ワリオランドシェイク
【わりおらんどしぇいく】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Wii
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発売元
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任天堂
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開発元
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グッド・フィール
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発売日
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2008年7月24日
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定価
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5,800円(税込)
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配信
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【WiiU】2016年8月24日/2,700円(税8%込)
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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ポイント
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ワリオランドの正当続編 キャラは全てカートゥーンアニメ調 振ってステージを揺らして謎を解く ステージ自体はやや少なめだが、やりこみ要素も充実 やられモーションは減少
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ワリオシリーズ
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概要
ワリオランドシリーズの6作目、ワリオアクションゲームとしては8作目。Wiiにおける初のワリオアクションゲームである。
ゲームキューブの『ワリオワールド』では3Dアクションとなっていたが、今回は2Dアクションへと回帰した。
開発はかつてがんばれゴエモンシリーズを手がけていたスタッフが集うグッド・フィールが担当しており、ノウハウの感じられるアクションゲームに仕上がっている。
グラフィックは3DCGではなく、そのほとんどが手描きである。キャラのアニメーションはProduction I.Gが、背景や美術などは背景や美術などを専門に手がける草薙が担当している。
特徴
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基本操作は十字ボタンと1・2ボタンしか使わず、それに加えてリモコンを振るという動作が存在する。
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Wiiリモコンを横持ちで使用する。1ボタンはタックル、2ボタンでジャンプという非常にシンプルな構成。ライフ制であるが、拠点に戻されるだけでゲームオーバーは基本的に存在しない。
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気絶している敵や特定のものに接近すると物を持つアクションをとり、その場合は1ボタンを押しっぱなしで投げることが可能。
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空中で十字ボタンの下を押すとヒップアタックが使える。高所から落ちながら使うとスーパーヒップアタックとなり、シェイクと同じ効果に加え、特定の障害物を破壊出来る。
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その他、障害物を全て破壊しながら進めるダッシュ土管や、乗り物を駆使することがあり、その場合は操作方法がジャイロを活かしたものになる。
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ステージクリアは、各ステージで捕まっているメルフルを救出し、その時点から設定される制限時間以内にスタート地点に戻ることで達成される。
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ステージ中にあるコインやお宝を収集していくことでワリオの資産となり、その資金を使ってシロップの店で次エリアの地図やアイテムなどを購入する。なお、上記の制限時間以内に脱出出来ない場合は全てが水の泡となる。
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このゲームの特色は、タイトルの
シェイク
にもあるように振ることにある。キャラの名前も「揺れる」「シェイク」にまつわるものが多い。
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画面上に表示されているシェイクゲージが満タンの時にワリオが地上にいる場合、リモコンを振るとワリオが大地に拳を叩きつけ、ステージを大揺れさせる。ゲージには使用後のリロード時間があるが、2秒ちょっとくらいである。
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揺らすと特定のギミックが動いたり、頭上で落ちかけていた物がその揺れで落ちてきたりする。地上にいる雑魚敵なら気絶させることも可能。
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その他、鉄棒に捕まった際に振るとワリオが鉄棒に掴まりながら大回転する。その遠心力で高くジャンプすることが出来る。
評価点
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シンプルな操作性ながら奥深いゲーム性。
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しかもチュートリアルステージでは、これまでにもあったように台詞では説明しないで、背景に使うボタンと例となるアニメーションが描かれている。とてもわかりやすいうえにサクサク進む。
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普通にクリアするだけならば一日でクリア出来るものの、全てのお宝を集め、ミッションを達成し、メルフル救出後の最短クリアを目指すのはかなりの難しさ。
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爽快感のあるゲーム性。
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リモコンを振ることでワリオが大地を殴りつけるが、この爽快感がたまらない。敵を倒せる機会は少ないが、これで敵が全員気絶するのは気持ちが良い。
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リモコンを振ることで落ちてくるギミックで潰せる敵がいるので、それはそれで楽しいものがある。
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敵やコイン袋を振ることでアイテムやコインが出てくるが、これがまた気持ちが良い。
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袋は全てのコインを出し終わると消えるが、敵はアイテムを出した後でも消えない。意地悪なプレイヤーは何度も何度も気絶した敵を振って楽しめる。
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ちなみにアイテム強奪後も敵が消えないのは、その後で気絶した敵を投げ付けて捨てることが可能だからである。
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敵は置くことも出来るが、置いた時点で通常状態に復活する。
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ダッシュ土管を使うと、高速で走りながら全ての敵を跳ね飛ばせるようになる。こちらもスピーディーで爽快感があり、とても楽しい。
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アニメーションとなり、表情豊かかつ身近に感じられるようになったワリオ。
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「Production I.G」が担当したアニメはワリオ側・敵側問わずクオリティが高く、アニメの世界で戦っているような感覚で楽しめる。
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ワリオの表情やアクションなどはとても豊か。例えば鉄棒から飛んで着地した際、ワリオのお腹がポヨンと鳴って震えるなど、いろいろ細かい。
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背景も、アニメ映画などで背景を専門に手掛けその高いクオリティで名高い「草薙」が制作している。雰囲気が素晴らしく、アニメーションと世界観をよく合わせている。
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ギミック満載のステージの数々。
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任天堂らしくステージの様相はそれぞれ大きく異なり、次のステージへ移るごとの期待感も強まる。
賛否両論点
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ハードがWiiとなり、より万人受けを意識したためか、ワリオの下品さは完全に鳴りを潜め、パワーキャラな面ばかりが押し出されている。
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これに伴い、ワリオのやられモーションは激減している。その分、攻略にはあまり関係しない小ネタ的なアクションは多いが。
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過去作からリアクションから大幅に減少している
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ただし、前述のようにダメージがなくとも特殊モーションはそれなりに気合が入っている。これまでとは違う方面には注力していると言えよう。
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ちなみに、ワリオのアニメーションだけでも2000枚以上存在し、しかもそれらがどんな状況でもすぐ表示できるようメモリに常駐しているという。かなり工夫を凝らしてようやくこれなのだからリアクションを入れる余裕も無かったのかもしれない。
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一方で、リアクションがほぼ無くなったことにより、前作『アドバンス』で存在した「ダメージを受ける敵と、リアクションを受ける敵の差が分かりにくい」という問題点が解消されている。
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全ての敵が跳ね飛ばせるのがダッシュ土管に入った時だけに限定されている。
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この辺りは新アクションのシェイクが存在するため、それまで使いやすいアクションになってしまうとゲームバランスが崩壊するためだと思われる。
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エリアが実質的に5つしか存在せず、合計ステージもそこまで多くない。
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厳密には7エリアだが、1エリア目はチュートリアルステージが1つとシロップの店があるだけで、7エリア目はラスボス専用ステージが1つあるだけである。
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その代わり、1つ1つのステージがきちんと作りこまれている。お宝やミッションなど、やりこみ要素も豊富に用意されていて、ボリューム不足とは感じさせない作りになっている。
問題点
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エリア購入制度があまり意味をなさなくなっている。
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もちろん難易度の高いエリアの値段は高く、普通にプレイしていれば買えるものではない。むしろ適当なプレイをしすぎていると資金が足りず、適正エリアの地図すら購入出来ない時も。
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コイン袋を振るとあまりにもコインが豪快に飛び出すぎて、いくつかのコインが取れない場所へと飛んでいってしまう。
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これを防ぐために密閉空間を探してそこで振ることで安定して入手するというテクニック的なものはある。しかし面倒くさいことに変わりはない。
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コインが消えるまでの猶予は、余裕があるようで微妙に足りないこともしばしば。変な風に飛んでいってしまうと回収はますます大変。
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コインの枚数はミッションにも関わってくるので、やりこみプレイでは取りこぼしのせいでミッションが達成できないこともある。
総評
Wiiにハードを移し、振るということに着眼点を置きつつワリオらしいアクションで突き進む豪快かつ爽快なゲームとなった。
万人向けを目指したことから、『ワリオワールド』『怪盗ワリオ・ザ・セブン』で散見された小学生レベルの下ネタはほぼ用いられないため、ワリオに対するイメージが違う人には違和感があるかもしれない。
しかし、単純操作ながら深く楽しめるそのゲーム性は、アクションゲームが苦手な人もクリアできるほどの絶妙バランスで成り立っている。
そう聞くと「上級者は楽しめないのか」と思われがちだが、ミッション達成を目指そうとすれば難易度はかなり高くなる。
数多くあるWiiの2Dアクションとしてはあまり話題に上がらないものの、ライトユーザーからワリオランドシリーズのコアなファンまで幅広くおすすめできる一本である。
余談
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テレビCMにおいて一貫してワリオの声優を務めてきた大塚周夫氏が、最後にワリオを担当した作品となった。
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ワリオのライバル役にあたる女海賊キャプテン・シロップは、ゲームボーイカラーの『ワリオランド2 盗まれた財宝』以来、実に10年ぶりの復活となった。担当声優は廣瀬仁美。
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今作ではワリオと敵対関係ではなく、お宝を手に入れるためワリオに協力するという立場になっている。ただし最後に美味しい所を持っていくという女海賊らしさも見せており、さながらルパンに対する峰不二子のようなポジションといったところか。
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背景を担当した草薙のホームページでは、かつて本ゲームの紹介のところで『マリオシェイク』と誤植されていた。担当者がゲームについて理解していなかったのだろうか…。
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現在の作品履歴のページでは正しい名前で書かれている。言うまでもないが、『マリオシェイク』というゲームは現在も発売されていない。
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この作品以降、『ワリオランド』シリーズないしワリオが主役のアクションゲームは登場しておらず、現在では『メイド イン ワリオ』シリーズを主体としてシリーズ展開されている。
最終更新:2025年01月23日 09:08