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PANDORA MAX SERIES Vol.2 死者の呼ぶ館
【ぱんどらまっくすしりーずぼりゅーむつー ししゃのよぶやかた】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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パンドラボックス
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発売日
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2000年1月20日
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定価
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1,980円
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配信
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ゲームアーカイブス 2009年8月26日/600円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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エンディング水増し メッセージスキップ無し バグあり 必要性疑問視な百物語
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PANDORA MAXシリーズリンク
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概要
「1980円の超大作」がキャッチコピーであった「PANDORA MAXシリーズ」の第2作。
第1作の『ドラゴンナイツグロリアス』とは違い、ジャンルはホラーアドベンチャーだが、同時期に作られていたためか、欠点もほぼ同じである。
特徴
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シナリオは当時パンドラボックスの社員であり、過去には『ブレイブサーガ』などを手掛けた大池叙子が執筆。
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『学校であった怖い話』のスタッフの作品であることを宣伝文句にしていたが、発売後に「シナリオは別の人です」と発表された。
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前作や『学校であった怖い話』を手掛けていた飯島健男(現・多紀哉)は一部の隠しシナリオのみを執筆している。
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前作同様、一定時間選ばないでおくと別の展開になる選択肢が登場する。
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「百物語」
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おまけメニューにあるもので、100本の短編怪談が収録されていて、ランダムで再生される。全話読むと任意で再生できるようになる。
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達成度はエンディングナンバーからパーセンテージ表示に変更。
ストーリー
不動産会社で働く貴方は別荘を売り込むためにツアー客を連れて人里離れた森へ入り込んだ。
しかしいつまでたってもそれと思える建物は見つからず、やがて洋館にたどり着く。
陽も暮れてきたため一行はその館に一晩だけ世話になる…つもりだった。それが恐怖の始まり。
不気味な館と住人。何かを隠した客。失踪、死体、狂気…森からは出られず怪異が続く。
はたして貴方は謎を解き生き延びることができるだろうか。
問題点
システム面
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初期出荷のソフトに不具合がある。
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特定の結末を見ようとするとセーブ画面に行く途中で画面がフリーズするため、その結末を迎えたことはセーブできない。
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UIの問題
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エンディングは複数あるが、進行データとシステムデータは共用でファイルは一つだけ。
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ADVでよく行われる「分岐点でセーブし、エンディング後ロードして別ルートへ」という手法が使えない。エンディングは隠し含めて28種類もあるのに。
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途中セーブはあるが、これも最初に作ったセーブデータを上書きするのみ。終盤の分岐を埋めるためだけに、シナリオの最初から再プレイすることになる。
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その上メッセージスキップも早送りも無い。○ボタン連打で一応疑似的な高速化は可能だが…。
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とは言え隠しシナリオを見るのに必要な条件は「達成率100%にすること」ではなく「全ての結末を見ること」ではある。
シナリオ面
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終盤を除きほぼ一本道
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ラストに影響する選択肢もなくはないが、冒頭の公園のシーンと、夕食前の行動以外は、基本的にどの選択肢を選んでも同じ文章・展開になる。
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恐怖の表現は、文章ではなくグラフィックでワッと脅かすものばかり。
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本当に怖いのはある人物のアップが突然表示される時くらいである。
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「百物語」が露骨な水増し話かベタ怪談ばかり。
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あくまでおまけという事なんだろうが。
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最も短いエピソードはなんと2行しかない。文章を読んでいる時間よりもオープニングのエフェクトを見ている時間の方が長い。
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ゲーム内のミニゲームも、修学旅行の夜の如く唐突に始まってシナリオには影響しない。
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内容は4種類あるが、どれもわざわざゲーム内で時間をかけるほどのものではない。UNOや神経衰弱等ルールが完成しているものなので、遊べなくはないが。
評価点
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メインのシナリオそのものは一応評価されている。
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また、コンバートすることにより発生するシナリオは、学校の怖い話を髣髴とさせるいい意味でぞっとさせる作品となっている。
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前作では全く無かったムービーやキャラボイスも僅かながら導入されている。
総評
評価点にあるように、メインシナリオの出来は悪くはない。
音楽や人物のグラフィックも一定以上の水準ではあり、「ホラーアドベンチャー」としての雰囲気は、十分に値段以上のものを味わえると言えるだろう。
しかしながら、ユーザーインターフェースの劣悪さに終始ウンザリさせられてしまう。マルチエンディングを採用しておきながらスキップ機能すらないというのは、同時期の他作品と比較してもお粗末に過ぎる。
展開が大きく変わるポイントが終盤に集中しているのも相まって、再プレイの意欲が削ぎ取られてしまう。
シナリオの評価と格別な定価の安さを考慮しても、アドベンチャーゲームとしては駄作と言わざるを得ない。
余談
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PS2ではまともにプレイできない。ミニゲーム、移動、セーブ画面とあらゆるところでフリーズする。
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ソフトを会社に送れば修正版に替えてもらえ、また後に修正版も出たが本数は少なく中古市場では滅多に見かけない。
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ソニーのサイトにもばっちりリスト入りしている。
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同じPANDORA MAXシリーズの後発作品でこの不具合に関して呼びかけがあり、セーブデータの修正機能を持っていたりもする。
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ゲームアーカイブスで配信されたので、興味がある方はこちらでプレイしてみるとよろしいかと。
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一般的なADVのように主人公はゲーム中で立ち絵が無く、ある場面で目が隠れた姿が映る程度である。その為、本作中で素顔を直に見る機会はないが、『ONI零 ~復活~』では彼の前世が顔出しで登場する。