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The Terminator: Rampage - (2024/04/03 (水) 17:27:56) のソース

*The Terminator: Rampage
【たーみねーたー らんぺーじ】
|ジャンル|FPS|~|
|対応機種|MS-DOS|~|
|発売元|Bethesda Softworks|~|
|開発元|Bethesda Softworks|~|
|発売日|1993年11月23日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ターミネーターFPS第3作&br()『Wolf3D』クローンのゲーム内容&br()技術的な進歩がなく『DOOM』の影に隠れる|~|
|>|>|CENTER:''[[ターミネーターシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
SF映画『ターミネーター』シリーズを原作とするFPS作品。~
『The Terminator』『The Terminator 2029』に続き、一人称視点の『ターミネーター』作品としては3作目となる。~
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開発・発売は『2029』同様にベセスダが担当。過去作とのストーリー的な繋がりはない。~
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***ストーリー
>「審判の日」の核攻撃による人類文明の壊滅を乗り越え、レジスタンスが人類抹殺を目論むAI「スカイネット」を壊滅寸前にまで追い詰めた2029年の未来。
>スカイネットの司令塔であった巨大人工衛星を爆破することに成功したレジスタンスだったが、爆発の直前に射出されたスカイネットのコンピューターコアは大気圏に突入しながらのタイムスリップに成功。
>時を遡り、1984年のゴビ砂漠に不時着したコアは、長い旅を経てシャイアン山に存在するサイバーダイン本社に辿り着く。
> 
>本社ビルを制圧したスカイネットは生産ラインを利用して次々と機械兵器の製造を始め、核シェルターであるシャイアン・マウンテン空軍基地を占拠して再び「審判の日」を起こそうと画策していた。
>一方、逃亡年代を特定したレジスタンス側もコアを追って一人の兵士を1988年の本社ビルに送り込む。
>主人公はコアを破壊して歴史改変を食い止めるべく、スカイネットの機械勢力を破壊し地下深くへと進んでいく。
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***ゲームシステム
''ゲーム進行''
-人工知能「スカイネット」残党の占拠した1988年のサイバーダイン本社を舞台に、中枢部であるメタノードを破壊するべく探索と戦闘を行うFPS。
--全32階で構成された本社ビルを探索し、メタノードを破壊可能なプロトタイプ兵器「V-TEC フェイズドプラズマキャノン」のパーツ収集と組み立てを行う。階段を利用することで下のエリアへと移動可能。
--マップは入り組んだ迷路構造となっており、ステージクリア式ではなく相互接続型。一回の探索では通れないエリアなどもあり、ただ進むだけではなく前のエリアに戻るなどの変則的な探索も求められる。

-武器はハンドガン、ショットガン、サブマシンガンなど複数。登場する敵もドローンから二足歩行メカ、T-800、装甲に覆われた人型ロボットなど幅広い。
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**評価点
''より直感的な移動''
-前作『2029』ではダンジョンRPGのようなマス目移動しかできなかったが、本作では入力方向への移動が可能に。よりFPSらしい内容へと変化した。
--ガンシュー的な内容の前作では不可能だった、移動を盛り込んだ臨機応変な銃撃戦が可能となり、戦略性の幅が向上した。

''強化されたグラフィック''
-3D部分が強化されており、オブジェクトスプライトやテクスチャの解像度はそこそこ高め。ランプやソファといった日用品が多く、オフィスらしさの演出には成功している。

''プレイヤーを補助するHUD''
-HUDは平常時はマップ構造を表示し、戦闘中は敵の分類と残り体力を表示してくれる便利な仕様に。弾丸が命中したかどうかも比較的わかりやすくなっている。

''マルチエンディング''
-過去改変モノという利点を活かしたマルチエンディングを搭載。ラスボスに勝利するか敗北するかで二通りのエンディングを見ることが出来る。
--ただしグッドエンドでも内容は不穏。スカイネットの脅威を完全に抹消できるわけではない。

**賛否両論点
''設定の矛盾''
-機械製の巨大なコアごと大気圏突入しながらタイムスリップするスカイネット、なぜかスカイネット到着の4年後にたった一人だけ兵士を送り込むスカイネット打倒後のレジスタンス、煙の立つ灰皿、UZIサブマシンガンの掃射ですぐに死ぬT-800((本作のT-800は雑魚敵扱いとなっており、上位種として全身を装甲で覆った巨大人型マシンが登場する))など、設定上の突っ込みどころはそこそこ多い。
--本作のストーリー内容上、『T1』映画本編とは関わりが薄いため、気にしなければ問題はない部分ではあるが。

**問題点
''グリッドベースのマップデザイン''
-同年翌月の『[[DOOM]]』が高低差のある非線形のマップ構造を採用していたのと比較され、室内で地形的高低差のないマップを採用していた本作は前時代的と見做された。
--ロケーションに乏しく、探索の面白みも薄いなど元となる『Wolfenstein 3D』と比較して大きな技術的発展は見られない。

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**総評
前年1992年に発売されたid Softwareの『[[Wolfenstein 3D]]』を受けて製作された、所謂「Wolfensteinクローン」系FPSの一つ。~
探索要素やマップ表示のHUDなど独自要素もちらほら見られるものの、他ならぬid Softwareが同年12月に『[[DOOM]]』を発売したことで時代の波に乗り損ねる結果となってしまった。~
批評家からも''「『DOOM』と比較すると面白くない」''と酷評され、他のさまざまなクローン作品同様に『DOOM』一色に染まったFPS市場に埋もれていった。~
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続編『[[The Terminator: Future Shock]]』では革新的要素が多く盛り込まれたが本作の時点ではそういったものには乏しく、作品単体としてはあまり見所らしい見所はない。~
また、現在でも版権の複雑さから復刻配信は行われておらず、非常にマイナーな作品となっている。~
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**余談
-窮地に陥ったスカイネットがサラコナー暗殺ではなく自らの存続のために1984年にタイムスリップを行うなど、映画「ターミネーター」シリーズの時間軸には繋がらない独自の時間軸となっている。