ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦

【がいあせいばー ひーろーさいだいのさくせん】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 バンプレスト
開発元 アークシステムワークス
TNS
発売日 1994年1月28日
定価 9,800円(税抜)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント 原作無視しまくりの穴だらけで超不親切なシナリオ
原作の強敵・幹部キャラが量産型ザコ敵に
ザンジオー無双
全てにおいて低クオリティのシステム・仕様
通常攻撃の命中率が異常に低い
カプセル怪獣無双
スーパーロボット大戦シリーズ
コンパチヒーローシリーズ



「ふふふ……もう手遅れだ」



概要

当時バンプレストが展開していた「コンパチヒーローシリーズ」の1作で、SDのガンダム・ウルトラマン・仮面ライダーの3シリーズのキャラ達が共演するRPG。

ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』に続くコンパチRPG第2作だが、開発元は異なっており、前作やその他のコンパチシリーズとの繋がりはない。 このため、システム周りの仕様やグラフィックが前作と大きく毛色の異なるものになっている。

ストーリーコンセプトは前作と似ており、主人公達が「同盟」(「○○同盟」などではなく、ただ「同盟」)というチームを組んで様々な悪の組織と戦う流れになっている。

オーソドックスなRPGではあるが、「地球環境」「人口」という要素が存在しており、これらはプレイヤーの行動次第で悪化していき、エンディングに影響を与える。


ストーリー

ジオン軍が地球に猛攻を仕掛ける中、ショッカーによるテロ活動も続き、地球にはかつてない危機が訪れていた。
いったい彼らが地球を狙う理由は何なのか? 答えを探るヒーロー達をあざ笑うかのように、敵の攻勢は続く。
ついには守るべき市民からも邪険に扱われるという陰惨な状況の中、ヒーロー達は困難を乗り切り、地球を救うことができるのだろうか?


評価点

  • オープニングデモでは専用のイラストがふんだんに使用され、味方だけではなく敵の集合絵もあり掴みは上々。
    • 「人口」「環境」といったパラメーターの増減でエンディングを変化させるなど、前作よりもダークな要素をシステムに入れ、インパクトのある企画を狙ったということはよく伝わる。
  • 戦闘画面は、敵キャラが味方キャラを取り囲むという目を引く構図で展開される。無駄な表示物も無く画面をより大きく見せる工夫がある。
    • 格下の敵キャラであっても大きめに描画されており、やたら躍動感のあるポーズで描かれていて迫力がある。
      • 大サイズのボス敵も登場する。ヒーロー戦記から据え置きの長所。
  • 戦闘中、味方キャラについては技を選択した際にアニメーションがある。
    • 残念ながら敵には無いものの、味方のSDキャラがちょこまか動き回る姿が面白い。
  • 装備品に作品をまたぐ、クロスオーバー要素が用意されている。
    • 例えばライダー系キャラはマルス133などの科特隊の武器を、ウルトラマン系キャラはビームライフルなど、ガンダム原作の武器も装備できる。しかもこれらを持っていると通常攻撃の種類が増える。
      • ちなみにパッケージ絵の奥では、ウルトラセブンがガンダムのビームライフル、ブラックRXが科特隊のスパイダーショットを持っているが、これらも実際にゲーム中で装備可能。
  • アマゾン、スーパー1、レオといったシリーズ内でもあまりスポットの当たらないマイナーキャラを主軸にした意外性は面白く、現在でも貴重。

賛否両論点

  • アクの強いオリジナルキャラクターが存在する。
    • その中でも、開発スタッフに愛されて後に別のゲームで奇跡の再登場を果たした「マークハンター」、赤と白を基調にしたガンダムタイプの機体「ガンダムキラー」は本作の中で特に印象深い。
      • と言っても、本作の中では相対的に目立つというだけで、そもそもの扱いがそこまで良いものではなく、「もっと原作キャラを優遇すべき」という意見が出るのもごもっともなところ。
  • キャラクターの「大きさ」の概念をシナリオやシステムに取り込もうとした点。
    • そもそもSDキャラが共演する作品では、出典に関わらず同じ身長であることは暗黙の了解であったのだが、ウルトラマン勢は原作設定を生かし縮んでいることになり、モビルスーツにはSサイズ・Lサイズの概念がある。
      • 屋内戦闘では制約が課せられるなど、プレイヤーへの足かせに使われることが多く、調整不足により後述の問題点も招いてしまっている。
  • オート戦闘推奨仕様や「根性」(HPや体力に当たる)が戦った後に全快しているなど戦闘の負担を軽減する仕組みが盛り込まれているが、エンカウントの悪さ(後述)で相殺されてしまっている。
  • アイテムの「カプセル怪獣」は強力であり、基本的にこれさえ使っていれば、ほとんどの敵に勝てる
    • 「ダメージ一定」、「敵防御力無視」、「必ず命中する」、「1ターンに何度でも使える」至れり尽くせり。
    • その威力はアギラ→ウインダム→ミクラスの順に強くなるが、ウインダムはミクラスと同時に入手するため、実質使い道はない。同じアイテムを全員で使い回せるので、無消費のこれらのアイテムの個数も意味がない。
      • ウインダムは前作『ヒーロー戦記』で活躍したため、そのあおりを食らったのかもしれない。
    • アギラは寄り道しないと見つからない隠しアイテム。このゲームにおいて寄り道して価値がある珍しい例である。
      • ミクラスより強いセブンガーもデータは存在するのだが、バグ、あるいは没データのどちらかの可能性が強いためか、入手することができない
      • 中盤以降に覚える必殺技は、大半がミクラスよりも強力なのがせめてもの救い。

問題点

戦闘関連

  • 前作以上にエンカウント率が高く、後述のように単発攻撃しかしてこない雑魚が3~7歩ごとに出現する。
    • 対策としてはアマゾンの必殺技「アマゾンコーション」を使うことで、一定歩数エンカウントを無効化できる。しかも効果が切れる前に重ね掛けする事で持続が可能。スタッフの僅かな良心と取るか、バランス取りが大雑把過ぎると取るか。
      • 移動中に必殺技のメニューを開いてAボタンを押すことで使用できるが、使っても特に何も表示されないのでプレイヤーは戸惑うだろう。一応、使用時に技量(MPに当たるパラメータ)を15消費するので、それで確認できる。
    • ただし、アマゾンはあるイベントで強制離脱してしまい、終盤まで戻ってこないためその間はエンカウント地獄に悩まされることに…。
    • その一方でラストダンジョンでは雑魚は一切出ない。
  • 敵キャラはラスボスを含めて、基本的に単体対象の通常攻撃しかしてこない
    • 相手がマシンガンを携えていようが、ミサイルランチャーやバズーカで武装していようがお構いなしである。ごく一部のザコやボスが仲間を呼ぶ程度*1で、それも最初に一回呼んだら、以降は通常攻撃オンリー。
      • ステータス異常の類も「戦闘不能(瀕死)」以外存在しない。例外的にウルトラマン系キャラは3ターン以上経過するとカラータイマーが点滅して根性が減り始めるというスリップ状態に陥る(アイテムでの回復は可能)。
    • ちなみに有志による研究で、敵は同じ味方を連続で攻撃することがない親切設計であると判明している。
  • 戦闘中、コマンド入力時に何もせず「決定」を選ぶと『オート戦闘』になる。カーソルのデフォルト位置が決定になっているほどで、ゲーム側で推奨されている。
    • 通常攻撃のコマンドでは使う武器や技(パンチ、キック、光線など)を指定するのだが、技の威力は勝手に決められる、という仕様。要は出る技がランダム
    • 強力な技は、それに応じた技量が消費され、ミスになればその分の技量が無駄になる。その上いずれも物語が進むほどミスになる確率が高まるため、戦闘の流れが安定しない。
      • これは、「武運」という回避に関わるパラメータが存在する一方で、命中に関わるパラメータが存在しないため。敵も味方も、後半になれば武運が高くなるため、必然的にどちらも攻撃を外しやすくなるのである。
    • 必殺技は、ほかのRPGでいう「魔法」のようなもので、攻撃、回復、自己強化が存在。攻撃用の必殺技は例外的に必中に近い命中率だが、当然のように技量の消費が大きく、一喜一憂の要素になっている。
      • 戦闘終了後、根性だけは自動で全快(戦闘不能も回復)するが、技量は回復せずそのままという仕様なのに、これである。
      • 技量はフィールド上のストーンサークルに重なれば回復するが、例によって説明なし。
      • さらにダンジョンではストーンサークルに該当する技量回復ポイントは存在しないため、前述のカプセル怪獣に頼らないかぎりは回復アイテムはほぼ必須。
  • 武器はクロスオーバーできるのに対し、防具は「中華鍋」、「マンホールのフタ」など、おおよそヒーローらしからぬものが多く、ヒーローがそれらを使って敵の攻撃を防ぐさまはなかなかシュール。
    • 技の種類によってミス率が変わるなどということはない。よってバルカンで狙い撃ちしても4割ミスしてしまう。
      • なお先制攻撃が発生した場合は強制的に『オート戦闘』になるため、勝手に強力な通常攻撃を空振りしたあげく、ターンと技量を無駄にするという斜め下な現象も起こりうる。
  • ガンダム系がとにかく不遇。パーティキャラの内、アムロとシーブックはダンジョン内ではモビルスーツであるガンダムから作業用のプチモビルスーツに乗り換えるため、能力が大幅に下がってしまう。
    • ダンジョンの奧にいる一部のボスには、そのままプチモビで立ち向かう羽目になる。あたかも『ガンダムZZ』冒頭のヤザンの気分を味わえてしまう。
    • ガンダムの大きさを考慮した仕様であるようだが、前作ではなんの問題もなく三大ヒーローが共演していたことを踏まえると改悪仕様と言える。
      • 前作では途中で人の背丈ほどもあるザクの頭が落ちていたり、子供がアムロに「いつか僕もガンダムに乗せてね」と言っている場面があるなど、MSのサイズも原作相応だったようだが、いちいちその辺に突っ込みを入れたらキリがない。問題は『ガイアセイバー』ではそのサイズ問題が徹底して敵をひいきしている点にある。
    • 本作では「大きさ」にシステム的なメスが入ったものの、完徹されておらず、戦闘画面でモビルスーツとライダーが同じ大きさというのはまだまだ変であるし、違和感が残っている。
    • その一方で敵は平気でダンジョン内でモビルスーツに乗って現れる。モビルスーツより巨大なモビルアーマーや怪獣すらも。
    • 上記の一例として、「ダンジョン内で落石によって閉じ込められたアムロと子供達を救うため、敵であるはずのランバ・ラル隊がザクとグフに乗って岩をどけてくれる」というイベントがあるが、ザクとグフが入ってこれるようなダンジョンにもかかわらず、アムロはプチモビに乗らされているという不自然な状況になっている。
      • なおラルが岩をどけている間、ライダーはともかく、身長をコントロールできるはずのウルトラマンは見ているだけで協力もしない。
  • グラフィック面で半端な凝り方をして、逆に違和感を強めている箇所がある。
    • 味方の攻撃アニメーションが非常に豊富なのに対して、前述したとおり敵は攻撃手段が非常に乏しく、ボス・雑魚を問わず敵の攻撃アニメーションは無い。
    • 「Fire!」、「ZAP」、「Greee」などのアメコミチックなアルファベットの描き文字が表示されるだけ。
    • 挟み撃ちされているフォーメーションで戦闘開始するが、あくまで見た目的な迫力を狙ったにとどまっており、システム的には全く活かされていない。バルタン星人の分身やファンネルの扱いなどを見ると一応挟み撃ちでピンチを演出するつもりだったようだが…。
      • なお大型敵のαアジール、サイコガンダム、ラフレシア、オリジナルの黒幕と実質的なラスボスの5体のみ、挟み撃ちではない対面型のフォーメーションとなる。特にゲーム的な差別化はない。
  • 終盤、離脱していたアムロが仲間に復帰するが、乗機は攻撃力はこそ高めながら技が少なく使いづらい「ガンダムキラー」に固定されてしまい、乗り換えができない。
    • 一方、シーブックは「初代ガンダム」・「νガンダム」・「F91」の乗り換えができる。
    • さらに復帰後からは、アムロはパーティーメンバーからも外せない。このためラストダンジョンでは「ガンダムキラーに乗ったアムロ+残り3人」という組み合わせになる。
  • なお、「プチモビしか使えない」、「技が少なく使いづらい」という問題はミクラスを使えばあっさり解決してしまうのだが。
  • 敵がアイテムを落とした場合、「アイテムを手に入れた」と表示されるだけで、何のアイテムを落としたかは表示されない。
    • 何のアイテムを手に入れたかの確認もしづらい上、何も手に入っていないこともある。
  • 敵が落とす金額はばらつきがあり、ショップではアイテムを売ることができない。故に非常に金が貯めにくい。
    • 追い打ちをかけるかのように、一度でもアイテムをクリックすると「はい」「いいえ」の画面をすっ飛ばして即購入してしまう不親切仕様。
    • 敵の落とす金は敵グループのパターンで固定されているのだが、「強い敵1体と雑魚複数のパターン」が、「強い敵が複数出るパターン」よりも落とす金が多くなることが頻繁にあるという一貫性がない謎仕様のため、敵が落とす金額はランダムかと思われたこともあった。
    • ただし、本作で購入の必要性があるのは回復アイテムと防具のみ*2なので、資金をそれだけに絞ればさほど不自由はしない。

戦闘以外のシステム

  • 次の目的地の名前は教えられても、それがどこにあるのかはまるで教えてもらえない。
    お陰で宇宙では広大なマップから一々目的地を探すことになり、地上でも世界地理に詳しくないとやはりマップを歩き回ることになる。
    • デタラメに歩き回ると、次のシナリオの目的地に着いてしまい、次のシナリオにならないと明かされない情報を知ってしまうことすらある。なんだかなあ。
    • 宇宙では目印がほとんどなく、地球と違って全く当てずっぽうで探すしかないのもメチャクチャである。
      • 幸い宇宙マップはそれほど広くないのが救いだが、どのコロニーが何番コロニーなのか判別する手段がないので、場所がわからなくなる。また後半でもあるコロニーを探すイベントを宇宙マップで起こす必要がある。単純な事で発生させられるのだが、気付けなければエンカウント地獄に苦しむことになる。
    • 終盤には「何か分かるまでパトロールしてきて欲しい」と、当てもなく放り出され、目的地すら教えて貰えないことも。
  • いわゆる探索時のダミーである無人の部屋・建物が妙に多い。しかもマップ自体が少なくどこも同じような景色・部屋ばかり。実際にマップの使い回しが非常に多い上に、使い回しでなくても景色はどこも同じで自分がどこにいるのかよくわからなくなる。しかも意味もなく広くて遠回りさせる構造である。
    • 町は全体マップからカーソルで行き先を選択する形式なのだが、2階以外は無人の5階建てビルスミスさん不在の「スミスさんの家」などの無人空間が世界中に溢れかえっている。
      • ちなみにスミスさんに限らず、町の住人1人1人には固有の呼び名がついている。だったらもっとNPCを配置してほしいところ。
  • ダンジョンも然りで、マップ構造が同じの使い回しダンジョンすら当然のように登場する。上述の通り、景色・部屋も大抵同じなので、初めて訪れたダンジョンなのに「あれ?ここって前に来なかったっけ?」という既視感を多くのプレイヤーが抱くだろう。
    • ボス部屋も一部特殊なダンジョンを除いて使い回し。アジトだろうがコロニーだろうが民家の隠し部屋だろうが、どこに行っても奥に計器類がある会議室でボスが待ち受ける。敵側が基地の標準規格でも決めているのだろうか?
      • 黒幕が待ち受ける敵本拠地の最奥部すらもその使い回しである。「ようこそ、システムの中枢へ」という台詞の割に丸椅子とテーブルが置かれたいつもの会議室というのが間抜け極まりない。普通、もっと仰々しいデザインやオブジェクトでプレイヤーに威圧感と緊張感を与えてきそうなものだが…。
    • マップに加えて後述するようにBGMも代わり映えしないので、本当に自分がどこにいるのかよくわからなくなる。
    • ラストダンジョンの「亜空間」はさすがに専用のグラフィックと構造とBGMである……と思いきや、なぜかあるフロアが普通の民家になっている。亜空間だから常識が通じないとでもいうのか…。
  • 宝箱が存在しないため、街だろうがダンジョンだろうが寄り道のメリットは薄い。
    • 宝箱はおろか、アイテムが手に入るオブジェクトや調べることができるオブジェクトも皆無である。本棚を調べようがコンテナを調べようが何の反応もない。
  • 寄り道が無意味という状況に慣れた頃、「敵のアジトのある装置に爆弾を仕掛けて破壊しろ」と指令を受けて行くダンジョンにて、入り口で合流するV3がボス部屋までの道のりで分岐を間違えると「そっちじゃない」と教えてくれるが、実はボス部屋を含め装置は全部で5個あり、残り4個は先ほど「そっちじゃない」と言われた道にある部屋に設置されているという罠がある。
    • すべてに爆弾を仕掛けないと計画阻止失敗となり人類カウンターが減少する。事前に爆弾を渡してくれる人に何度も話しかければいくつでも爆弾を入手できる、ということも含めて気がつきにくく、二重の罠と言える。
      • さらには計画阻止に失敗しダンジョンから出ると背景が爆発するが、なんの説明もセリフもないため仕掛けた爆弾が爆発したのか敵の計画が成功し山が爆発したのかわからない。ノーヒントのプレイなら計画阻止成功、と思ってしまうだろう。
      • 逆に計画阻止成功ではなにも起こらない。爆弾はどうした。
  • 寄り道するとたまに意味深なイベントが見られることがあり、本当に伏線を張っている場合もある。ただ、見ないとストーリーが理解できないというほど深いものではないし、無駄足になる確率のほうが遙かに高い。
  • 装備品のパラメーター表示がない。そのため性能は実際に装備をしてみないと分からず不便。
    • アイテムの説明も表示されない。『ヒーロー戦記』では簡単なものとはいえ、説明表示があったのに。
  • ご丁寧にバグも完備。急にリセットが掛かったり、データ2にセーブした記録をロードするとマップがバグることがある

キャラゲー要素

  • コンパチヒーローシリーズはSD(Super Diformed)の仮面ライダー・ウルトラマン・ガンダムを基とするシリーズである。
    いずれのSD作品もコミカルな低年齢向け作品として、本家から派生・独立したものである。そのため、原作の設定やストーリーとは異なる独自路線の要素が多い。
    • 原作との一番の相違点はそれぞれを1つの生命体キャラとして扱っており、機体が1人のキャラとして独立し、操縦者や元の変身者が登場しない作品さえある。
      • なお本作でのガンダム作品の扱いは、前作『ヒーロー戦記』と同様に、「原作通り機体には意志が無く、操縦者キャラが主軸に活躍する」という形。
  • こういったコンパチヒーローものではウルトラマン・ライダー・ガンダムの使用可能キャラの数は一定であるはずだが、本作ではウルトラマン*3とライダー*4はそれぞれ3ずつなのに対し、ガンダムのキャラは操縦者であるアムロとシーブックの2人しかいない。
    • 『機動戦士ガンダムZZ』の主人公・ジュドーはストーリーモードでは絡んでくるが、戦闘時には何もせず突っ立っているだけである。しかも乗っているのは何故かオープニングでぶっ壊れたはずのF91。どこで手に入れた。
      • 前作でもジュドーは話に絡むだけで戦ってはくれなかった。また、後にリリースされた『スーパーヒーロー作戦』や『ロストヒーローズ』シリーズでも、作品ごと参戦していないためか、かなり不遇である。
      • 一応フォローしておくと、使用可能なガンダム勢の「機体」については、RX-78-2 ガンダム、νガンダム、F91、ガンダムキラーの4機が登場している。だが、この4機とも、他のコンパチ作品とは違い喋らないので、どのみち本作のガンダム作品系のパーティキャラとしては、2人しか居ないことに変わりはない。
  • 細かいことだが、ウルトラマンに登場する科学特捜隊の本部が日本になっている。本来はパリが本部だが、パリには科学特捜隊そのものがない*5
    • その科学特捜隊日本基地の位置も原作では東京郊外だが本作では富士山のふもとにある。
    • さらに科学特捜隊に何故か本来ウルトラ警備隊であるはずのソガ隊員が混ざっている上、紅一点のフジ隊員がいない。
  • OPデモではウルトラマンタロウ、ライダーマン、仮面ライダーX、ガンキャノン、NT-1アレックスが登場しているが、これらのキャラは実際のゲーム中で姿を見ることはない*6
    • このうちアレックスに関しては「同盟」の本部にクリスというオペレーターがいるため、OPの戦いで機体を失ったもののパイロットは無事だったと見ることもできる。ただしグラフィックはモブの使い回しのため、このクリスがアレックスのパイロットと同一人物かはハッキリしない。
    • ハヤトとカイも後々登場。こちらは非戦闘員ながら、しっかり専用グラフィックである*7
    • 同時に登場している仮面ライダー2号のみ特殊な形(後述)でゲーム中に登場しているが、それでも「仮面ライダー2号としての姿」での登場ではない。
  • 明らかに原作とはかけ離れた描写をされたキャラも多い。
    • 例えばシーブックはとある敵を倒した直後に「とどめをさしましょう」と言ったり、自軍をデマで謀ったシャアに対し「バカにしやがって!」と悪態をつくなど、原作の優等生キャラに反する好戦的なキャラとして描かれている。後者はボンボン版のシーブックと考えるとまだ理解できるが、前者は原作や宇宙海賊時代を含めてもあり得ない描写である。
      • アマゾンも原作とはかなりキャラが異なっており、後半になると何があったのかやたらと饒舌になったり*8、旅行者に化けた侵略者に対して「これでTHE ENDだ!」と言ったりする。
    • 前作で別人レベルのキャラ崩壊だった南光太郎(RX)は、本作でも同様にキャラの性格が異なっている。
  • 本作も操縦者や変身者が登場する「スパロボ路線」ではあるものの、SDというジャンルを考慮すれば独自のストーリー展開やキャラのパワーバランスを「原作無視」と批判するのはやや知識不足と言えよう。
    • とは言うものの、原作でのキャラクターの関係や強さを無視した点が無駄に多いのは事実。メンテナンス中だったとはいえ、最初の戦闘が「アムロが操縦するガンダムF91がグフとザク2体に負ける強制負けイベント」である。
      • 強さ関係以前に、この場面でアムロが乗っているのがF91である理由も意味もないのが既に意味不明である。これも実は歩行グラの流用が理由ではないかと邪推できる。
    • 前作を始めとするコンパチヒーローシリーズはもちろん、ストーリー面では原作を全く意識する必要がない『ナイトガンダム物語』や『スーパーロボット大戦』でもそのあたりの配慮は見られることを考えればかなり異質。
      • 更に本作では否が応でも原作を意識させるようなイベントを随所にちりばめているので、なおさら粗が目立っている。
      • 例えばアムロとシーブックでそれぞれ機体を乗り換えていくのだが、それらの管理がどうなっているのかも謎である。コロニーに突っ込んだアムロが乗っていたはずのνガンダムが、次の話で何事もなくシーブックが乗って出てくるなど。
    • アムロとシーブックは、必殺技として「フリーファンネル」や「フェイスオープン」を習得する。だが、見てわかる通り、前者はνガンダム、後者はF91に乗らないと使用できない。挙句の果てに、アムロが最後に搭乗するガンダムキラーでは、最初に覚える「ニュータイプシュート」以外使用不可能となり、主人公でありながら最弱キャラに成り下がる。
      • こんな仕様にするのなら、搭乗機ごとに必殺技を変更するべきだったと言える。
    • 他にもいつの間にかパーティメンバーが入れ替わっていたり、いなくなっていたりする。
      • パーティメンバー以外のヒーローがピンチに陥る際はたいてい「○○が捕まったから救出に行く」というパターンが繰り返される。
  • 原作では重要なポジションであった怪人・怪獣etcをわざわざ雑魚キャラに据えるという、全く意図が読めない配役がなされている。
    • シャドームーン*9やゼットン*10、サザビー*11など、原作では幹部・首領クラスの強敵が普通に雑魚として出てくる。
      • 人によってはランダムエンカウントで最初に会った雑魚敵がカニレーザー*12だった、といえば異常さが伝わるだろうか。もちろん雑魚敵なので何度でも遭遇する。
    • その一方で、ザンジオー*13が中ボスとして何度も登場する。ただし、特に因縁があるような台詞を言うわけでもなく、倒すたびに無言で爆死するため、優遇されていると言うよりはただの使い回しという印象しか受けない。
      • ボスとしてフィールド上に立たせようとすると最低でも上向き・下向き・横向きの立ち絵を描く必要があるため、その手間を惜しんで最初の方に描いたザンジオーを延々使い回しているのかもしれない*14
      • しかも後半の会話をよく見るとザンジオーは量産されていることがわかる。つまりザンジオーも出番が多いだけで扱いはすこぶる悪い
      • ザンジオーに限ったことではないが、中盤以降重要なボスですら無言爆死して退場することが相次ぐ。会話イベントを実装する余力も無かったのか。
    • コンパチヒーローシリーズでは強敵やボスクラスのキャラが雑魚敵として配置されるケースが他にもある*15が、本作はそれがあまりにも多過ぎるため悪目立ちしており、違和感は半端ではない。シリーズ最強クラスの敵*16もただの雑魚扱いで、ファンでなくともすさまじい違和感を覚える。
      • 同じ作品間でも整合性が図られていない面があり、『仮面ライダー』のショッカー幹部の死神博士は、ちゃんと正体であるイカデビルに変身してボス戦となるのに対し、同じショッカー幹部の地獄大使は変身もせずにそのままボス戦となる。
      • 地獄大使の正体であるガラガランダは、本作ではなぜか量産された雑魚敵として登場しており、本家の設定を完全に無視してしまっている。
      • しかも地獄大使はパーティの強制敗北バトルを最後にフェードアウトしてしまう。一方、同じく幹部の暗闇大使は初期のイベントで倒され爆死したはずなのに何の説明もなく再登場する。
  • 敵キャラがわけのわからない色違いキャラで水増しされているのは『ヒーロー戦記』と同じなのだが、その内容もより意味不明になっている。
    • 赤いズサは「ズサ改」*17青いバウは「バウ」*18と名前の付け方も一定しておらず、全く同じ名前グラフィックで雑魚バージョンとボスバージョンがいる*19など、攻撃方法だけでなく、敵キャラそのものの扱いが非常に雑である。
      • 怪獣では、原作に登場しない「ブルーギラス」というブラックギラス&レッドギラスの色違いがいる一方、ゴモラやゼットンは名前は同じなのに、色とステータスが異なる敵データが複数存在する*20
      • おまけに怪獣は雑魚バージョンと全く同じ名前・グラフィックのボスバージョンも多く、本当に怪獣のグラフィックを増やしたくないようにしか見えない。
      • おまけにブラックギラス&レッドギラスは同じ場所に登場しないので、双子のはずなのに共演するシーンがない。コンパチヒーローシリーズでは、こうしたペアのキャラはさすがにきちんとペアを組んでいることが多いにもかかわらずである。ブラックギラスと同じ場所にはなぜか前述のブルーギラスが登場し、こちらと一緒に出現することはある。なぜ本来のペアを組ませないのか。また、原作での飼い主であるマグマ星人(こちらはボス)とも同時に登場しない。
    • ちなみにウルトラマンやガンダムの敵は色違いの水増しが多いのに、なぜか仮面ライダーの敵には色違いはほぼいない。
      • 原作で瓜二つであった地獄大使と暗闇大使のみ色違い。これは演じた俳優が同じ故・潮健児氏であるため、意図的にやっていると思われる。
    • ザコ敵の中にサイコガンダムMK-IIも存在するが、名前は「サイコガンダム」。本作に、本来のサイコガンダムは一切登場しないものの、違和感がある。
      • 「ザクII」ならば関連作ですら「ザク」と呼ばれることが非常に多いものの、強敵であるサイコガンダムMK-IIがこのような呼称をされるのは極めて稀。
      • さらにグラフィックが画面の半分を埋め尽くす巨体でありながら、単なる雑魚敵で能力値がぱっとしない。
  • 多くの原作キャラクターが、モブキャラクターと同じ見た目をしている。
    • 『機動戦士ガンダム』のジョブ・ジョンに至っては髪の色から異なっている
+ 本作最大の問題シーンについて。ライダーキラー出現!! ライダー2号危うし
  • こういったキャラゲーとしての評価をする上で無視できないのが、仮面ライダー2号が完全な改造人間である「ライダーキラー」にされた挙句、倒されてしまう。という演出であった。
    • ライダー2号を倒したのはオリジナルキャラのマーク・ハンター。
      かつて2号とマークは共闘していたが、マークを助けるために2号が犠牲になって敵に捕まり、ライダーキラーへと改造されてしまった。そのときの借りを返すため、マークはライダーキラーと一騎打ちをする。
    • 戦闘後の「俺を助けなきゃこいつはこんな目にあわなくてすんだんだ。…ホント、ヒーローってのはお人よしだぜ。カッコつけすぎだ… まったくよお…」というマークの台詞は、悲哀があってなかなか格好良く、ストーリー的にも盛り上がる場面なのだが、仮面ライダーのファンからすれば複雑な状況である。
  • ガンダムのアムロ・ウルトラマンのゾフィーも敵に洗脳され、それぞれ「ガンダムキラー」「ウルトラキラー」という敵となって登場するのだが、彼らは最終的に洗脳が解けてヒーローに復帰する。どうしてライダー2号だけが…
    • 更に突っ込むと、以前にライダーキラーは主人公達に倒され味方の施設に収容されたのだが、ゲーム終盤でなんの説明もなく再度敵として登場する。そうなると2号の死(?)は半分後方の味方の不手際ということに…。
  • 正確にはライダーキラー戦は数ターンで勝手に終わり、ライダーキラーは爆発もせず画面から消える。はっきり「死んだ」と言われるわけではないが、その後一切登場せず、主人公達は特にコメントしない
    • この状況からみると「テレポートを使って捕えた」という解釈も可能だが、何の演出も無しで、その後は一切登場せず、マーク以外ノーコメントで、以降も触れられもしないのは描写不足にも程があり、違和感しかない。
    • 尚、ウルトラキラーとの初戦も同様に数ターンで勝手に終わるにもかかわらず、ヒーロー側が敗北した展開になっていた。それと似た流れだとするとひょっとしたらこの時のライダーキラーも…。

シナリオ

前項で触れたとおりキャラゲーとしてはあまりに出来が悪いが、それを差し引いてゲーム単体で見ても擁護不可能なほどにひどい。内容はことごとく矛盾しまくっており、設定や展開にプレイヤーを置いてけぼりにするような超展開が多い。

  • 守るべき存在である人類側には身勝手なことしか言わないキャラばかり出てくる。警察はなぜか主人公達を目の仇にし、目の前でショッカーを倒してみせてもスパイ呼ばわりをする。
    • 「ストーンサークルの調査をさぼって、たこ焼きを食べている」博士に話しかけると、偉そうな態度で言われ、直後にある仕事を頼むと、「ストーンサークルの調査で忙しい」との理由で主人公らをパシりに使う。その後、彼はショッカーの戦闘員に襲われ負傷するが、「そのまま死ねば良かったのに」と思ったプレイヤーも多数いたことだろう。
    • 中盤は人類が敵に降伏したという設定のため、一般人は話しかけるたびにヒーロー達を罵倒する。
      • 男女問わず、辛辣な言葉を後半で誤解が解けるまで吐かれ続ける。間違っても某スパロボ主人公には見せられない光景だろう。
      • にもかかわらず、ヒーローとプレイヤーに対して嫌味のある発言をするキャラたちの名前は、会話ウィンドウには「素敵な看護婦さん」、「魅力的なお姉さん」と表記されており、違和感が強くなっている。
      • あるイベントでは、市長とその家族の公開処刑を止めるか否かの選択が迫られるが、助けると代わりに世界中で4億人以上が虐殺され、「お前らのせいで!オレたちが殺されるんだぞ!どうしてくれるんだ!この人殺しめ!」と群衆に罵倒される。涙を呑んで見殺しにした所で1億数千万人が虐殺され、地球も4%ほど破壊されるという、趣味の悪い二択を迫られる。
      • なお結局この人類降伏状態は各国のニセ首相による工作だったのだが、実際連邦軍は機能停止状態で*21戦っているのはヒーローばかりの状況だったため、本当に降伏していても不自然ではなかった。しかし各種演出が能天気すぎて降伏があまりに唐突に受け取られかねない。
    • また降伏状態はゲームの進行にも影響しており、この状態でボス戦以外の戦闘イベント(通常の雑魚戦は例外)を起こすと人口と地球カウンターが減る。しかし例によって説明なし*22
      • 一応この状態でのペナルティとなるイベント戦闘はそれらしい内容になっているが、もちろん事前にはわからない。同じく、通常の雑魚戦ですら人口と地球カウンターが減るダンジョンすらある。
      • どの場所でも、ほとんど同じような台詞ばかりでテキスト量も非常に少ない。ホテルは無人なうえに、受付の台詞は一種類だけで、どこのホテルだろうが一字一句同じことしか喋らない。
    • 上述したように捕まっているパーティー外のヒーローを助けに行く展開がやたら多く、人類よりも仲間のヒーローを助けて回っているような感覚になる。
  • コロニー落としを1人で食い止めようとするアムロを、なぜか傍観しているウルトラ勢。そして「果たしてアムロはコロニー落下を食い止められるのか!?」と表示されて次章に続くが、次章ではいきなりコロニーが地球に落下し、アムロが行方不明になるところから始まる
    • 一応、ウルトラ勢は直後にウルトラキラーに捕らえられており、そちらと戦っていたという見方はできる。ただし、この場面にはジュドーもF91に搭乗した上で何もしていないのだが、こちらは一切フォローされていない。
  • 四国の人口が6億人と実際の日本の人口より多い。面積も北海道より大きい*23
    • 物語開始時点で地球の人口が現実よりはるかに多いことを考えれば人口はまだ納得できるが、面積は明らかにおかしい。
    • 本作はマップ探索が簡略化されたゲーム且つ、支部さえ設置できればいいようなストーリーなので縮尺は最初から度外視されていると思われる。
    • しかし四国は単独マップではあるが、街一つ、ストーンサークル一つしか配置物がないため、広い理由も必要性も全く無い。同じく単独マップである北海道は街が一つなので小さく、九州は街が二つなのに四国よりも小さい。
  • 敵組織が同盟に倒される前に敵組織同士の抗争で勝手に倒されていることも多い。このため、敵組織と直接決着をつけられず、スッキリしない。
    • ジオンとショッカーは、シャア率いるネオジオンに滅ぼされ、そのネオジオンは唐突に出現したクロスボーン・バンガード*24に勝手につぶされる。
    • 宇宙人勢に至ってはいつ潰れたのかもわからない。というか、潰れたかどうかも定かではない
      • 宇宙人勢力は中ボスのメフィラス星人、バルタン星人、マグマ星人などの幹部がいるだけで、リーダーは不明。リーダーなしでオリジナルキャラの黒幕に操られていたか、最後のほうに通りがかりで戦うヤプールも原作では大物なので特に描写はないがリーダーポジションだったか*25、あるいは洗脳されたゾフィーが「同盟を含む地球の組織同士をつぶし合わせて黒幕も倒れて漁夫の利で全勢力のトップになる」などといったことを終盤で漏らすのでゾフィーが宇宙人勢力のリーダーという事になるのか、いずれにせよ全くもって組織構造が不明である。
    • ストーリー上、登場する勢力が6種類(同盟・悪の同盟・ネオジオン・宇宙人・クロスボーン軍・マークハンター)あり、同盟からは敵方3勢力(クロスボーン軍除く)の見分けがつかない(つまりこれらの勢力が争っても内輪もめにしか見えない)という設定からこういうことになっている。
      • 注意深くプレイすればかろうじてわかるが、非常に複雑な設定なのに説明不足という批判は免れない。
        また、このような設定ならたとえば同盟とネオジオンが共闘するといった展開も考えられるはずだが、そのような設定の活かし方もしていない。
      • しかも、ジオン軍とショッカーが同盟を組んだことが判明するのは、作品中盤であり、同盟はこのことを知って驚愕するが、フィールドをちょっと歩くごとにMSと怪人に襲われるプレイヤー視点からみれば、明らかに演出ミスとしか思えない状況である。
      • 『ヒーロー戦記』では、敵組織が結託した事実が明らかになるまでは、異なる勢力のザコが同時に登場することはなかった。
  • シャアの行動も不可解すぎる。
    + 終盤のネタバレ注意
    • クワトロとして味方の状態で登場した後にいきなり裏切り、ヒーローと悪の同盟の二つの敵を相手に二正面作戦をとる。しかし、シャア率いるネオジオンは、実はヒーローとは利害が一致していたことが判明する。
    • ほかの敵キャラクターならば許された行動かもしれないが、原作におけるシャアは政治家・策謀家としての顔が強く、目的を遂げるためには宿敵や親の仇に従うことを厭わず、まして利害の一致している勢力と敵対することは絶対にしない人物のため、違和感が大きい。
    • 最後はあっさり組織を潰された上、ヒーローに後事を託して捨て台詞と共に逃走するのだからどうしようもない。しかも、アムロと戦うのかと思えばそういうシチュエーションにもならない。
      • 「敵組織は何者かに知らず知らずに操られていて、自分もその計画の一部にされている」(要約)などとシャアが言い出すのだが、後々になってシャアの行動はヒーローと同様にイレギュラーであってむしろ計画の妨げになっていたことが判明する。
      • まとめると、本作のシャアは周囲がトチ狂ってヒーローが活動するたび見せしめの虐殺を行ったり、民間人がヒーローを罵倒したりするのを見て、勝手に失望して人類粛清を始めただけ。しかし、そんな突飛なことをした結果、ジオンもショッカーも壊滅して黒幕の計画は狂わされたため、黒幕は代わりにクロスボーン・バンガードを急成長させてネオジオンを潰させた、ということ。
      • 結果論で見れば、ヒーローが動きづらい中で、ヒーローとも地球人とも悪者とも敵対する第四の勢力として敵組織を潰して黒幕の企みを掻き乱している。その目的のためにあえて泥を被り手を血に染めたというストーリーにしていればシャアにも見せ場が作れたはずだが……。
    • 生身の状態でヒーロー達に追い詰められた際には、会議室の机の周りをグルグル回ってヒーロー達と追いかけっこをしながら逃走する。ネオジオン総帥の威厳は微塵もない、もはやギャグ漫画のノリ。それをあっさり逃してしまうヒーロー達も大概である。
      そして最後は突然走ってきて、ヒーローたちを押しのけてザクで逃走する構図になる。
      • また、シャアはキュベレイと共に行動していたのだが、そちらは誰が乗っていたかすら不明のまま爆散。ハマーンの可能性が高いが、もしそうなら名前ぐらいは出してもよさそうなものだが…。さらにキュベレイは雑魚敵としてポンポンでてくるので余計に意味がわからない。
  • 倒した敵が無言で爆死してばかりという点に加え、終盤になるとボス戦後にちょっとしたメッセージすら無いまま次の目的地が出現したり、何の脈絡も無く移動したりと、イベントの作りが輪を掛けて雑になっていく。
    • その頃に、またも捕まったヒーローを助ける展開があるのだが、ここはなんと捕まったという情報すら皆無。何となく牢に行ってみたら、いつの間にか捕まった仲間が閉じ込められていたという展開である。
  • そしてラスボス戦~エンディングが締まらない。
+ 地球は死んだ(ネタバレ注意)
  • 一番盛り上がるはずの最終決戦に肩透かしが2回もあるためである。
    • 全ての元凶であるオリジナルキャラと戦うまではよいのだが、倒したあとにウルトラキラーが現れて再び戦闘になる。真のラスボスはまさかのウルトラキラー…というわけではなく、洗脳を解くためのアイテムを使うことであっさり正体であるゾフィーに戻って戦闘終了になる。
      • 要するに、重厚なラスボス戦の後にイベント戦(アッサリ)という流れになっている。どう考えても戦闘順を逆にした方が最終決戦に相応しいが
      • これで終わるならまだしも、ヒーロー達は帰り道に異次元人ヤプールと出くわし、またまた戦闘になる。ヤプール人自体は(本来の設定なら)ウルトラマンたちの宿敵でありラスボスでも問題ないのだが、雑魚敵同然のステータスなのであっさり勝てる。ほとんど説明もない上に撃破後は無言で爆死。戦闘前の「き、きさまら……なにものだ!?」が唯一の台詞。
      • また、倒すと経験値が貰えるが、当然なんの意味もない。通り魔被害のような形で倒されるヤプール人がかわいそうである。
      • 一応、補足程度に、ラストダンジョンとなる亜空間を生成し、維持していたのはヤプール人の力だったということが最後に語られる。
  • エンディングは地球&人類カウンターの数値によって分岐するのだが、最高ランクのエンディングは絶対に見ることができない。強制イベントによる減少を計算に入れ忘れてしまった結果だと思われる。
    • 強制で減るカウンターを考慮すればギリギリ最高ランクのエンディングが見れる計算になっているのだが、ランダムエンカウントに遭遇するだけでカウンターが減る時期があるので、たとえ考慮してあっても実際に見られるかはかなり怪しい。
      • しかもアマゾンコーションでエンカウントを無効化できるアマゾンが不在の時にも、こうしたダンジョンに行かされる。鬼のようなエンカウント率+カウンター減少の中を嫌でも進まねばならず、どうしようもない。
    • また、分岐すると言っても文章とBGMが変わるだけ。当然エンディング以外の変化は一切なく、たとえ本編中で人口が0人になったとしても何も起こらない。街には普通に人がいて、台詞も変わらない。
    • 上位二つ(最上位EDは見られないため、実質一つ)のエンディング以外では陰鬱なBGMと陰鬱なテロップが流れて終了するため、ゲームクリアの達成感など微塵も無い。上位のエンディングにはあるかと言われればそれも微妙だが。
    • トドメとばかりにどのエンディングも文法がおかしい。やたら「しかし」を多用するなど、商業作品のテキストとは思えないレベル。

さらに、前作のラストダンジョン、ラスボスは、いずれも太陽に関係のある名前なので、そちらが太陽の「システム」だったのではないか、という考察もある。

その他

  • BGMはループが短く単調で、画面切り替えするたびに、また最初から流れる状態になる。
    • 戦闘BGMは終盤までザコ戦もボス戦も同じである。ファミコン時代なら珍しくなかったが、1994年発売のSFCソフトでは厳しいものがある。この仕様でも曲がよければまだ許容できたが、単調かつ1分足らずでループするため、盛り上がりに欠ける。
      • 終盤のボス曲もやはり単調で、以後はどの戦闘も同じ曲。ラスボスも例外ではない。バッドエンドのテーマ共々、病んだような曲調のためか、ここまで進めてきたプレイヤーの心理状態には合っているかもしれないが。
    • フィールドや街も明るめの曲が流れ続ける。人類が虐殺されようが地球が破壊されようが、ゲームを通して変わらないため、雰囲気に似合っていない。
      • おまけにイベント中にBGMが切り替わることもない。マップ毎に設定されたBGMは不動*26なので、イベント演出の弱さもさることながら、公開処刑という深刻な状況でも、ビルに入った途端襲われて牢に入れられても、市街地で戦闘になろうとも、元の街の曲が流れ続けるので緊張感も皆無。
    • あげくの果てに曲数自体少ない。街、ダンジョンはそれ用の汎用曲ばかりが流れ、専用曲などほとんどない。
  • ゲーム起動・リセット時のサウンド設定は強制的にモノラルになる。
    • そのためデータロードをするか、オープニングから移動可能な場面になるまでステレオに切り替えることができない。

総評

システム周りが前作から悪化。独自の試みはあるが、そもそも前作で不評だった仕様はほぼ全て残っていることに加え、戦闘周りを中心に、爽快感のない、快適なプレイを妨げる要素が多い。

キャラゲーとしての魅力も今一つであるし、ストーリーもよくできているとはいいがたい。

ストーリー・世界観としても前作のような「原作ファンがニヤリとするネタや展開」はほとんどなく、「グレイトバトルシリーズ」や「バトルスポーツシリーズ」のようなコンパチヒーローシリーズ特有のはっちゃけた独自の世界観も構築できていない。

結果、前作からあらゆる点が劣化した誰得で微妙な展開ばかり続く非常にチグハグな作品となってしまった。

単体のRPGとしても、当時から評価・話題性とも低く、2ヵ月後に発売を控えていた大作RPG『ファイナルファンタジーVI』に話題をさらわれたこともあって、その後のヒーローたちの姿を見る者はいなくなってしまった。

キャラゲーとしては原作を無視した点が主に目立つ本作は、愛あまるコアなファンから「原作殺害」、「ヒーロー最悪の作戦」、「憎悪の対象」として語られることが多い。


余談

  • 本ソフトのTVCMは、具体的な内容の説明はなく、戦っているヒーロー達の姿をバックに「ふふふ…もう手遅れだ」という謎の声が流れるというものだった。
    • これは作中のガンダムキラーの台詞であり、CMのナレーションを務める古谷徹氏演じるアムロのゲーム内での立場を暗示していると思われるが、ソフトの出来を考えると意味深なセリフである…。
  • 発売に先駆け、講談社の児童誌『コミックボンボン』にて、ゲーム本編のプレストーリー的な内容の漫画が短期連載された。作者はときた洸一氏。
    • こちらでは、SDキャラながらもカミーユVSシロッコの最終戦が再現されていたり、マークハンターもライダーと友情を結んだりピンチの助太刀に現れたりと格好良く描かれている。
  • 本作はユーザーからの評判は散々であるが、スタッフ側にとっては、むしろ思い入れのある作品のようで、後にスーパーロボット大戦シリーズのプロデューサーの寺田貴信氏が『スーパーヒーロー作戦』を練り上げる際、本作を原型としたことを攻略本のインタビュー等で述べている。
    • 同作および、その続編の『ダイダルの野望』の部隊名として「ガイアセイバーズ」という名称が採用されたのもその名残とのことである。
    • その反面、『第2次スーパーロボット大戦OG』においては、敵対勢力の名称として使われている。
  • 「ライダー2号が死んだ」疑惑だが、それはとある個人サイトの本作のレビューでされたものであり、そのサイトの作成者の個人的な解釈が広まったのが原因である。改造された上に助ける事も出来ないのは揺るぎない事実だが、上記のように少なくともゲーム中の描写では生死も行方も不明のままであり、「死んだ」とは明言されていない。
    • このため、実際にゲームをプレイせずにレビューサイトだけを見て「マークハンターが2号を殺害した」と批判される現象が起こってしまった*27
    • ただ、ライダー2号がはっきりと「死んだ」と明言されなかったのは確かだが、上述した通りこの疑惑を誤解だと否定できるほどの描写が無いのも確かであり、「マークハンターがライダー2号を殺害した」という解釈も普通に出来てしまう作りなのは事実である。結局は本作の描写不足が根本的な原因である。
  • 2010年2月25日に発売された『無限のフロンティア EXCEED』に今作のオリジナルキャラであるマークハンターが事前告知なしの参戦を果たすというサプライズがあった。声の出演は矢尾一樹氏。
    • 自他共に認める「金目当ての薄汚いハンター」なのは原作通りだが、扱いはかなりコミカル。
      • あるシーンでは、最初は味方側に雇われるのだが、その後敵の賞金以上の依頼金を出してくれるという理由で敵に雇われて戦闘になり、戦闘後にはまた堂々と味方側に戻ってきた*28。あまりの節操のなさに、主人公パーティーからも「酷すぎて逆に腹が立たない」と呆れられるほど。
    • こちらでは原作殺害級のイベントに関わることはないので、特に初見の人からはネタキャラとしてそこそこ愛されている。その反面、原作を知っているユーザーからの評価は低い。
      • ちなみに2周目以降のプレイでは金で雇って支援メンバーに加えることもできる。報酬は高いが、そのぶん能力も高い。
  • 攻略本未掲載の敵キャラにグランドキング、SYSTEM第二形態などがあるが、他にも未確認の敵キャラがいるらしい。
  • 前述の通り、本作の民家には家主の名前が設定されているのだが、後半になると唐突に「コチノチ」、「カニミノラ」、「モチミノラ」という変な名前が登場する。
    • 実はこれ、スタッフの悪ふざけとしか思えない悪質なネタである。PCでこのページを閲覧しているなら、手元のキーボードを見てほしい*29
  • 販売元も開発元も違うのだが、ゲーム上の問題点が某ウルトラマンゲームとほぼ一致している。最後にザコ同然のヤプール人と戦わされるところまでもが同じである。
    • この作品もストーリーの微妙さや謎のキャラ選、戦闘のクソさ加減により評価が低い。
      • ちなみに同作が本作に勝っている点として、マグマ星人とギラス兄弟が3体揃って登場する点がある。
  • 同開発元で以前発売された『バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法』にも、「『〇〇さんの家』などと無駄に固有名詞のついた民家*30」、「原作に登場しない色違いによる登場キャラクター水増し」など、本作との共通点が見られる。作品そのものは問題点こそあるものの本作ほどの低評価ではない。
  • ガンダムキラー、ライダーキラー、ウルトラキラーの3体は、本作が初出と勘違いされがちだが、実際の初出は約半年前に発売された『バトルドッジボールII』である。
    • ライダーキラーはコミカル路線とはいえ楽しくドッジボールをする姿を見ることができ、鍛え上げれば強くなるなど、性能面でも優遇されている。
    • ガンダムキラーのデザインは本作と異なっているが、ときた洸一氏による漫画版では本作と同じデザインで登場している。
最終更新:2024年08月11日 13:39

*1 ちなみに本作ではファンネルは増援・敵キャラ扱い。

*2 武器や攻撃アイテムも購入できるのだが、カプセル怪獣があれば一切必要ない。

*3 初代マン、セブン、レオが参戦

*4 アマゾン、スーパー1、RXが参戦

*5 本作には原作で科学特捜隊支部があるインド、トルコも登場するが、いずれにも科学特捜隊が無い

*6 ナレーションでは彼らが悪の同盟に敗れたと語られており、作中でも彼らが安否不明だと話すモブキャラクターがいることから、本当に死亡している可能性がある。

*7 ガンキャノンは一切登場しない。

*8 もっとも、原作でも特訓を受けたことで、後半からは流暢な日本語を話せるようになった。

*9 『仮面ライダーBLACK』で後半に登場したブラックのライバルキャラ。

*10 初代『ウルトラマン』最終回に登場する、ウルトラマンを倒した宇宙恐竜。

*11 ガンダムシリーズでのシャア・アズナブル最後の愛機であり、巨体と高性能を誇るモビルスーツ。

*12 『仮面ライダーV3』に登場する組織、デストロンの大幹部であるドクトルG(「仮面ラーイダV3」という独特のイントネーションでしゃべることで有名)が変身した姿

*13 仮面ライダー初の劇場オリジナル作品『仮面ライダー対ショッカー』に登場したエリート怪人。当時の子供人気は高く、当時の人気投票では怪人部門総合2位・好きな怪人部門2位・強い怪人部門3位。

*14 実際に歩行グラをケチっているが、何故か本作でのザンジオーの上司であるマシーン大元帥は歩行グラもあり第1話でボスとして登場するのに、以降ボスとして登場せず、最後の登場時は既に虫の息で会話だけで死亡する。ザンジオーの代わりにマシーン大元帥との戦闘がもう少しあってもよさそうなのだが

*15 『[[ザ・グレイトバトルIII]]』のキュベレイやイカデビル、『[[ザ・グレイトバトル外伝2 祭りだワッショイ]]』のシャドームーンやアポロガイストなど。

*16 タイラント、グランドキング、サタンスネーク、グランザイラス、ジ・O、クィン・マンサなど、まず普通のゲームなら雑魚扱いになるはずがない面子である。

*17 ガンダムの外伝作品である『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』では、「ズサ・カスタム」(『MS大全集』ではまんま「ズサ改」)という赤いズサが存在するので、そちらから取ろうとして版権に引っかかったのかもしれない。

*18 因みにバウは緑、赤、青の3タイプが登場する。原作には灰色の機体もいたのだから、そちらを出すべきでは?

*19 そのボスがいるすぐ付近を雑魚バージョンが闊歩している

*20 もちろん全部雑魚敵である。

*21 アメリカ軍も出てくるが、調査以外の仕事をやった様子はない。そもそも、連邦軍が存在するのに各国の自衛軍(日本には自衛隊基地の他に連邦軍基地がある)があるというのも不思議な話だ。

*22 救出したヒーローから「やめた方がいい」と忠告は受けるが、それぐらいである。

*23 なんと四国は単独マップで北海道よりも広い

*24 もちろん本作では宇宙貴族主義など語られるわけもなく、セシリーもアンナマリーもザビーネも出てこない。クロスボーン・バンガードは単にテロリスト「鉄仮面」の私兵として登場するだけである。

*25 例えば、一応の続編のようなものにあたる『スーパーヒーロー作戦』だと、ヤプールは宇宙人勢力をまとめる二大巨頭の1人。

*26 強いて言えば、ホワイトベースが敵に乗っ取られた際にダンジョン曲に変わる程度。

*27 『スーパーロボット大戦K』の「総士君がいなくなってしまったからな…」に通じるものがある。

*28 さらにいえば、依頼に失敗したにもかかわらず堂々と敵に報酬を要求した。

*29 それでもわからない人に説明すると、いわゆる罵倒と下ネタである。

*30 こちらは建物のみで住人自体は登場しない。HPを0にしても即壊滅した後エミィに怒られるのみで占領は不可能