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ルイージマンション - (2015/12/17 (木) 15:43:25) の編集履歴(バックアップ)


ルイージマンション

【るいーじまんしょん】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売・開発元 任天堂
発売日 2001年9月14日
価格 7,140円(税込)
判定 なし
ポイント オバケを掃除機で吸い込みながら屋敷を探索
ルイージの初主役作品
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

ゲームキューブの記念すべき第一弾及びローンチタイトル。それ同時に、それまで脇役的な存在だったルイージの初主演作品でもある。*1
薄暗いお化け屋敷を舞台に、お化け退治の力を持つ不思議な掃除機「オバキューム」を手に、行方不明となったマリオを探して探索する。

ストーリー

ある日、「貴方に屋敷をプレゼントします」という手紙がルイージに届いた。地図を頼りにその屋敷へ向かうが、そこには不気味な屋敷が建っていた。先に屋敷に行き、行方不明になったマリオを探すため、屋敷に侵入するが、そこで大量の幽霊に襲われる。オヤ・マー博士に助けられ命拾いしたルイージは事情を聞き、掃除機「オバキューム」を授かり屋敷の探索に向かう。

システム

  • オバケを吸い込む掃除機、「オバキューム」でオバケを退治しつつ暗い屋敷内を探索していく。「暗い無人の屋敷を探索する」のは初代バイオハザード、オバケを掃除機で吸引するのはゴーストバスターズの設定に通じる。
  • オバケを吸い込むにはライトを当てる→オバキュームで吸引という手段を取るが、中には特殊な条件下でライトを照らさなければ吸い込めない特別な"肖像画のオバケ"がいる。これらのオバケの多くは次の部屋へ進む為の鍵を落とし、これを使ってまた新たな部屋を探索していく。また、全てのオバケを捕獲すると部屋が明るくなり、安全地帯になる。
    • 肖像画のオバケは何かしらの行動*2を起こさなければ隙を見せないため、謎解きのような感じになっている。また、吸い込んでいる途中にパールを落とし、この時落としたパールの大きさによって絵画にしたときの額縁の色が変わる。*3
    • ただの雑魚オバケも一癖も二癖もある奴が多く、瞬殺できるものから厄介なものまで様々。ちなみにテレサは特殊なタイプで、ライトを当てずにいきなり吸い始められるかわりに他の部屋に逃げる厄介な相手。全部で50匹存在し、一定以上捕まえておかないと先に進むこともできなくなる。*4
      • なお50匹全て吸い込むと…
  • 屋敷を探索しているとコインやお札、金塊、真珠、宝石などの金目の物を手に入れることが出来、これらを多く集めるとエンディングで完成する真・ルイージマンションが変わる。ちなみに最低ランクだとテントになる。
    • ただまともにプレイするとむしろ最低ランクのテントのほうが最難関。これは問題点のほうで。
  • オバキュームはオバケを吸い込むだけでなく、アイテムを吸ったりエレメントと呼ばれる物を手に入れることで炎や氷や水を噴出できる。作中にはこのエレメントを用いた謎解きが多く存在する。
  • セーブは屋敷のあちこちにいるキノピオに話しかけることでできる。

評価点

  • ホラーゲームではあるが、マリオシリーズにふさわしくオバケはコミカルで可愛らしいデザインになっており、それほど恐怖は感じない作りになっている。
    • 一方で、落雷による光と影の演出や必ずルイージの後ろに現われるオバケなど、ホラーゲームのツボはきちんと押さえており、コミカルホラーといった趣を演出している
  • オバケを吸いこむ爽快感。次々と湧き出てくるオバケを一気に吸い込んでいく快感は一度やれば思わず癖になる。
  • グラフィックはゲームキューブの性能をアピールするには十分。オバケの潜む暗闇、暗闇を照らす懐中電灯などの光とそれによる影、マンション内を探索することで出るホコリ、掃除機による風、それに揺られて変形する半透明のオバケなど、表現力の進化がいくつも伺える。
    • また、構造・描写ともに細かく作りこまれたマンションはハードの性能を発揮するには十分すぎる完成度であり、今でも鑑賞に堪える。
  • Cスティックを使った操作系は複雑との意見も多いが、慣れれば逃げるオバケに振り回される感覚はなかなか楽しい。
  • ただライトで照らして掃除機で吸い込むだけでなく、オバケを倒すためにシステムを活かした様々な謎解きが用意されている。
    • 謎解きもアクションもそれほど難しいものは要求されないため、さらっと遊ぶ分には多くのプレイヤーが楽しめる作りになっている。
  • ゲームボーイホラーで色々な物体を調査するとルイージがテキストで多彩な反応を示してくれる。この反応は攻略的な情報のみならず、ルイージの意外な一面を見ることもあるため、ルイージファンには嬉しい配慮と言える。
  • ストーリーが良質。
    • 大のお化け嫌いのルイージがマリオのために屋敷に乗り込んでいくその姿は自分の待遇を気にしない男気そのものである。
      • そして最後にマリオが絵から戻ってきた時にはルイージはマリオの間抜けさに大笑いしているが安心したのか目からは大粒の涙をこぼして泣いている。兄弟愛を感じる場面でもある。

問題点

  • 敵の攻撃を喰らうと持っていたコインをばらまいてしまう。が、お札やその他の高額なアイテムはばらまかない。一度入手するともう捨てることもできないため、EDのマイホームも高ランクより低ランクを狙うのが難しいというおかしなことになっている。*5
  • クリアまでのプレイ時間は短く、ボリュームは少なめ。
    • 一応のやりこみ要素としてはクリア後のランクや、プレイ時間が記録されるのでタイムアタック、といった所。
    • マリオの5つの落とし物を探すイベントがあるが、こちらは全くのノーヒントで、あちこち探さないと見つからない。
      • スルーはできず、最終的に落し物を見つけ、あるオバケに全て届けて、その後吸い込むと入手できるカギが屋敷の3Fに行くために必要となる。
  • 後半にブレーカーが落ちて真っ暗闇になるというイベントがあるのだが、配電室でブレーカーをONにするまではキノピオがすべて避難するためセーブができない
    • さらに、停電中はすべての部屋*6と通路でオバケが大量に出現するため非常に厳しい。
      • 停電後、配電室に入るためにはカギが必要となる。*7そのカギを持つオバケの場所のヒントは一応あるのだが、そのヒントが曖昧すぎるため初見では非常に悩むことも。またヒントの場所はスルーも可能で取り逃すことも。*8
      • ちなみにこの停電イベント中はある部屋に金持ちオバケが登場したり、取り逃がした場所でも再挑戦できる。ただしリスクが高い。
  • 各エリアで相手することになる肖像画オバケや、エリアの最後に戦うボスオバケの強さに結構なバラつきがある。
+ 肖像画オバケやボスオバケに関するネタバレあり、閲覧注意
  • 肖像画オバケの中で最も手ごわいのは「アルプ」で間違いないだろう。彼を吸い込むにはオバキュームから炎を噴出させ彼の纏う氷に当て続けなければならないのだが、その際に放ってくる攻撃が苛烈という言葉では済まされないほどに極悪。更に足元も氷で滑る為、単純に戦いづらい。
    • 戦う時期は屋敷探索の最終盤だが、同時期に戦うことになる肖像画オバケの中でも頭一つ抜けた強さを誇る。
    • 他に手ごわいのは吸い込みを撥ね退ける力が強く、また周囲に障害物が多く吸い込み辛い「マッディー」「ポール・ロング」、単純に多対一の数的不利を強いられる「ウォンとテッド」「パペット・アーミー」など。彼らの金額縁は、素直に裏屋敷で挑戦したほうがいいだろう。
  • 逆に出現時期に見合わない位に弱いのは「マダム・ミエール」「ヤミノフ」。一応前者はオバケでありながらルイージの味方的立場にいるキャラクターであり、後者は捕まえる事がとある強制イベント終了のフラグになっている為あまり強くしすぎるとそれはそれで問題となってしまうのだが。
    • ラスボス以外では最後に戦うことになるであろう「セニョール・プジィ」も、やることは文字通りのザコラッシュ。アルプのあまりの凶悪ぶりからの落差に、別の意味で唖然としたプレイヤーは少なくない。
  • 殆どのプレイヤーが口をそろえてボスオバケ最強と評価するのはラスボス…ではなく、エリア3のボス「ジャンボテレサ*9」。
    • このジャンボテレサには体力が存在しないが、合体状態のテレサを分離させ、その上でオバキュームから噴出させた冷気を当てて凍らせれば吸い込むことができる。分離した状態の15匹全てを吸い込めばルイージの勝利。…なのだが、分離状態のテレサは数が少なくなると機敏に動き回るようになる。最後の1匹になるとそれこそ某黒い悪魔の如く逃げ回り、隙あらばヒット&アウェイの体当たりでルイージの体力をじわじわ削ってくる。
    • ボスオバケを絵画にした際の額縁の色は、そのボスオバケを倒した時点の残り体力で決まる。ルイージの体力が90以上残っていれば金額縁となるのだが、発売から10年以上が経過した現在でも「コイツの金額縁だけは無理」という嘆きの声が聞かれるほど。
  • 尚ラスボスである「キングテレサ」の方は初見だと無防備にする方法こそ分かり辛いが、それさえ分かってしまえば強さは終盤の肖像画オバケ以下。慣れてしまえばノーダメージすら余裕。
    • 余談だが、キングテレサを倒した際、彼の被っていた王冠を宝石として入手できる。しかしこの王冠、なんと価値は屋敷で手に入る最安値の宝石と同額。
      //…こらそこ、ラスボス(笑)なんて言わない!
  • 一度クリアすると「うらやしきにいく」という2周目専用の選択ができるが、ほとんど変更がなく、一見して何が違うのかわかりにくいほどのものでほぼ無意味。
    • 変更点は「オバキュームの吸引速度」と「オバケの移動速度」が倍になっており、一方ビックリハートの受付時間が半減している。
      • このため全肖像画オバケの金にするのは裏屋敷のほうが楽。
  • ムービーのスキップ機能が付いていない。このためボス戦でゲームオーバーになって再チャレンジする場合、何度も何度も同じムービーを見る羽目になる。
  • 雰囲気を重視しているため、BGMは少なめ。
    • 様々なアレンジがされて使われているメインテーマがあるが、最も良く聞くのは屋敷の探索中にルイージの鼻歌として。

総評

新ハード初のソフトでルイージが初めて主役になるという、ルイージファン待望の作品となった本作は、「掃除機でお化けを吸い込み退治する」というユニークな新システムを取り入れつつ、うまくまとめ上げている。その斬新なプレイスタイルは、単純ながら気持ちいい。
その一方で、内容上、マリオシリーズらしいアクション性・開放感に欠けることやボリュームの不足など、まとまっている反面どこか物足りなさも否めず、結果的に「初作品としては及第点」という評価に落ち着くことになった。

もうひとひねりシステムに工夫が効いていれば、良作として評価されていただろう。

その後の展開

  • 2002年に発売されたマリオの主演作『スーパーマリオサンシャイン』では、「ポンプ」というガジェットを使った独特な操作感覚や、
    ハード性能を生かした独特で緻密な表現と密着したゲームシステム、ひとつの地域での展開で終始する統一感のある内容など、共通点をいくつも見出すことができる。
    それを考えれば、マリオ、ひいては任天堂のゲームの系譜における、本作の持つ意味の大きさが感じられるかもしれない。 …結局は偉大な兄の踏み台だったとも言えるが。

余談

  • このゲームに未使用グラフィックが削除されていないまま収録されていることが後に発覚した。おそらくゲームのデバッグ等に使用していたものと思われる。ちなみにマップ上ではエントランスになっている。
  • 地味に本作はゲーム内でマリオが初めてテキストで喋った作品である。