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五等分のプリンセス ~幻想と深淵と魔法学院~

【ごとうぶんのぷりんせす げんそうとしんえんとまほうがくいん】

ジャンル ドキドキダンジョンRPG

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション5
プレイステーション4
発売・開発元 MAGES.
発売日 2025年9月18日
定価 パッケージ版:8,690円(税込)
ダウンロード版:8,690円(税込)
限定版:14,190円(税込)
デジタルデラックスエディション:14,190円(税込)
スペシャルボックス:25,190円(税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
コンテンツアイコン ギャンブル
備考 PS4版はダウンロード専売
判定 なし
ポイント シナリオ・キャラ描写・音楽は良質
DRPG部分は微妙
少年マガジンシリーズ


概要

『五等分の花嫁』(以下本家)のスピンオフ作品。公式の略称は「ごとぷり」。
2025年5月5日のゲーム公式YouTubeチャンネルで発表された。
これまでコンシューマゲーム作品はADVとして発売されていたが、今回はダンジョンRPGとして発売されている。
本家は現代日本を舞台としていたが、『五等分のプリンセス』は科学と魔法が同居する王国が舞台であり、本家にはない魔法使い、エーテル、貴族、幻想生物、ダンジョンなどといった要素が存在する。OPにあるJR名古屋駅をはじめとして現代日本の建造物をモチーフとしたものはある。
魔法の王国にある魔法学院を舞台に中野家の五つ子と上杉風太郎の出会いを改めて描く。

限定版には、アニメと7章と8章の間を描いたビジュアルドラマを収録したBD、スペシャルブックレット*1、サウンドトラックが付属。
スペシャルボックスにはそれに加えてミニ台本やミニ絵コンテ集、アクリルスタンドや缶バッジが付属している。


あらすじ

ここは科学と魔法が同居する王国――

貧乏生活を送る魔法学院の生徒、
上杉風太郎のもとに好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込んだ。

その相手は、なんと同級生の五つ子!

王家に仕える裕福な貴族の娘で美少女と評判だが
「勉強嫌い」で「落第寸前」な5人に振り回されるうち、
風太郎は五つ子の「秘密」を知ってしまう……

公式サイト ストーリーより抜粋)


特徴・システム

  • ゲーム進行
    • 基本的には本アイコンの付いたクエストをクリアすることで新たなストーリーが解禁される方式。
    • 全12章構成で、魔法学院を舞台にしたメインストーリーと、五つ子それぞれにスポットを当てるキャラクターストーリーがあり、11章・12章はキャラクターストーリーとなる。
      • キャラクターストーリーの進行には好感度が一定数必要。該当するクエストで該当キャラをサポートしてクエストクリアすると進行する。
  • クエスト
    • クエストは授業の課題という設定で、内容はモンスターの討伐や素材の収集などがある。
    • 風太郎が誰かをサポートすることになり、サポートしたキャラがダンジョン内でボイスを喋る形になり、好感度も上がる。ミニマップの自キャラアイコンもサポートしたキャラになる。
    • ダンジョンマップは一人称視点で進む形であり、『ウィザードリィ』に近い形式。
    • ダンジョン内には一方通行扉やワープ床、ダメージ床などがある。宝箱はクエストクリアに必要なものや回復アイテム、魔法石が入っている。
      • 宝箱だけでなく、一見何もない床に「調べる」コマンドが出現していることがあり、その床を調べるとアイテムが手に入る。素材アイテムが落ちていることが多い。
    • 本作に経験値の概念はなく、クエストクリアすると能力値が上昇する。課題クエストと呼ばれるものはレベルも上昇する。
    • クエストクリアにかかった時間によってランクが変化。ランクはS~Cの4段階。ランクが高いほど追加の報酬がある。
  • 戦闘
    • 通常戦闘はランダムエンカウントを採用している。一部ではシンボルエンカウントするものもある(見た目は星のカービィシリーズのスカーフィのようなデザインのオブジェ)。
    • FFシリーズのようなアクティブタイムバトルで進行する。戦闘はオートで進行し、五つ子は装備している魔法を自分なりの判断で使って戦う。
      • 二乃は全体攻撃魔法を多用する、三玖は余裕があるときに回復魔法を使う、五月は状態異常魔法を多用するなど。
    • 魔法を使ったり攻撃を受けたりするとアンリミテッドゲージが上昇していく。
      • 2人以上ゲージが満タンになると「アンリミテッドスピリット」という強力な全体攻撃が発動できる。人数が多いほど威力が上がる。
    • 倍速で高速化もできる。
    • 「逃げる」でいつでも戦闘から離脱できる。
  • 育成
    • 魔法を覚える
      • 各属性に対応したチケット使うことで属性値が上がる。5回チケットを消費するごとに知力というパラメータが上がる。この属性値と知力の条件が揃うと、特定の魔法を習得できる。
      • 風太郎チケットというのもあり、上げたい属性が選べるうえに、キャラの好感度も上げることができる。
    • 魔法の装備
      • 魔法は覚えるだけでは使用できず、別途装備する必要がある。コストがあるので、キャパシティの範囲内でしか装備できない。キャパシティは知力が上がると増えていく。
      • なお、五つ子それぞれに得意属性でMP0で使える魔法が1つ強制装備されているので、全く魔法使えない状態にはならない。
    • アイテム合成
      • ダンジョンで非戦闘時に使う回復アイテムや、魔法の杖のカスタマイズに必要な魔法石には合成が必要で、素材を集めてアイテムを作ることになる。
    • 魔法の杖のカスタマイズ
      • 1セット4スロットの装備セットがキャラごとに最大16セットある。最初は1セットしかないが、知力が一定値まで上がると次のセットが解放されていく。
      • 体力(HP)や魔力(MP)の上昇、ダンジョン内で効果のあるものなどの効果を持つ魔法石を杖に装備できる。
      • 鍵のかかった扉を開けるものや、周囲を明るくするものなど、クエスト進行に必須なものもある。
      • 1セット内に同じ魔法石を複数装備(1セットで4スロットなので最大4個まで)すると効果が増大する。
  • シナリオ
    • 従来のADV作品同様、シナリオは立ち絵と背景とCGで表現される。
      • UIもほぼ同様だが、オートモードとメニューのボタンが変更されている。
    • シナリオギャラリーではシナリオを好きなタイミングで見返せる。
      • シナリオ中、好きな部分でブックマークでき、シナリオギャラリーでブックマークしたところから再生できるようになる。ブックマークは最大200まで登録可能。
  • 資料室
    • BGM、CG、ムービーなどを閲覧できる。
+ メインキャラクター簡易紹介
  • 上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう)
    • 五属性すべてが得意な男で、学年トップの成績。周りに興味がなく、我が道を行く。この世界では稀有な素養もある。
    • コミュ力がないので変人扱いされ、序盤は不器用ながらも必死に五つ子達とコミュニケーションをとろうとする。
  • 中野一花(なかの いちか)
    • 勉強ができないなりに国王を目指している。五つ子の中では若干出番が控えめ。
    • 得意属性は地(『コトダマン』『モンスターストライク』等では光属性)
      • 特典のブックレットにある花澤氏のインタビューでも一花は光属性だと思っていたらしく、地属性は意外と感じたようである。
  • 中野二乃(なかの にの)
    • リボンは角ばったワカメのようなデザインになっている。
    • 設定の違いにより、風太郎を権力目当てと見ている上にヘンタイ扱いするため、やはり風太郎と対立する。
    • 得意属性は火(『コトダマン』『モンスターストライク』等では闇属性)
  • 中野三玖(なかの みく)
    • 世界観が異なるため、日本史や戦国武将に詳しい設定が、魔道史や伝説の魔法使いに詳しい設定に変わっている。
    • ヘッドホンには三つ鱗紋(北条家の家紋もしくはトライフォース)のマークがある。
    • 得意属性は水(『コトダマン』『モンスターストライク』等でも同様)
  • 中野四葉(なかの よつば)
    • 本家との違いはうさ耳リボンの部分が左に寄っている。
    • 変人状態の風太郎とでも普通に接することができる。が、貴族社会でのやりとりは苦手意識がある。
    • 今回も困っている人を放っておけないお人好しで、バレー部の手伝いなどを行ったりする。
    • 得意属性は風(『英語とクイズのココロセカイ』『モンスターストライク』等でも同様。作品によっては木属性(『コトダマン』)だったりもした。)
  • 中野五月(なかの いつき)
    • 星の髪飾りが若干立体的になっている。まじめで努力家。食に関することはこの世界でも変わらない。
    • 得意属性は雷(『コトダマン』『モンスターストライク』等では火属性)

評価点

  • 『五等分の花嫁』というコンテンツの新境地。
    • 「世界観の一新」という大きな冒険をしながらも、キャラクター性は若干の変更がある程度で大きく損なっていない。
    • 本作もシナリオはしっかりと練られており、コミュ力に難のある風太郎と五つ子が徐々に打ち解けていく流れは本家のそれに近く、そこに魔法といったゲームオリジナルの要素を絡めている。
    • 本家前半の印象的な場面をアレンジして落とし込むと言った手法もなされている。
      • 基本的に本作から手に取る人も問題なく楽しめ、本家を知っている人としてはその差、または逆であるデジャヴや小ネタにニヤリと出来る実にマイルドな構造。
    • 作風は全体的な本家より若干シリアスな方向性へ変化し、その中には命の危機といった展開も含む。
  • 丁寧なチュートリアル。
    • チュートリアルとしてらいはが新要素が解禁される度にゲームの説明を教えてくれるため親切な方である。
  • イラスト含め2D部分に関しては綺麗。
    • 世界観の一新に伴い、立ち絵はすべて一新されている。五つ子もかわいく描かれている。
    • ストーリーパート中の1枚絵シーンも豊富な方であり、差分なしで88ある。
    • 衣装デザインも原作者の春場ねぎのデザインとなっている。
  • メインキャラの日常と、戦闘シーンを描いたOPムービー。
    • 『魔法少女リリカルなのは』で知られるTBSの子会社の「Seven Arcs」が制作を手掛けている。
    • ゲーム内アニメーションのデザインは、特典のブックレットによると2025年時点*2の原作者の春場ねぎの絵に近づけるデザインにしているとのこと。
  • 音楽。
    • 世界観の違いにより、楽曲はすべて一新。比較的落ち着いた曲が多く、魔法が存在する世界というイメージや場面に合っている。新曲も41曲と過去作より多め。
    • テーマソングの「明日へ」はファンタジー要素やシリアスさが強めに出ており『五等分の花嫁』の楽曲としては異色だが高評価を得ている。

問題点

RPG部分
新規ユーザーが触れることを考慮に入れている事*3から、あまり複雑には作られておらずお手軽といえるが、ダンジョン探索と戦闘は底が深くないともいえる。この点はADV中心に発売しているMAGES.としては珍しいRPG作品であることもあるが。

  • 五つ子の戦闘AIがアットランダムで、プレイヤーの介入要素が少ない。
    • 「仲間が瀕死なのに回復してくれない」「単体しかいないのに全体攻撃魔法を使う」等。だが「五つ子が魔法を自分なりの判断で使う」システム上仕方ない面はある。
      • 本作で制御できる要素は魔法の装備のみに限られる。
    • 回復アイテムは移動時のみ使用できる仕様であり、戦闘中に使うことはできない。
    • プレイヤーの介入要素は「アンリミテッドスピリット」を使用するタイミングを決めることくらい。
    • なお、ゲームバランス自体は章ごとに徐々に敵が強くなっていく類であり、五つ子の知力を上げたり強力な魔法を覚えたり、魔法や魔法石の装備で十分対応可能な範疇ではある。
  • 先述した通り、本作には経験値が存在せず、いくら戦っても五つ子が強くなることは無い。通常戦闘で得られるのは素材アイテムのみ。
    • 流石に『ペーパーマリオ スーパーシール』のような「戦うほど損をする」といった極端な事は起きないが、RPGのシステムを期待すると旨味が少なく感じられてしまう。
  • 魔法の習得条件が事前に分からない。
    • 基本的には属性値と知力の条件が揃うと魔法を覚えるのだが、特定の属性値を上げるだけでは覚えず、他の属性値も上げないと覚えない魔法もある。
  • ダンジョン移動速度が遅め。
    • 後に移動速度が1分間上昇するスキルが使える魔法石が合成できるようになるが、それまでは遅い移動速度で進まなければならない。そのスキルも、1分しか持たないので、かけ直すのも手間。
  • 今持っている素材アイテムがクエスト中に確認できない。
    • 素材アイテムは99でカンストするが、上限に達した状態でも問題なく回収することが出来る。
    • クエスト中は素材アイテムの確認が出来ず、「これ以上は持ちきれません」的な表示もない。アイテムの最大数問わず回収出来てしまうため、最大まで所持しているのを忘れてしまうことも。
  • 一部のクエストでSランクが取りにくい。
    • 特にランダムで出現する特定の雑魚敵を〇回倒すタイプのクエストはこちらのステータスが高くとも時間がかかりやすく、Sランクが取りにくい。
  • 五つ子の属性の変化。
    • 本作では光と闇が無く、代わりに地と雷が存在している。そのためか5人中3人は外部出演作品とは異なる属性になっており、それらの作品の経験者は違和感を覚えてしまうことがある。
  • 新シリーズ一作目ということを考慮しても敵の種類が少ない。
    • 雑魚敵のグラフィックは5種類しかない。属性違いが6体いるので余計に使い回しが目立ってしまう。

その他

  • 続編ありきのエンディング
    + ネタバレ注意
  • 本作は魔法学院卒業を目標としているが、本作では卒業までは時間が進まず、エピローグで更に大きな目標が提示されるという、あからさまに続編を匂わせるラストとなっている。
    • 未来のシーンのチラ見せもない。本家だと結婚式のシーンが要所要所で挟まれることもあったが、本作では最序盤の1回きり。
  • いつものことであるが風太郎の声が一部のみ。
    • 2章まではボイスありだが3章以降はボイスなし、かと思えば10章に入った途端にボイスが入り、11章ではごく一部のシーンに声が入るに留まったりと、入る/入らないの基準が過去作よりも不明瞭になっている。

総評

従来と同様に、キャラクター、BGMなどのクオリティは高水準で、シナリオも続編ありきではあるが概ね良好。大きなバグなどもなく普通に遊べる出来ではある。
ただ、DRPGとしての完成度は高くなく、他のDRPGをやりこんだ層からすると底が浅いように感じてしまう部分も存在する。
本格的なDRPGとしてプレイする人にはお勧めしかねるが、『五等分の花嫁』の新規のコンテンツが見たいという人は手に取ってみてもいいだろう。


余談

  • RPGとして発売された本作だが、過去作のコンシューマゲーム作品同様、ゲーム内容の配信・実況が公式によって禁止されている。公式YouTubeチャンネルで動画がいくつか公開されているので、興味がある人はそちらを見てみよう。
    • 体験版のみ、配信が許可されている。「ごとぷり体験版RTAキャンペーン」も行われた。
    • RPGパートは撮影可能だが、ADVパートや資料室は撮影不可になっている。

最終更新:2026年01月03日 23:19

*1 インタビューの内容はメガミマガジン2025年7月号と8月号に掲載されたものと同内容になっている。

*2 『五等分の花嫁 春夏秋冬』『GOTO AKIBA!』『五等分の花嫁 カードゲーム』の書き下ろし等

*3 「『五等分の花嫁』という作品を知らなくても楽しめる」ということが初報でも言及されているほか、パッケージ裏にも記載されている。