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HOUSE OF THE DEAD ~SCARLET DAWN~ - (2019/01/14 (月) 22:09:42) の編集履歴(バックアップ)


HOUSE OF THE DEAD ~SCARLET DAWN~

【はうす おぶ ざ でっど すかーれっと どーん】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード(ALLS)
販売・開発元 セガ・インタラクティブ
稼動開始日 2018年9月
判定 なし
ポイント ゾンビの更なる物量攻め
選べる2つのアイテム
絶妙な難易度は健在
プレイヤー泣かせの不具合
THE HOUSE OF THE DEADシリーズリンク


概要

タイムクライシス』と対をなす、人気ガンシューティングゲーム『THE HOUSE OF THE DEAD』シリーズの本編タイトル5作目。
アーケードゲームとしては前作の『4』から13年ぶり*1で、筐体は『2』のSDX筐体から20年ぶりとなるシアター型を標準で採用。

近年のガンシューは敵が強すぎ敵が多すぎストーリーなど色々と不評とプレイヤーに好ましくない作品も多く、そんな中で突如発表された本作も当初は不安視された。
だが、約半年のロケテスト兼調整を経て発売された本作は「HODらしさ」を各所で維持しており、プレイヤーからは概ね好評を得る作品となっている。

なお、本作に登場する敵は従来作と同様「人工的に作られた『ゾンビ』」なのだが、公式では『クリーチャー』と呼称するようになった。
本ページでは便宜上、公式サイトからの一部引用であるストーリー欄以外は、従来作のページと同様の『ゾンビ』表記とする。


ストーリー

20XX年12月6日の夜。数年前の事件で命を落としたAMSエージェント「ジェームズ・テイラー」の弟、『ライアン・テイラー』と、
数年前の事件でジェームズと共に戦った女性エージェント『ケイト・グリーン』はとある館で行われているパーティに潜入していた。
2人の任務は「正体不明である『パーティ主催者の男』の調査」であったが、収穫も無くただ時間だけが過ぎていく状態に陥っていた。

しかし突然、轟音と共に大きな地響きが発生、パーティの主催者が会場に無数のクリーチャーを放ち、パーティ客を襲い始めたのだ。
この惨劇に対し、2人は隠し持っていたマシンガンを武器に、道中のパーティ客を救助しつつ無人ヘリで脱出を試みるが失敗してしまう。
退路を絶たれた2人は「もう後戻りはできない」と、更なる情報収集を目的にクリーチャーの蔓延る広大な館を駆け巡ることになる…。


追加・変更点

「標準武器は30発のマシンガン」「敵の弱点は頭部」「敵に押し倒されることがある」など、基本システムは『4』の踏襲だが、それ以外は多数の追加変更が行われている。

  • ゲームバランスの異なる2モードの導入
    • 従来作に近いゲームバランスの「ノーマルモード」と、難度を大幅に上昇させた上級者向けの「マスターモード」が用意されている。スコアランキングも分けられている。
      • マスターモードは「敵の出現数や耐久力の大幅増加」「道中でのアイテム(武器)の強制装備が無くなる」「アイテムの消費コイン額がノーマルの数倍」等の調整がなされている。
        その代わり、ノーマルと比べ敵に撃ち込む弾が多くなるので獲得スコアは必然的に増えるほか、アイテムも高額な分装弾数が数倍に増加している。
      • ノーマルモード限定で「特定の場面で武器が支給される」といった要素もある。例えば最初のチャプターではゾンビの大群に対して有効なグレネードランチャーを渡されるなど。マスターモードではボス戦の最中でボスを倒すために必要な武器以外は支給されない。
  • Aimeカード*2及びパナパスポートの対応。利用することで下記の特典が増える。
    • 全国ランキングへのスコア登録
      • Aimeカード使用時にクリアすることで、全国ランキングに100位以内であれば全国ランキングへ登録される。
        1プレイヤーもしくは協力プレイ、またモードが「ノーマル」か「マスター」かどうかで集計は異なる。
    • HODコイン・実績・レベルの保存
    • 「ノーマルモード」でアイテムが使用可能・「マスターモード」でのアイテム制限の解除。
  • アイテム制、ゲーム内通貨『HODコイン』、レベル制の導入
    • Aimeを含むICカードを使用することでチャプター開始前に後述のアイテムを『HODコイン』を消費し2つ*3まで選ぶことが出来る。強力なアイテムはコイン消費量が多い。
      III』や『4』で用いられたショットガンや手榴弾もアイテムとして選べる。
      • アイテムは目の前の敵をとにかく敵を薙ぎ払ってくれるクリアやノーコンテニュークリアには心強いものは、ヘッドショット数を稼げないのでスコアタには不向きといった傾向もある。プレイ用途によって上手く選びたい。
      • マスターモードではカード未使用でも一部アイテムが使用可能だが、強力なアイテムは軒並み使用不可なのでマスターモードをカード無しで攻略するのは相当な腕が必要になる。
      • 尚マスターモードでもカード無しどころかアイテム持ち込み無しでのノーコンテニュークリアの報告が上がっている。
      • アイテムは道中での弾数の補給手段がない*4ので、「どのアイテムをどこで使うか」が戦略的に重要要素となる。
      • ノーマルモードでは持ち込める弾数が少ないためこの傾向が顕著になる。
    • 初期所持HODコインは「2000」で、最も消費量の多いSWキャノンを2つ使える程度には持っている。
      クリティカルショットもしくはアイテムを重点的に集めればすぐに消費した以上の稼ぎは出来るが、ステージ途中でゲームオーバーになるとそのステージで稼いだHODコインを失ってしまう。
      • チャプタークリア時に取得済・またはゲームクリア時のランク次第で獲得できるHODコインが規定数を超える度、プレイヤーのやりこみ度を示す「レベル」が上がる。
+ アイテム一覧
  • ショットガン/ショットガンプラス
    • マシンガンよりも攻撃範囲が広いセミオート散弾銃。『III』と比べかなり範囲が広くダメージも高い。
      但し短所が『III』よりも強調されており、敵が遠いほど威力が弱まる他、更に遠いと届きすらしない。
      • ボスは基本的に最後は接近してダメージを与えに来ることが多いため、接近してくる相手には強い性質を活かしやすくキャンセルゲージ削りに使える。
  • マシンガンプラス/マシンガンダブル
    • 基本武器であるマシンガンの強化版。ダブル>プラスの順で強い。装弾数が多い上リロードも不要なので、リロードの隙を突かれない利点もある。
      • 特にマシンガンダブルは、威力も後述のガトリングガンに引けをとらないほど高く、非常に扱いやすい武器。
  • ガトリングガン
    • 超高速で弾を連射する、マシンガン系の上位互換に相当する武器。集団戦、ボス戦のいずれでも有用。
      • 連射力が非常に高い分装弾数も相応に多く、ノーマルでも270発、マスターでは900発にも達する。
      • ヘッドショットを狙いながら集団で来た敵にも対応でき、ボスのキャンセルゲージ削りにも使えると万能なためクリア目的、スコアアタック共に強い武器。
  • MGM700
    • 連射ができず当たり判定も狭い代わりに、単発威力に優れるマグナム拳銃。
      • 耐久力の高いゾンビや、ボス戦用に最適。特に敵が硬いマスターではSWキャノンに次いで有効。
      • マスターではカード無しプレイでも使える武器の1つで、その中では有力な選択肢になる。
  • 手榴弾
    • 『4』のものと比べて「構えた時の調整が無い(投擲距離が一定)」「何かに当たると即爆発」という違いがある。
      そのため、結果的に使いやすさが改善されており、ノーマルでは雑魚ゾンビであれば一発。マスターでは耐久力の上がった敵に対する火力不足に悩まされる点も。
      • 消費コインも全武器中最も少なく、ノーマルでは75コイン、マスターでも200コインしか消費しない。ノーマルでは安価な割には強力な武器。
  • グレネードランチャー
    • 放物線状に手榴弾よりも威力の高い爆発弾を飛ばす。代わりに少し弾数が少ない。
  • 火炎弾銃
    • 着弾すると炎が広がる火炎弾を飛ばす。
      • ハイプリエステス戦における火炎弾銃は無限弾仕様となっている。
  • ロケットランチャー
    • 非常に強い威力と爆風を持つ武器。ノーマルでは1発限りの切り札。
      • 後ろや背景にいる倒さなくても進行する大量の敵を倒して稼ぐのにも使われる。
      • チャリオット戦では「改」となっており、こちらはチャリオットの鎧を壊すのに使われる。
  • レーザーガン
    • MGM700同様、単発威力が高いレーザー銃。消費コインがMGM700より少ない代わりに、装弾数と威力もやや控えめ。
  • ヒートレイ
    • どこに当ててもクリティカル並の威力を出せる赤いレーザー銃。MGM700/レーザーガンの上位互換にあたり、装弾数も相応に多い。
  • エネルギーキャノン
    • ライフが少ないほど威力が増す特殊な銃。ヒートレイの上位互換かつ単発系武器の最上位にあたる。
  • SWキャノン
    • 広範囲に貫通機能付きの衝撃波を放ち、敵集団を殲滅できる兵器。威力は絶大で雑魚ゾンビならば一掃できる上、ボスのキャンセルゲージもそこそこに減らせる。効力の割には持ち込める弾数も多い。
      • クリティカルショットが出来ないためスコアアタックでは扱いが限られるが、クリア目的であればとりあえずこれを持っていくことで格段に難易度が下がる。
      • 弾数はノーマルで4発、マスターで16発と多いが消費コインは850コイン(マスターでは3400コイン)と最も高い。
  • ライフ
    • 使用するとその場でライフが1個増える。ノーマルは1個につき1回、マスターでは2回使用できる。
      • 単純に被弾回数を増やせるのでクリア目的なら迷ったらとりあえず選べる。ただしゾンビラッシュを上手く捌けずタコ殴りにされるとこれで回復した以上にライフを持っていかれたりするので常に最適解とは限らない。
      • 持ち込んでも使用しないとライフが増えない点には注意が必要。使わないままうっかり死んだり、チャプターをクリアしてしまうと無駄になる。
      • 任意のタイミングで使うという点はあるステージのルート分岐で自分のライフが奇数か偶数かでルートが分岐する所があるのでその手前まで温存してルートを調整したり、ライフが上限まで達していても持ち込んで温存すると言ったこともできる。
  • シールド
    • 敵の攻撃を防ぐシールドを7秒間展開する。展開中は画面下に黄色の半透明な盾が表示される。
      • 一部のイベント失敗時のダメージも無効化してくれるが、装備数が少ない(ノーマル1回、マスター3回)ので使い所をよく考える必要のあるアイテム。
  • ガンコントローラー(ガンコン)関連
    • プレイヤーの使う銃はサブマシンガンであり、上記の通り標準装備の装弾数は30発。
      リロード方法は従来作に近い「残弾有りの状態で画面外に向ける」他、撃ち切った際のオートリロードが搭載された。但しリロード速度は後者が僅かに遅くなっている。
      更に前方のグリップ上部とトリガー上のセレクター部分には赤色の『アイテム切替用スイッチ』が追加され、構え方を問わずにアイテム切替が可能となっている。
      • スイッチの搭載位置はそれぞれ「グリップを握る指で操作できる」「トリガーを握る指で届く範囲」であり、2丁拳銃のような遊び方にも対応されている。
    • ガンコン内部には武器毎に異なる反動を再現する振動機構が追加されたが、一方で「ガチャプレイ」システムは廃止、ガンコンを軽く振ってのリロードも廃止された。
  • リザルト評価
    • 『4』から『クリティカルショット』が獲得評価の割合ではなくクリティカルショットの数に変わり、新たに『敵撃退数』『イベント成功率』が加わった。
      • 命中率も『4』での一律70%から、今作ではチャプターによって変動するようになり、ステージによっては50%台でも高評価になる。
    • ランク評価は評価対象が増えた影響か、A→A+→Sなどと細分化。ライフ回復条件も「1人プレイ時はA+で1個、Sで2個回復」「2人プレイ時はA+やSでも1個回復」と厳しくなった。
  • 実績
    • プレイ中に特定の行動を起こすことでトロフィーを獲得することが出来る。1つの実績でも達成度が高い程、トロフィーが銅、銀、金と格が高くなっていく。
      • 「(各アイテム)で数千体撃破」といったプレイを重ねれば達成できるものから「店内ランキングで1位を獲得する」「全てのチャプターでSランクを獲得する」といった難しいものも。
    • 特に報酬などは無いが、ランキングに載った際には獲得トロフィーの数が記載される。
  • ハマり対策
    • 外伝作『OK』からの逆輸入要素。何らかの不具合でゾンビが動かない、長時間シーンが進まないといった現象が起こると、強制的にゾンビが全滅するようになっている。

評価点

  • グラフィック類の圧倒的な向上
    • 『Unreal Engine 4』搭載の「ALLS」基板の採用により、『4』や『OK:DC』に比べてモデリングの精細化・テクスチャーの解像度向上だけでなく、光・炎・破片・煙などの特殊効果も明らかに綺麗になっている。
      • 特にゾンビや炎の質感、『4』から引き続き登場したケイトの変化はより分かりやすくなっている。
    • グラフィックの向上と共に、更にゾンビの出現量は『4』の数倍にまで増量。チャプター0から『4』以上のゾンビが押し寄せてくる。
    • 『4』で同じ外見のゾンビが同時に大量発生する問題が指摘されたが、今作では最序盤から登場する雑魚ゾンビにも4種類のバリエーションが製作された。
      加えて舞台がパーティー会場であるため、似通ったスーツ姿のゾンビが登場する違和感も少ない*5
  • 初心者/ヘビーユーザーのニーズに応えた難易度設定
    • 敵の出現数こそ『4』より増加したが、最前列の攻撃モーションに入った敵から倒すというシリーズの基本的な攻略法は変わっていない。
    • そもそも高めの難易度設定である本シリーズではあるが、今作は強力なサブウエポンの登場に加えてゲームの難易度自体が2つに分けられているので一概に語るのは難しくなっている。
      また、強力なSWキャノンといったサブウエポンをどう使用するかによって体感難易度が大きく変化する。
      • SWキャノンは判定が画面奥まで届き、一列になって襲ってくる雑魚を一撃で吹き飛ばす武器で、対雑魚で言えば間違いなく最強。これを難所で使えば体感難易度は一気に落ちる*6
    • サブウエポンの使用を前提として難易度調整されているのかノーマルモードであっても難所と言われるような場所の数は多く、的確にサブウエポンを使用する判断力が必要となる。
      総合的に見てノーマルモードは『4』よりは難しいが『2』『III』ほどではない…と、一般プレイヤーでも楽しみやすい難易度。
      • 一方ハイスコアを目指す際はサブウエポンの選択と使用箇所は決まっているも同然で、道中の雑魚に使う余裕はほぼ無い。その場合は難所も通常武器のみで突破するため必然的に技術とやり込みが要求される。
    • マスターモードは道中の敵が増加し、耐久力も跳ね上がり、問題点で指摘するバグの発生率が上昇するため難易度は一気に跳ね上がる。
      • しかし、通常武器1発で敵の攻撃をキャンセル出来たり*7、追加・変更点で記載した通りサブウエポンの装弾数も上昇する等、バグを除けば理不尽な難易度にはなっていない。
        ある程度ノーマルモードに慣れたプレイヤーであれば、SWキャノンのような強力な武器を要所要所で的確に使うことで、マスターモードでも十分にノーコンティニュークリアを狙える。
      • マスターモード道中を通常武器のみで攻略する事は熟練者でも難しい。ノーコンティニュークリア+スコアアタックを目指すのは修羅の道である。
  • シリーズ最高レベルかつ初心者にも分かりやすい爽快感
    • 敵出現数はシリーズ中最も多く、それらを駆逐する爽快感もシリーズ随一。通常武器がオートリロード可能なマシンガンであることも爽快感をアップさせている。
      • 豊富なサブウエポン、特に高威力武器で敵を一網打尽にするのは過去作になかった要素である。
    • ヘッドショットが決まると「ビシッ!」という派手なSEが鳴る。これによりヘッドショットか否かの判別が容易になり、連続でヘッドショットを決めるとSEも連続で鳴るので爽快感も高い。
      • ノーマルモードの開始時には敵の弱点は頭部である事が説明される為、初心者でも自然とヘッドショットを狙うようになっており、爽快感の獲得とゲームの上達がそのまま繋がっている。
    • ステージクリア時のリザルトに関しても、スタートボタンを押すことによる表示高速化や、初心者にも配慮したマイルドなランク表記と主人公らのコメント演出*8が行われている。
  • 至る所に散りばめられた過去作のオマージュ
    • 外伝作品を除いた各シリーズ作品から取り入れており、下記はあくまで一例だが何れもゲーム内に上手く溶け込ませている。ファンであれば懐かしさを感じるだろう。
      全体的に『1』のオマージュが多いのも特徴。登場しているゾンビやボスも大半が『1』で登場した個体を現代のグラフィックでフルリメイクしたものである。
      • チャプター0から最初のシーンで「絶対に死ぬ(助けられない)男性」が登場する(『1』『2』『III』)。その男性に対するライアンの台詞が「しつこい男はロクな目に合わないな*9」。
        次のシーンでは大型ゾンビ「サイモン」が一般人を投げ飛ばそうとし、直後に複数のゾンビがガラスを突き破ってきて主人公らを押し倒す(それぞれ『1』のチャプター1・2、『4』のチャプター1序盤)。
      • 屋敷の玄関ホールでシャンデリアを落としながら飛びかかってくる小型ゾンビ2体、その後に斧持ちのゾンビが扉を切り壊してくる(『1』のキュリアン邸突入直後)。
    • 2P側主人公ケイトが『4』から続投しているのと、1P側主人公ライアンが『4』の主人公ジェームズの弟である為、『4』に関係したセリフ・展開も多い。
      • 左のエレベーターに乗る際に「迷ったら左の法則ね」と発言(『4』チャプター1で分岐点を左を選択した際のケイトの台詞)。ライアンは意味がよくわからない様子。
    • 過去作にあったレスキュー要素も調整されて復活。
      • 『1』『2』にあった一般人(パーティー客)救出は、「失敗時のペナルティはないが、成功するとクリア時の評価*10にプラス」という仕様に変更。誤射判定も撤廃されている*11
      • 逆に、『III』であったパートナー救出は「成功しても評価にプラスされるだけ、失敗すると強制ダメージ」と厳しくなった。こちらも『III』から引き続き、パートナーに対する誤射判定はない。
    • ステージクリア・ゲームオーバーのBGMは恒例のアレンジ版が使われている。前者は『1』準拠のショート版となっており、その後に新曲が流れる方式となっている。
  • シリーズ恒例の大アルカナが名前に用いられた4体のボス達
    • うち2体が新規キャラ、残り2体は『1』に登場したボスのリメイクで、後者はグラフィックはもとより攻撃パターンも過去作のボスを一部踏襲*12したものに一新されている。
    • Aルートボスのチャリオットは戦闘開始直後は弱点が存在せず、いくら攻撃してもダメージが入らない…と、強敵感・絶望感が大幅アップ。
      中盤でロケットランチャー改を当て、装甲を破壊することで剥き出しになった部位(頭部・上半身と下半身の左右のうち1か所)にやっとダメージを入れられるようになる。
      装甲破壊はやり直しがきかないが、破壊部位によってその後の難易度が大きく変動するため、どこにロケットランチャーを当てるかは非常に重要で緊張感のあるシーン。
      • 『III』のデス戦のオマージュなどもあり、全体的に大幅に強化されているが独特な各モーションは『1』のチャリオットそのものである。ただし、今作では自ら装甲を脱ぎ捨てることは無い。
    • Bルートには新ボスの一体である、ハイプリエステス*13が登場。軟体動物の様な巨大なクリーチャーで、触手を用いた攻撃を行う。
      今作のボスの中では比較的弱い方だが、体力ゲージが(弱点を撃たない限り)減らなかったり、女性の歌声の様な鳴き声を上げたりするなど、ボスとしてのインパクトは十分。
    • Cルートのボスはハングドマン。『1』での「高い知能を持ち、狡賢い」設定も健在で、道中から主人公らを妨害し、ボス戦直前には主人公らが脱出手段に用いようとしたヘリを目の前で破壊してくる。
      更に戦闘時には「閉鎖された空間に上空から油を撒き、その上に松明を落として大量の炎を発生させ、主人公らを焼き殺そうとする」など、従来作のボスの中でもかなり戦略的な戦法を取ってくる。
    • 最終ボスは新ボスのムーン。『4』のワールドや『OVERKILL』のマザーをも凌ぐ体躯を持ち、さらに光弾や衝撃波、火炎弾や強酸など、攻撃方法も多彩。
  • 迫力を感じられるシアター型筐体
    • 筐体は異様な外観で、派手なものが多いゲームセンター内でも中々のインパクトがある。また、季節に応じてライトアップの色が変化する。
    • 『2』でのSDX筐体の「迫力の音響」「ボディソニック・振動機構つきシート」はもちろん引き継がれ、今作では1P・2Pの着座位置の天井部に「エアキャノン(空気砲)」と「LEDライト」が追加された。
      これはゲーム内の風圧や光源等を真上から表現するもので、近頃流行りの4D映画を髣髴とさせる装備であり、『4SP』でのアトラクション要素をある意味で受け継いだとも言える。
      • 外装にもドッキリ的な仕掛けを搭載。筐体のすぐ後方を通ったり、非プレイ時に目玉を模した赤いボタンを押すと…?
    • 筐体のコントロールパネル上部には『爆音ボタン』があり、これを押すと音量の低下・振動とエアキャノンのON/OFFが可能。
      上記のアトラクション的な演出や大音量が苦手・もしくは煩わされたくないプレイヤーにもきっちりとした配慮がなされている。
    • 半密室型の筐体は周囲を気にせずプレイできる為、従来作と比べてカップル層や女性層がプレイしやすい。
      また、筐体の後方には覗き窓がある為、ギャラリーにとってもプレイは見やすくなっている。
  • 毎日変動する4種類の全国ランキング
    • 従来作では筐体内ランキングのみが記録されていたが、今作ではオンラインで全国店舗のスコアランキングも表示される。
      これによりそれまでごく一部のユーザーのみの世界であったスコアアタックの間口拡大や競技性の向上に成功した。実際、今作からスコアタックを始めたというユーザーも多い。
    • ランキングはノーマル1P、ノーマル2P、マスター1P、マスター2Pの4種類あり、ランクインするとユーザー名とスコアだけでなくプレイ場所や獲得トロフィー数も表示される。
      また、ランキングの右に表示される「☆マークの有無でノーコンティニューか否か」、「歯車マークの有無で工場出荷状態か否か」というスコアラーにとっての重要要素を判別できるようになっている。
    • 公式側は稼働開始後もスコアラーに対するアプローチを行っており、公式サイトでは毎日更新の全国ランキングのページがあり、稼働3ヵ月後にはスコア表示コマンドも開示している。
  • シリーズの雰囲気を損なわない良質なBGM
    • 今作は従来に比べるとシリアス寄りの曲調が多いが、シネマティックなチャプター0、ヘビーメタル調のチャリオット戦等、よりバラエティに富んだ構成となっている。

賛否両論点

  • ほぼ撤廃された残虐表現
    • 『4』から更にゴア表現が薄くなり、ゾンビ、背景含め「ホラー感はあるにはあるが、血はほぼ出ない」というレベルになった。
      ゾンビが倒れる演出も「五体満足のまま一瞬で焼け落ちる」というもので、前作とは違って被弾させても部位の欠損や出血も全くしない。
      • 流血表現は「シリーズ皆勤賞のヘビ型ゾンビ「モゥラー」を倒した際にモゥラーが弾けてシリーズ恒例の緑色の血が出る」、
        「プレイヤー側のダメージエフェクトで赤い血らしき赤色が使われている」の合計2つだけにまで抑えられている。
    • ゾンビのデザインも全体的にミイラ化or溶けかかっているような造形で、かつパーティー風の衣服を着用した者も有りと、従来作の血が滲んでいたり身体の肉が剥げているような造形とは趣が違う。
      • ただグラフィックの向上やゲームセンターという子供でもプレイ出来る環境であることは考慮しなければならず、またシリーズ自体『1』から残虐表現に関して問題に上げられることもあった。
        ゲームの残虐描写の規制もあってこの点は仕方ないとも言えるが、グロさも魅力の1つとして存在していたため少々寂しいとの声もある。
    • 開発時は『4』同様にゾンビや背景の各所に赤い血痕がある・敵の被弾箇所が流血する・その上で倒すと骨になる演出も製作されたが、完成版では倫理上から無くなったことがCG雑誌の取材にて判明している。
    • グロ要素によるホラー演出はほぼ無くなったと言えるが、一方で『ダークエスケープ3D』のような豊富な筐体ギミックを用いたちょっとしたホラー演出は多くなった。
      ホラー映画の定番要素*14自体は引き続きあるため、「スプラッター系ホラー」から「ビックリ系ホラー」に方向転換したと考えることも出来る。
  • やや大型化したガンコントローラ
    • 『III』で不評だった大型ガンコントローラは『4』で小型化・軽量化されたが、今作ではやや大型化され、内部に振動ギミックを内蔵している影響か重量は増えている。
      『III』と同様に「ゲーム内と同じ銃を持つというリアルさ」が増したという評価点はあるが、子供などの非力なプレイヤーには『III』ほどではないがキツイものがある。
    • ただし『III』のリロードや『4』のガチャプレイなど、激しい動作が必要な操作はほとんどない。さらに座って遊べるようになっているので、長時間のプレイでも体力を消耗しにくくなっている。
  • ライフ回復の機会は従来に比べると少な目
    • 一般人救出イベントではもらえずアイテムのライフの持ち込み以外では道中で拾う(1ステージにつき1つ)とクリア後の評価の2点のみ。
      • ライフは従来通り隠しアイテムで評価でのライフ獲得の条件も厳し目のため、初心者はアイテムの持ち込み以外で全くライフ回復のチャンスを得られない。
      • 上手くなるほど獲得するチャンスを得られる性質上、上達すれば上達するほど目に見えて楽になる。
      • ライフを任意で持ち込めることになったことに対する調整とみることもできるか。
  • 武器持ちゾンビと大型ゾンビの厄介さの大幅向上
    • シリーズ恒例の武器持ちゾンビは今作も登場するが、武器の防御範囲が見た目以上に広く違和感を感じやすい。
      防御範囲に攻撃動作に入った他のゾンビが隠れてしまうと、サブウエポンで一撃で吹っ飛ばさないとほぼダメージ確定するような状態が発生することもある。また、集団に混じっていた場合には武器が盾の役割を果たしてゾンビたちの進軍を許してしまいタコ殴りに遭うと言った事もある。
      • ただし、武器持ちゾンビは胴体や下半身を撃って怯んで防御を解除させるシリーズ伝統の攻略法も健在なので、対処法を覚えれば危険度は大きく減る。
    • 大型ゾンビは、両モードでの2人プレイ時やマスターモードでの耐久力が従来作の大型ゾンビや今作の標準ゾンビとは比べものにならないほど硬くなっている。
      1体処理するにもヘッドショットを連続で決め続ける必要があるほか、マスターモードでの場面によってはサブウェポンを使わないとほぼ確実にダメージを食らう事もある。
      • だが、ゾンビラッシュの大型ゾンビは後方に配置されることが多いので、真っ先にヘッドショットして倒すという対処法はある。
    • 忍者のような恰好をしたゾンビのマックは素早い上に意外と硬いため初見での対応は困難。わかっていてもサブウェポンで対処しないと難しい場面もある難敵。
      • ただアーケードゲームである以上この様な初見殺しの要素は初作からある。
    • マスターモードの説明文にもサブウェポンを使用することを推奨しているのでそれを前提としたゲームバランスと受け取ることもできるか。
  • ラスボスの弱さ
    • ラスボスであるムーンだがシリーズのラスボスどころか本作のボスで一番弱いと言われている。
      • 攻撃パターンは多様だがキャンセルの有無関わらず次の攻撃に移行するため全ての攻撃が終了したら撃破したことになるイベント仕様のボスなので極論コンテニューし続ければ必ず倒せる。
      • ノーコンテニュークリアなどのダメージをなるべく喰らわないプレイをするときの障害になるかと言われれば「攻撃が大振りで初見でも見切りやすい」「攻撃からダメージが確定するまでの猶予が意外と長い」「全ての攻撃がサブウェポンなしでも防ぎやすい」などの要因があるためそんなことはない。
      • ノーコンテニュークリアの場合はボス戦前にシリーズ恒例のライフ&スコアボーナスを受け取れるため完全にウイニングラン扱いになってしまう。
    • 演出に関しては過去最高の絶望感で4のラスボスのワールド以上に「手に負えない」といった存在感を放っている。

問題点

  • Aimeカード関連
    • Aimeカード使用時は40項目×3段階、合計120個のトロフィーが存在しているのだが、中には誰の目からしても明らかに取得が面倒なものがある。
      • 特に特定サブウエポンで〇体撃破系のトロフィーは、獲得には莫大なやり込みが必須。装弾数が少なく、スコアアタック的にも不要なサブウエポンのトロフィー獲得はユーザーからしたら苦痛。
    • Aimeカード不使用時は使用可能アイテム数が大幅に制限され、特に強力なアイテムは軒並み使用禁止となる。
      • カード未使用のユーザーの多くは本ゲームの基本的な遊び方もまず知らなかったり、興味本位でプレイを始めたユーザーやガンシュー初心者が大半であろうが、不親切である事は確かである。
      • 特にノーマルではサブウェポンの持ち込みが一切できないため新要素に触る事すらできない。
    • Aimeに記録されるハイスコアが、ノーマルとマスターで区別されていない。
      • 殆どの場合ノーマルよりマスターの方がスコアが高くなりがちなので、その場合ノーマルではハイスコアを更新することができなくなってしまう。
  • ノーマルモードで支給される一部の武器
    • ノーマルモードでは場面によって適切な武器を渡されることがあるが何やらおかしなものを渡されて逆に不利になってしまう場面がある。
      • 威力は高いが単発式のレーザーガン重装甲で攻撃の通りにくいゾンビ*15に対して渡される最終面がよく言われる。
      • 渡された武器は使い切らない限り標準武器のサブマシンガンを撃つことすらできない仕様のため上記の場面では適当に乱射してでもいいからさっさと撃ちきって、持ち込んだサブウェポンをぶっ放すと言った本末転倒な対処を取られてしまう事も。
      • ヘビ型ゾンビのモゥラーの大群に対してショットガンを渡される場面で使い方が不味いとかえってやりにくくなってしまうが、ケイトに言われたとおりに「がんがん撃ちこんで」数を減らし残ったモゥラーをサブマシンガンで潰すことができる。使い方を間違えなければ役に立つため、あちらほどは問題にはなっていない。
  • 押し倒し時のゾンビの無敵時間・耐久力の異様な上昇
    • 押し倒しイベントが発生すると、プレイヤーを押し倒したゾンビが数秒間無敵となり、無敵解除後も耐久力が目に見えて上昇する。
      これはマスターモードで顕著になる。それまで普通の耐久力だったゾンビが押し倒しをすることで異様に硬くなるのは違和感が大きく、制限時間内に倒すのが難しくなる。
    • また、押し倒し時は画面内に「10のタイマー」が表示されるが、これは明らかに10秒ではなく、マスターだと(ゲームランクにもよるが)3秒ほどでダメージを受けることもある。
  • 頻発する処理落ちと、それによって発生するバグ
    • 大量の敵が一度に発生すると高確率で処理落ちが発生する。処理落ちが発生すると画面が一瞬固まり、すぐ復帰するのだがタイミング次第では敵の攻撃を受けたりヘッドショットを逃すことになる場合もある。
      • また、稀に処理落ちが発生すると、カメラワークやゾンビの関節構造が乱れたままゲームが進行することがある。
    • 小型のゾンビのヘッドショット判定が特定場面のみ非常に厳しくなり、霧がかったチャプター4の序盤では処理落ちの影響か「頭を撃った筈なのにクリティカル扱いにならない」という事が時折発生する。
      厳密には仕様か不具合かも不明。単なるクリア目的のプレイでは殆ど干渉しないのが救いだが、ハイスコアを追求するプレイヤーには命取り。
  • やりこむと見えてくる粗・理不尽な点
    • 理不尽に感じ取られるダメージを受ける場合がある。
      • 例1「ゾンビに押し倒された際に攻撃に参加しないゾンビが攻撃に参加しているゾンビの殆どを覆う
        これは敵配置の問題であり、非常に低確率ではあるものの狙いにくく排除までに時間がかかってしまう。
      • 例2「斧ゾンビが攻撃モーション中のゾンビの前に出てきてプレイヤーの攻撃を防いでくる
        特に難度が高い状態のゾンビラッシュで起きやすい。この時に攻撃してくるゾンビが耐久力の高い者では連続ダメージの危険性もある。
      • 例3「攻撃モーション中のゾンビの当たり判定が消失or攻撃モーション中に怯ませたのにダメージを喰らう(攻撃判定にラグがある)」
        処理落ちの影響なのか、ゾンビラッシュ時などの処理落ち気味のシーンで起きやすいようで、再現性は低いが理不尽に感じやすい。
        逆に後者は確率がそれなりに高く、特にスズキ(ミイラのような外見に白い服を羽織ったゾンビ)で起きやすい。
      • 例4「最前列のゾンビの後ろにいたゾンビが攻撃してきてダメージor距離が離れているゾンビの近接攻撃が当たる」
        主人公らが移動している時のゾンビは、「攻撃しないor攻撃するが当たらない」のどちらかであるが、後者の距離感が曖昧で、慣れている程ダメージを受けやすい。
    • 例に挙げたように、主に判定が邪魔をして理不尽なダメージを喰らいやすくなっている。テンポが早くゾンビが多くなっていることから、ランダム性や発生頻度にも差がある。
      • 一応、このような理不尽な判定はクリアまでプレイしても全く発生しない場合もある。
        また、マスターモードの方が敵の耐久力と物量が増加する分、ノーマルモードに比べると発生しやすくなる。
    • これと関連して「明らかに攻撃を受けた筈だがダメージ無し」「前方のゾンビが盾になって攻撃を防いでくれた」などプレイヤーに有利な状況も時折発生する。

総評

シリーズ十数年ぶりのアーケード新作。難易度の分化、サブウエポンなど新要素を盛り込み、期待と不安に包まれた状態で稼働した。
過去作のオマージュや難しいながらもやりこむことでノーコンティニュークリアも容易な難易度は健在である。
しかし、シリーズでも多いプレイヤーに不利なバグ、Aimeカード未所持者に厳しい仕様とやや粗が目立つのも見受けられる。
今後、アップデート等で改善されることがあれば、本作の評価はまた変わっていくだろう。


余談

  • 今作の宣伝活動の一環として、バーチャルYoutuberの「緋色すもも(ひいろすもも)」が本作をプレイした様子の動画が公開されている。
    • 外見はシリーズ皆勤賞ゾンビであるカゲオの頭に桃のアクセサリーがついたもの*16。更に声は完全に女性のそれであり、非常にミスマッチ。
      さらに動画内では彼女(?)のペットとして、これまたシリーズ皆勤賞のヘビ型ゾンビのモゥラーそのまんまの姿をした「モラたん」も出演している。
      • シリーズ的にもネタ要素全開な『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』が既にあった為、ファンには「いつものセガか」など受け入れられている様子。
      • 宣伝活動として企業対抗HODペアアタックなるものが開催され、主にTwitter上で反響を得た。
  • 登場ゾンビ達の名前が公開
    • 『4』では登場ゾンビ達の名前が不明だったが、今作では公式サイトで全て紹介されている。新キャラに混ざって古参キャラが復活しており一部のファンには嬉しい点であろう。
  • シリーズのお約束を一部回収していない部分がある。
    • 「Gが出てこない」、「タイトルの頭の『THE』が無い」、「チャプター毎のタイトルが『2文字の漢字』ではない」、「ゾンビ化エンドが無い」といった点。
    • シリーズのボスの名前に使われてきた大アルカナについても、本作の時点で(全22種の中で)1つだけ余りが生じている。
      • 『4』までの時点で残り3つとなっていたため、本作で残さず使い切る事も出来たと考えられるが…。
  • 今作はコインを投入しなくても、スタートボタンを押せばエントリー画面やAimeカード(またはバナパスカード)のログイン画面を表示できる。この際、画面に銃口を向けることで照準が表示され、事前に照準設定を確認できるようになっている*17