本で企画されたほど。 --あくまでゲームシステムの話であり、ストーリーや罠や用心棒のネタなど十分笑えるので問題はない。 ---また、次回作以降と違ってシンプルに纏まっている分繰り返しプレイや特定の罠、用心棒を重視したプレイがしやすい等プレイヤーの嗜好を反映させ易いと言う面もある。 -低予算作品のためか、びっくりするぐらいグラフィックが粗い。 --''PS初期''でギリギリ納得できるレベル。[[SIMPLEシリーズ]]でももっと綺麗な作品はたくさんある。 ---ただ、この辺りはグラフィックに回す手間を全て内容に注力した、と言えなくもない。実際ゲームの内容自体は相当濃い。 ---グラフィックは二作目で多少改善はされたがあまり変わって見えない。三作目でようやくハード相応になった。 -前述の通り''死に罠、武器''が存在する。 --無限に使えて炎を放つ刀、手榴弾、火炎瓶…これらは''悪代官自身も巻き込まれる''ので使い切る頃には自分が瀕死状態になる。 --茶運び人形シリーズは初期版はほとんど使い物にならない。 ---矢を放つからくり罠であり、威力は高いので使いどころを弁えれば強力。しかし敵味方の区別なく発動するので''下手をすると悪代官を抹殺してしまう欠陥品''である。反面後期シリーズのものはかなり強力であるが…。''明らかに欠陥、未完成品を開発、販売し完成版を後日販売する(しかも開発費も悪代官持ち)''というどこかで聞いたような商法を先取りする大黒屋金次には本当に感心する。 //(ぶっちゃけコーエー商法)←コーエー商法の場合、一概に未完成品とは言えないのでは?一応CO。 ---さらに''改良型のはずが実は前バージョンと性能が同じ''といったものまである。中身が同じ品を外観や名前を変えただけで別のものと言って平然と売りつけるというどこかで聞いたような商法を先取りした大黒屋金次に(ry ---なお、茶運び人形シリーズには、茶運び人形 児・二児・二本・地・はね・十・転甲((甲乙丙の甲が回転(=ターン)する、つまり…。))・&bold(){がんかる}などがある。実用性は「はね」が飛び抜けて強力だが他は使い勝手はいまいち。 ---余談だが、一見意味不明なシリーズ名もガンダムネタ。タイトルをよ~く見比べてみると…。 -用心棒にも当たり外れが多すぎる --「初期で一定数確保されていて、罠設置の際の人手ともなり、戦闘時は罠にかからない」家臣系、「弱くてすぐに逃げるが、死体から回収できる金額が雇用費より多いので元が取れる((ダメージを受けるとすぐ逃げるので罠を誤作動させ易いという欠点はあるものの、中盤以降は一撃で殺されるのであまり問題にはならない。))」折助系、「雇用費が安く能力のそこそこ」な浪人系…ぶっちゃけ彼らだけで大半のマップはクリアできてしまう。 ---剣豪や忍者((飛び道具で攻撃でき罠にかかりにくい))や槍使いは雇用費が高く、数で押せないので使い勝手が悪い。 ---一応、質に目をつぶり数で押す方法を逆手にとってくる正義の味方((天草四郎が該当、用心棒を倒すとゾンビ化させて悪代官を襲わせる。))もいるが… -問題点に当たるか微妙だが、一部なぜその仕様なのか分からない正義の味方がいる。 --新選組は瞬殺できるモブ含めて(リーダーである近藤、土方、沖田以外を撃破すると増援として残りが登場するので、最大登場数が5人と言ったほうが正確)38人配置されているのに、「四十七士」と呼ばれる赤穂浪士の配置が5人だけだったり(但しこちらもリーダーの大石内蔵助を倒さないと時間経過で増援として残りの42人が次々と出現するので初期配置が5人といったほうが正確)、ラスボスより攻撃力が高い石川五右衛門など。 ---参考までに言うと、新選組も五右衛門も前半の敵なので難易度調整ではない。 --半蔵のお供の忍者2人やミイラ2体など倒さなくてもいい敵の判定が分かりにくい。新撰組モブや赤穂浪士モブなども倒す必要はないが、罠の誤爆に繋がるので倒すべきではある。 ---- **総評 その''バカ''な部分に目を奪われがちだが、実際のゲーム内容も手を抜かれておらず、「遊べるバカゲー」である。~ 後に続編も発売されている事から、その人気ぶりが窺える。 ---- **余談 -本作は「初週の売上が全体売上の七割を占める」といわれるゲーム業界において、2週目の売上が初週を上回ったという珍しい経歴を持つゲームである。 **続編 -一年後に発売された次回作の『悪代官2-妄想伝-』は今作の純粋な進化版とも言える作品((サブタイトルは無双シリーズの「猛将伝」のパロディ))。 --『1』の40年後が舞台であり、引き続き千本松喜兵衛氏が演じる新たな悪代官・羽流内匠頭助兵衛(わるたくみのかみすけべえ)と悪徳商人・弁天堂の悪巧みが描かれる。 --今回のストーリーのテーマは「倒幕」。しかしそんな事はすぐに忘れてしまうほどガンダムネタ、[[スター・ウォーズ>スター・ウォーズシリーズ]]ネタ全開のストーリーになっており、『1』に登場した白基地丸や願仏に加えてライトセ○バーやデ○・スターのパロディすら普通に出て来る始末((地味にマイケル・ムアコック氏のエターナル・チャンピオンシリーズが元ネタの武器まである。))。 --出てくる敵も序盤こそは旗本退屈男、鼠小僧、清水次郎長と言った時代劇らしい面々だが、そのうちペリーや西郷隆盛が現れ、挙句の果てに''モアイ''((体力が減るとイオンリング発射、同様の効果のある剣をプレイヤーも使用可能))、''竜宮城の乙姫''、''閻魔大王''等までが襲って来る、もはや時代劇と呼ぶこともおこがましい(褒め言葉)展開になっている。勿論時代考証などハナから考えにない(褒め言葉)。 ---また、ゲームオーバーのメッセージが「[[ああ、しんじゃった>元祖西遊記スーパーモンキー大冒険]]」になっており、ジャンルを問わないパロディネタも全開。 ---特にモアイステージのゲームオーバー時に表示される一枚絵はどう見ても[[某有名STGパッケージ絵>グラディウスシリーズ]]。よくコナミに怒られなかったものである。 ---流暢な英語なので聞き取りづらいが、ペリーは日本人の蔑称を叫びまくる。 --正義の味方登場前の代官がテレビを斬る演出は無くなり、帯回しの最中に家臣が知らせに来る形になっている。前作をプレイした人はつまらなくなったと思うかもしれないが''そう思えるのは最初だけであり''、ステージが進む毎にネタ度が加速していく。 ---勿論いつもの部屋ネタは今作も健在である。ただし今回は逐一作っている設定ではなく、部屋ごとヘリコプターの様に移動する設定((セリフも「サービス&セキュリティーに御座います。」となっている。 ただし寿司屋の出前が中まで持ってくるほどの戸締りである。))。 --ストーリーもやはりおバカ全開だが、一応前作よりは目的がはっきりしている事もあり、所々シリアス(っぽい)な雰囲気も無くもない。ラスボスは意外な人物であり、そのラスボスとの会話シーンもいつになくシリアスである。''言っている事は完全にギャグだが。'' --ネタ方向に流されがちだがゲーム性も向上しており、装備アイテムの追加や、罠や用心棒をネジや軍杯で強化したり使い込んだ武器が強力になる。評価画面の格付けに取る景品付きビンゴ等やり込み面も強化されている。 ---特に正義の味方にトドメを刺したときの演出は強化されており、連鎖時に表示される「○○地獄」毎に断末魔の悲鳴を上げる。大連鎖した時の爽快感は大きい。 ---資金集めも前作と違い、ミニゲームをやればやるほど追加でき((1ではミニゲームで獲得できる金額がハイスコア分までという上限があり、2回目以降のプレイ時にはハイスコア更新時のみ元のハイスコアとの差額のみが入るようになっていた。))楽になった。 ---ただし、装備アイテムなどや重量システムの追加などでややとっつきにくくなり難易度も上昇している((性能のいい武器は大抵重く、悪代官の速さが遅くなる。この状態だとまず正義の味方を振り切れなくなる。))。 --ミニゲームもパワーアップし、帯回しは射的風の要素の加わった謎の競技へと昇華され(&bold(){間違えると関取を回すことになる})、『1』では背景に過ぎなかった願仏に搭乗して''宇宙一揆を鎮圧するミッション''や、某クイズ番組((タイトルは「問答百万石」。元ネタをただ和訳したものと言えば判るだろうか))に酷似した時代劇クイズ、捕らえたくノ一を拷問に掛けると称して拷問名を揃える神経衰弱と言った((ちなみに札を揃えた時に出る「大人はそのまま、子供は✕ボタン」という台詞にもきちんと元ネタのゲームが存在する。なお、揃えてもR指定要素はほぼない。))ぶっとんだものが登場。&color(#999999){これらは(一応)ちゃんとストーリーと関係がある}。&color(#cccccc){そして一切関係のない謎の隠しミニゲーム(悪代官あっあっあゲーム)もある。} --おまけ映像でスタッフによるお礼VTRがあるが、体を張った非常に危険なことをしている。よい子のみんなは決して真似をしてはいけない。 -『2』から四年の時を経て、『悪代官3』が発売された。こちらでは影牢シリーズに酷似した内容になり、システムと世界観が一新された。千本松喜兵衛氏は勿論続投。 --主人公は『1』と同じく腹黒主水之介助兵衛だが、世界観と設定の一新により、前作までとの繋がりはほぼ無い。旧作のパラレルワールドとも未来とも解釈できる内容となっている。 --悪徳商人(今回の名は恵比寿屋)の他、日本一の斬られ役・福本清三氏が演じる用心棒の先生や悪代官の妻子((なんと妻は千本松喜兵衛氏の女装による一人二役。しかし声は女性声優が(しかもアニメ声で)アテレコしており、ミスマッチどころではない凄まじい光景になっている。))などが登場し、『2』までとはゲーム性は勿論、作風も少々赴きが異なる。OPムービーも、おバカ全開だった『1』『2』に比べると真っ当な時代劇風である。…勿論、本編はバカ一直線だが。 --登場する正義の味方は再登場したものも含めて大幅に増え、シナリオ分岐もあり、ボリュームはかなり増加。舞台は代官屋敷のみとなったが、屋敷の改築なども可能に。また、ようやく予算が下りたのか、日光江戸村でもロケが行われている。それに伴い、いつもの部屋ネタは廃止された。 --時代劇ファンが望んでいた(?)''上様の名を語り、どれだけ暴れても顔も覚えてもらえない((毎回大立ち回りを演じているのに誰もこの事を噂にしないし、名乗るまで素性を悟られる事が少ないからである。))暴れん坊''や''3人…もとい3匹かかりで襲ってくる侍''とか''喧嘩っ早い魚屋''などに悪の鉄槌を喰らわせられる。 ---前作までの正義の味方も演出面が強化されて登場している。特に''ちりめん問屋を自称し部下とともに各地の権力者に対して盗聴、殴る、斬る等の暴力行為を働いたあとで正体を明かして一方的に罪人扱いする江戸の副将軍''は時代劇で見せたあのシーンまで再現されている。 ---暴走っぷりに拍車がかかっており、子連れ狼の息子が''AI兵器''化していたり、鼠小僧が完全に[[某大泥棒三世>ルパン三世シリーズ]]だったり((これは前作2もであるが、今回はテーマ曲や口調までそれっぽく作ってあり、相棒2人までパロ元そのまんまで登場。挙句、ゲームオーバー画面は完全にアニメ版ルパンの次回予告である。))、''ファンタジーRPG風''の敵が登場したりと、過去作以上に「もう時代劇とかじゃないだろ~コレ」と言いたくなる事請け合いな敵もちらほらと。 ---曲もオリジナルに似せており、水戸黄門や暴れん坊将軍の曲は聴けば一発で判るほど。それどころか、時代劇とは全然関係無い某大泥棒三世のテーマや[[日本が世界に誇るRPG>ファイナルファンタジーシリーズ]]の曲まで弄っている始末。よく訴えられなかったな…。 ---とあるルートの最終話のサブタイトルが「[[うぐいすのなく頃に>なく頃にシリーズ]]」という(比較的)マイナーなネタまで完備している。 --挙げ句の果てに[[''掟破りの北○鮮ネタ''>刑事大打撃 ~北の挑戦~]]にまで手を出してしまった。…一応、全ルートを周回しないと出現しない隠しステージ扱いだったとはいえ、これ以降のゲームが悪代官ものじゃないのはこのことが原因なのでは…? --前作の「ネジ」による強化は廃止された。一方、罠の種類や武器の種類、用心棒の種類も増えた。 ---一部の正義の味方は特定の条件を満たすと雇用できる。腰元や巫女ばかり配置するということもできる(特に腰元は防御が固いため、足止め性能が良く結構強い)。また、複数出現する雑魚だけでなく1人しかいない人物も雇用できる場合があり、コレクション要素となっている(実際強いが)。 --ミニゲームも一新されており帯回しはまとも(?)になり、福本清三((ステージ名では「用心棒」とか「先生」ではなく本人名義である。))さんを操作するステージも。 ---帯回しは時間内に部屋を逃げ回る町娘に飛びつき帯を回す。時間内に一定数集められれば成功。成功すれば普通のムービーだが、&bold(){失敗すると悪代官が町娘たちに逆に怒られる}ムービーが見られる(どちらも実写)。 --茶運び人形シリーズには[[種>機動戦士ガンダムSEED]]・[[運命>機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]が追加。%%もうちょっと遅かったら二丸とかも出たかも。%% -更に2011年にはパチンコにて『CR悪代官』(豊丸産業)も登場している。『2』『3』に登場したキャラも再登場しているが、一部を除くキャストは変更されている。ノリは本編と変わらず。ネタは増えているが。 --さらに数年後に続編(?)が出ている。&bold(){代官がロボ化している}。 -PSPで外伝『[[悪代官漫遊記]]』が2作発売されているが、こちらはモノポリー風のボードゲーム的なものとなっており、実写パートも無い。 -『2』発売後、『1』と『2』の曲を収録したサウンドトラックも発売された。 --ただゲームの曲を収録しているだけではなく、ディスコアレンジ風の新曲、ドラマCD、スクリーンセーバーに壁紙と大盤振る舞いとなっている。 --ドラマCDは悪代官役の千本松氏以外はCVが変わっており、ゲームをプレイした人には違和感があるとして不満の声もある。 ---しかしそこで悪代官に「ゲームとキャスト違ぇーから分かんねーよ!」と突っ込ませる辺り流石である。 --このCDに収録されている「夜霧の悪代官」は『3』でもEDテーマに使用されている。 -別作品ではあるが、同社の『江戸もの』は時代考証無視のギャグ、実写パートなど本シリーズに通じる部分が多く、また、本シリーズで悪代官役を務めた千本松喜兵衛氏が''一人で十四役''もこなしている。 -DSの学研M文庫『学研M文庫presents ものしり江戸名人』(同社製)にも同じキャラクターが出ている。 -2021年7月26日に本シリーズ主演の千本松喜兵衛こと内山幸祐さんが亡くなっていたことが、後日所属事務所の「悪役商会」公式ウェブサイト上で発表された。