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スーパーマリオランド2 6つの金貨 - (2020/06/15 (月) 21:42:24) の編集履歴(バックアップ)


スーパーマリオランド2 6つの金貨

【すーぱーまりおらんどつー むっつのきんか】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売・開発元 任天堂
発売日 1992年10月21日
定価 3,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年10月12日/400円(税5%込)
判定 良作
ポイント マリオランドシリーズ第2作目
ワリオのデビュー作
マリオシリーズ・関連作品リンク


ストーリー

たいへんだ!!
ボクが「サラサ・ランド」に宇宙怪人「タタンガ」退治に行っているあいだに、マリオ城が悪いやつに占領されてしまった!
マリオランドの住人も魔法をかけられて、手下にされているんだ。

そいつは、「ワリオ」という名前で、ボクの姿をマネした悪いやつだ。
いつもマリオ城をのっとろうと、ねらっていたんだ。

ワリオはマリオ城の「6つの金貨」をマリオランドのあっちこっちにばらまいて、手下たちにみはらせている。
この金貨がないと、ワリオのいるマリオ城には入れない。

「6つの金貨」をあつめ、マリオ城にいるワリオをやっつけてみんなを助けなくっちゃ!
さぁ! 出発だ!!

(説明書より引用)


概要

ゲームボーイ版『スーパーマリオランド』シリーズの2作目。前作から多くの変更点が加えられた、正当進化作品。
後に様々なゲームで主役・脇役を演じるマリオの宿敵「ワリオ」のデビュー作でもある。


特徴

ステージ

  • 面クリア型から『マリオワールド』同様のワールドマップ方式が取り入れられた。
    • マップ上には6つのゾーンが有り、各ゾーンの最終ステージでボスを倒すと「金貨」を手に入れることができる。
      金貨を6つ集めると最終ステージであるマリオ城に入れるようになる。
  • ステージ数は前作の12ステージから、隠しステージを含めて32ステージに大幅に増加。
    • 最初のステージとボスステージ以外なら何度でもリトライ可能。ボスステージは一度ゲームオーバーになって金貨を奪われるとリトライ可能になる。
      • セーブファイルではクリアしたステージ数が表示される。31が最大。
    • スーパーマリオブラザーズ3』のように、上下左右あらゆる方向にスクロールするようになったことで1ステージの大きさも相対的に大きくなった。
  • マップ制を導入したことで攻略の自由度が広がった。
    • ゲーム開始直後の固定ステージをクリアした後は、最終面以外ならどこからでも攻略することができるので、より自由度が高まっている。
  • ほとんどのゾーンには隠しステージが存在し、これらを探すという探索要素がある。
    • 隠しステージをクリアすると、そのゾーンのステージ選択画面に何らかの変化が現れ、中にはボスステージへのショートカットが可能になるゾーンもある。
  • 一部のステージを除き、ゴール地点には大きなベルがある。
    • このベルを鳴らしてゴールすると2種類のボーナスゲームのうちいずれかに挑戦できる。景品はパワーアップアイテムや残機の増えるハート。
      • 一つはスーパーマリオランドにもあったあみだくじ。ファイアorバニーマリオの状態でキノコが当たるとパワーダウンしてしまうので、実質上のハズレである。
      • もう一つはクレーンゲーム。残りタイムが多いほど景品が豪華になる。
      • こちらは不確定要素が無く、同じタイミングでボタンを押せば必ず同じ結果が得られる。一例として最速でボタンを押す(連打が楽)と必ずニンジンが得られる。
    • 気に入らないアイテムが当たってしまった場合は途中で部屋から出ることで入手をキャンセル出来る。

ゲームシステム

基本アクション

  • 「甲羅を持つ・蹴る」や「スピンジャンプ」等のアクションが追加。操作性はこれまで通り、簡単でとっつきやすいままである。
    • ボタン数が少ないため、スピンジャンプは「通常のジャンプ中に十字ボタン下で変化」という形式になっている(後のシリーズでおなじみの「ヒップドロップ」と同じ動作)。
    • ハテナブロックを上からスピンジャンプで踏むことでも、コインなどのアイテムを出現させられる。
    • 通常のジャンプで踏めない(ダメージを受ける)ものはスピンジャンプでも同様であり、『ワールド』ほどスピンジャンプが万能ではなくなっている。代わりに、十字ボタンを離せば任意にスピンジャンプを中断することが可能。
      • ただし『ワールド』と違い、チビマリオの状態ではスピンジャンプは使えない。
  • 十字ボタン上+ジャンプで、助走しなくても最大の高さでジャンプできる(ハイジャンプ)。
  • コレクション版『3』等と同様、変身2段階目でダメージを受けるとスーパーマリオに戻るようになった。
    • これにより接触によるミスが少なくなった。
  • データ選択画面でセレクトを押すことでイージーモードに変更出来る。ゲーム終了まで維持され、リセットすればノーマルモードでやり直すことも可能。
    • リセットを挟むので再パワーアップの手間もあるが、難しいステージだけイージーで、という手段も取れるように。

パワーアップ

  • ファイアマリオ
    • 仕様変更された前作と異なり、今作ではシリーズお馴染みのファイアマリオになった。
      • ただし画面はモノクロで色による判別が出来ないため、本作でのみ「羽を刺した帽子」というデザインになっている。
    • ファイアボールでしか壊せないブロックもある。
    • ワリオ以外の全ての通常ボスにはファイアボールでもダメージを与えることができる。
  • バニーマリオ
    • 新アイテムの「ニンジン」を取る事で変身する、初登場の形態。空中でのAボタン押しっぱなしや連打でゆっくり浮遊するように下降できる。
      • 『USA』におけるピーチ姫の浮遊に近いが、徐々に高度が下がる・時間制限が無いという違いがある。
        ちなみに一応一定以上の連打スピードなら高度を維持して浮遊することが可能だが、携帯ハードなので連打が非常にしにくい上、結構な速度が必要なので人力で行うのは現実的ではない。
      • その他、常に最大の高さでジャンプできたり、ジャンプボタンを押しっぱなしにすることでオートジャンプをするようになる。
    • バニーマリオではスピンジャンプが使えず、水中やスペースゾーンでは能力をほとんど活かせないといった難点もあり、ファイアマリオとの住み分けがなされている。

その他

  • 今作では「コイン」の概念が従来と大きく異なり、100枚集めても1UPせず、最大999枚まで所持できる。
    • 何の使い道があるかというと、カジノでミニゲーム『スロットマシン』を遊ぶ際に必要となる。スロットマシーンは1UPやアイテムが入手できるが、ハズレを引いた場合は何も得られない。
    • スロットマシンはコインの必要額に応じた4種類(30枚、50枚、200枚、999枚)で、高額なほどハイリスクハイリターン。
      • 30枚を賭けた場合はアイテムのいずれかが手に入る(ハズレもある)。999枚を賭けると最大で99UPする。
  • 画面下には残機やコインの他に、敵の撃破数という数値が表示されている。
    • 敵を100体撃破する度に「上空からスターが出現する」というボーナスが得られる。
  • 得点の概念は無くなった。
    • また、敵を連続で踏んでも1UPはしないが、無敵中に連続で敵を5匹以上倒すと1UPする。

評価点

  • 携帯ゲーム機らしく、手軽に遊びやすい作りになっている。
    • 難易度はあまり高くなく、初心者でも気軽に遊ぶ事ができる。
      • さらに、「イージーモード」を選択することで難易度が下がった状態でプレイすることができる。
    • オートセーブも搭載。ゲーム進行は逐次、バッテリーバックアップ機能で保存される。
  • ステージ数・バリエーションが前作から増えており、様々なギミックでユーザーを飽きさせない。
  • 『ワールド』と共通する要素を根底としつつ、発展させたシステムや改善点が多く見られる。
  • グラフィックは前作に比べて大幅に向上。
    • 本作ではキャラクターやオブジェクトを大きく描くことにより、前作の欠点であった「画面の見づらさ」が改善されている。
    • また、これによりグラフィック表現が向上しており、『マリオ3』や『ワールド』のように世界観やキャラクター描写がよりコミカルな絵面に変化し、キャラクターデザインもしっかりとグラフィックに反映されている。
  • BGMは全体的にポップな良曲揃い。
    • 地上面やマリオゾーン、エンディングの曲が人気が高い。
      • 作曲は前作担当の田中宏和氏から変わって、のちのヨッシーシリーズやどうぶつの森でお馴染みとなる「とたけけ」こと戸高一生氏が担当。

問題点

  • これまでの据え置き機の『マリオシリーズ』と比べると若干操作感覚が異なるため、多少慣れが必要。
    • 一例としては、ジャンプ時の挙動や、前作と同様にパワーアップ時や敵と接触してダメージを受けた時も一時停止しない等。
  • 前作に比べてスピード感が落ちた。
    • 特にダッシュのスピードが遅め。加えて、敵のスピードもやや遅め。
    • もっとも前作と比較するとキャラクターが大きくなっているので、スピードを維持したままだと難易度が高くなるだろう。
  • キャラが大きくなって見やすい反面、画面がやや窮屈に感じられる。
    • チビマリオで換算すると前作が12キャラ分に対し、本作は7.2キャラ分と半分程になっている。
  • 一度でもゲームオーバーになると今まで集めた金貨が全て没収されてしまう。
    • ただし、オートセーブ搭載・一度クリアしたステージはほぼ全てスルー可能・簡単に残機稼ぎ可能なこのゲームでは、ゲームオーバーのリスクは小さいと言える。
    • また、わざとゲームオーバーになることで、クリア済みのボスステージを再プレイすることもできる。
      • 『ワールド』ではクリア済みのボスに再挑戦できなかったためここは評価点と言えるが、裏を返せばゲームオーバーにならなければボスステージに再挑戦できないということでもあり、残機を大量に稼いだ状態でクリアしてしまうとわざとゲームオーバーになること自体が面倒くさくなってしまう。

総評

初の携帯型ゲーム機のロンチタイトルということで、様々な点が本家からボリュームダウンしていた前作に対し、本作ではモノクロかつ小画面という制約がありながら『ワールド』に劣らぬ程のアクションやグラフィック・ボリュームを持ち込むことに成功した。
「どこからでも始められ、どこでもやめられる」という携帯機の利点と共に、『ワールド』の要素を取り入れた豊富なゲーム性と携帯機らしいお手軽さ、本編シリーズには出せない「ランド」ならではの独特の世界観を持ち合わせた良作に仕上がっている。


余談

  • 説明書のみではあるが、マリオが公式で台詞を出した初の作品でもある。
  • 今作で初登場したワリオは、次回作以降からワリオが主人公のマリオとは独立したシリーズを展開していき、マリオシリーズの派生作品でもレギュラー出演するようになった。詳細はワリオシリーズのページにて。
    • 一方で、本作で中ボスに格下げされた前作のラスボス・タタンガは、残念ながら本作以降は再登場していない。
  • ゲームオーバー時のBGMは妙に明るい曲調であり、かえって不気味。
    • ちなみにそのまま約2分30秒放置していると、間抜けな感じのBGMが流れる。この曲は「けけソング」として知られており、本作の音楽担当戸高一生氏が関わる作品の多くで聴ける、いわゆるイースター・エッグである。
  • コミックボンボンで連載されていた本山版マリオでも「6つの金貨編」が連載。一部の雑魚敵がマリオの昔の友達という事になっており、マリオ一行に協力した。
    • 終盤では、ワリオ配下の雑魚敵がルイージとヨッシーを真似た変装をし、「ワルイージ」「ワッシー」と名乗る場面がある。
  • コロコロコミックの方の漫画版マリオ(『スーパーマリオくん』)の「6つの金貨編」では、展開そのものは概ね原作に沿っているものの、アイテムの「ニンジン」が独立したキャラとして仲間になっている他、なぜかヨッシーのクッキー(通称ヨッキー)がそのまま仲間に加わっている。
    • このヨッキー、ヨッシーそのままの性格で能力もヨッシーそのものなのだが、いかんせんクッキーなので終始ヨッシーの生首がマリオに同行しているという妙な絵面にとなっている。ちなみに扱いの悪さもいつも通りのヨッシーであり 「勝手に金貨を隠すための入れ物にされた挙句、金貨を出すときには貯金箱よろしくハンマーでぶん殴られて破壊される」 などと、中々に酷い目に遭っていた。
  • 今作のTVCMは卓上に置かれた開かれた本から、本作の舞台となる数々のゾーンが次々と現れていくさまを表現した粘土アニメーションが特徴的。
    • 終盤にワリオが登場する。「俺だよ! ワリオだよ!」というおなじみの台詞はこの時から使われているが、映像内ではセリフを言い終わらない内に本を閉じられてしまう、という締めくくりになっている。
      • ちなみに日本語版CMにおけるワリオの声優は、今作から『ワリオランドシェイク』に至るまで大塚周夫氏が担当。大塚氏は2015年1月に死去したため、2018年8月2日発売の『メイド イン ワリオ ゴージャス』では近藤浩徳氏が後を引き継いだ。
+ 参考動画(TVCM)