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【かめんらいだー さもんらいど】
ジャンル | フィギュア召喚アクション | ||
対応機種 |
プレイステーション3 Wii U |
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発売元 | バンダイナムコゲームス | ||
開発元 | エイティング | ||
発売日 | 2014年12月4日 | ||
定価 | 8,550円(税抜) | ||
レーティング |
CERO:B(12歳以上対象) アイコン:暴力 |
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判定 | クソゲー | ||
備考 |
別売フィギュア・チップ多数(以下の価格はいずれも税8%込) ライドフィギュア&ライドチップ各2個セット:1,728円 ライドチップ5枚セット:1,620円 SGライドフィギュア(*1):540円 ガシャポン・ライドチップシリーズ:1回300円 |
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ポイント |
2014年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞
「多々買わなければ生き残れない」過剰なPay to Win 万単位の金をかけて追加要素をコンプしても揺るがぬ極悪難易度 商品展開打ち切りにつき一部キャラはフォームチェンジ一切無し 値段に反してゲームとシナリオ共に単調、リスペクトゼロ 怪人より恐ろしいロード地獄とバグ軍団 フォームチェンジすら有料なのに肝心の読み取り機能がガバガバ フィギュアも低評価の挙げ句に謎のCERO:B指定 |
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 | |||
仮面ライダーシリーズ |
『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』シリーズ(以下『クラヒ』)や『仮面ライダー バトライド・ウォー』シリーズ(以下『バトライド』)を開発したエイティングの仮面ライダーゲーム。
「フィギュア召喚アクション」というジャンルが付けられているように、本作は連動玩具を使用し、それらをゲーム内に召喚して戦っていく育成型アクションゲームである。
「ライドゲート」と呼ばれる付属の読み取りデバイスを使い、そこに仮面ライダーを召喚する「ライドフィギュア」や、ライダーの強化・サポートライダーを召喚する「ライドチップ」を置いて読み取らせる。
これにより、フィギュアのライダーを状況に応じて読み替えて召喚したり、チップで強化を行うことで苦境を打破していくという、戦略性を売りとした作品である。
登場作品は『バトライド』とほぼ同じ。平成ライダー第1作の仮面ライダークウガから、発売された2014年当時の最新作である仮面ライダードライブまでが参戦している。
ここまで書くと、『クラヒ』や『バトライド』に続く新たなライダーゲームシリーズの幕開けのように見える。
しかしその実態は、悪辣なまでに課金を要求してくる課金ライダーの出現である。
さらに、キャラゲーの癖にキャラ愛は見られず、代わりに数々のバグと尋常ではない難易度を兼ね備え、仮面ライダーファンや子供達の期待を完膚なきまでに裏切ることになった。
地球とは違う世界、「クリスタルワールド」。 その平和な世界は、突如現れた 謎の怪人軍団によって 滅亡寸前まで追い込まれてしまう。
そして、この出来事は全ての世界を揺るがす 「クリスタルハザード」の幕開けだった――。
滅亡寸前の異世界「クリスタルワールド」を救えるのは、 仮面ライダーの記憶を宿すクリスタルと 正義の心を持った者だけ。
新しい力を手にしたキミと、 強大な敵との戦いが 今、幕を開ける!!
3Dグラフィック、俯瞰からの客観視点、フリーラン式の格闘アクションゲーム。地形にそって進みながらザコ敵をなぎ倒し、待ち受けるボス敵と対決する。
ゲームグラフィックやモーションは基本的に『バトライド』を流用しており、同シリーズにいないキャラクターも『クラヒ』からもモデリングを流用した上でHD化して登場させている。
当然ながら新規参戦の『ドライブ』の登場ライダーは完全新規。また、そうでないライダーも一部は新規製作されている。
そのため、『バトライド』には未登場の仮面ライダーキックホッパーや、仮面ライダーレンゲルなどといった印象深いキャラが登場する。
操作は、通常攻撃と回避が存在する基本的なアクションゲームの内容。
ただボタン配置がちょっと"特徴的"(WiiU版がYで攻撃、Aで回避/PS3版が□で攻撃、○で回避)で、やや慣れが必要。
基本は攻撃ボタンでコンボを繋げ、必殺技やチップなどを駆使して敵を倒していくのが主である。
ファンタジー世界が舞台であることを意識してか、本作のライダーには「火、水、風、光、闇」いずれかの属性が1つ設定されている。
「ある属性のライダーを使用することで開くゲート」「特定のライダーでしか開かないゲート」も存在する。
ライダーの能力は経験値によって強化することが可能で、それらのデータはフィギュアの中にセーブされる。
NFC(*2)を利用した玩具商品で、本ソフトに付属しているライドゲートの上にフィギュア・チップ込みで4つまで配置することが出来る。
「ライドフィギュア」は、プレイアブルキャラを召喚するためのフィギュアであり、「ライドチップ」は、プレイアブルとして召喚した各ライダーをフォームチェンジ、パワーアップフォームへ変化させたり、回復を始めとした支援効果をもたらす強化アイテムである。
ソフトには3体のライドフィギュアと4枚のライドチップ(キョウカライドチップ3枚、ナカマライドチップ1枚)が同梱されている。これ以外は追加で購入しなくてはならない。
市販のライドフィギュアは基本2体セット+2枚のライドチップ付きで販売されている他、食玩でも展開。ライドチップは5枚セットの他、ガシャポンで単品発売されている。
本作の世界観は先のストーリーの通り「クリスタルワールド」と呼ばれる、一言で言うとファンタジー世界が舞台。
ストーリーを進めていくのも、異形の異世界人(精霊)達である3名のオリジナルキャラである。デザイン的にはゼルダ系統と評されている。
それぞれの担当声優は豪華だが、ストーリーを除けばゲーム中の台詞パターン自体は少なめ。おまけにラスボスと戦って勝っても台詞が全般的に薄すぎて、達成感やストーリー性は薄い。
彼らのデザインは仮面ライダーシリーズの世界観との乖離が激しく、かなり浮いているという評価が多い。冒頭、ファンタジー風のキャラがショッカー戦闘員に詰め寄られる場面からいきなり違和感たっぷりであり、不一致感の洗礼を受けることになる。
それでも、「ファンタジー世界の住人と仮面ライダーたちの異文化交流」と言ったものが描かれていれば、それはそれで面白みのあるストーリーになり得たことだろう。
しかし、本作のライダー達はあくまで本人ではなく(*3)「フィギュアの力で作り出した分身」、敵キャラも「敗れた敵達の残留思念が具現化した」という設定であり、会話シーンなどほとんどない。
『バトライド』のように、過去の記憶がフラッシュバックする展開を含めて、原作を意識したストーリー内容は皆無である。
仮面ライダーシリーズと完全に隔離された玩具連動ゲームとして割り切れば良いが、この時点で仮面ライダーのキャラゲーというよりライダーの素材を使ったオリジナルゲーという印象が極めて強い。
「子供達の夢を守り、子供たちの応援に答え希望の光を照らし続ける」…それこそが仮面ライダーのはずである。
しかし、本作は完全に追加課金を前提とした理不尽な難易度・システムで、戦術も卑怯な戦い方を強いられ更に「金さえあれば物事が解決出来る」ということを子供達に向けて教えるかのような身も蓋もない悲劇を繰り広げることになる。
加えて慣れない独自NFCを採用した結果なのかバグやフリーズが蔓延る内容、そして本来本作が満たすべきキャラゲーとしての満足感すら満たせず、むしろそれらの愛着を踏み躙る雑なライダーや怪人達の扱いなど…。
各方面に隙のない問題点を備え、「クソ要素の集大成は近年の仮面ライダーのフォームチェンジのように多種多様」「KOTYスレの過去の名だたるクソゲー達の要素のコンプリートフォーム」「バグ・課金・ストーリー・システムと全てのクソゲーの問題点を組み合わせた最強の怪人」と評価されることになる。
単に「全方位にクソ」というゲームなら過去にもいくらか存在したが、販売店のスペース圧迫やメーカー公式システム外での課金など、悪質度の程度以上にその幅がゲームという枠組みを超越し、売り手の界隈にまで多大な迷惑をかけたゲームは後にも先にもこれほどの存在はない。
あらゆる方面で鬼畜な様相により課金を迫るという、商法そのものと一体化したような本作の姿勢はKOTY2014においても新しいクソゲーの形として評価(?)され(*12)、見事「据置機部門大賞」を獲得した。
前年度・KOTY2013大賞の『ビビッドレッド・オペレーション -Hyper Intimate Power-』から悲劇を繰り返したバンナムに対し、総評では仮面ライダーWの決め台詞「さぁ、お前の罪を数えろ!」をもじって「さぁ、お前のクソゲーを数えろ!」という言葉が送られることになる。また、一部から「年末の魔物」ならぬ「年末のダークヒーロー」と揶揄された。
そもそもキャラゲーという方向性だけ見ても、このゲームは仮面ライダーである必要性が見出だせないほどに世界観や設定が噛み合っていない。
原作を理解しているか甚だ疑問なキャラの扱い・「らしさ」を破壊するシステム・無駄なオリジナリティと、「基礎ができないくせにアレンジをしたがる人」の典型みたいな有様であった。
常に改善を続けてきた『クラヒ』と、そこそこの滑り出しを飾った『バトライド』を生み出したエイティングが本作の開発を担当した。
そして本作は初期の『クラヒ』などでお馴染みの「サタケイド」こと佐竹伸也プロデューサーによる指揮の元に製作されている。
佐竹氏は初期『クラヒ』でこそ悪評を重ねたものの、後期シリーズや『ライジェネ』などの高評価ゲームも送り出して来ていたのだが、『ライジェネ2』を最後にしばらくライダーゲーから離れていた。
そして本作で久々に指揮を取ったのだが、その結果はライダークソゲーの先駆者たる『仮面ライダー倶楽部』や『ガイアセイバー』に並ぶとも劣らぬ正真正銘の年末の魔物を生み出すことになってしまった。