//2つ以上のゲームを紹介しているページですので、 記事の区切り以外の場所に "----"による区切り線を入れないでください。 本ページでは、『Orcs Must Die!』とその続編である『Orcs Must Die! 2』を併せて記述しています。判定はどちらも「なし」です。 ---- #contents(fromhere) ---- *Orcs Must Die! 【おーくす ますと だい】 |ジャンル|タワーディフェンス&br; + 3Dシューティングアクション|#image(https://steamcdn-a.akamaihd.net/steam/apps/102600/header.jpg)| |対応機種|Windows Vista, XP, 7~&br;Xbox360(Xbox Live Arcade)|~| |開発・発売元|Robot Entertainment|~| |発売日|Windows(Steam):2011年10月12日&br;Xbox360:2011年10月5日|~| |定価|Windows(Steam):980円&br;Xbox360:1,543円|~| |レーティング|CERO: D(17歳以上対象)&br;ESRB: Teen|~| |参考|Vision エンジン使用|~| |判定|なし|~| |ポイント|日本語ボイス対応&br;TPSのようでTPSではない|~| **概要 -かつて『Age Of Empires』シリーズや『Halo Wars』を手がけた、マイクロソフト傘下のEmsemble Studiosに所属していた開発者が同スタジオの閉鎖後、新たに立ち上げたRobot Entertainmentにて作られた1作。((Robot EntertainmentのCEOであるパトリック・ハドソン氏は『Age Of Empires』シリーズ全作の製作総指揮を担っていた人物でもある。)) -タワーディフェンスとアクション・シューティングを組み合わせた意欲作。 --このジャンルについて&br; Coffee Stainが2011年初頭に『Unreal Tournament 3』用に製作したMod「Sanctum」を発表し、その後、Coffee Stainが2011年4月にModではない、単体で起動する『[[Sanctum>Sanctumシリーズ]]』をリリース。&br; それから半年遅れでTPSタイプの本作と『[[Dungeon Defenders]]』が1週間差でリリースされている。 ***ストーリー > オークの世界と人間の世界をつなぐ''リフト''。~ リフトから流れ込む魔力は、飢えや災害に苦しむ人々にとって、欠かせない物であった。~ ''オーダー''はオークの人間界への侵入を防ぐため、オーク側の世界のリフトを守る砦を築いた。~ そのリフトを守る使命を受けた、ウォーメイジのマスターは戦いの最中、コボルトの血で足を滑らしてコケ、階段で頭を打って死亡してしまった。~ 残された弟子は、マスター曰く「物覚えが悪く、頑固で、基礎を学ぼうとしない」''カス''。~ 果たして、落ちこぼれのウォーメイジは世界を救うことはできるのか。 -しかし、弟子には危機感がなく「爺さんがいなくなって自由にできるぜ!」とご機嫌。 **システム -難易度 --難易度はステージごとに、「弟子」「ウォーメイジ」、「ナイトメア」の3種類。 ---順にイージー、ノーマル、ハード。難易度が上がるにつれ、オーク達も強さを増していく。 ---「ナイトメア」は全ステージを「ウォーメイジ」の難易度でクリア後に解禁される。 -キャンペーンメニュー --キャンペーンメニュー画面にて、プレイするステージと難易度を選択して、プレイ開始。 --プレイ中でも、メニュー画面の「キャンペーンメニューに戻る」を選ぶことで、ペナルティ無しでプレイを中断できる。 --ステージクリア型となっており、ステージクリアと同時に次のステージが解禁される。 ---「弟子」難易度でクリアした場合でも、次のステージに「ウォーメイジ」難易度で挑める。 -呪文書 --オーク撃退に用いるトラップ、武器などが記載されている。 --ステージクリアやDLC導入で種類が増えていき、最大で30種類。 --アイテムを使用するには、ステージ開始前にスロットに装備する必要がある。 ---スロットは当初は3個だが、ステージクリアと共に増加して、最大10個となる。 ---スロット1番は、射撃武器であるクロスボウが固定装備される。 ---新要素の解禁のために。難易度「弟子」で進行する、といったプレイも可能。 -武器攻撃 -クロスボウや剣のような、ノーコストで攻撃できる武器や、魔法を放つ装備が存在する。 --攻撃にはメインとサブの2種存在する。例としてライトニングリングを装備した場合、メイン攻撃は的に連鎖する電撃を放ち、サブ攻撃は雷雲を召喚し、一定範囲内に落雷攻撃を放つといったもの。 --魔法使用時には、プレイヤーの体力ゲージの下にあるマナ(水色)を消費する。消費したマナは自動で回復する。 --呪文は、魔法属性のある武器を装備すると使用可能((初期から持っているクロスボウには、サブ攻撃として、複数の敵を気絶させて足止めする魔法「スタンボム」が発射できる。))。 -ウィーバー((英語版での表記は「Weaver」。一般的には機織り職人や七夕伝説に登場する「織姫」のことを指すのだが、本作ではプレイヤーに力を与える精霊のこと。)) --「鋼」「元素」「知恵」の3人から構成されており、ステージごとに1人だけを選ぶ必要がある。 --ゴールドを払って、各要素を強化/アンロックできる。 --「鋼」は、トラップ及びガーディアンを強化する。 ---トラップのリロード時間の短縮、ガーディアンのHP増加と自動回復など。 --「元素」はプレイヤーの武器強化、呪文強化、呪文書にない攻撃魔法を解禁する。 --「知恵」は主にプレイヤーのサポートスキルの強化。 ---PCの移動速度の増加、命中率向上など。 --尚、一度選択した要素のウィーバーから他の要素のウィーバーへ変更することは不可。 --各ウィーバーの要素は上から下に行くごとに上位の系統の能力が得られるスキルツリー方式。また、ウィーバーで強化された能力はそのステージ内のみ有効。 -ゴールド --ステージ開始前にトラップ設置に必要な一定のゴールドが与えられるが、追加でトラップの設置やウィーバーの力を取得するには、オークを倒して資金となる「ゴールド」を稼がなければならない。 --トラップで纏めて倒すと、「連続キル」ボーナスが付与され、より多くのゴールドを稼ぐことができる。 --トラップやプレイヤーの攻撃を重ね合わせることで「コンボ」が発生、ゴールドが加算される。 --ステージ中、不要になったトラップは売却が可能。ゴールドは全額払い戻される。 --途中で戦略を変える場合は一旦売却して、別のトラップを設置といった方法も取れる。 **評価点 -爽快感がある --処理が軽い ---予想以上の数の敵が、予想以上のスピードで押し寄せるが、マシンパワーをそこまで必要としない。 --押し寄せる大勢の敵を、トラップで一掃した際のスッキリ感は爽快感に溢れている。 --トラップもやみくもに設置するのではなく、敵や地形に合わせて仕掛ける必要がある。 ---試行錯誤して配置した罠がオークを粉砕する様は、本作でしか味わえない快感をもたらしてくれる。 -コミカルな仕上がりとなっている --『Sanctum』は主人公が何と戦っているのかすら説明されないが、本作は主人公などが独り言を話しまくる。 ---バックストーリーが理解しやすく、プレイヤーの没入感を引き上げてくれる。 --化け物アゴ男の主人公「ウォーメイジ」は''カス''の癖に「オレって頭良い。イケメンだし」と事実誤認している。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と孫子の言葉を引用するが、&bold(){これではダメだ…。} ---軽口が目立つがその実力は本物であり、プレイヤー次第では一騎当千の魔法戦士として活躍する。 --味方のガーディアン((砦を守るオーダーの人間の兵士。マップによっては初期配置されており、ウォーメイジが召喚することも可能。))も「上空から来たぞ!」など、的確な報告を飛ばす。音声は日本語。 ---オークらも戦闘中に「げっ!トラップかよ」「ちゃんと練習してくればよかった」とぼやく。 -敵の挙動がいやらしい --『Sanctum』では、モンスターがむしろ異常なほどに整った隊列を組んで攻めてくるのだが、本作の敵は散発して出現する上、ルートがある程度固定されている。 ---種別が分かれたモンスターが複数のルートに現れるマップも多く、トラップの設置位置に頭を悩ませることになる。 --敵の種類は多くはないものの、PCと同様にクロスボウを撃ってくる''クロスボウオーク''や、敵の進攻を塞ぐ''バリケード''を無視し、プレイヤーや味方であるガーディアンのみを攻撃する''ノールハンター''など、通常のタワーディフェンスでは禁じ手ともいえるキャラが居る。 **賛否両論点 -1プレイ10分程度である --短時間でサクッとプレイできる手軽さがある。 --しかし、トラップが整って来たところでステージ終了となるステージが多く、その場合少し物足りなさが残る。 ---エンドレスに敵が押し寄せるモードがあっても良かったのではないか。 -TPSのようでTPSではない --確かに常時PCが描画されるTPSなのであるが、PCは常に画面奥中央方向にしか攻撃できない、FPSのような操作性である。 --このため、近接武器を装備している場合でも画面奥方向にしか攻撃できないので、敵に背後を取られやすい。 -ウィーバーが「鋼のウィーバー」一択になりやすい --本作は、トラップやガーディアンによる攻撃を駆使した戦術が、スコア/ゴールド/コンボボーナスを得やすい傾向にあることや、ウェーブ攻略においても比較的楽になる。 --これらの強化に長けた「鋼のウィーバー」が最も優秀であり、他のウィーバーを選ぶ必要性が薄い。 ---鋼のウィーバーには、トラップやガーディアンで敵を倒した時に貰えるゴールドが大幅に増える「デスオーグ」というスキルが有り、金欠を避ける意味でも重宝されていることも理由であろう。 -タワーディフェンス要素が物足りない --最初のウェーブで仕掛けられる罠は少なく、オークは1つの罠に掛かったぐらいでは死なない程度のHPがあるため、多くの敵をPCの攻撃で倒す必要がある。 ---本作はタワーディフェンスよりもアクション・シューティング要素が強く、独特の仕様といえよう。 ---この点から、タワーディフェンスを求めていたプレイヤーは違和感を覚えるかもしれない。 --強敵の大半はアイスアミュレット((敵を凍らせる武器。凍結状態の敵は被ダメージが増加する。))を含むコンボや、クロスボウでのヘッドショットで倒す必要がある。 --武器には「炎」「雷」「冷」と属性が揃っており、敵も「ファイアオーガ」「フロストオーガ」と特定の属性を持つ敵が存在する。 ---しかし、属性トラップはDLCに二種類((火属性のフロアスコーチャー、雷属性のショックザッパー。))しかなく、属性が揃ってない上に組み合わせの妙が薄い。 ---属性攻撃は主に武器に振り分けられており、プレイヤーの技量で対処しなくてはならない。 ---これらの問題点は「2」で補完された。 //ゲーム内に打開策も用意されているので、賛否両論点に移動しました **問題点 -落下死が起きやすい --縦に長いステージにて、高所からの落下が起きやすい。 ---通路に柵が無いため、足を踏み外すと一直線に落下してしまう。 --落下ダメージが設定されており、思わぬ大ダメージが発生することも。 ---即死地帯に落下した場合は、復活にリフトポイントを消費。最高評価を逃すこととなる。 ---「2」にて落下ダメージは削除されたが、落下の危険性は解決されていない。 -シングルプレイ専用である --先発の『Sanctum』はCo-op対応であった。ただし、PCに用意されたキャラクターが1種類のため、同一人物が複数という問題点はあったが。 --本作から1週間遅れでリリースされた『Dungeon Defenders』はCo-op前提で制作されており、Co-opするために複数購入してフレンドにギフトとして贈るという消費行動を促し、この3作の中で一番成功したといえよう。 ---完全に余談となるが、この結果を受けて『Orcs Must Die! 2』もCo-op対応となった他、『Sanctum 2』はPCのバリエーションを4人に増やして、かつ、トラップ主体のゲームバランスからシューティングに重きをおいたゲームバランスとなった。 **総評 ゲームバランスはタワーディフェンスよりもアクション寄りであり、『Sanctum』では雑魚はトラップで仕留めてボスキャラをPCで倒すというゲームバランスなのに対し、本作では最初の数waveは雑魚の撃破に掛りきりとなる。~ また、攻撃手段も本作は、クロスボウ、魔法、近接武器と揃っており、間違いなくアクションに力が入っている。~ 背景設定もしっかりとしており、キャラの立った主人公の独り言で解説される。しかも日本語ボイス付きである。~ 練り込み不足感のある、値段通りの小品ではあるが、値段通りの価値はあるのではないか。 ---- *Orcs Must Die! 2 【おーくす ますと だい つー】 |ジャンル|タワーディフェンス&br; + 3Dシューティングアクション|#image(https://cdn.cloudflare.steamstatic.com/steam/apps/201790/header.jpg)| |対応機種|Windows Vista,/XP/7~10|~| |開発・発売元|Robot Entertainment|~| |発売日|2012年7月31日|~| |定価|1,520円|~| |レーティング|ESRB: Teen|~| |参考|Vision エンジン使用|~| |判定|なし|~| |ポイント|日本語ボイス対応|~| **概要(2) -『Orcs Must Die!』の続編。 --ストーリーは前作から繋がっている。前作未プレイの場合、序盤のストーリーは意味不明だと思われるが、ストーリーを気にしないなら前作未プレイでも問題ない。 -本作では、前作の主人公「ウォーメイジ」と、ソーサレス((ゲーム内の表記は前作では「ソーサラー」(日本語)だったが、本作では「ソーサレス」(日本語)に変わっている。))の、2タイプのプレイアブルキャラクターが存在する。 --クリア状況やスコア管理、スキルのポイントはキャラごとに完全に分けられている。 **ストーリー(2) #region(''前作のネタバレを含みます'') 前作でオーク達を操っていたのは、魔女「ソーサレス」だった。~ 前作主人公ウォーメイジは、全てのリフトを閉じて魔力を遮断。ソーサレスの侵攻を阻止する。~ 戦いに敗れ、魔力を失ったソーサレスに、魔法による洗脳が解けたオークの大群が押し寄せる。~ その時、突如小さなリフトが開く。意を決し、飛び込んだ彼女の眼の前には、宿敵であるウォーメイジが立っていた。~ #endregion **変更点 -操作キャラにソーサレスが増えた。 --評価点にて詳述する。 -2PまでのCO-OPに対応した。 --なお、競合の『Dungeon Defenders』は4PまでのCO-OP対応である。 -ウィーバーが撤廃された。 --スキルツリーの要素はアップグレードや、後述のトリンケットに移されている。 -新たなアイテムとして「トリンケット」が追加された --所持するだけで効果を発揮する他、使用すると多彩な効果を発揮する。 ---例としてトラップのクールタイムが減少、使用時には罠を再起動させる「トラップリセットトリンケット」。 ---HPを増やす「ディフェンストリンケット」や、行動不能を無効化する「フリーダムトリンケット」など、初心者向けの品も用意されている。 -舞台はドワーフの鉱山となった。 --前作の舞台は、異世界をつなぐ"リフト"のオークの世界側に人間が築いたリフトを守る砦の中での攻防であったが、本作はリフトのこちら側、人間達の世界となっている。&br;このため、前作は、敵は門から出現してリフトを目指したが、本作では逆にリフトから出現、鉱山の出口の門を目指す進路を取る。 ---舞台が鉱山ということで、トロッコが規則正しく走っている。分岐信号があり、これを間接武器で攻撃すると、当該の分岐点でのトロッコの進路を変更することができる。 --なお、中盤以降はオーク世界側に赴くが、何者かの手によって新たな砦が新造されている。 ---オーク世界側では従来通り、砦の門からモンスターが侵入し、リフトを目指す。 -新たなゲームモードが追加された。 -無制限に出現する敵と戦い続ける「無限」モード --前作ではようやくトラップが整ってきたところで終了となるステージが多く、もっとトラップを敷き詰めたいという欲求が満たせなかった。 --無限モードの難易度は「ウォーメイジ」固定となっているが、独自のルールが追加されている。 ---ウェーブ数を重ねるごとに敵に永続的な強化が施され、難易度は際限なく上がっていく。 --全てのステージに無限モードがあるわけではなく、無限モードで遊べるステージは半数以下である。 -限られたアイテムでステージに挑む「今週のチャレンジ」モード --公式の提供する制限プレイであり、前作で強力だったS字メイス((バリケードで侵攻ルートを作り、モンスターの移動量を増やす構築))のような、定番構築は使えない。 ---ステージをクリアするためには、与えられたアイテムで可能な戦術を練る必要が出てくる。 --一週間ごとに内容が切り替わり、多種多様のステージが楽しめる。 -前作のマップで遊ぶ「クラシック」モード --Orcs Must Die!から選ばれた、10個のマップが遊べるようになる。 ---前作「1」を所持していると解禁される。 ---従来のステージに新規アイテムを持ち込んだり、本作初登場のソーサレスでプレイ可能。 --一部マップは無限モードに対応しており、異なるルールで遊ぶ楽しさも用意されている。 **評価点(2) -遊びの幅が広がった --前作のアイテムは全て続投しており、新たなアイテムと組み合わせて多彩な戦術が可能。 ---大部分のアイテムは強化されており、前作以上の活躍が見込める。 ---装備品のアップグレードも多岐に渡り、択一式の「ユニークアップグレード」が追加された。 --新たに追加された「無限」モードや、各種属性を持った敵が新登場。 ---プレイするモードによって、有効な戦術も変化する。プレイヤーの技量が試される。 ---これにより、前作での問題点は概ね解決されている。 -コミカルな内容は前作通りである。 --敵の愚痴も前作と同様に豊富で、新たに追加されている。 --ウォーメイジとソーサレス、二人のコミカルな掛け合いも軽妙である。 ---ソーサレスのCVは ひなたたまり。もう一方の使用キャラであるウォーメイジのCVは岩崎洋介。&br;余談となるがこの組み合わせの掛け合いは『[[Shadow Tactics>Shadow Tactics: Blades of the Shogun]]』の隼人と愛琥の組み合わせで再現する。 -キャラクターが増えている。 --操作キャラが2種類となった。 -ウォーメイジ --前作主人公。戦いを終えた彼はドワーフの鉱山で働いていたが、ソーサレスと共にオークと戦う。 --初期装備が変更されており、単発式のショットガンを使用する。((前作で使っていたクロスボウはアンロック式となった。)) --トラップの大半は前作から続投しており、1と同様の戦術が可能。 ---前作で猛威を振るった罠は弱体化しているが、バランスのいいキャラクターとなった。 -ソーサレス --サディスティックなセリフを放つ魔法使い。 --前作主人公よりHPが低く、ウォーメイジのデフォルトHPが200なのに対し、150と打たれ弱い。マナは130と多めで、魔法を扱うことに向いている。 --ウォーメイジとは武器が異なり、初期装備は"セプター オブ ドミネーション"という魔法の杖。 ---メイン攻撃では魔法弾を放つ。威力は弱いが距離による減衰はない。&br;魔法弾は常に狙ったところへ発射できる。&br;また、チャージが可能。セミチャージでは威力が向上し、最大チャージでは敵を吹き飛ばす炸裂弾となる。 ---サブ攻撃では敵を操る「魅了」が使用可能。短時間ではあるが、敵を同士討ちさせられる。 --使用できるトラップや武器に関しても、一部ウォーメイジと異なる。 ---前作での主力トラップ、通過する敵の速度を遅くする床"タール"は使用できず、ソーサレスは代替として敵を凍らせる"アイスベント"を使用できる等。 //---アイスベントの性能は凄まじく、使い勝手がいい。効果範囲が縦に長く、1Fの廊下に置くと2Fの敵にも効くことがある。スキルを開放して天井に貼れるようになると、飛行する敵を凍結でき、落下させて殺すことも可能。 -敵キャラクターの種類が増えた。 --新たなる敵「アースエレメンタル」。人型の岩石であり、一部の攻撃に耐性を持つ。 ---撃破すると足の早い「アースリング」に分裂。完全な撃破には至らない。 --巨躯を持つ「トロル」は特性として体力を回復し続ける。回復される前に倒す必要がある。 ---酸に耐性があり、ソーサレスのトラップ"強酸スプレー"等からはダメージを受けない。 --上位種であるスワンプトロルは、低難易度「弟子」でさえ、ソーサレスのセプターによる攻撃よりもトールの回復力上回っており、撃退することは不可能。 ---他の敵と同様に状態異常が有効。武器やトラップを駆使すれば撃退は難しくない。 **賛否両論点(2) -「1」からゲームスタイルが変更されている --本作はアイテムの強化を行い、初めて高評価が得られる難易度に調整されている。 --初期状態ではコストが重い場合や、クールタイムが長いといった状態で、性能は低い。 ---この変更点に触れるのはランダム表示のTipsぐらいで、気付けるまでは苦戦を強いられるだろう。 --強化を後回しにして進めると、目標タイムを越えてしまうことが多い。幸い、目標タイムを満たさなくともクリアはできる。 ---ただし、評価が下がることで強化に必要なスカルが溜まりにくくなり、後に響いてくる。 ---総じて、前作とは異なり、周回を求められる仕様となっている。 -ウォーメイジの初期武器が変更された --新武器ショットガンは、距離による与ダメージの減衰が大きく、癖が強い。 --一発ごとにリロードが挟まる。クロスボウは、精度を度外視すれば連射も可能だった。 --敵を吹き飛ばす効果に関しても、敵をあらぬ方向に移動させてしまうことが多い。 --ステージ内には、射撃で稼働する仕掛けが設置されている場合があり、ショットガンの流れ弾がそれらに当たり、意図せずに罠が起動する場面がある。 ---以上の点から使い勝手が悪く、一種のトラップとなっている。 //-仕様変更点に『Dungeon Defenders』との類似点が多い。 //--CO-OP対応およびプレイアブルキャラの増加は『Dungeon Defenders』の影響であろう。 //---この点に関しては『Sunctum 2』も同様にプレイアブルキャラを4種に増やしている。 //『Dungeon Defenders』や『Sunctum 2』に拘りすぎだと思いCOしました。前作である「1」と比較すべきでは無いでしょうか。 **問題点(2) -全体的な難易度が向上している --前作をプレイ済みであれば、序盤こそ易しすぎると物足りなさはあるだろう。 --中盤を越えると、突如として難易度が上昇。初見殺しのような配置が増加する。 --難易度曲線が間違っているのか、ラストステージより難しいマップ等も存在する。 ---とはいえ、前作を難易度「ウォーメイジ」でクリアした技量があれば、難易度「弟子」でのでの全ステージクリアは可能である。 --特に難易度が高いのは、後半のステージ「試練」。 --その凄まじい難易度は、なんと&bold(){ラストステージよりも難しい}。 --中盤以降は4方向から絶え間なく敵が攻めてくる上に、一直線にリフトを目指すコボルトや飛行タイプの敵が攻めてくる。 ---難易度「ナイトメア」になると、ありとあらゆる大型の敵が溢れんばかりに攻めてくる。 --マップもかなり広く、プレイヤーは対処のために奔走する。ワープポイントも用意されているが… ---設置位置が悪く、タイミングによっては敵の目の前に飛び出してしまう。 -攻撃属性の判断が難しい --本作ではトロルを初めとして、一部の攻撃に耐性を持つ敵が増加した。 --有効な攻撃を行えば優位に立てるのだが、説明文に弱点が記載されていない敵が非常に多い。((例として、アースエレメンタルは爆発物に弱い。しかし説明には「撃破すると二体に分裂する」としか書かれていない。)) --敵の弱点に関しては、ランダム表示のTipsで説明されている場合が多い。確認できるかは運次第。 --極めつけに、プレイヤーの攻撃手段についても&bold(){どの属性を持っているかわからない}。 ---実際に使って調べるか、攻略サイトを参照する必要が出てくる。 -アイテムのパワーバランスが悪い --今作にて新規に優秀なトラップが出現し、活躍の場が奪われたトラップも多い。 ---例として、前作で猛威を振るったスプリングトラップ。 ---大型の敵はアップグレードを施しても確率でしか飛ばせなくなり、その上でクールタイムが増加。 ---近しい使い方ができるプッシュトラップの強化により、有用な局面はごく一部に限られる。 --前作にて、性能が低かったにもかかわらず、強化が施されていないトラップも多い。 ---代表的な物はスパイクトラップ。低いダメージしか与えられない、敵が通過してしまうなどの問題点を抱えたまま続投している。 ---床トラップは競合しやすいのもあり、前作同様に使い道は無いに等しい。 -作業となってしまうスカル稼ぎ --本作ではアップグレード要素が増加しており、最大強化には膨大なスカルを消費する。 --そのためにはステージを周回し、スカルを集める必要が出てくる。 ---Tipsでは無限モードが推奨されているが、難易度が上がり続けるために稼ぎには向いていない。 --全ての装備品をアップグレードするには、''1651個''と、あまりにも膨大な量が必要となる。 ---DLCでの追加アイテムを含めると、''1759個''と更に増加する。 --最も効率が高い方法は、初期のステージで効率のいい設置を行い、ひたすら周回すること。 ---評価点を満たせることでスカルを多く獲得できるが、完全な作業となってしまう。 --この場合でも、スカルは一周につき、たった''15個''((難易度ナイトメア、評価点である無敵とマナレス分のボーナスを含む。))しか得られない。 ---初期ステージでスカルを最大数集める場合、同じステージを''117回''クリアする必要が出てくる。 -スカルのリファンドについて --本作では、割り振ったスカルを「リファンド」機能によってリセットできる。 ---ただし、リファンドは全てのスカルが対象で、再び振り直す必要がある。 ---トラップが増えるにつれ、振り直しの手間は増加していく。 -誤訳が散見される --オプション項目のロードアウト後に空間((正しくはスペース))、mediumが「媒体」と訳されている等。 --ヘッドショットは、''頭ショット''なる珍妙な表記に変更された。前作では、正しく翻訳できていたのだが…。 **総評(2) 操作法含め、基本的な部分は前作と変わりない部分が多いが、難易度は前作より上昇しており、変更点も多数見られる。最大評価を得るには時間を掛ける必要がある。 競合する『Dungeon Defenders』からキャラのバリエーション追加や、CO-OP追加という要素を取り入れただけでなく、新たな要素も見受けられるが、その点に関しては練り込み不足が露呈している。~ それらの点は気にはなるものの、前作通り、軽快なプレイが可能なタワーディフェンスアクションゲームとして完成されている。 //過去にソロでは難易度「弟子」で無ければクリアできない。との記述がありましたが、自分は難易度「ウォーメイジ」にて、無理なくソロプレイでの最大評価実績を獲得できました。この点に関しては間違っていると思うので、編集を加えています。 ---- **後の展開 -2017年にオンラインゲーム『Orcs Must Die! Unchained』が稼働していたが、2019年4月にサービスを終了した。 -『Orcs Must Die! 3』が2020年7月にGoogle Stadia向けにリリース。その後、2021年のE3でPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Windows(Steam)の各プラットフォームでも2021年7月23日に発売されることが報じられた。