【ぺーぱーまりお すーぱーしーる】
ジャンル | シールバトルアドベンチャー | |
対応機種 | ニンテンドー3DS | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
任天堂 インテリジェントシステムズ |
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発売日 | 2012年12月6日 | |
定価 | 4,800円(税5%込) | |
プレイ人数 | 1人 | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
過去作にあった要素の廃止 ストーリーは紙のように薄い 住民や敵キャラもバリエーションに欠ける マリオシリーズらしい+紙を生かした展開に転換 |
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マリオシリーズ及び関連作品の一覧 |
『スーパーペーパーマリオ』に続くペーパーマリオシリーズ第4作。ペーパーマリオシリーズでは初の携帯機向けのソフトとなる。
初報から3年近く待たされ、5年ぶりの新作となるタイトルで、ファンからの期待は高かった。
だが、その実態は今までのシリーズから大きな転換を狙う内容となっていた。
シールの街、ラベルンタウンで年に一回開催される「シールフェスタ」。今回はゲストとしてピーチ姫とマリオもやってきた。
フェスタも佳境に差し掛かった中、願いをかなえるという「ロイヤルシール」が降ってきた。
するとロイヤルシールを我が物にせんと大魔王クッパとクッパ軍団がシールフェスタに乱入してきた。キノピオ達の制止を振り切りクッパはロイヤルシールを入手する。
しかしクッパの様子がおかしい。ロイヤルシールの魔力に憑かれ、「ギラギラ」しはじめ、会場で散々暴れた末にキノコ王国のあちこちでシールを使ったいたずらを始めだした。
マリオはシール星からやってきたという「ルーシー」と共に各地に散らばったロイヤルシールを集め、クッパの暴走を止める新たな冒険に出た。
バトルシール
今作では、基本攻撃やFP(*1)の概念が存在せず、手持ちのバトルシールや後述の「モノシール」を消費してハンマーやジャンプ、特殊攻撃を行う。
つまり、通常攻撃ですら消耗品。ただし入手量は多く、無駄遣いしなければ完全に底をつくということは少ない。
バトルシールはコース上で拾ったり、ショップで買ったりして集めることができる。
今作ではマリオのRPGシリーズではお馴染みのアクションコマンドシステム(*2)を再び採用した、のだが……(後述)。
モノシール
「バトルシール」同様に「ペパライズ」やバトルで使用することの出来るシール。
コース上に唯一立体で存在し手に入れることができる「モノ」と呼ばれるものを、「モノなげや」にもって行くことでシールとして入手できる。
「モノ」にはさまざまな種類があり、「せんぷうき」や「はさみ」、はたまた「まねきねこ」などすべて現実に存在するものである。
「ペパライズ」で貼り付けて使用することでコースのギミックを動かしたり、
バトルで使用することで敵に大ダメージを与えたり、攻撃力が上がったり、相手の技を跳ね返すといった様々なアクションが起こる。
強力なバトルシールやモノシールは、その分大きなマスを必要とする。
ペパライズ
コース上においてマリオが使用できる能力。ただしルーシーがいないと発動不可能。
使用すると画面上のコースが1枚の紙に変化し、紙にカーソルが表示されている場所に、持っているシールや「マップピース」を貼ることができる。
正しいシールやマップピースを貼ったりはがしたりすることで仕掛けが動いたり、さまざまな変化を起こすことができる。
今作の肝となるシステムであり、謎解きの中心になる。
バトルスロット
今作のサポートキャラ「ルーシー」によって使用できる能力。バトルにおいて、マリオの毎ターン開始時にコインを消費することで使用するか決めることが出来る。
基本的に普通のスロットと同じ内容であり、絵柄が揃うことでその数だけ行動回数が増える(2つ絵柄が揃ったらこのターン2回行動できる)。
絵柄が3つ揃った場合、その絵柄に応じて効果も得られる。
スロット回転中にさらにコインを消費することで、回転が遅くなったり、すでに絵柄が2つ揃った状態で始めることができる。
スロットシステム自体は過去作『ペーパーマリオRPG』にも存在した。
全体的に、本作は過去作とはシステムが大きく異なり(これについては、余談項で解説する)、戦闘・育成より収集・探索・謎解きに重点が置かれている。
事前情報で過去作との変化の部分があまり公開されていなかったことも重なり、RPGを作品を想定していたユーザーからの不満点が相次いだ。
+ | そして、苦労してシール博物館をコンプリートすると…(以下ネタバレ注意) |
+ | ラストバトルについて(ネタバレ注意) |
ゲームそのものはバグや不具合などもなく、全体を通してよくまとまっている。各コースのギミックや演出も紙やダンボールである事に拘った斬新なものが多い。
しかし、前作まで評価されていた部分の大半が消滅・改悪され、シールに依存した新しいシステムはプレイヤーへの配慮が行き届いておらず、戦闘・ペパライズなど今作はテンポ面での短所が目立ち、弱点が分かり難いボス戦の存在や、バトルに関する詳しい説明・チュートリアルが皆無であるといった事がとっつきにくくさせている。
何より、個性的なキャラクター達が織り成すドラマや感動的なシナリオなど、前作までのペーパーマリオシリーズの魅力の大部分を殺してしまった事が非難の的となっている。
これからプレイする人は、前作3作とは違うものと割り切ってプレイすることをオススメする。
*1 従来のペーパーマリオにおいて、技を使う際に消費するポイント。DQ等で言うMPに該当する。
*2 攻撃するときに指示された通りの操作をする(タイミングよくボタンを押す、スティックを回すなど)と攻撃力アップ、攻撃をガードなどの恩恵が得られるシステム。
*3 他のRPGで言う経験値
*4 ただし回数制限あり
*5 過去作ならラスボス並の数字。前の注釈の通り、初代との比較ならワールド1ですらラスボス級である。こちらの攻撃力が上がっていることを差し引いても相当硬い
*6 そのキノピオでさえバリエーションが殆どない
*7 一応あるボス戦については彼女がいないせいで一部の能力が制限される。
*8 今回の悪事は彼の本意ではなく、その点について反省している。
*9 一応書いておくと過去シリーズもクリア後に追加される要素は少ない
*10 余談にある通り、最初はRPGとして開発していたのにちゃぶ台返しを食らったという事実がある。
*11 前作でも一部ジャズ調のBGMがあった。
*12 事実、プロデューサーの田邊氏はOfficial Nintendo Magazineのインタビューで、開発期間の問題でクッパ城等でいれるはずだったミニゲームを入れられなかった、と告白している。