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いただきストリートWii - (2021/12/25 (土) 14:51:36) の編集履歴(バックアップ)


いただきストリートWii

【いただきすとりーとうぃー】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Wii
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 AQインタラクティブ→マーベラスAQL
(吸収合併に伴う継承)
発売日 2011年12月1日
定価 5,800円(税別)
判定 シリーズファンから不評
ポイント DSに引き続きマリオとDQが共演
テンポや操作性が過去作から劣化しファンから大不評
"いたスト"としての面白さはちゃんと健在
いただきストリートシリーズ
ドラゴンクエストシリーズ
マリオシリーズ


概要

サイコロを振って盤面を巡りながら資産一位を目指すボードゲーム『いただきストリート』(いたスト)シリーズの一作で、シリーズ20周年記念作品。
同様に『ドラゴンクエスト』シリーズ25周年記念作品、マリオ生誕30周年記念作品でもあり、最近のいたストでは恒例となった他ゲームとのコラボレーションが行われている。
『ドラゴンクエスト』シリーズの参戦は通算4度目(携帯電話用ゲームを含めれば5度目)、マリオシリーズの参戦は『いただきストリートDS』に続いて2度目。

Wiiは『マリオカートWii』『Wii Sports』などに代表されるパーティゲームでの高評価が有名であり、本作もWiiのパーティーゲームとして期待されていた。


不評点・賛否両論点

スローなテンポ

  • 今作は演出に力が入っているのだが、それが災いしてゲームテンポがよろしくない。
    • 特に、初期設定でのテンポが悪い。どの位テンポが悪いかというと、 1プレイで大体2時間かかる。
      そのため、オプションで真っ先に「早い」に変更した方がいい。但し、「最速」は避けるべき。
    • 演出が派手なのだが、それがカットできない仕様。
      あまり必要ない部分に派手な演出があるのに、必要な情報が出てくる所では間がないため、ゲームスピードを「最速」にすると必要な情報がほとんど見られない。
      "「最速」は避けるべき"と示したのはこれが理由である。
    • 具体的な演出の例をいくつか挙げる。
      • お店関係のイベントは、一軒ごとに演出を見せる。
      • 金の増減がカウンターのロール表現。
      • 競売時、競りのコールが10G単位のみ。

操作性

  • 斜め入力が必要な機会が多いのに斜め入力しにくい。
  • GCコントローラ・クラシックコントローラは未対応。ヌンチャクは対応しているが、あまり意味がない。
    • 本作はWiiリモコンとヌンチャクによる直感操作を使わないため、なぜGCコン・クラコン非対応にしたのかが疑問。
    • そのためか、ボタン設定が大幅削減されている。これに因り、10株売りなどが1ボタンでできなくなった。
  • コントローラー設定は、「1人1つ」か「みんなで1つ」の2種類があるが、もう少し種類があっても良かったかも。
    • 後者だとリモコンを使い回す必要があるので不便。

システム関係

  • 「1人で遊ぶ」「対戦モード」では、Miiしか使えない
    • しかもイメージカラーはMiiごとに固定。そのためイメージカラーが同色系のMiiが2人以上いると、わかり辛くなる。
      • ただ、"DQキャラやマリオキャラが(原則)CPU専用"であること自体はDS版と同様。Miiしか使えない理由もDS版と同じだろう。
    • 一応「みんなで遊ぶ」ならマリオシリーズとドラクエシリーズのキャラを使用できるが、キャラの特徴を生かす演出があまりない。
  • 着せ替え、ショップ等のUI周りが良くない。
  • 株価の変動タイミングが『いただきストリート3』の仕様に戻った。
    • これによりゲーム上の重要テクニックである「空き地インサイダー」*1が自分のターン1ターンのみで完結する仕様になり、他プレイヤーが同じ株を買う(相乗り)などによる対処などができなくなった。
  • チュートリアルは基本的にマスの説明だけしかなく、不親切。
  • そして、何よりの難点が、 複数人でプレイする場合に対戦中のセーブが出来ない。 戦績も同様。これまでのシリーズではこれができたのに、なぜ…。
    出かけることになった場合などに、Wii本体の電源をつけっぱなしにしておく手もあるが、そうでないならそのままゲームを終了し、また一からプレイしなくてはいけないのだ。
    • その上、途中で終了条件が変更できない為、最初の設定通りに終了しなければ終わることができないのでこれまた不親切。
    • 戦績に関してもCPUとの対戦成績・マップ別の順位・ベストテンなど削除されている。

その他の難点

  • 画面のインターフェースが見にくく、情報が分かりにくい。
    • 右下にあるプレイヤー情報を表示しているウィンドウが妙に大きく場所が悪いし、消せない。このせいでマップの視認性を悪くしている。もう少し何とかならなかったのか…?
    • サイコロを振った後だと、マップの先を一覧で見ることができない。
    • 資産があっても「土地がどのくらい」で株の割合がわからない。
  • ものすごくシンプルな内容。
    • エリア名は全マップで「エリアA」「エリアB」などといった名前に統一されている。ぱっと見でどのエリアなのかわかり辛いうえに過去作ではエリア名も凝っていたので、残念に思うプレイヤーが多い。
  • 画質が粗く、ボヤけている。
  • マップはグラフィック以外過去作からの使いまわし・焼き直しが多い。BGMも同様。
  • 「イージールール」がイージーじゃない。
    • 「イージールール」はゲームのルール自体は簡単にはなっているものの、できることが乏しく、サイコロの目がそのままゲーム結果に直結してしまう。即ち、却って難しくなっている

評価点

  • 前述した様にテンポ・操作性が劣化しているが、"いただきストリート"本来の面白さはいつもの通り。
  • 普段は喋らないマリオたちが喋る。*2
  • ステージ数はそれなりに用意されている。バリエーションも豊か。
  • 「きせかえ」はDSと比べ強化され、豊富になっている。
  • ツアーモードでマップを自由に決められるようになった。*3

総評

初となるWiiでのいただきストリートということで大きく期待された本作だが、テンポ・操作性がかなり劣化してしまっており、その期待とは裏腹にシリーズファンから酷評された。
その為か、『ドラゴンクエスト』と『マリオ』の共演はDS版と今作の2作品にとどまっている。*4
シリーズファンやサクサク遊びたい人にはお勧めし難いが、"いただきストリート"本来のボードゲームの面白さは決して損なわれていないため、シリーズを初めてプレイする人や、のんびり・ゆっくりなプレイスタイルを好む人ならば、それなりに楽しめるだろう。


余談

  • シリーズでは初めて、海外でも発売が行われた。海外タイトルは『FORTUNE STREET』。
    • 本作がシリーズ初作品だったためか、海外では評価が高い。