修正依頼』が出ています。対応出来る方がいらっしゃるなら、宜しくお願いします。
依頼内容は「製作陣の人間性を批判する様な部分の削除・言い回しの変更」「多すぎる注釈の整理」です。


絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-

【ぜったいぜつめいとしふぉーぷらす さまーめもりーず】

ジャンル サバイバル・アクションアドベンチャー

対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
Windows(Steam)
開発元 グランゼーラ
発売元 【PS4/Switch】グランゼーラ
【Win】NIS America*1
発売日 【PS4】2018年11月22日
【Switch】2019年9月26日
【Win】2020年4月7日
定価 【PS4】7,200円(税別)
【Switch】6,480円(税別)
【Win】6,578円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント 悪人養成ゲー
形骸化したシステムの数々
胸糞シナリオの連続
絶体絶命都市シリーズ : 1 - 2 - 3 - 4Plus


概要

災害で崩壊する都市からの脱出を目指すサバイバルアクション、『絶体絶命都市』シリーズの最新作。

本作はもともとアイレムソフトウェアエンジニアリングからPS3用ソフトとして発売予定であり、幾度と無く延期を繰り返しながら発売寸前までこぎつけたものの、
その内容から2011年の東日本大震災の発生直後に被災者への配慮により発売中止が発表*2され、そのまま長期間凍結された経緯を持つ。

その後、シリーズのプロデューサーである九条一馬を始めとするゲーム部門の主要スタッフはアイレムから独立(一応本人曰く「円満退社」との事)、「アイレムに革命を起こす!」という様な意味合いで『R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-』の革命軍に因み新会社グランゼーラを設立し、2014年に本シリーズの版権を取得。
九条PはX(旧Twitter)上で小説形式でストーリーを連載し、早い段階から本作を復活させたい意向を示すなど、過去作の配信と共に本作を完成し発売する意欲を前面に押し出していた。
そして、PS4にプラットフォームを移し、2015年11月に販売中止となったPS3版『4』のリメイクとして開発が再開されたことが公表。
Unreal Engineによって、グラフィックや被災地の表現が大幅に強化されたことからタイトルを『絶体絶命都市4Plus』と改題した。
しかし再び音沙汰がなくなってしまい、途中で関連作の『巨影都市』が発売されたものの、本作は長らく発売される事はなかった。

ところが2018年になり、10月25日に発売される事が公表されたが、直前に発売延期になり、翌月の11月22日にようやく発売された。
九条Pによると、本作の発売は「待ってくれた人へのお礼とお詫び」であるという。
本作はこういった経緯を持つゲーム史でも類稀な超難産タイトルだったのだが…(後述)


あらすじ

201X年7月、主人公はある目的(面接or商談orショッピングor出会い)のため、川瀬県のひすい市にやって来た。目的地へ向かうバスの中で急遽、緊急地震速報が鳴り響き、そのまま巨大地震に遭遇、
バスは横転するが、何とか一命をとりとめた主人公は変わり果てた風景に呆然としながらも、
全く来た事もない土地で見知らぬ人々と触れ合い、脱出を図るのだった。


特徴

  • 本作もまた『1』『3』と同様に震災をテーマとしているが、従来の人工島や地下都市といった崩壊を招きやすい設定はなく、ビルの立ち並ぶ普通の一都市を舞台としている。
    • 今回は被災地の状況に焦点を当てた作りになっており、災害に襲われるシーン自体が少なく、アクション要素が大幅に減っている。次々と襲い来る災害からのサバイバルだった旧作とはかなり毛色が異なっている。「崩壊する街からの脱出劇」というより「被災生活シミュレーター」と言った方が近い。
  • 前作に引き続き、主人公の性別が選択可能。男性主人公「武田正人」と女性主人公「市川結子」から選択する(名前は変更可能)。ただし、前作と違って男女に特に違いはなく、ステータスも同じ。ストーリーも同じだが一部のイベントが若干変更される。
    • 今回は顔つきと髪型も設定できる。髪型は『巨影都市』同様に鏡で変更可能で、色も変えられる。
    • 基本的に異性のトイレは使用出来ないが、ルート上通らなければならない一部のトイレや仮設トイレはどちらの性別でも使用できる。
  • 生理現象の要素の追加
    • 生命活動に関わる独自のシステムを毎回取り入れているシリーズだが、今作では時間の経過とともに欲求パラメーターである「のどの渇き」「腹具合」「排泄欲求」が悪化していく。放っておくとうめき声を上げて苦しみだしたり、腹部に手を当てたりする。
    • 「のどの渇き」「腹具合」はおにぎりや水などの食糧アイテムを使うか、ごく一部のシーンで飲食をすると解消される。その為、旧作ではライフやストレスの回復に使用していた食糧アイテムの用途が変化している。
      • 「渇き」の概念は『1』にもあったが、今回は蛇口などの水源が存在しない為、解消の為にはアイテムを使わなければならない。
    • 排泄欲求は適度にコンビニやビルなどのトイレか、仮設トイレを使用する事で解消出来る。
    • これらは最悪の状態になるとライフゲージの横にアイコンが出現し、解消するように促される。
  • ストレス
    • 前作に引き続き、ストレスの概念が存在する。ストレスは水に長時間潜る事や、余震で転倒する事で増加する。ストレスが溜まるとその分、ライフゲージの上限が減ってしまうがセーブポイントで休むことや食料や水を使う事で解消される。
      • 前作と違って足場の悪い所を歩いたり、イベントなどでストレスが増減する事は無くなった。
  • 余震で崩れてきた破片やビルに押しつぶされる、海や穴に落下するなどでライフゲージが0になると死亡し、ゲームオーバー。コンティニューで直前のシーンからやり直せる。
  • 本作でも様々な場所を渡り歩くが、同じ場所を何日か後に再度訪れる事があり、その際に復興作業が行われているといった変化がみられる。
  • 旧作同様、コスチュームが随所で手に入る。衣装の幾つかは『巨影都市』から流用されているが、カラーリングが変わっていたり、夏服仕様になっているものもある。
    • これも『巨影都市』同様、服は上下と靴がセットなのでそれぞれを個別では変えられない。
      • 『2』では全て個別で、『3』では靴は自由に設定出来た。
    • 2』『巨影都市』に存在したコスチュームによるパラメーターの補正は存在せず、基本的に姿が変わるだけ。
      • 一ヵ所だけだが、コンビニ店員のコスチュームを着る事で店員の代わりをするイベントは存在する。
    • 『3』では不自然な場所にコスチュームが置かれていたが、本作では店のロッカーや倉庫などのまっとうな場所に配置されている。なので火事場泥棒にしか見えなくなるが。
    • 化粧用品を買う事で口紅やアイシャドウなどのオシャレをする事が可能。男性主人公でも。
    • アクセサリーも存在し、メガネや帽子といったまっとうな物から「女王様のマスク」「天狗のお面」「ひょっとこの仮面」「エルフの付け耳」といったシュールなものまで存在する。
  • これも旧作同様、随所で様々なコンパスが入手できる。
    • 版権が移った為、旧作のような他アイレム作品のコンパスは登場せず、過去にグランゼーラが発売した『マンガ・カ・ケール』や公式サイトで連載している漫画『金沢独立戦線』関連のコンパスが出る程度である。
    • アップデートにてR-TYPEシリーズネタの「次元戦闘機のコンパス」が追加されている。
      • 後にグランゼーラが開発・販売を行った『R-TYPE FINAL2』がこの頃に発表されている為、その関係で登場させられたのだろう。
  • 善い行いをすると善行ポイントがたまり、悪い行いをすると悪行ポイントが増加する。
    • また、主人公の行いによってステータス画面の肩書きが変化するといった要素もある。
  • 同行者として、今回もヒロインと呼べる人物が二名登場。『1』のような同行者の選択によるルート分岐は無く、状況に応じて同行者が変わる。
    • 今回は序盤からラストまで一蓮托生という訳ではなく、限られた期間のみの同行となる。特に片方のヒロインの同行期間は極めて短い。後半は基本的に主人公一人で行動する。
  • 初代サブヒロインでシリーズお馴染みの比嘉夏海もやはり登場。宝石女こと竹辺幸も『2』以来の登場となる。
  • 防災マニュアル
    • 前作に引き続き、様々な場所を調べる事で防災マニュアルを得る事が可能。前作と違ってストーリーを進めるだけではなかなか集まらず、あちこちを探索する必要がある。
  • 実在する企業との提携
    • 前作のカロリーメイトに続き、今作は日清食品との提携によってカップヌードルが作中に登場する。今回は主人公も食べられる。
      • 「カップヌードル食ってる風Tシャツ」や「カップヌードルリュック」といったコスチュームやバッグも登場し、入手できる。
    • 「radiko」と提携しており、序盤で「ラジコ」を入手することが出来、使用する事で震災の情報をリアルタイムに音声で流しながら町を探索する事が可能。
      • 各地の被害状況や、主人公が行った行動によって報道内容が変わるなどの変化がある。
    • 地図製作会社のゼンリンの協力を受けており、提供された都市の3Dデータをゲーム内のグラフィックに活用している。この為、都市の造形が非常にリアルになっている。
      • 特にアザミ駅周辺は渋谷によく似ており、ゼンリンの看板も登場する。加えてハチ公のような像まで存在する。(ゲーム内ではチ公という名前だが)
  • VRモード
    • PSVRにも対応しており、ステージをクリアする等の条件を満たす事でタイトル画面からVRモードに行く事が出来る。
      • これは本編で登場したステージのモデルをVRで探索しつつ「絶体絶命都市4」の文字(ステッカー)を探すミニゲームとなっており、本編の内容をVRで楽しめるわけではない。
      • ステッカーを集める事で、VRポイントとなり、本編のセーブポイントにてアイテムと交換する事が可能。
      • 当初はステージ1しかなかったがアップデートによって徐々に増えつつある。

評価点

  • 液状化現象、火災で焼け野原になった町、避難所となった学校等はリアルに作られている。
    • ハードが移行した事で被災地の表現力が飛躍的に上昇している。PS3時代のPVでも旧作から大きな進化を見せていたが、PS4になった事で更にクオリティが上がった。
      • Unreal Engineが使用されているので水の反射や火災などの表現も非常にリアルになっている。
    • トイレが追加されたことで建物の間取りがよりリアルになり、現実に近くなった。
      • オフィスの各階にあるトイレや駅のトイレ、体育館裏のプールのトイレなど、他のゲームでは無視されがちな要素だが、どれもリアルな間取りで再現されており実際に使用する事も出来る。
    • 火災で焼け落ちた家屋や廃墟となったコンビニや店舗の内部なども非常にリアルなので中々体験できないシチュエーションの中で自由に歩き回ることが出来る。
    • 前作までは市民の避難がほぼ完了したゴーストタウンがメインだったが、今回はマップ上に多くのモブNPCが登場し、被災地の雰囲気がよく出ている。勿論、前作のようなハリボテではない。
      • 基本同じモーションで硬直するか、ぐるぐると歩き回るかのどちらかのみだが、立っているNPCは余震が起きた時はとっさに屈むといった反応を示す。
      • アイレム時代からお得意のガヤ演出も健在。多くのモブが登場する事もあって本当にその場に居るようである。
    • 火災のシーンは神戸市消防局の協力もあり、飛び散る火の粉や炎上して崩れ落ちる建物の演出など臨場感あふれるものとなっている。
    • 倒壊時の表現も実にリアル。建物に亀裂が走り軋む音や、突き上げるような余震、粉塵を上げて崩れ去るビルなどは冷や汗ものの迫力である。
  • ショッキングながら震災で起こりうる展開の数々
    • 目の前で高速道路が余震で崩壊し、裏手に回ると死屍累々の惨状が広がっていたり、余震で団地が水の中に沈み、直前まで親しくしていた人達が全員行方不明になる(おそらく死亡)といった衝撃のイベントが用意されている。
    • 登場人物にもクセのある人物が多い。特に行く先々で詐欺を繰り返す偽店長熊沢等、良くも悪くも印象に残る。
      • ただ、殆どのキャラは悪い印象に偏っているが…(後述)。
    • 作中では老若男女問わず、多くの人々が亡くなる*3。モブも潰れた家の前で泣き崩れていたり、助けられなかった家族を悼んでいたり、行方不明の家族を探していたり、疲れ切って駅の階段でしゃがみこんでいたりと、沈痛な雰囲気が伝わってくる場面もある。
      • 一方で被災地の様子を携帯カメラで撮影したり、火災現場に野次馬に現れるモブも多数登場し、悪い意味でもリアリティ溢れる街並みが見られる。
    • 「ラジコ」で流れるニュースの内容は現実さながらの臨場感がある。前作まではラジオが置かれている特定の場所でしか聞けなかったが、今回は「ラジコ」のおかげでいつでも使用可能なので、被害状況をリアルに把握する事ができる。
      • 地震発生直後は数名の死者数しか発表されないが、数日後には犠牲者の数が数千~一万人規模に跳ね上がっていく様子は「阪神淡路大震災」や「東日本大震災」で見られた傾向とそっくりである。
      • 余震が起きれば、それに応じて「今も強い揺れがありました」などと反応があるのも、またリアルな演出である。
    • 前作までは通過したエリアは崩落・水没してしまい、最後は被災地が海に完全に水没して終わりだったのに対し、今回は瓦礫の撤去や店舗の営業再開など、復興への歩みといった従来には無い描写もされるようになっている。
  • 飯田舞による主題歌
    • 最早アイレム、グランゼーラの歌姫と言っても過言ではない飯田舞による主題歌・挿入歌が複数用意されており、『3』『巨影都市』と同様、イベントシーンなどの随所に挟まる事で、被災地で荒んだシーンの清涼剤となっている。
    • ただバックに流れるだけではなく、路上でミュージシャンが歌っていたり、避難所のラジオから流れてきたりと、効果的に演出されているシーンもある。
    • 本作挿入歌の一つ「約束の日」はPS3版時代のPVから使用されていた曲であり、一時期は幻の曲と呼ばれていたが、後に飯田氏のアルバムに収録されるなどで日の目を見るようになり、本作にもめでたく収録となった。
      • 発売当初は主題歌が流れる中で選択肢が登場し、歌をぶつ切りにされて水を差される状態だったが、アップデートで改善された。
  • より実用的な防災マニュアル
    • 今回は前作で担当していた防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実に加え、神戸市消防局の協力により更に充実且つ参考になる分量が用意されている。今作で追加された災害時のトイレに関する注意や、「阪神淡路大震災」を経験された消防士による写真付きの手記など興味深い内容が多い。
    • また、前作のように入手の度に見るか聞かれることはなく、閲覧は好きな時に行える。聞かれるものも無くもないがごく一部である。
    • アップデートにより、スマートフォンアプリとして独立し、ゲームを起動せずとも手軽に内容を確認が出来るようになったのでより実用的になった…のだが、内容を充実させるには問題点だらけのこのゲームを隅々までやり込む必要がある。
  • 後述するように内容は問題だが、終盤の展開を二つ用意した事自体は評価できる。
    • 前作までは、終盤になるにつれて災害ゲーである事を忘れたような陰謀やそれを阻止する展開になってしまう事が批判点としてよく挙げられたが、今回は陰謀を阻止するルートと、最後まで被災地を描くルートの二つが用意され、クライマックスに幅が出来た。
  • ゲーム自体の難易度が低く、特殊なテクニックを要求される事もないので短期間でトロフィーコンプリートが出来る。プラチナトロフィーも入手可能。
  • 『巨影都市』で問題だったロード時間も改善されている。
    • マップ移動時に入るロードは(マップが狭いのと、『巨影都市』のように巨大な敵が存在しない為でもあるだろうが)かなり短くなっており、死亡時は少々長いが『巨影都市』に比べれば早く再開する事ができる。
    • ただ下記を見れば分かる通り、本作が『巨影都市』に勝っているのはこれぐらいだが…。

問題点

形骸化したシステムの数々

  • 本シリーズは「乾き」や「体調」などのパラメーター管理と言った様々なシステムを取り入れてサバイバルの雰囲気を演出し、様々なアクションを駆使して崩落や水没、火災などの主人公を襲う絶体絶命の危機から逃れながら生き抜くゲームである。
    • 対して本作は、上述したように被災地の状況に焦点を当てた作りになっており、アクションよりも人との関わりに重点を置いている為か、新要素として大々的に発表されたパラメーター管理や、旧作から受け継がれたシステムはことごとく簡略化され、上辺だけの無意味なものと化しており、シリーズ作品としては勿論、単純にゲームとしてもつまらないものにしている。
      • また、上辺どころかバッサリ切り捨てている恒例要素すらある始末で、かと言ってそれに代わる新たな面白さを提供できている訳でもない。挙句、重視したはずのストーリーまで後述する有様である。
  • 欲求パラメーターである「腹具合」「のどの渇き」はいくら放置しても生命が脅かされる心配が無い。一作目の時点からパラメーターが下がるとライフが減ったり運動能力が落ちていくといった要素があったのだが、本作ではそういった事は一切ない。従って、旧作のような生き抜くためのパラメーター管理の戦略性、被災地の緊張感と言った本シリーズの売りが早々に潰されている。
  • 新要素の「排泄欲求」も、実はパラメーターが減ってもゲーム進行にデメリットは無い。主人公がうめくだけの謎要素と化しており、極限まで我慢しても粗相してしまうといった事は一切ない。
    • 開発中止となったPS3版では、排泄欲求は解消しないとストレスが溜まっていくというシステムが発表されていた。我慢し続けるとストレスが溜まり、ライフゲージが減っていくというリアルな設定で、新システムがしっかりサバイバルに結びついたものだったのだが、何故実装されなかったのか。これでは寧ろ「絶体絶命都市4Minus」では…?
  • 極端な話、一週間飲まず食わずでトイレに行かずとも全く問題がない。従って、食料も水も買ったり探したりする必要は全くない。用足しとストレスがシステムとして組み込まれているのに意味が無いという点ではあれこれにも劣っている。
    • それでも真面目にパラメーターに気を使おうとすると、今度は全然食料が手に入らずに使用できるトイレも少なく、バランスがとれているとは言い難い。
      • 災害なので自由に欲求を満たせるわけではない点ではリアルなのだが、新システムが形骸化してゲームをつまらなくしたのでは元も子もない。マップやシナリオの工夫次第でどうにか出来たのではないかと思わざるを得ない。
      • 災害ゲーなのだから、携帯トイレを使用可能にすると言った要素でも入れればゲーム性が増し、被災時の参考としても活かせただろう。せっかくの新要素でありながらストーリー上で触れられる事もなく、効果もないので女性主人公の喘ぎ声を聞く以外に何の意味もない要素となってしまった。
    • また、「時間の経過で悪化する」とは言っても旧作のパラメーターのようにリアルタイムで悪化するのではなく、イベントを起こしたりマップを移動するなどでストーリー中の時間を進めなければ変動しない。この仕様では仮にパラメーターに意味があったとしても「迅速な行動が要される」「アイテムの使い所を考える」と言った戦略性は望めず、ゲームの面白さに貢献出来たかは怪しい。
  • アクション自体も大幅劣化。本シリーズは基本的に主人公は一般人らしからぬ身体能力を持たずにリアリティを重視したと作りとなっているが、本作の場合は簡略化され過ぎた結果、不自然さや主人公の超人ぶりが際立ってしまっている。
    • 前作までは高所から飛び降りるとダメージを受けたが、今回はダメージどころか着地モーションすら無くなった。その為、主人公が人を背負いながら二階ぐらいの高さから飛び降りても膝を曲げすらしないという非現実な描写に。
      • これが最初に実感できるのが、序盤の崩れたビルから脱出するシーン。軽々と階下に飛び降りていく主人公の姿は今後の展開を不安視させる。従来ならぶら下がりながら少しずつ降りて行ったものだし、『2』ではその事をチュートリアルでしっかり説明されていた。
      • 『巨影都市』では飛び降りの機会自体が殆ど無かったが、それでも着地モーションはしっかりあった。何故そこから退化するのか。
    • ぶら下がり、しがみつきと言ったサバイバル感のあるアクションも、それを必要とするようなシチュエーションも無くなった。ジャンプすらも出来なくなったため、穴や段差を飛び越えるシーンも皆無である。本作では災害から逃げる際は平地をただ走るだけが大半となる(そもそも災害に襲われるシーン自体少ないが)。
      • そんなゲーム性を象徴するように、オンラインマニュアルには「走る」事を「速い速度で建物の崩落などから逃げることができる頼もしいアクションです」という、間違いではないが大袈裟な解説をしている。確かにぶら下がりもしがみつきも出来ず「叫ぶ」も「ふんばり」も役立たずなので有用なのは「走る」ぐらいだが、ただ走るだけのことを「頼もしい」と表現するゲームは本作ぐらいだろう…。
      • 自分の身長より少し高い程度までの段差は旧作同様によじ登れるのだが、殆ど力む様子も無く腕の力だけで軽々と、腰の高さまで体を持ち上げている。脚力のみならず腕力も常人離れしている模様。旧作はしっかりと力む描写があったのだが。
  • 余震やストレスでダメージを負う事はあっても、ごく一部を除いてライフは1でとどまる為、即死しない限りは死なない。ライフが僅かになると待機モーションが変化するが運動能力も下がらないので緊張感も何もない上に、死んだとしても直前からリトライできるのでペナルティはほぼ無い。
    • あるマップでは崩れたブロック塀に巻き込まれる、割れたガラスが降って来ると言った非常に危険なトラップもあるのだが、これらも悉く致命傷に至らない。危機感も何もあったものではない。
    • 旧作同様、初見殺しは多いものの、アクション要素が極めて薄い本作では一度知ってしまえば簡単に回避できる。旧作のように回避が難しく、何度もリトライして突破口を探すようなポイントも皆無。そしてリトライによるペナルティも無いも同然なのでゲーム自体の難易度は極めて低い。
      • その初見殺しも初日~2日目最初のエリアに集中している。以降はそれすら殆ど無くなり、あとはゲームオーバーも殆ど見る事なく、おつかいイベントと不快なストーリーを繰り返すだけになる(後述)。
    • 余震が起こった場合、「ふんばる」事で転倒を防止し、ダメージを防げるが、そもそもライフ1で転倒しようが死なないのでほとんど意味が無い*4。むしろ、ふんばる事で咄嗟の動きが出来なくなり、建物の崩壊に巻き込まれてゲームオーバーになる事の方が多い為、大抵はふんばらない方がいい。
    • 一応、燃え盛る炎に接触するとダメージを受け、死亡もするのだが、ダメージが非常に少ない上に最初のマップの、それも通り道に関係ない場所に一か所存在するだけなので、存在を忘れる。火災旋風まで起こった前作とはえらい違いである。
      • こんな有り様なのでストレスゲージもほぼ意味がなくなっている。そもそも今回のストレスゲージは非常に上がりにくい為、前述のライフの仕様が無かったとしても、存在意義は極めて薄い。
    • セーブポイントの休息でストレスが0まで解消される他、ステージが進むと特に理由なくライフが全快するので、回復に気を使う必要すらない。食料どころか回復アイテムまで無用の長物に。
    • 後半の大勢の追っ手に追われるシーンでは、追いつかれると攻撃されてダメージを受けるのだが、さすがにここでライフが尽きれば死亡する。
      • しかしわざと立ち止まりでもしない限り攻撃は受けないし、一発二発喰らった程度では死なないので、緊張感が薄い。旧作では敵から逃げるシーンでは大抵、追いつかれると即死だったのだが…。
        勿論、『巨影都市』のような回避コマンドも無い。
    • 水の中、しかも生活汚水に潜るシーンもあるが、酸素ゲージと言ったものは無く、潜水中はストレスがゆっくりと増えるだけでしかも一定以上は増えないので何時間でも潜っていられる。
    • つまるところ、本作での死因の9割は「地震や転落かイベントの射殺による即死」で、残りは「ボートの耐久力がなくなって沈没」か「わざと暴徒や火事に突っ込む」ぐらいしかない。元々ライフに関係なく死ぬ事が多いシリーズだが、本作ではライフゲージの意味はないに等しい。上記のアクションやパラメーターと合わせて、やはり主人公が超人化してしまっている。
      • 『巨影都市』の使いまわしとは言え死亡モーションは複数用意されているのだが、大抵の死因は転落か生き埋めなのでそれを見る機会は殆ど無い。しかも生き埋めの際には場所によっては「ゆっくり膝を付いて倒れる」モーションを、瓦礫をすり抜けて取っている様子が見える事がある。なぜこれを持ってきた。
  • 叫ぶボタンがあるが誰も反応してくれない。
    • 前作までは特定のシチュエーションで必要だったり、人が反応してくれたりしたのだが、今回は反応してくれる人が全くいない為、意味のないボタンと化している。オンラインマニュアルには「叫び声を聞いた人々が主人公の存在に気づいたり、助けを求めてくることがある場合もあります」と書いてあるが、嘘である
    • ストーリーは様々な被災者と知り合いながら進んでいくため、本来ならば必要となるシチュエーションも多く、実際に助けを求める声が聞こえてくることもある。しかし、こちらが叫び返しても誰一人反応を示さない。それどころか助けを求めている人の近くや、見つかると即射殺されるような輩の近くで絶叫してもガン無視である。
      • 例えば初日の場合、一定間隔でヒロインの弥生が助けを求める声が聞こえ、弥生に近づくにつれて声が大きく聞こえるようになるといった演出がある。しかし弥生の声は完全に一定の感覚で聞こえるのみで、こちらの叫びにも反応しない。こちらが叫んだ時に即座に弥生の声が聞こえるようにするだけで、叫ぶアクションに意味が生まれたのだが…
    • 唯一反応があるのが、とある監禁シーン。縛り上げられて、犯人の隙をついて逃げるのだが、逃げる最中に叫ぶと「うるせぇぞ」と怒られた上にスタート地点に戻されるというペナルティを受けるだけ。
      • 現在は修正済みだが、発売当初は死屍累々の高速道路の下で叫ぶと死体が顔をあげるホラー現象が起きていた為、ちゃんと反応させる予定があったのかもしれない。
    • 今作の新要素として、移動しながら叫ぶ事が可能になり、また、R1ボタンを押しながらだと腹の底から絶叫する。だが意味は全く無い
  • 『1』のように衣装が破れる、包帯を巻くといった要素もなく、常にピカピカの服を着ている。ハードの性能が上がって旧作よりも遥かにリアルになった事で余計に目立っている。
    • パッケージや公式サイト、PVなどでは「服が破れて足に包帯を巻いた女性主人公」が度々描かれているが、肝心のゲームではそんな深刻さは無い。
      • しかもそのボロボロの主人公は一部PVやスクリーンショットではさも作中のシーンのように映されている為、ある意味プロモーション詐欺である。ゲームでこの主人公が見られるのはタイトル画面だけである。
    • 着替え可能になった『2』『3』でも服が破れる演出は無かったが、『2』では濡れ演出があり、『3』にも顔に汚れが付く位の表現はされていた。『巨影都市』ではダメージによる服の破損と濡れ、顔の汚れの演出がしっかりあった。しかし本作ではそう言った演出は一切無い。
    • 本作では化粧することが出来たり、お面をかぶったり出来るので、顔を汚すといった演出がし辛くなったのかもしれないが…。災害ゲームとしては優先させるものを間違っている。
    • 同行者の着せ替えも当初は全く不可能だったが、現在はアップデートにより、ヒロイン二人の着替えが一部シチュエーションにて可能になった。しかし、着せられるのは強制入手の衣装のみで極めて限定的。『2』や『巨影都市』のように色々な衣装を着せて遊ぶ事は出来ない。
      • しかも着せられるのは、コンビニ店員の服に白き衣の会の勧誘員(白シャツとジーンズ)という、お洒落も色気も無い衣装ばかり。確かに状況を考えれば現実的だが、他が非現実的な要素ばかりの中でこんな所をリアルにしても中途半端なだけである。
  • 複数のアイテムを組み合わせる「組立」と「分解」は今回も可能だが、使用機会は殆ど無い。普通にやっているとストーリー中に必須の2回しか使わず、しかも1回は終盤の片方のルートなので、場合によっては1回しか使用せず終わる。「分解」に至っては使い道が無い
    • ストーリーに関係ないアイテムとして懐中電灯と工事用ヘルメットを組み合わせて「ライト付きヘルメット」を作る事も出来るが、その程度。入手時期的に実用性も乏しく、そもそも序盤に懐中電灯を取り逃していた場合は気付きすらしない。
      • 懐中電灯自体は隅々まで探索すれば割と簡単に見つかるが、見逃す可能性も十分ある場所にある。過去作や『巨影都市』では通り道の目立つ場所にあったり、必ず入手させられたりと言った親切設計になっていたのに。
      • 挙句、ライト付きヘルメットはライトが点かないという不具合が長らく修正されなかった始末。その御蔭で元に戻す為に「分解」に価値が生まれていた。
  • 上記システムのせいで食料と水、回復アイテムが形骸化したため、非常用バッグはコスチュームコレクターのトロフィー獲得の為のコスチュームばかりが入る衣装ケースと化す。
    • また、容量が大きいバッグになるほど、巨大なカップヌードルギターといった変なバッグばかりになる為、実用性を重視した場合、イベントシーンの雰囲気がぶち壊しになる。しかも発売当初はバッグの切り替えが出来なかったため、変なバッグでのプレイを強要された。
      • 旧作ではバッグはあまりネタに走っておらず、無論、大容量のバッグが変という事も無かったのだが。そして切り替えも自由だった。
    • アップデートにて、切り替えが可能になったが今度はアイテム所持上限は装備しているバッグの容量ではなく、所持しているバッグを総合した容量で決まるという仕様になった為、真っ当なバッグに切り替えることで雰囲気を壊さずにプレイできる。…が、リアリティの面ではこの上ないツッコミ所になってしまった。
      • おそらく実用性を気にせず見た目をカスタマイズ出来るようにという事だろうが、災害ゲームとしては優先させるものを(ry

問題だらけのゲーム面

  • 乗り物の問題
    • 『2』以来の登場となるボートだが操作性が悪化しており、ラジコン操作、旋回能力が低い、移動中にカメラを旋回出来ない、といった三重苦で非常に操作しづらく、操縦に時間がかかる。
      • 特に二日目のえにしだ団地は終始ボートで移動する事になる上、アイテムを探して水上を往復する事になるので非常にまどろっこしい。イベントをクリアする時間以上にボートを漕がされる。しかもぶつかるとボートがダメージを受ける障害物がそこかしこにあり、ボートの耐久力がなくなると沈んでゲームオーバーになってしまう。
    • スクーター、オートバイはただ一本道の少し先にある目的地に進むだけで、『2』のタクシーや『巨影都市』のオートバイのような障害物を避けたり急いで駆け抜けるシチュエーションも無い単調なもの。しかもすぐに降りるので、わざわざ入れる必要を感じない。
      • イベント面でも、後述する高速道路崩落のシーンや、終盤の交差点のド真ん中に乗り捨ててあるバイク勝手に拝借するという不自然な展開など、バイク関連は常に突っ込み所が生じている。『巨影都市』では自然な流れに出来ていたのに何故…?
      • なお、このバイクに関しては何も語られない為、都合の良さも然る事ながら、本当に乗り捨てられたのかも分からない。ただ停車しているだけかもしれないのに主人公は何の躊躇いもなくそれで出発してしまう。勿論、移動後は乗り捨てる。
      • とある配信動画ではオートバイで走行中にカラーコーンに激突した際にオートバイごとその場で1回転半して頭から着地、逆立ち状態で動けなくなるというあまりにもシュールなバグが発生した。「乗り物をその場で立て直す」というコマンドで通常の姿勢に戻すことができる が、ひょっとしてこのコマンドはこのように操作不能になるバグを解消できないから入れたのではないか…?
  • 女性主人公の扱い
    • パッケージやWebマニュアル、公式サイトにPVと、いずれも女性主人公がクローズアップされており、今回は珍しく女性主人公を基準としたシナリオなのかと思わせるが、実際はいつも通り男性主人公準拠であり、相変わらず性別による違いがほぼ無い為、女性主人公だと違和感のある展開が今回も散見される。
      • 体験版も女性主人公しか選択できない。公式サイトの登場人物紹介でも女性主人公が先で、説明文も「彼女は」「男性主人公も選択可能」などと女性主人公前提で書かれているが、主人公の性別選択もカーソルの初期位置は男性。スタッフロールの声の出演も男性主人公が一番目である。
    • 前作に引き続き、女性を相手におどける百合表現が多数登場する。特に本作では出会う女性を片っ端から口説いたり、平気で結婚やキスをねだったりできる。
      • 今回もまた同行者はヒロイン(女性)しか存在せず、そもそも序盤の1~2時間のうちに若い女性を4人*5も助けて交流を持つという、ギャルゲーかと言うような展開が続く為、必然的にそういった選択肢に遭遇する事になる。
      • 一応、霧島社長やダニーなど男性に告白する選択肢も存在するが、あってないようなもの。男性同行者もおらず、女性主人公自身がヒロインになるような乙女ゲープレイはやはり想定されていない。主人公の性別を選択可能にはしても、普通の女性プレイヤーの事は考慮していないのは相変わらずである*6
        ちなみに告白選択肢は男性主人公にもある
    • 選ぶかどうかは自由だが、食料と引き換えにセクハラされそうになっている女の子を救う為に代わりに自分の体を触らせるといった性的嫌悪を感じる選択肢も存在する。
      • 但し、本当に触らせるわけではなく、触らせるとみせかけて目を瞑らせた隙に食料をパクる。(元は相手が悪いとは言え)盗みには走る訳だが。しかもプレイヤーの意志に関係なく勝手にパクる。選択肢に「触らせるフリをして盗む」とでも書いておけば良いものを。
      • 男性主人公でも可能だが、さすがにドン引きされその間に食料をパクる。
    • また、女性なのに小便器に立ち小便をしたり、アップデートで修正されたもののレオタードに男性器のような膨らみがあったりと残念過ぎる設定で萎える事が多い。
    • つまる所、従来通り男性主人公ベースで開発しておきながら、プロモーションでは女性主人公の方を押し出したという事だろう。
      • PS3版時代のプロモーションでは男女両方の主人公が描かれており、PS4版発表当初のスクリーンショットに映っていた主人公も男性だった。現在の女性主人公推しは急な方向転換だった事が窺える。
  • ストーリーに影響を及ぼさない悪行、善行ポイント
    • 悪行、善行ポイントはトロフィー獲得以外には全く意味が無い。意味ありげにシステムとして用意しておきながら、ポイントに応じて展開やエンディングが変化するといった要素も無い。
    • そしてトロフィー獲得の条件は「悪行および善行ポイントの合計が1000を超える」というもの。善行ポイントは得られる箇所が少なく、悪行ポイントの方が遥かに溜まりやすい為、トロフィー獲得の為には積極的に悪行にいそしむしかない。
      • 悪行ポイントは溜まりやすい上に大金やアイテムを入手出来る。極め付けにはその報いを受ける事が無いのでメリットしかない。ゲーム内に存在する様々なアイテムを買う為にも積極的に悪事を働くことが推奨され、最も意味が無いのは善にも悪にもならない普通の選択肢となる。
      • 序盤から到底手の届かない金額のアイテムが売られたり、衣装コンプリートにコスチュームを大量に購入する必要がある為、これらを購入するには必然的にお金が必要となる。問題は悪事を働くか、手持ちのアイテムを売る以外にお金を手に入れる手段がないという事。人助けのお礼ではせいぜい消費アイテムぐらいしかもらえないので善人プレイではほとんどアイテムを購入できない。
      • 主人公の所持金やアイテムの価値で総資産が決まり、一億円以上にすることで獲得できるトロフィーもあるのだが、当然ながら悪事を働かなければ達成できない。
        『巨影都市』ならばわらしべ長者的に億万長者になるというシュールで笑える設定だったが、本作では人を騙したり、ふっかけたりして億万長者になるので笑えない。それにクルーザーや不動産を要求するとあっという間に達成出来るのでやり込み要素ですらない。
    • また、悪行と善行の基準が非常に曖昧。客観的に見て悪事を働いたので悪行ポイントが加算されるのではなく、主人公の主観で決められるので、プレイヤーと主人公の意識の差が大きく感じられるだけの要素になっている。
      • 例えば明らかに火事場泥棒をしようとしている熊沢にバールを渡して手助けすると善行ポイントが入ったり、宗教団体に被災者を勧誘する度に善行ポイントが溜まる一方で、ひどい扱いを受けた際に少し悪態をつくだけで悪行ポイントが入るなど、
      • 選択肢次第では宗教団体の活動資金3000万円を自分のものにせしめる事も出来るが、「あくまで借りるつもりで持っていく」事も可能。この場合1ポイントも悪行ポイントが入らない上に一切返さずその後のペナルティも無いが、ゲーム的には悪行ポイントが入らない事がペナルティとなっている。着服した上で悪行ポイントも手に入れるのが最適解である。
      • 相手の弱みに付け込んで大金をせしめてもなぜか悪行ポイントが増えない事の方が多い。イベントによっては増える事もあるが、同じような事をやっているのに挙動が違うのでますます意味不明に…
      • ストーリー上で意識せずに犯罪を働いた場合も、悪行ポイントは加算されない。最終的に悪行ポイントが0だとしても、作中では贈り物を届ける依頼を受けておきながらお金だけ着服し、後で返すつもりで3000万円を懐に入れ、タダで手に入れたチケットを10万円で売るといった事をやっている場合がある。最低でも「路上のオートバイを勝手に拝借」は必ずやっている。立派な悪人である。
    • そしてトロフィーは一度取ってしまえばそれまでなので、取得以降は善悪ポイントは完全に意味を失ってしまう。自分の行動の指標にしようにも、基準が曖昧過ぎるのでそれすら出来ない。
    • ストーリーに必須な行動なのに、大量のポイントが設定されているシーンもあるため徹底した善人(悪人)プレイは出来ず、いずれも中途半端なプレイにしかならない。
  • 数が多いだけの選択肢
    • シリーズ伝統の豊富な選択肢は健在だが、今回はとにかく選択肢に意味が無い事が非常に多い。言い回しが違うだけですべて同じ結果になるか、まったく無視されるかしかない。後述するストーリーの質の悪さにもつながっている。
      • 数は多くとも大半が言い回しが少し違うだけなので文言が少し違う「はい」が大量に並んだ選択肢の中に「いいえ(選んでも進まない)」が一つだけ混ざっている、或いは全部「はい」のようなものである。選んだことによって展開が変わる場面が非常に少ないので、旧作のような選ぶ楽しさが失われている。
      • 意味があると言えば、サブイベントなどにおけるアイテムや金、善行・悪行ポイント ほとんど空気な主人公の肩書き への影響だけである。
    • ファンに人気だったネタ方面に関しても、登場人物にドン引きか無視しかされないのでつまらない、空気を読まな過ぎてプレイヤーの方が辟易するなど、負の面ばかりが強調されてしまっており、存在意義が疑わしくなっている。
      • アホ選択肢にノリのいいツッコミを入れてくれるキャラが旧作より少ないので、1人でふざけてスベっているだけにしか見えずただ痛いだけのシーンになりやすい(それを面白がるプレイヤーもいない訳では無いが…)。
      • シリーズ過去作、パチパラシリーズ収録の『パチプロ風雲録』、『巨影都市』などでは、選択肢次第で主人公が大きくアクションを取ったり、身体を張る事もあったが、本作は軽い身振り手振りと共に一言呟くだけの味気ないリアクションばかりである。しかも後述する通り、そのモーションも使い回し。
      • また、今回はイベントシーンの作りの関係なのか妙な「間」があるので、どんなネタ選択肢を選んでもどこかスベった空気が付き纏う。同じ仕様の『巨影都市』ではモーションや演出を個々に作り込んで面白さを出せていたのだが…。
    • 選択肢自体、おふざけが過ぎたもの、悪ノリが逆につまらないものが目立つ。特に今回は(一応)リアルな被災地を描くという作風なのに、ふざけた選択肢が多過ぎて笑うどころか萎えるばかり。いくら人気要素でも度が過ぎると不評を買ういい例である。
      • 極め付きが後述の比嘉先生に対する選択肢である。これも嫌でも選択肢が目に入って来る為、ファンにとっては嫌悪感を感じる要素となっている。
    • 選んだ文章が即座にオウム返しされるだけといった意味のない選択肢も多い。ボイスがある場合はまだ声優の演技が楽しめるだけマシだが、今回はムービーのイベント以外はごく一部を除いてボイスが無くなっており、本気で意味が無い。
      • ゲーム開始時など、大地震が発生した時にあなたならどうするか?といった心理テスト的な選択肢が出てくることがあるが、選択肢が多いだけで何の意味もない。選択肢を選ぶことによって演出や主人公のパラメーターが変わるといった事もなく『2』のように選んだ選択肢が後で回想される事もない。
      • 「走る、押すなどの行動の最中に頭に思い浮かべる事を選ぶ」などという必要性が微塵も感じられない選択肢もちらほらと。かといって選んだ選択肢に応じた特殊な反応がある訳でもなく、「○○を考えながら××する事にした」などとオウム返しされるだけ(もちろんボイス無し)。
  • 自由度の低さ
    • 選択肢だけではなく、メインストーリーの自由度も乏しい。最後以外のシナリオは完全に一本道。最終日を除けばルートやエンディングの分岐などは一切無く、決められたイベントを起こして決められた展開を決められた通りに進む事しか出来ない。旧作にあったような小さな分岐すらも無く、アクション要素も廃されているので、ステージ攻略の自由度も失われた。
      • その為、シナリオの展開に納得いかずとも拒否権はない。見るからに怪しい宗教団体に勧誘されても、拒否すればゲームが進まないので、入信せざるを得ない。そのため、主人公はプレイヤーの分身でありながら意志に反する選択肢ばかりを選ばされる。
      • 罵倒や嫌がらせを受けた際に限って、言い返したり相手に思い知らせてやるような選択肢が出ない。特に後半は後述するような有様なので、ひたすら言いたい放題、やりたい放題を受け続ける苦痛に耐えなければならない。
        怒りをぶつける選択肢が出る相手も大抵は善良な人間である。これでは怒る相手を選んでいるだけの小物にしか見えない。
    • グランゼーラ設立時の挨拶では、「プレイする人が、ゲーム側が決めたことを押し付けられて否応なくゲームを進めるのではなく、自分の感情をゲームに反映できるもの」を目標の一つとして掲げていたが、本作は「自分の感情は悉く無視され、ゲーム側が決めたことを押し付けられて否応なくゲームを進める」のが実状で、やっている事がまるで逆になってしまっている。
    • 仮設トイレに並ぶ行列もあるが、長グソなのでピクリとも動かず、ただの背景と化している。排泄欲求に意味を持たせ、行列待ちも出来れば災害ゲームとして臨場感が出たのだが…。
      • 同様に配給所で食料をもらったり、『1』であったように命を繋ぐために水を探したりする事もない。被災地であるゆえのオープンワールド的な自由度は皆無である。
  • 主人公について
    • よりプレイヤーの分身として設定しようとしたのか、今回の主人公はキャラクター性が極力排除されており、細かいところまでプレイヤーに委ねるようになっている。ある程度は自発的に喋ったり、反応を示していた旧作や『巨影都市』の主人公達と比べても、キャラクター性が薄い。
      • それ自体が悪い訳ではないのだが、数が多いばかりで意味の無い選択肢、自由度の低さやストーリーの質の悪さといった要素が合わさって、とにかく主体性が無く周りに流されるばかりで、明確なビジョンも無くその場の流れで被災地を無感情に歩き回るだけの虚ろな人物になってしまっている。前作ではパートナーが引っ張ってくれたのだが、今回は一人で行動するシーンも多いので、余計にそう思えてくる。
      • ストーリーにはプレイヤーの意思は殆ど反映されず、流されるまま「ストーリーを進めるための行動」を取らされ続ける。しかもその多くが理解に苦しむ行動だったり、プレイヤーの意に反するような事なので、自己投影もまるで出来ない。
    • 本来、シナリオで用意すべき主人公のバックボーンまでプレイヤーの手に委ねられており、それにまったく意味が無い為、物語への吸引力が失われ、ただ主人公の立場を抽象的にするだけの要素となってしまい、物語へ感情移入しづらくなってしまった。
      • 町に来た理由をプレイヤーが選択肢で決められるのは前述の通りだが、ストーリー上では「面接に来た」事を想定しており*7、それ以外の理由で来た場合は整合性が合わずに困惑する。初期衣装もスーツ姿で固定で、『巨影都市』のような衣装変化も無い。言ってしまえば、就活で来たのに自分の頭の中で勝手に理由を変えているだけである。理由は固定した方が余計な混乱を招かずに済んだのだが。
      • 主人公自身がどこからやって来たのかもプレイヤーの手で決めるが、物語には絡まない上に全く描写がなく、主人公も積極的に帰りたがるような素振りを見せないので帰りたいとは思えない。
        なのに作中では特に理由もなく関係のない会社や店の中を歩き回ったり、時にはトイレの窓から外に出るといった無茶な行動をとるが、何故こんな事をしなければならないのかがまるでわからない。本作のキャッチコピーの「必ず帰るから…」も全然説得力が無い。
    • いくら選択肢を自由に選べると言っても、肝心のシナリオ上では意思に反する行動ばかりを強要される時点でプレイヤー投影型の主人公としては失格である。加えて下記に詳細を記すが、ストーリー上で酷い扱いを受けたり、しまいには主人公自身が勝手に犯罪を犯すのでゲームが終わる頃には感情移入したくなくなる
    • 前作に存在した性格の概念がなくなった為、その場その場の選択肢で声のトーンがころころ変わってしまい、同一人物に思えない。
    • 目の前の人や物事に抱く印象までいちいち選択肢で聞いてくるので、面倒なのに加えて、ただ選んだ選択肢を機械的に喋っているだけにも見える。
      • 目の前で大惨事が起きても、プレイヤーが選択肢で選ばない限り動じたり反応したりしない。全編を通してドライなので余計、感情移入し辛い。
      • 死体を発見した時の反応すら聞いてくる。選択肢で選んで悲鳴を上げても、わざとらしく機械的な印象しか湧かない。『3』では選択肢を出す前にまず「し、死んでる…!」と驚いたり、ストレスゲージが上がる表現があったのだが。
      • 主人公が遭遇するあらゆる事象に対してプレイヤーの感情を表現できるようにしたかったのだろうが、力の入れ所を間違えている上にそれも空回りしている。
    • 旧作同様、地図上には付箋が貼られて主人公のコメントを見られるのだが、淡白で短いものばかりになってしまった。マップ上のオブジェクトを調べた際のコメントも殆ど無い。
    • 立場が抽象的、服は破れない、基本的にドライ、行動が行き当たりばったりと、緊張感を削ぐ要素ばかりで、大災害の被災者にはまるで見えない。
      • 特に女性主人公は声が全体的に落ち着き過ぎている。担当声優は『ボンバーマンジェッターズ』や『Get Ride! アムドライバー』など多くの作品に出演してきた水野理紗なので演技自体は良いのだが、頻繁に入る「そんな○○を見て私は…」などのモノローグは教育番組のナレーションのような落ち着きぶりで、まるで他人事である。
        逆に男性主人公の声は終始緊迫した感じだが、実際の作中の行動がここで述べている通りなので、せっかくの演技が台無しにされている。
      • 『巨影都市』の主人公は理由があって御都合主義的な補正がかかるのだが、今作の主人公はそういう訳でもないのに形骸化システムの所為で超人化しているので尚更緊張感が無く、これもまた物語に感情移入しづらい一因に。
      • そのくせ、建物が傾いて滑ってきた机に接触したら死亡など、変な事で即死するポイントもあったりする。頑丈なのかひ弱なのか…。
  • おつかいイベントの多さ
    • サバイバル要素やアクション要素がほぼ全て排除された為、基本的にはマップの中を動き回るおつかいイベントしか存在しない。
      • 特に後半になると何重にもおつかいイベントを強いられる上に、余震も少なくなるのでより気を張る必要がなくなる為、戦闘も成長システムもなく、延々おつかいイベントしかないRPGをやらされているような気分になる。加えてお使いの末に展開されるストーリーは後述するようにイライラするものばかりなので非常に苦痛。
      • 一例として、塞がれた道を通る為には孤児院を抜ける必要があり、それには花が必要だが、花は川に咲いており、川に行くにはスナックを抜けなければならず、スナックに入るには店主の許可が必要で、それには理髪店の店主を助けてやる必要があり、それには焼け跡からハサミを探して(ryと終始グダグダで意味の無いお使いをやらされる。こんな面倒くさい手順を踏まされるのならばさっさと道をふさいでる電柱ぐらいくぐりぬけて欲しいものだが…
    • それに加えて、後述する目的のわかりにくさが面倒さを助長する。
  • 目的のわかりにくさ
    • 主人公が行き当たりばったりな上に一人で行動する事が多いので、何をすればいいのかが全く分からずに進行を妨げられることが多い。旧作なら「○○に行ってみるか」「○○しないと」などと独白が入る事があったが、今回はそれもほぼ無い。
      • 町の人の話はどうでもいい事ばかりで参考にならない上に、困っている人を探そうにも叫ぶアクションは使い物にならないのでとにかくマップの隅から隅まで「頼もしいアクション」で走り回ってイベントを探す必要がある。
      • 「次は○○しよう」と逐一教えてくれるシーンもあるが、それは後述する罵倒と嫌がらせと詐欺に塗れた「奇跡の水編」である。つまり、提示される指示に従って不快なイベントを回らせられる形で進行する。拒否権など勿論無い。
    • 前半のうちは正解に近づくと余震が発生するので、余震が起こるとむしろ安心してしまうという、災害ゲームにあるまじき事態になる。しかし後半になると余震すら起きないので…。
    • そのマップで起こるイベントをすべて終えても知らされる事はないので、ストーリーをクリアしているのにも気づかずに延々とマップを探索する事も多い。
    • 良く言えば「あれこれ指示されず自由に探索できる」…と言いたい所だが、ストーリーは完全一本道で自由度は皆無のため、結局は指定されたイベントを回らなければならない。つまりただシナリオの誘導力が弱いだけであり、それどころか主人公の行動の説得力を欠くばかりに。
  • 探索のテンポの悪さ
    • 頻繁にドアを開けるのにもかかわらず、開けて移動する動作が遅い。ドアの前に立ち止まる、ドアノブを回して開ける、中に入るという一連の動作に5秒ほどかかる。
      • ドアに鍵がかかっている場合は、まずドアノブを回して施錠されている事を確認し、「鍵がかかっている。」「〇〇の鍵を使いますか?」とメッセージが挟まる為にさらにテンポが悪化する。
      • 当然ながら『3』や『巨影都市』のようなドアを体当たりでぶち破るシチュエーションも無い。
    • また、「ラジコ」を流しながら探索している場合、人に話しかけたりドアを開ける度に音を切られるので次第に耳障りになって来る。
    • 人に話しかける際も接触するとたじろがれてしまい、体勢を整えるまでは話しかけられない。話しかけるカーソルの精度も悪く、話しかけようとして当たってしまう事もしばしある。
    • 同行者がいる場合、壁や建物の外にいるのに話しかけることが出来、物を調べる際の邪魔になる。
  • 演出の簡素さ
    • グラフィック、表現力が上がったはずなのに、何故か演出は全体的に旧作よりも簡素になっている。後半になるにつれて、キスをしてもらう、いがみ合っていた登場人物と飲みに行くといったイベントが発生するのだが、画面暗転と文章だけで済まされる等、非常に簡素。ほぼ紙芝居のようなイベントばかりとなっている。
      • キスのイベントに至っては暗転で済まされた上に「こんな展開を用意したスタッフに感謝する」といった神経を逆撫でするようなメタ選択肢が出てくる始末。
    • 三日目の夜は公園で一夜を明かすのだが、それもベンチを調べる→暗転して「Zz...」→「朝になった」というだけ。
    • 水を飲む、暖を取る、座って休む、といった回復演出も無くなった。強いて言えば排泄のモーション(これも便器に座るだけと簡素)が該当するとも言えるが、セーブポイントでの休憩の方は何の演出も無しである。
      • それどころか登場人物が歩くシーンすら省略されてワープしてくることが多々ある。
    • 同行者の細かい動作すらも無くなっており、なんと段差を越えたり飛び降りることすら出来なくなっている。スペランカー
      • 段差の先が地続きであれば回り道をし、そうでないなら平然とワープしてくるのである。また、同行者がいる状態で扉を開けて移動すると、扉の向こうにいきなり同行者が現れる。軽くホラーである。『巨影都市』でもワープは稀にあったが、あちらは通常の動作は勿論、ダメージモーションもしっかりあったのに…。
    • 評価点に書いた「崩壊した高速道路の裏手の死屍累々の惨状」も、犠牲者が全員同じポーズで向きも同じに倒れているコピペのような光景なのでリアリティは薄くツッコミの的になってしまっていた。
      • アップデートにより犠牲者の向きが変えられたが、上述したホラー現象の件と言い、こう言う細かい所までちゃんとデバッグしたのだろうか?また、ポーズは同じ&全員真顔のままなのでまだリアリティの面では薄い。
    • ダンボール箱に入った子猫に猫缶をあげるサブイベントが存在するが、見えるのはダンボールだけで子猫の姿は映らない(蓋が閉じていて、隙間から覗いたら子猫がいたとされる)。3Dモデルはおろか一枚絵すら用意する余裕が無かったのか。
    • スクーターで走行中に高速道路が倒壊して落下する、という展開もあるのだが、なんとホワイトアウトした後に何事も無かったようにスクーターから降りた状態で高速道路下から再開するだけ。スクーターが壊れたり、主人公達が投げ出されたりといった演出は一切無く、しかも崩れる高速道路に全速力で突っ込んでもゲームオーバーにならない。それどころか、主人公、ヒロイン共々かすり傷一つ負っておらず、「スクーターが壊れた」程度の感想しか言わない。このスクーターはある人にパンクを直しただけで気前よく貸してもらったものだが、不可抗力で壊してしまったとはいえ、悔いる様子もなければ謝罪しに行く事もないと、なかなかひどい事をしている。
    • 暴徒に襲われるシーンでも、暴徒に殴りかかられる、体当たりされるといったモーションは一切なく、暴徒に触れるだけで一方的に怯んでダメージを受けてしまう。レトロゲームのキャラじゃあるまいし…。
      • 挙句の果てに、止まっている人に当たって死ぬ事もある。『巨影都市』の敵が見せていたような攻撃モーションはどこへ行ったのか。この仕様の所為で、ライフが尽きて倒れても、ゲームオーバー画面になるまでバシバシとダメージ判定が続く。
      • そもそもこのゲームでは人間に普通にめり込めてしまう。それでも普段はたじろぐモーションで誤魔化せているのだが、このシーンでは当然それは無く、追手が大挙して押し寄せて来る上に攻撃用の専用モーションも無いので嫌でも目についてしまう。しかも追手同士も当たり前のようにめり込む。2018年のゲームでこれはあまりにお粗末である。
        人間へのめり込み&たじろぎは『巨影都市』にもあったが、ヒロインなどの一部に留められており、モブにはちゃんと物理判定があった。今作はその一部キャラの仕様を全キャラに適用してしまった結果、このような粗末な演出になってしまった。
    • ロープで縛られた状態で敵に見つからないように脱出するシーンでは、見つかっても「待ちやがれ!」の一言と共にスタート地点に戻されるだけ。結構見つかりやすいので、その度にゲームオーバー演出を見せられてはテンポが悪いかもしれないが、ただ戻されるだけというのも緊張感が無い。
      • ロープを切った後は緊迫感のあるBGMも流れ、急いで脱出する事を促されるが、ここで見つかっても全く同じ。強姦目当てで人を拘束するような暴漢なのに寛容過ぎである。
      • また、ここではヒロインも主人公に付いてくるが、そちらは見つかっても平気。ヒロインまで発見判定があったら厳し過ぎるからだろうが、ならばスタート地点で動かず主人公の救出を待たせれば良かった話である(実際、ロープを切った後にヒロインの所に行くとロープを解けるので*8)。
    • そのくせ嫌なシーンだけはことごとくムービー仕立てで克明に作られている
  • グラフィック・モーション面
    • 旧作より格段に進化したグラフィックだが、登場人物の顔にはやや癖があり、『巨影都市』と比べても表情が硬い。また、モブの中年男性の顔にはかなり変なものがある。
      • 顔つきの種類も多くはなく、似た顔のキャラが多数登場する。普段は然程気にならないのだが、終盤の空港ルートでは前述の特徴的な変な顔の中年男性が複数同時に映るシーンがあり、シュールな絵になっている。
    • 人物以外へのグラフィックのめり込みも日常茶飯事。上述した暴徒のシーン以外にも、主人公が倒れると目の前に何があろうが完全に無視してすり抜ける。滑ってきた机にぶつかって倒れれば机をすり抜け、盛り上がった地面に向かって倒れれば地面をすり抜け、壁の前で倒れれば(ry
      • スカートを履いたキャラが伏せれば当然のように足がスカートをすり抜ける。女性主人公の初期装備の時点でそうなので、嫌でも目につく。転倒から起き上がる時も同様。
    • 着地やぶら下がりはしなくなったが、主人公のモーション自体は旧作よりかなり進化しており、転倒時も走っている最中なら前に転ぶ、立ち止まっていれば尻餅をつく、など自然になっている(これは『1』の頃はあり、『2』『3』で廃止されていた要素である)。
      • しかし『巨影都市』は走り出しや立ち止まり方などがリアルに作られており、全力疾走も可能でモーションも多かった為、そちらに比べると硬い。この点も『巨影都市』に劣っている。死亡モーションなど、いくつかは使い回しているが、上述したようにそれが活かされている場面は少ない。
      • 着地やよじ登りが不自然になったのは上述の通りだが、胸ぐらいの高さを登る時ですら主人公の立ち位置を下に下げ、頭上に登るモーションを使い回して誤魔化している(下を移さないようにカメラはズームする)。そんなに細かいモーションを作るのが面倒だったのか。
      • ムービー中の選択肢による主人公のモーションも、少ないパターンを汎用として使い回している。しかも中には変な動きもあり、普通の台詞の時ですら「やたら格好つけて指差す」「非常口のマークのようなポーズを取る」事がある。選択肢次第ではこれらがかなり強引に使い回されているので、違和感が強く機械的な動きの主人公を見る場面が少なくない。旧作や『巨影都市』ではその時々に応じたモーションを違和感なく取っていたのだが。
      • モーション面での『巨影都市』からの改良点と言えば、同作では暗転で省略されていた梯子の昇降が普通に行えるようになった程度。しかしそれは旧作では当たり前だったし、そもそも梯子自体殆ど登場しない。
    • モブNPCも細かいモーションは無いらしく、港が崩壊するシーンでは全員がポーズを変えず直立不動のまま海に転落していく。
  • エラー落ちとその後の大規模アップデート
    • 現在はだいぶ改善されたものの、発売当初はかなり不安定でエラーで落ちる事が多かった。
    • 発売後3週間ほどの間にアップデートが7回、それら全てに「動作が不安定になっていたところの修正・改善」が含まれているという有様であった。
      • 『巨影都市』でも動作の安定性の向上の為のアップデートが行われたが、その回数は僅か3回だった。
    • 修正前は、特に建物に入る瞬間とメッセージスキップ時にエラーで落ちる事が多く、震災よりもアプリケーションエラーの方がよほど恐ろしい状態になっていた。酷い場合はゲームを始めて数分で落ちるほど。
      • ゲームオーバーのペナルティが非常に少ない分、エラー落ちによるプレイ時間の巻き戻りはかなりの痛手となる。そもそもプレイ時間を短縮したいが為のメッセージスキップで頻繁にゲームが落ちるので本末転倒になっていた。
    • VRモードの充実化などアップデートの量も多いので、ダウンロードに時間を取られたり、パッチでPS4ストレージの容量を食われるといった難点がある。
    • 「ラジコ」が入手出来なかったり、大金が手に入った後に買い物をすると何故か足りないと言われたり、トロフィーが一部獲得できないといった細かい不具合も多いのでアップデートは必須である。
    • 後述する追加マップや後日談シナリオに関しても、データ追加後にその部分の修正の為の更なるアップデートが行われるのが最早お約束になってしまっている。
      • 現状、最後のアップデートは2019年8月のVer.1.24。つまり9ヶ月で24回ものアップデートが行われたという事であり、そのいずれにも「動作が不安定になっていたところの修正・改善」が含まれていた。
    • 後に発売されたSwitch版でも発売日当日に不具合修正アップデートが早速行われた。それ以降は行われていないので流石にPS4版の二の舞は避けられているが。
  • VRモード
    • 最初から解禁されていないので、プレイするには必ず本編を進める必要がある。
      • ビルが崩れてくるといった震災ならではのシーンを直に眺める事が出来るのだが、VRモードは本編に比べると明らかに画質が悪く、PS1~PS2初期クラスのクオリティになっているので実際の所、臨場感は薄い。
    • そもそも、ストーリーも何もなく人っ子一人いない町で文字を探すだけというゲーム的に面白くない内容である上に、移動する場所を示すのに絶えず首を動かす必要がある為、疲れやすい。
      • マップそのものは本編と同じなので、先に画質がいい状態を見てしまっている。後からプレイするのに画質が落ちた上にイベントもマップ的な新鮮味もないのでひたすら退屈で疲れる。
      • ユーザーの中には本編の内容をVRで楽しめるのでは?と期待した人が多く、最初から遊べない上に本編とは無関係である内容に落胆する声が聞かれた。もっとも、クリア後はこの内容を「VRでプレイしたい」という気にはならないだろうが。
    • このような有様である為、VRを期待して買ったユーザーからは期待外れだったという声が多い。
      • VR対応はPS4版発表から1年以上経ってから公表されたものであり、後から急遽追加したものと思われる。
    • VRモードをプレイしなければ手に入らないアイテムがあるという点も非VRユーザーから評判がよろしくない。前作のマルチプレイモードと同じ事を繰り返している。
    • 結果、VRユーザーからも非VRユーザーからも非難を浴び、ステージ追加のアップデートの度に容量が跳ね上がる原因ともなる為、誰得モードになってしまった。
  • 周回要素も皆無
    • 旧作同様、周回プレイは可能だが、全くと言っていいほど引き継げる要素がない。コンパスや防災マニュアルは引き継がれているように見えるが、これはシステムデータにセーブされるため、全セーブデータ共通である。
    • 一応、クリアデータがあればアップデートでVRステージが追加された際に即座に解禁となるが…本当にその程度なので、ほとんどニューゲームと変わりない。
    • せっかく手に入れたコスチュームもクリア時には全て無駄になってしまう。『巨影都市』の反省が全く生かされていない。しかも『巨影都市』のようなアイテム交換所も無い為、実質劣化している。一応、VRモードのアイテム交換が同等の機能に当たるが限定的。何より非VRユーザーには(ry。
      • 挙句、コンパスもコスチュームも旧作より種類が減っている。
    • サブタイトルの変更も引き継がれないのでそのデータ限りとなってしまう為、ほとんど空気。
    • エンディングリストやコレクションと言ったコンプリート要素も、クリア特典など二周以降で解禁される要素も無い。
      • 隠しイベント回収、人物リスト埋め*9、コンパス収集などもトロフィーに影響するだけで、ゲーム本編には関係無い上にコンパスを除いては引き継がれない。善行・悪行ポイントの例と言い、今の時代はトロフィー機能があるからそれで良いと思ったのだろうか。
      • 当然ながらトロフィーは一度でも取ってしまえば以後のプレイには何の影響も及ぼさない為、周回プレイにはますます向かない。また、VRモード以外にギャラリーや新モードが増えるといった楽しみもない。
  • 災害シミュレーターとしての問題点
    • 災害シミュレーターとしての側面も持つ本シリーズだが、本作はその方面でも問題点が山積みとなっている。
    • 食料や水を軽視したり、悪事を働いた方が有利になるといった点は言わずもがなであるが、その他にも不適切と思われる行動や説明不足なシーンがある。
      • 用を足せるのは仮設トイレか、水が流れない建物のトイレだが、震災時に水が流れないトイレを使用するのは衛生面の観点からやるべきではないとこのゲームの防災マニュアルで指摘されている。
      • ゲーム開始直後、公園に避難すると、そのまま無暗に動き回らない事ですと指示されるのだが、すぐに「ですが、この物語を進めるには町を探索する必要がありそうです」とメタなナレーションと共に町の探索に行くように促される。一度避難したのに、こんな理由で危険に飛び込ませるのはいかがなものか。旧作では探索せざるを得ない理由が常にあったのだが。
      • 生活汚水溢れる団地の水没した部屋に素潜りで入り込んだり、崩壊まっただ中の地下鉄構内に何となく入ったり*10地震発生直後に傾いたビルの真下を主人公と比嘉と生徒が走りぬける展開もある。何度も足を挟まれてるのに何やってんすか先生。ゲーム的演出も必要とはいえ、もっと自然な見せ方は出来なかったのだろうか?
    • 演出は全体的に上述した通りの簡素さなので、災害シミュレーターとしての肝心の部分が描写されていない事が多々。
      • ゲーム中にカップヌードルを貰うことが出来、実際に食べる事も出来るのだが、どうやって食べているのかは不明。お湯を沸かす方法や、水から調理するといった方法*11を紹介すればより為になったのだが…。
        食べると喉が渇くので、生で食べている可能性もある。一方、出来立てのうどんをリュックに入れる事も出来るので本当にわからない*12
      • 『2』では調理器具が必要、火や暖房が無ければ調理が出来ないなどの制約があったのだが、本作にはそんなものは無い。
      • 簡易風呂に入るイベントもあるが、簡易風呂の内部は描写されず、主人公が選択した通りの風呂(ドラム缶風呂、大きな風呂、露天風呂等)が存在した事にされ、すべて文字と暗転で表現されるため、実際の簡易風呂がどういう物なのかは全然わからない。こんな無駄選択肢の為に表現を省略したのなら本末転倒もいい所である。寧ろ風呂を描く手間を省く為に選択肢を入れたのかもしれないが…。
    • 前作では防災マニュアルの内容を極力活かすストーリー構成だった為、一部無理のある展開が生じていたが、今作は逆に防災マニュアルが全く活かされていない。それどころかマニュアルに反する事までやっているので、災害シミュレーターとしては比較にならないほど劣化している。
  • ボリューム
    • この手のアクションゲームの宿命だが、手早くプレイすれば一周は数時間で終わってしまう。初見でも普通にやって10時間程度。しかしそれを補うはずの周回、収集と言ったやり込み要素も上述した通り皆無に等しくエンディング分岐も極めて少ない為、フルプライスの値段に釣り合っているとはとても言えないボリュームとなっている。
      • 旧作にはマルチエンドややり込み要素などの周回の楽しみがあった。それらも極めて乏しい本作は、総合的に旧作からもボリュームダウンしている。
    • 日数は旧作よりも倍近く増えているが、1日1日が短く、アクション要素が無いのにただ狭いマップを通過するだけのシーンも少なくないので、あっという間に日が進む。初日は様々なエリアを回るので長いが、以降は訪れるエリアの少なさもあってすぐに日が変わってしまう。
      • 初見ではなかなか進めないシーンもあるが、それはアクションステージに手こずるからではなく、先述の通り、先に進む為のフラグ探しやおつかいイベントでマップをぐるぐる回るからなので、ひたすら退屈である。
    • もっとも、ストーリーが下記の有様なので、早く終えられて良いという見方もできる。
  • 上記でも少し触れたが、人物リストには名前が載らず「〇〇の人」「〇〇していたおじさん」などとしか表記されないキャラが非常に多い。
    • モブならそれも分かるのだが、ストーリー中に登場するのに名前が明かされないキャラや、名前が分かっても人物リストに反映されないキャラもいる。かと思いきや、名前など出ておらず名乗ってもいないのに人物リストにはしっかり名前が載るキャラがいたりと基準が分からない。
    • そのくせスタッフロールのキャスト欄には明かされなかった名前が当然のようにズラリと並ぶ。本編中で出た名前を全て把握していたとしても「誰だお前ら!?」状態は避けられない。
      • また、仮に本編のボイス付きキャラ全員に名前があったとしても、性別や人数が合わない。没キャラも載せている可能性がある。
    • しかも表記はアイレム時代からのお約束のアルファベット(「絶体絶命都市」すら「Zettai Zetumei Toshi」と律儀にローマ字表示。これも一作目から変わっていない)なので、どういう表記なのか分からない。特に本作はあまり名の知られていない声優も多数参加しているので、正しい声優名が把握しづらいのは痛い。
      • 『巨影都市』では日本語表記で見やすかったのだから、わざわざ過去作に倣わなくても良かったのではないだろうか。
    • また、逆に名前が判明しているのにキャスト欄に載っていないボイス付きキャラもいる。
  • イベント時の台詞送りは出来るがスキップは出来ない。メニュー画面からデータロードが出来ない。セーブのカーソル初期位置は常に新規作成で選びなおさないと上書きできないなど、細かいシステム面の不満点も。しかもこれらは『巨影都市』では可能だったことである。

ストーリーの質の悪さ

  • シナリオは過去のアイレム作品群同様、九条Pとシナリオライター・高は車の両名が手掛けている。
    • しかし今回は単純に完成度が低い事に加え、両氏のセンスが悪い方にばかり遺憾なく発揮されており、非常に悪質なシナリオになってしまっている。
  • クリアするためには、どこかで悪事を働かないといけない。
    • 序盤で先に進むためにはどういうわけかあるコンビニのトイレを通らなければならないのだが、偽店長の熊沢によってトイレのカギが10万円と高値で売られており、手持ちのお金では到底買えないので、とある人から騙し取ったお金を使用する必要がある。
      • これは主人公がとある社長の息子(娘)と勘違いされてお金と手紙をわたされるが、そのまま騙して着服するというもの。後に本当の息子(娘)に出会い、手紙を渡す事も出来るのだが、お金は渡さないので、直後に詐欺として主人公が指名手配されてしまう。
      • 結果的に熊沢から鍵を買えばいいので手紙を手に入れるのは必須イベントではないのだが、その場合は序盤で絆創膏を30万円で売りつけたり、面接会場で交通費を9万9千円と偽るといった別の悪事を働く必要がある。
        しかし、大抵のプレイヤーはそんな事をせずにここまで来ることが多いので、結果的に指名手配されるような詐欺を強要される事になるが、先述のように意識せずに働いた詐欺だからか悪行ポイントは溜まらない。
    • 宝石店を抜ける際にも、「宝石女が金庫を物色しているのに便乗して中にある鍵を勝手に持ち出す」という倫理的によろしくない方法を取る。そもそも店の入り口の鍵が金庫に入っているのも謎である。
      • この際に店長と思しき人物が死んでいるが、それに関しては何一つ語られない為、結局何も分からない。主人公も明らかな殺人現場を目撃しておきながら、鍵だけ奪ってただ黙って通過するだけである。
    • そして後述する通り、ストーリー後半には必然性がないのに弱っている被災者に言葉巧みに付け入る、詐欺を働く、怪我人を見捨てるといった行為を強制される事になる。どう足掻いても完全善人プレイは出来ないのである。
  • 序盤から登場する偽店長の熊沢は不快要素の塊となっており、初登場時はトイレを使用後なのに手を洗わずに馴れ馴れしく主人公の肩を撫でる、弱みにつけこんでとんでもない値段で物を売りつける等、徹底した下衆として描かれている。
    • 最初こそ本物の店長に咎められるも悪びれもせず立ち去り、行く先々のコンビニでぼったくりを働く。というよりも使用できるコンビニの店員ほぼ全てがコイツなので常時ぼったくられてマトモに買い物が出来ない。
    • そして主人公がこの悪党に対して取れる行動は、馬鹿正直に大金を払って買い物をする事だけである。それもストーリー上、最低二回はぼったくり商品を買わなければならない。偽物と判っている相手に何やってるんだか…。
    • 最初のうちは店長や店員がまともにいない店を狙って悪事を働いているが、やがて理由を考えるのが面倒になったのか店員が普通にいる店でも悪事を働くようになり、店員もこの偽店長に対して何の反応も示さない。グルか?
    • 「街の悪党」というトロフィーがあるが、これはある女性と交流してバールを受け取り、そのバールを熊沢に渡すことで、彼が被災地で物を盗むことができるようになる。また、そうすることで善行ポイントも得られる。明らかに徳とは正反対だが...。
    • ぼったくり商売以外の悪事を働く場面もあるが、大半がムービー仕立てで克明に演出されているのでより不快感が増している。勿論、主人公は悪事を止めるような事はしない。
    • 「序盤で主人公と因縁を持つ金に汚いキャラ」と言えば『巨影都市』の大塚秀靖もそうだが、あちらは何だかんだで主人公に協力したり助言もくれるし、ここぞと言う時には体を張って助けてくれた。対して熊沢にはそう言ったキャラクター的な魅力は無く、不快な下衆以外の何物でもない。
    • 後述するようにあるエンディングでは主人公の命を救うが、印象が変わるような展開では決してない。最後の最後までどうしようも無い外道でしかない。
      + 後日談では…
    • やはり同様に偽店長を続けている。復興が進んだ街なのに相変わらずぼったくりを続けており、しかも、またもや大金を払わないと先に進めない。持っていないフリをしても強引に金を奪い取られるという散々な目に逢わされる。と言うか通報すべきでは?
    • 堂々と悪事を働いているのにも拘わらず捕まらないので最後まで裁きを受ける事が無い。選択肢で主人公に「なぜこの男は逮捕されないんだ?」という疑問を抱かせる事も出来るが、勿論疑問に思うだけなので意味は無い。
  • 登場人物こそ多いものの、ストーリーはぶつ切りばかり。
    • リストラを隠して公園で時間を潰していた男性、家が貧しい母思いの就活生、意味ありげに登場する女ミュージシャン、暴落する株価に焦るベストラ社長、主人公に教主の座を譲り渡すだけの白羊様等、色々とストーリーを用意しようとしたが、ぶつ切りになっているとしか思えないほど内容が薄いものが多い。
    • 隠しイベント回収はトロフィーに影響するだけとは上述したが、その為、メインキャラのように登場しながらストーリーに拘わらず、殆どトロフィーの為だけの存在になり果てているキャラが何人か存在する訳である。就活生や公園の男性などに至ってはトロフィーすら存在しないが…。
    • これら以外がちゃんと最後まで描かれているかと言うとそんな事は無い。下記を読んで頂ければ判るが、メインストーリー後半戦も漏れなくぶつ切りの連続である。
    • いくつかのストーリーに関しては後日談にてフォローされている。しかし元々その予定だったとしても、ぶつ切りで本編を消化不良のまま終わらせて良い理由にはならない。本来なら本編で然るべき所までは描いておくべきではなかったのだろうか。
      • その後日談も発売から半年後にやっと有料配信されたものである為、初期にプレイしたユーザーはこのぶつ切り状態のままの印象で終わる事になる。ゲームの内容が内容なので半年後にお金を払ってまでフォローを見たいかどうかは疑問である。
+ ぶつ切りにされたストーリーの数々

・株式会社ベストラ

  • 株式会社ベストラは震災発生直後に株価が暴落。社長の霧島は専務の裏切りやライバル会社のケルベロスの陰謀を怪しむのだが…実際は…?
    • 作中では不満を述べる社員や、ベストラを見限った人達から度々高額で株券を買わされるといった描写がある。…が株券は売る事も捨てる事も出来ないので何の役にも立たないゴミと化す
    • 結局の所は専務は誰も裏切っておらず、ケルベロスからの引き抜きもかたくなに拒否するばかりか安易なデマを流さないよう直接注意しに行くほどであり、ただ震災によって株価が暴落しただけというオチになる。「震災による株価の暴落」「震災に乗じて儲けようとしてもそううまくはいかない」という事を表現したかったのかもしれないが…。
    • 株式会社ベストラや霧島自体は作中でも比較的に描写が多い方なのだが、上記の事実がわかった所で霧島に伝えるわけでもなくそのまま放置されるため、霧島は終始、嫌な態度が目立つ小物にしか見えない。
      • 終盤に霧島は一方的に主人公をライバル視し、いがみ合いながらも一緒に飲む事でトロフィーが獲得できるイベントがある。しかし、主人公は霧島に対して何か実力を見せつけるようなシーンはなく、初日にぶつかられた事に文句を言いに会社に来た不審人物でしかない。なぜそんな人物をライバル視するのか。
        + 後日談では…
      • 奇跡的にベストラはV字回復を見せ、完全に復活する。しかしあまりに不自然な回復であった事から不審に思った本多涼子からベストラの秘密を探るように依頼を受けるのが新たな目的となる。
      • 結果次第では霧島の弱みを握り、秘密を知ることが出来るのだが、肝心の内容がプレイヤーに秘密にされてしまう為、やはり、ストーリーとしては消化不良な終わり方になる。
        • そもそも秘密を探りに行くのは、「何かあるに違いない」と睨んでいる本多にたまたま協力を頼まれたからで、主人公自身には強い動機は無い。そして霧島が行っていたという不正についてもプレイヤーには明かされないので、霧島を糾弾したいという気も今一つ起こりにくい。
        • 見ようによってはこのシナリオは「苦境から立ち直った会社の粗探しをして追い詰める内容」にも見える。更に本多自身が『2』の頃から結果的に正しかったとは言え思い込みで動く上に、不法侵入に出たり無関係の人間を平然と巻き込むと言った問題のある人物であった事を考えると…事実、本多の先輩である須藤からも「本多とは関わらない方がいい」と忠告される。
      • その秘密を探る過程も、「ライバル社の変な受付嬢を高級チョコで買収する」という展開なのもツッコミ所。その内容もメタに走ったりと全体的におかしい。受付嬢は「有能」だの「義理堅い」だのやたら持ち上げられているが、作中の描写ではただの変人にしか見えない。

    ・宝石女

    • 久々の登場となる宝石女も出番は極めて少なく、展開によっては宝石が貰えるのだが、唐突かつ、一瞬だけヒロイン同行者になるという不気味な役割しかない。今作では上述の通り、殺人を犯した疑惑がかけられているが、作中で真相が語られる事はない。
      • 時期もエンディング間近なので、引き継ぎの無い本作では貰える宝石も意味は無いも同然。『2』のようにクリア特典が解禁されたり、『巨影都市』のように他のイベントに繋がる事も無い。
      • 宝石を貰うとトロフィーが解放されるため、最早この為だけの存在と言える。

    ・イタリアンレストラン

    • イタリアンレストランのシェフや従業員は比較的設定が作り込まれており、他のイベントも少し絡んでは来るのだが、やはりイベントを最後まで進めてもトロフィーや大金を巻き上げる選択肢に繋がるだけ。アイテムは貰えるが時期的にエンディング間近なのd(ry
      • 序盤には壊滅状態だった店が終盤には営業再開の目途が立つほどに復旧しているなど、「復興への歩み」というテーマの一部として組み込んだのだろうが、ムービーが入るイベントは最初だけで後は通過時に関係者の話が聞ける程度なのでやはり描写不足。最後までイベントを進めた所で店や従業員に何かしらの変化も無い。
        • イベントを最後まで進めるには大金が必要なのでもちろん悪事を(ry
          + 後日談では…
        • 主人公がイベントに関わったか否かに関係なくレストランは再興を果たし、盛況を取り戻している。選択肢次第では「主人公が関わったから」という事にも出来るが、結局、本編の主人公の行動など大した影響は無かった模様。
          • それでも後味は良い結末が用意されたのは評価出来る。…ここを辞めたウェイトレスが再就職先のメイド喫茶でマネージャー職を押し付けられたというちょっとよく判らない展開に続くが。
          • また、その元ウェイトレスも給料が上がらないから辞め、もっと実入りの良い仕事を求めてメイド喫茶に勤めている事になっているのだが、本編で語られた「祖父の言いつけで仕方なくバイトをしている富豪の令嬢」という設定を考えるとかなり違和感がある。
            • 給料も何も、富豪の令嬢なのだから金に困るはずもない。そもそも働いている経緯から言って、祖父がそんな理由でバイトを変える事を許すだろうか?
          • 『2』の篠原編のヒロイン、「藤宮 春香」がウェイトレスの面接を受けにイタリアンレストラン「アンジェリーナ」にやってくる。しかし、彼女はボイスもなく、セリフも1つしかない。

      ・女ストリートミュージシャン

      • 初日に主人公はカキツバタ通りで被災者相手に歌を歌う女ミュージシャンと出会う。
        女ミュージシャンが登場するシーンはムービーで表現されており、飯田氏による挿入歌が演出として使われるほど力が入ったものであり、被災者たちにも好評だったが、通行人の男と主人公に非難された為に演奏を辞めて立ち去ってしまう。
        後日、女ミュージシャンと再会した際に意味ありげに頼みごとをしてくるのだが、その内容は「震災に乗じて性犯罪を犯す男達が町にいるから気をつけろ」というもの。
        • 実際の所、初日にすでにその男達に襲われているので今更な情報であるし、知った所で後述の展開になる為、まったく意味が無くなってしまっている。
        • 以後、このミュージシャンが登場する事はなく、いかにも主要人物っぽく登場したのにたったこれだけの出番で終わってしまう。また、頼みを聞くことでトロフィー(ry
          + 後日談では…
        • 『3』のヒロインの「本条 咲」の友人という設定が加えられ、同じ歌声で共に人々を元気づけている。暴漢達の事は引き続き警戒しており、主人公に注意喚起するが、本編同様これ以外の役割が無い。ストリートミュージシャンである意味は…。
          • 主人公も主人公で暴漢と遭遇しているにも拘わらず何も言わない。言えよ。

      ・子猫

      • 上述した子猫のイベントも、そこから少し進むと通路が崩落して二度と子猫の箱の所に行けなくなる。一応、よく見ると箱は無事なのは分かるが、その後子猫がどうなったかなど知る由もない。
        • これ見よがしに配置されているが結局放置しか出来ず、「子猫はお腹一杯になって眠ってしまった」などと和む文字表現を見た直後に後味の悪い思いをさせられる。トロフィーは獲得できるが、最早そのt(ry。どうせ子猫を出すなら飼い主か貰い手を探すと言ったイベントにした方がゲーム的にも精神衛生的にも良いはずだが…。そもそも3Dモデルを作っていないからしようが無かったか。
        • 後日談では選択肢で出る形で一応は触れられているが、やはり子猫は登場しない。
  • ゲーム後半の怒涛の胸糞展開
    • 序盤はおつかいイベントは多いものの、被災者同士が協力し合って生き延びようとするストーリーである為、それほど問題はないのだが、中盤から終盤にかけては理不尽かつ胸糞が悪くなるような後味の悪いストーリーしか存在しない。
    • 酷い選択肢を行った報いならばともかく、何を選んでもストーリーは同じなので、善良な選択肢を選んだところで話が勝手に進んで詐欺師呼ばわりや罵倒されたり、嫌な事を押し付けられるといった気分が悪くなるようなイベントを延々と見せつけられることになる。『巨影都市』にはあったイベントスキップ機能も廃止されたので一気に飛ばす事も出来ない。嫌がらせの為に廃止したのか?
    • 登場人物からは終始、嫌がらせや悪事ばかりを見せつけられ、善良な人間は悉く虐げられ、犯罪者たちが登場してもなんら報いを受ける事はなく、ほぼ全員がやり逃げを達成する。カタルシスのカの字も無い胸糞ゲーと化している。
      • 悪事の報いを受けないのは主人公も例外ではない。酷い扱いを受ける事はあるが、それは大抵他人の悪意の所為であり、主人公自身の悪事への直接的な報いや咎めすらもほぼ無い*13ので、犯罪行為もリスク無しで堂々と行える。GTAも真っ青の無法地帯と化している。
    • 悪事とまではいかずとも理解に苦しむ行動を取るキャラも多い。何故今それをするのか、それを言うのかとツッコまずにはいられないキャラがメイン、モブ問わず多数存在する。
      • 最初のマップにある「Glitnir Inc. (主人公が面接を受けに来た会社)」からして、大地震発生直後にも拘わらず「今日面接してもらいたいんですけど」などと訴えている学生がいる。…それはひょっとしてギャグで言っているのか?
    • 災害ゲームならばボランティアや諸外国の支援、自衛隊の活躍と色々書きようがあるはずだが、そういった面はほぼ書かれず、醜いシナリオを延々と見せつけられる事になる。
      • 特に今作では神戸市消防局から協力を申し出ており、救助活動のシーン等の監修もされているはずだが、せいぜい被災地に止まっている消防車ぐらいで目立つような救助活動のシーンが存在しないというなんとももったいない事になっている。
      • 『3』の時には同じく被災地の人間模様を描き、避難所の様子、救助活動、携帯トイレなども描写していたアニメ『東京マグニチュード8.0』とコラボしていたのだが、こういった所は参考にしなかったのだろうか?
    • 好意的に取れば「災害という極限状態にあるからといって、共に助け合う人ばかりとは限らない」というリアルを敢えて描写したという見方もできなくはないのだが、それにしても露骨な悪人の多さや悪行の荒唐無稽さが非常に極端であり、逆に不自然でまるでリアルとは言えない。
    • 序盤でも嫌な展開はあるものの一応説得力はあった。例えば二日目のえにしだ団地の親子の場合、「子供がいるので避難の準備に時間がかかってしまい、間に合わなくなってしまった」…というもの。
    • しかし終盤になるとそう言った最低限の説得力すら無く、イベントを用意する事を放棄した手抜きや、ツッコミ所や矛盾が目立ち、やがてツッコミ所しかないエンディングで幕を閉じる。最早、プレイヤーに嫌な思いさえさせられれば他はどうでも良いと言わんばかりの悪趣味手抜きゲーになってしまっている。
    • また、上述の団地の親子の件にしても描写が淡白過ぎる事と、主人公達が外に出た途端その団地だけが凄まじい勢いで沈む(その割に周囲に衝撃は一切無く、数メートル程度しか離れていない主人公達のゴムボートは微動だにしない。)というシュール且つ強引な展開であり、残酷な現実を描くというよりは「とにかくプレイヤーに嫌な思いをさせたい」という意図が感じられるのが残念な所*14
      • この「主人公達が安全地帯に逃げた途端に崩壊が起こり、残された人々が全滅」はパニックものではよくある展開だが、本シリーズにおいては最早お約束であり、(『巨影都市』含め)一作につき必ず一回以上ある。主人公は疫病神なのだ。
    • 挙句、「何をやってもいい形で終わらない展開にしびれるぜ」と、そんなプレイヤーの心理を逆なでするような選択肢まである。
+ 特に評判が悪いストーリー…というより、ゲーム後半のほぼ全て

・白き衣の会編
主人公が脱出の為にアザミ駅前周辺を歩いていると「白き衣の会」という宗教団体に勧誘される。
その誘いに乗ると、震災直後でありながら電気や水道、加えて温かい食事に恵まれたパーティ会場のような場所に案内され、そこで新たに信者を勧誘するよう命令される。
主人公は被災者に声をかけて三人以上の信者を勧誘するとその功績を認められ、白き衣の会の代表である「白羊」から直々に代表の座を譲られる。
新たに代表となった主人公の前に、「白き衣の会」のやり方に疑念を抱いた医師が現れ、団体を非難するが、勧誘員である小山と大森は医師を拘束する。
主人公の命令で医師は解放されるが、これを代表の裏切りとみなした小山と大森によって主人公は追い回され、なんとか逃げ切るのだった。

  • 怪しげな宗教団体に入る事を強要されるばかりか、震災で弱っている被災者につけいるという嫌悪感を抱きやすいストーリーである。
    • 上述の通り、非難しようものならば袋叩きにされて命を失いかねない危険な組織に他人を巻き込むのだが、イベントを進めるためには絶対に3人以上の被災者を勧誘する必要がある。しかも専用のトロフィーを獲得するためにはイベント進行に必要な人数よりもさらに多くの被災者を勧誘しなければならない。
    • 勧誘対象はいずれも精神的に参っている被災者であり、そう言った人達をこれまた詐欺の常套句のような言い回しが並ぶ選択肢で勧誘させられるという悪人養成ゲーぶり。そして勧誘に成功すると善行ポイントが溜まる。被災者を茶化し、弄んでいるとしか思えず、製作陣の倫理観が疑われる。
  • さらには代表の白羊も入信したばかりの新人に唐突に自身の座を譲って行方不明になるという意味不明な展開で、こんな怪しい団体の代表になんかなりたくなくても、拒否すればゲームが進まないのd(ry。
  • 主人公も殺されそうになったとはいえ、自身が勧誘した人間や責任をすべてを放り投げて逃げる事しかできず、挙句、選択肢によっては団体の活動資金やサファイアの指輪をかっぱらえる
    • 医師を拘束する小山と大森を肯定する事も出来るが、ゲームが進m(ry、結局、悪人プレイとしても筋を通せず、団体をめちゃくちゃにかき乱す迷惑な人物にならざるを得ない。
  • 初日に出会った母思いの就活生もこの団体に入っており、せっかくもらった交通費を寄付してしまったり、母も入信させようとすら考えている事が明かされるが、主人公が逃げた後は二度と登場しないというあんまりな扱いを受けている。ぞんざいさで言えば前述したぶつ切りキャラ達やヒロイン二人より酷い。
    • 彼の登場はかなり早い時期に発表されており、公式サイトの登場人物紹介でも三番目に載っていたり、CVも初代主人公役の山本兼平が務めていたりと、いかにも主要人物のように思えるが、実際はこんなぞんざいな扱いでしかない。
  • 代表になって「世の全ての人の幸せを祈る」だけで善行ポイントが100ポイントも増えたり、活動資金を着服するだけで3000万円が手に入るといったそれまでのプレイが何だったのかと思えるほど。悪行(善行)ポイントやお金がインフレを起こすのでゲームバランスが崩壊する。このシナリオを境にまともに設定されているとは思えないほどいい加減になっていく。
+ 後日談では…
  • どういうわけか白き衣の会はメイドカフェに変貌しており、「母思いの就活生」も母親をメイドカフェに連れて来てしまったという形で再会するが、母親に弁明するばかりで主人公の事はまったく相手にしてくれない。
    • この就活生は初代主人公の須藤真幸とCVが同じである為、後日談に登場する須藤にも声があてられる可能性があったが、両者ともボイスなしの出演になってしまっている
      • 同じく過去作キャラである本多涼子はしっかりボイス付きの登場である。担当声優は本編にも別のキャラ役で出演していたので問題なく本多役に続投できたのだろうが、同じ条件のはずの須藤の方は…。
    • 登場してその後が明らかになっただけまだマシと言えるが、扱いのぞんざいさは最後まで変わらなかった。何の為に主要人物のように紹介したのか…。

・奇跡の水編
ケガをした老婆のキヨを背負って学校の避難所まで行くと、よそ者は徹底して差別するという風習で体育館に入れてもらう事は出来ず、同じく差別を受けている外国人のダニー達の集団に混ぜてもらう事になる。
配給を受けるために並んでも、横入りされて配給をもらえず、住民から恵んでもらうにもわざと地面に捨てられたおにぎりを渡されるといった嫌がらせをされる。
そんな中、調子を崩した子供の為に学校の裏手から汲んできた水を飲ませるとたちまち元気になった事から評判になり、何度も水を汲みに行かされつつも住民から信頼を得、
ついには町会長からも水を求められるようになり救世主として讃えられる。
しかしその晩、水を汲みに行っている所をダニーに咎められ、さらには住民達に露見した結果、詐欺師としてダニー共々石を投げられて避難所を追い出されてしまう

  • 嫌がらせの為だけに被災者が食べ物を粗末にするといったリアリティに欠ける内容や、徹底したよそ者差別、外国人差別がふんだんに話に含まれており、気分が悪くなるシナリオである。
    • プレイヤーから見れば避難所に入ってから嫌がらせしかされなかった住民に何度も水を奪われては汲みに行かされ、フラストレーションが溜まっている所にこの仕打ちである。しかも追い出された際に「どこで間違えてしまったんだろう?」という白々しい地の文が入る。
  • そもそも発端となるキヨと出会うシーンの時点で不快な流れが始まっている。しかも「白き衣の会編」終了直後であり、あの出来事は始まりに過ぎなかった事をプレイヤーは思い知る事になる。
    • キヨ自身は温厚なお婆さんなのだが、その息子夫婦のやりとりにて息子の妻がキヨを一方的に疎んでいる様子と、妻に頭が上がらず言われ放題の息子の姿を見せつけられる。そして主人公は厄介事のように押し付けられたキヨを背負って、病院に向かうも断られた為に診療所がある避難所へと向かう訳である。
    • それでもこの道中では子供に道案内されたり、リヤカーを貸してもらったりと熊沢が堂々と火事場泥棒をしている事を除けば人の心の暖かさに触れる機会がある。だが、避難所に到達するや否や悪夢が始まる。
  • 主人公も主人公で水について説明する事もせず、ただ流されるまま水汲みと被災者に配る事を繰り返す*15。こんな詐欺行為をしたくなくてもゲームがすs(ry
    • そして、ゲームを進める為にこの行為を無理矢理やらされた結果が、罵詈雑言と投石を土産に避難所を追い出される展開である。
  • そもそもの話、件の水も校舎の亀裂から滴っていたものを汲んだのであって、つまり汚水。どう考えても腹痛を起こした子供や体調不良の人々に飲ませていいものではないが、主人公は平然と飲ませる。選択肢で「大丈夫だろうか?」と疑問を持とうが何をしようが関係なしで、まるで壊れたロボットのように言われるがまま従い続ける。
  • 避難所を追われる際にダニーを裏切ることが出来、わざわざ利き腕を設定したうえで住民と一緒になってダニーに石をぶつけるという鬼畜なミニイベントも発生する。
    • しかも何故かこのイベント開始時だけ『巨影都市』のような「GO!」の表示が出る。こんなイベントで「GO!」は無いだろう…。
    • ダニーに石を投げる度に悪行ポイントが跳ね上がっていくが、トロフィー獲得を目指すならば悪行ポイントが増えるのは万々歳なのでボーナスステージと化してしまっている。
    • 尚、ここでダニーを徹底的に追い詰めてトドメを刺そうとするとキヨから強烈な張り手を貰うが、よりによって治療後のキヨがイベントに登場するのはここだけ。そもそも足を骨折してたんじゃないんか…。
  • 避難所を追いだされるとダニー以外の外国人とキヨは行方不明となり二度と物語に関わらない。それまで面倒を見て来た老婆や、手助けをしてくれた少女や子供達を見捨てる事になる。
  • 主人公達に嫌がらせをする住民達だが、人物紹介ではいずれも「人当たりが良い」や「好々爺」といった紹介がなされている。人は見る角度によって印象の受け方が異なるとか、震災による性格の変化を表現したいのだろうが、説得力がなさすぎる。
  • 何の脈絡もなく様々な症状が回復する奇跡の水だが、イベントの最中に物陰で休んでいるキヨに話しかけると、熱中症なのかしら? といった話を聞くことが出来、防災マニュアルにも記載される。たしかに真夏の夜なので水分をとる事で元気になったと考えれば説得力もあるのだが、ならばなおさら救世主といった意味不明なストーリーにせずに、熱中症に気を付けるよう促す展開にするべきだった。
  • 主人公が救世主として崇められる展開は『巨影都市』にもあったが、あくまでおまけ程度であり、はっきり否定する事も出来た。しかし今回は本編に組み込まれ、否応無く救世主を演じさせられる。シナリオ製作陣はよほどこの展開が好きなのだろうか…。
    • 投石を受けるシーンも『巨影都市』から引き続いて描かれている。シナリオ製作陣はよほd(ry。やはりこちらも内容の醜さだけが増しての登場である(あちらでは身を挺してヒロインを守り抜いたり、暴徒を追い払うと言った事が可能で、見せ場にもできるシーンだった)。
  • 町会長に水を渡す際に「エンディングを始める」事を要求すると、スタッフロールが始まるが、残念ながらゲームはそのまま続行するので単なるギャグとなっている。寧ろここで終わっていた方が精神衛生上いいのだが…。
  • なお、後日談ではこの舞台となった向日葵町に行く事は無いため、このシナリオに関するフォローは無い

・鳳仙花商店街編
避難所を追いだされた主人公はダニーとはぐれて鳳仙花商店街へとたどり着く。そこは地震発生直後からの大火事のせいで、商店街の面影など全く無い焼け野原と化した惨状が広がっていた。
そこで血の跡を発見した主人公は先に進むべく、道中の孤児院を通り抜けようとするが、
孤児院では火事で死んだ子供の供養のための花を探しており、花を持ってくることを約束した主人公は紆余曲折の末に花を手に入れて子供たちを供養する。
ところが供養の最中に大家がやってきて亡くなった子供や孤児院に対して散々嫌味を言われた挙句、家賃の滞納を理由に立ち退きを命じられ、孤児院を経営する兄妹はこのまま孤児院を畳まざるを得なくなる(ここで家賃を肩代わりする事も可能だが選んだ所で金だけむしり取られて結局立ち退きは阻止できない。)
そして上述したおつかいイベントの連続の末にやっと手に入れた花を大家に踏みにじられるムービーをまじまじと見せつけられる
一応選択肢は出るが、主人公の心情を選ぶだけの無意味なものなので一言言ってやる事すら出来ないまま一連のイベントは終了してしまう。
その後、主人公は商店街の中で瀕死になっているダニーと再会し、その姿にショックを受けつつも救助を申し出、ダニーは感謝の言葉を述べるのだった。

  • ダニーに救助を申し出るのはいいのだが、本当にただ申し出るだけであり、そのままストーリーは終了して、次に進めるようになるという問題のシナリオ。
    • 「水を持ってくる」「薬を持ってくる」「医者を呼んでくる」「あばよダニー」といった選択肢が出てくるものの、何を選んでも変化がない。
    • 選択肢を選ぶとダニーは主人公に感謝の言葉を述べるので、このまま続きがあると思いきや、手持ちの水や救急セットはダニーに使用出来ず、近くに負傷者がいなくなったので撤収しようとしている看護師と救急車がいるのに、ダニーに対しては何のアクションも起こさず、また主人公も看護師や警察官、消防隊員に対して助けを求める事すらしない。そのため、何か起こせるはずと何時間も調べた挙句に何もなかったと絶望するプレイヤーが多く出た。初対面の宝石女には救急セットを渡せるのに。
  • そもそも鳳仙花商店街に来た目的の一つが「大けがをした友達(ダニー)を探す」という物であり、いざ見つけても何もしないので、ただダニーを見捨てさせるためだけのストーリーとなっており、存在意義が疑われる。助からないなら助からないなりに顛末を描いてプレイヤーを納得させるべきであり、イベントを用意しないという手法(助けようという努力すらしない・できない)でプレイヤーに見捨てさせるという最低の展開としか言いようがない。
    • ちなみにダニーに会わずにただ商店街を通過しても次に進める。何しに来たんだお前は。
  • 悲惨な焼け野原を歩き、面倒臭すぎるおつかいイベントの連続と子供の供養すらまともにさせてくれない人間の汚い面を見せつけられてプレイヤーが辟易している中で、追い討ちを掛けるかの如くどうしようもない展開が続く。
  • 余談だが、登場する孤児院は「みなしごハウス」と、まるで60〜70年代当時の様な時代遅れな名前が付けられている。
    • 確かに昔ならそういう世相ではあったと済まされるが、2010年代にこのような名前を付けるのは悪ふざけと受け取られても仕方ない。
+ 後日談では…
  • ダニーの生存が明らかになったが、イベント内容はあっさりで、ダニー自身の境遇も改善されておらず、どうやって助かったか、行方不明になった仲間はどうなったかも一切語らないので消化不良感は残ったまま。グラフィックも使い回しなので2月にも拘わらず半袖のシャツを着ており、寒い…と震えている変人になってしまっている。
    • 避難所で暴行を受けて追いだされた事は一切語らず、住んでいるアパートから焼け出されたとだけ語っているが、避難所にいた時点で既に住んでいたアパートは焼け落ちており、暴行を受けて瀕死になったのは明確なので違和感が感じられる。
    • 尚、彼自身は主人公に見捨てられた事に関しては全く気にしていない。心が広過ぎである。しかしそんな彼が明確に救われる描写は無い。
      • 励ましても寂しそうに笑って去っていくだけで、一番明るく別れる選択肢は「祖国に帰るように勧める」こと。酷い目に遭っても日本が好きで、何とか留まろうとしている青年に対してそれでいいのか…?「現実を教えてやれ」とまた変なリアリティを押し付けているのか。
      • ちなみに後日談では鳳仙花商店街にも行かないので、「奇跡の水編」に続いて孤児院の兄妹やそれ以外の住人に対してのフォローは一切ない。シナリオの中でも特に報われない展開となっている。
  • なお、「白き衣の会編」「奇跡の水編」から直接続いており、この後は後述する比嘉の話と、弥生の話と胸糞ストーリーのコンボが続き、分岐エンディングでフィニッシュとなる。この後も最後までろくでもないストーリーしかない。
  • 比嘉夏海の杜撰な扱い
    • シリーズお馴染みの比嘉は前作・前々作よりストーリーに絡むのだが、その扱いの酷さ、全く空気を読まない悪ふざけ、彼女にまつわるエピソードの適当さなどの様々な点の劣悪さから、シリーズファンに特に批判されている。
+ 四度目の被災にて…

初日から学校を抜け出した生徒を探してもらうという事で主人公と接点を持ち、それからも何かと協力的に接してくれるのだが、生徒からは徹底して嫌われており、心を閉ざされている。
被災五日目、いじめを苦にして自殺をしようとした生徒の浩子を助けるために崩れかかったビルに侵入。しかし、主人公と比嘉が浩子を助けた後、余震が起こり、ビルが倒壊し始める。3人は脱出を試みるが、ビルの出口で足止めされる。比嘉は2人を助けるために主人公と浩子をビルから押し出すが、彼女はビルの倒壊に巻き込まれてしまう。
三人の生徒たちは比嘉を探すが瓦礫の中から比嘉の遺体を発見し泣き崩れる…というもの。

  • このストーリーはメインシナリオである為、どうやっても比嘉を救う事は出来ない。また、次のマップに移動すると、ラジオで比嘉の遺体を収容したというニュースが流れるため、生存の望みも完全に打ち砕かれる。
    • お馴染みのキャラクターである比嘉を死なせてしまうという展開はファンには受け入れ難く、それに加えて瓦礫の中から出てくる比嘉の遺体の描写がやけに生々しかったり、その際に「続編でも会えないのかと思うと寂しさがこみあげてきた」というメタ選択肢が出てくるなどシリーズのファンから顰蹙を買う事が多い展開である。
    • 「大災害から毎回無事に生還するのは不自然」という意図があったのかも知れないが、そもそも同じ人物が生死を分けるような大災害に四度も遭うという時点でリアリティが皆無のため、この点から見ても擁護は出来ない。「比嘉夏海を殺したいなら、初登場作で殺すべきだった。 」という厳しい意見もある。
  • 命を賭して嫌われている生徒たちの心を一つにしたというエピソードではあるのだが、生徒達の出番も比嘉と共に終了し、号泣するだけなのでイマイチ感動が薄い事に加えてふざけたメタ選択肢でその死を茶化された上に生徒も比嘉も放置して去るしか出来ないので比嘉をぞんざいに扱ったと評判が悪い。
    • カットシーンの後に比嘉の遺体を調べ、(同情的な)対応を選ぶと、トロフィー「高校教師の残したもの」がアンロックされる。これではどう考えても台無しだろう。
    • 実際の所、生徒が自殺に至るまでの背景や比嘉の遺体を見つけるまでは比較的丁寧に描写されており、説得力自体はあるのだが、最後の最後に余計な拘りを入れたが為に胸糞シナリオの仲間入りをしてしまったといえる。
      • 前作のように主人公の行動次第で彼女を救えれば、そうでなくともせめてその死や取り巻く人々のエピソードを納得の行く形で最後までしっかり描ききっていれば、賛否こそあれど一種の手法として評価されたかもしれないが…。
  • また、この生徒のうちの一人はいじめの主犯格である事が三日目に語られるのだが、そのいじめがこの騒動の発端になった事が窺えるだけで、いじめていた事に対しての反省や本人への言及などは無い。
  • 後に『1』以来となる比嘉の弟の春彦が高校生に成長した姿で登場し、主人公が出会うが、彼がその後ストーリーに関わってきたりドラマを繰り広げる事も無く、ただ姉の死を淡々と伝えられるだけの非常にドライな扱いとなっている。
+ 後日談では…
  • 生徒達のその後が描かれ、やや描写不足ではあるが、いじめの主犯の絵里は比嘉の件で改心し、最終的に浩子とも和解を果たす。
    • また、比嘉が亡くなった事に対し、春彦から連絡を受けた『1』の主人公である須藤が献花の為に町を訪れる等、比嘉の死にかなりのフォローが入っている。本編でもこれぐらいの描写があればここまで非難される事もなかったと思われる。
  • ただ、絵里がいじめの件を直接謝罪する事は最後まで無く、最初から仲の良い友達だったかのように振る舞い、浩子の方もいじめの件を一切指摘せず謝るのみ。それに対して疑問を呈する事も出来るがやはりいつも通り心の中で呟くだけで無意味。
  • それどころかこの双方の不自然な態度から、自殺の引き金となったいじめに狂言の疑いがあるという、これまでの前提を根底から覆すような疑惑まで追加される事になってしまった。
    • 実際の所、絵里の腰巾着が浩子に嫌味な態度を取っていたのは確かだが、絵里自身が浩子をいじめたり罵る直接的な描写は無く、匂わせる程度でしか語られない。三日目で語られる「絵里に眼鏡を壊されて髪を切られた件」も浩子の証言だけで証拠は無い。
    • そもそもの話、本当にいじめがあったなら『2』で西崎加奈のいじめに気付いてしっかり相談に乗っていた比嘉が気付かないのは相当違和感がある。狂言だとすればまだ辻褄が合うが、だとすると結局浩子は何がしたかったのかという点は不透明なまま。
      • ならば真相をしっかり語るべきなのだが、三人ともそのまま帰ってしまうのでただ余計な不可解さが残っただけである。選択肢で「狂言だったのだろうか」と疑問を抱いても当然無意味
  • ヒロイン達の扱い
    • 同行者である笠原弥生、富田佳苗の二人はどちらも旧作のヒロインに比べて出番が少なく、本編への絡みもストーリー上の役割も然程ではない。本記事では便宜上「ヒロイン」とは書いているが、どちらかと言えば主人公と親しくなる一時的な同行者と言った感じである。
    • 旧作のような主人公への好感度は無く、エンディングへの影響も皆無に等しい。
    • シリーズ恒例の「親しくなったのでこれからは下の名前で呼び合う」イベントも無い。それもそのはず、今作では主人公、ヒロイン共に互いの名前を呼ぶシーン自体が皆無だからだ。大して親しくもならないし。
      • そもそも今作ではヒロイン含め、多くのキャラが下の名前で呼ぶのがデフォルトである為、イベントの入れようが無いのである。
      • 更に主人公に至っては全編を通して名前を呼ばれる事自体がほぼ無いに等しく、しかもメッセージウインドウでも名前が非表示だったり、例え表示されても「自分」だの「心の声」だのしか出ない。その名が出るのは基本メニュー画面とセーブ画面程度である。やっているうちに主人公の名前を忘れるかも。
      • 主人公の名前が呼ばれないのは『巨影都市』も同様だが、少なくともあちらでは主人公がヒロインの名を何度も呼んでいるだけまだ自然である。また、メッセージウインドウには主人公の名前もしっかり表示されていた。
    • それだけならまだしも、二人とも本編中に悲惨な扱いを受けている。九条作品のヒロインは幸薄いのが通例だが、今回は特に酷い。
+ 弥生の場合

大学生の弥生は就活で訪れた企業で被災し、初日に崩壊したビルに閉じ込められていた所を主人公に助けられる。
その際に主人公に恩義を感じた弥生は、付近のカーディーラー店で避難生活を送りつつ、主人公と一緒に被災地から脱出する方法を探してくれる。
そして五日目、「脱出するためのチケット」を譲ってくれるという人に会う為に宝石店へ向かうが、それは初日に主人公と佳苗を強姦目的で襲った二人組の男たちの罠であり、弥生はなす術もなく暴行を受けてしまう。
主人公が駆け付けた際にはすでに二人組は姿を消しており、弥生は言葉を発することなく泣き続けるというもの。

  • ヒロインのレイ〇を示唆するようなイベントであり、さらには上記の比嘉のイベントの直後の展開なので、より陰鬱な気分になったと特に評判が悪いイベントである。
  • 弥生発見時はムービーシーンとして表現されるが、これでもかと生々しく表現されている為、多くのプレイヤーが絶句した問題のシーンとなっている。人によってはトラウマになってもおかしくない。こんなシーンをリアルにしなくとも…。
    • 本作のプレイ動画が配信された際、このシーンでは女性を中心とした視聴者が揃って気分が悪くなったとコメントするといった事象が起こった。そりゃあそうだろう。
    • 以降の弥生はこの際の痛々しい姿のまま行動する。主人公の外見が変化する演出は廃止しておきながら、こんな所にだけは力を入れている。
      • 批判が多かった為か、後にアップデートで弥生に手持ちの服を着せられるようになり、申し訳程度のフォローは出来るようになった。上記の通り、着せられる服は極めて少ないが…。
  • この時に選択肢で以降は弥生が同行者になるか分岐するが、同行しなかった場合は主人公はそのまま立ち去ってしまい、弥生は二度と物語に関わらなくなる。主人公の為を思って結果的に被害に遭ったわけだが主人公は何の言葉もかけずに本当に見捨てる
    • しかもこの際にはわざわざ「うなだれている弥生に声すらかけずにドアを閉めて立ち去る」という胸糞の悪いムービーが流れる。
    • 「見ていられなくて」「自分がいると辛いだろうから」などとあれこれ理由を付けるが、結局ただ立ち去るだけ。「しばらく一人にする」のではなく、そのままフォローもなく出発してしまうのである。
    • 選択肢の中には「彼女をこんな目にあわせたやつを叩きのめしに行く」と言うものがあるが、これを選んでも、他の去る選択肢と全く変わらず、ただ立ち去るだけ。犯人たちを捕まえるといったシナリオは一切無く、そもそも犯人たちの行方も知れないままである。
    • ただ、ダニーの件と違ってプレイヤーに選択権があるだけまだマシと言える。
      • しかし弥生を同行者にすると宝石女が出てこなくなるので、トロフィーコンプリートを狙う場合、鬼畜プレイをしたいプレイヤー以外でも最低一度は見捨てる必要がある。
  • ちなみに主人公は宝石店の入り口のカギがかかった扉の前で弥生が襲われている場面に遭遇するのだが、すでに初日に扉を開ける鍵を手に入れているのにもかかわらず何故か使用せずにわざわざ裏口から回り込んで結局取り逃がしてしまうという失態を犯す。
    • そして、暴行直後に扉の鍵が普通に使えるようになるといった事から、もはやわざとやっているのかとツッコまれやすい。
      • 相手は二人組の男であり、主人公も初日に襲われているので危険なのだが、相手に気づかれていない上に店は大通りに面していて鍵まで持っているのだから扉を開けるだけで牽制はできるはずだし、主人公にも弥生にも面識があり、好意的に接してくれる人物がすぐ近くにいるのだから協力を頼むなり、何らかの手を打てるはずである*16。せめて扉が壊されて鍵が使えないので裏口に回るといった理由を挟むだけでこの批判は防げたのだが…。
      • 後日談では「あの扉は内側からなら鍵無しで開ける」と語られるが、そもそも本編では初日に店内から外に出るために鍵を手に入れる必要があり、後日談でも話を聞くまでは鍵がかかっていて出られないという謎の扉になっている。その言葉の通りだとしても説明が付くのは、主人公が駆け付けるまでに暴漢が素早く退散出来た理由だけであり、どちらにせよ、既に持っている鍵を使わなかった理由にはなっていない。
  • 震災に乗じた性犯罪というのは実際にある事なので、テーマとして悪いわけではないのだが、初日に未遂とはいえ、主人公と佳苗が男達に束縛されてあわや(勿論、男性主人公を除いて)強姦寸前まで追い詰められたり、女性ミュージシャンから震災に乗じて性犯罪に走る男達の話を聞かされるので既に一定の描写は出来ている。それにもかかわらず、ヒロインの一人をわざと見捨てて被害に遭わせ、犯人に報いも無く、無駄に力が込められた演出を見せられては趣味が悪いとしか言いようがない。
    • 歴代シリーズにおいても災害時の凄惨さや人間の邪悪な一面を表現する描写はあったが、プレイヤー操作によってある程度回避できたり火事場泥棒や悪人が報いを受ける展開にもできた。今作のように善良なヒロインが必ず強姦されて、襲った悪人が何も罰を受けず逃げ得となる展開を強制されるのは前例がない。
+ 後日談では…
  • 弥生に暴行したこの二人組を叩きのめす事が可能になった。…といっても唐突にストリートファイター風の格ゲーになり、悪漢達をKOするというギャグとしてだが。悪漢に制裁を加えるよりも強姦そのものを防ぎたいプレイヤーの方が多いのでは…?
  • とうとう戦闘面でも超人化した主人公は、波〇拳や竜〇旋風脚のような技すらも繰り出す事が可能。そしてこの二人組はとんでもなく弱いのでまず勝てる。初日にあっけなく縛られたのは何だったのか。
    • しかも技名はグランゼーラが石川県にある事にちなんだ「石川拳」。もう一つの技は「観光脚」というお寒い技名であり、大真面目に技名を叫ぶ。シュールさを狙ったのかモーションもかなり雑。作り込まれてもそれはそれで反応に困るが。
    • 仮に負けたとしてもゲームオーバーにならず、何の演出も無しにフェードアウトしてセーブポイントに戻るだけという手抜きぶり。
  • 二人を倒すと警察に捕まえられ御用となる。一応はこの二人を叩きのめせて報いを受けさせる事が出来るという展開なのだが、格ゲー部分が酷いせいであれだけ酷い展開にしておきながらギャグで片づけられてしまうので、カタルシスが感じられない。
    • それも主人公は二人を警察に突き出した訳ではなく、「さっさと行け」と促して逃げた先で駆け付けた警察に捕まるというもの。主人公が通報する描写は無いので、恐らく後から来た絵里が通報したのだろうが、下手をしたらまた主人公は犯罪者をみすみす逃がす所だった。
  • また、新たに浩子を襲おうとした二人に出くわして返り討ちにする形になるので弥生の仇を取りに行ったというわけではない。一応、戦おうとする際の選択肢の中に弥生の名前が出るだけマシではあるが。
    • 弥生は後日談には直接登場しないものの、エンディングにて主人公に手紙が送られ、その後の様子が語られる。更にラストの写真にも健常な姿が写っているので幾分か報われる展開になっている。
+ 佳苗の場合

初日に駅で瓦礫に埋もれていた佳苗を助けた主人公は、街を出る為に佳苗と一緒に彼女の婚約者である智也のいるフェリー乗り場を目指す。
しかし智也はいなかった上にフェリーにも乗れず、余震でフェリー乗り場も壊滅してしまう。
なんとかゴムボートで難を逃れた主人公と佳苗は、智也を探して被災地を三日に渡って共に彷徨い歩く、というもの。

  • 主人公との同行期間が最も長く、本作のヒロインを敢えて一人挙げるとするなら彼女と言える。
  • しかし婚約者持ちなので終始智也の事しか喋らず、あまりヒロインらしさが感じられない。二日目からはイベントシーンでの出番自体が減るので尚更ヒロインらしく思えない。
    • 三日目の夜に智也と再会した事から主人公と別れるが、三日間という旧作のヒロイン並の期間で苦楽を共にした割には非常にあっさりである。もっとも、ゲームとしての期間は短く、肝心の中身も薄いのでプレイヤー側の愛着も湧き辛いが。
    • アップデートで追加された二日目のエピソードではそれなりに話に絡んでは来るものの、ヒロインらしく思えるほどの目立った活躍は無い。
  • 佳苗自身は善意で街を脱出するためのチケットを人々に配るといった良識的な人物なのだが(主人公自身もチケットを渡されて被災者に配るというこのゲームでも数少ないボランティアの表現なのだが…。)、空港ルートでは婚約者が実は犯罪者で、彼女自身も知らぬ間に悪事に加担していたという残酷な真実を突きつけられる。
    • そして最終盤も特に何かヒロインらしい役に就く訳でもなく、周りのモブに混じって脱出するだけ。精々、空港エンド直前で主人公が街に残る選択をした場合、それに付き添うという程度である。勿論、副都心ルートに行った場合はその後の去就は不明。やっぱりヒロインじゃなくてただの一時同行者…。
  • また、主人公同様に外見の変化が無い為、初登場時の「地下鉄で瓦礫に埋もれていた」という状況にもかかわらず常にピカピカの服を着ている。前作のヒロイン二人ですら多少の服の破れや腕に包帯を巻く演出があったというのに…。
    • 瓦礫から救出するムービーでは少し汚れがあるようにも見え、足に怪我をしているとも語られるのだが、ムービーが終わると汚れも怪我も無く見事にピカピカに。包帯を渡す事も出来るが何の変化も無い。
    • 家屋内のイベント(一日目の就寝時)で靴を脱ぐ程度の差分はある。しかしアップデートで追加されたエピソードでは、あまり荒れていない家に土足で入る→イベント時に脱いでいる→イベントが終わった途端に土足になっており、中途半端な差分が却って違和感になっている。
      • ちなみに主人公はと言うと当該イベントでは足を映さないように誤魔化すだけ。靴も衣装と一纏めにした為に『パチプロ風雲録』のような細かい演出が出来なかったか。
    • アップデートで可能になった着替えも「服の交換」という体裁を取っておきながら、佳苗の服が手に入るだけで主人公の衣装は変わらない。その為、衣装をコピーする形になってしまっている。普通に着替えてもらうだけで良かったのではないだろうか。
      • しかも服を返しても佳苗の服は手元に残る。やっぱりコピー…。
      • 『巨影都市』でもヒロインに着せた衣装は手元に残る仕様だったが、あくまでヒロインに「○○を着るように勧める」という形だった為、違和感は少なかった。また、服の交換の時はちゃんと主人公も交換していた。
+ 後日談では…
  • まさかの出番なし。本編で主人公と一緒に街に残っていようが登場する事は無く、たまに選択肢に名前が出る程度の扱いとなっている。勿論、震災後の動向は一切不明。
  • 後日談では「元婚約者の智也に瓜二つの謎の人物」が登場するといったシナリオもあるので絡ませる事も出来るはずなのだが、全てスルーされておわる。
    • 後日談で出番が無いからか、後日談のエンディングの登場人物達の写真からも何故かハブられている。生前の比嘉とその生徒達と言った面々はおろか、後日談にしか登場しない須藤と本多まで載っているにも拘わらず、である。後日談でも(相変わらず金を巻きあげてくるという腹の立つ役割だが)登場し、わずかながらに写真にも写っている熊沢よりも、ぞんざいさが最後まで変わらずとも一応は登場した就活生よりも扱いが酷い。
    • 挙句、最後の選択肢では「そう言えば佳苗さんの出番が無かったけど、まあいいか」などとおちょくられる始末。ストーリーにおいても、製作陣にとっても、所詮その程度の存在だったという事だろう。本編で三日も行動を共にしたのは何だったのか…。やっぱりヒロインじゃなくてたd(ry
  • マルチエンディング制だが、エンディングが3パターンしかない。そのうちの1パターンは上述のギャグでエンディング後も普通にゲームが進むため、実質2種類しかない。
    • 旧作ではパートナーの違いによる水増しこそあれど、様々な内容が用意されており、コンプリートの楽しみがあったのだが、本作はそれも無い。
    • その上、分岐するのは最後の一日だけなので一本道な上に、どのエンディングも内容が酷い
+ 空港エンド

富田佳苗の誘いに応じて街を脱出するためのチケットを手に空港へ向かった主人公だが、実は人身売買組織の罠だったというもの。
それまで佳苗の婚約者として登場していた風間智也も組織の一員であり、被災前にバスで席を譲ったおばあさんがボスだったという超展開。
結局主人公を含む15人の被災者は空港でとらえられ縛られた上で船に詰め込まれるが、主人公は特に誰にも相談せず背後の穴から脱出し
船の中に偶然存在したカッターでロープを切り、その辺にあった機材で時限爆弾を作成して船を爆破する。
爆破に乗じていつの間にかロープを切っていた佳苗たちと共に脱出するが、すんでのところで智也に捕まり絶体絶命の危機に陥る。
ところが実は捕まっていたうちの一人の強面の男が警察官であり、智也たちは逮捕されるというもの。本作で報いを受ける数少ない悪人達である。

  • 一応、震災に乗じて人身売買をする組織が存在している事は作中でもほのめかされるのだが、
    そもそも本作の地震は『1』のように意図的に起こされたものではなく本当に自然に発生したものである為、
    震災に組織の主要人物が一か所に集まっているというのはかなり無理がある、加えておばあさんをボスにする必然性が全くなく話の説得力が薄れるだけになってしまった
    • 主人公に良くしてくれた人が実は黒幕、というのは九条作品ではお馴染みの展開ではあるが、今までは作中に伏線が張られており、思い返すと納得できるようになっていた。
  • 誰にも相談せず一人だけ抜け出し、爆弾を仕掛けるという展開自体大概だが、その脱出口も隠れていたものを見つけるのではなく船倉の奥に最初から開いており、しかも丸見え。直前の人身売買組織の面々と話すシーンの時点であからさまに見えており、「人質に即行で逃げられる穴をガン無視して悪役が声高らかに目的を語る」というツッコミ所満載のシーンに。他の人質も穴については一切触れないし、気付かない。
    • そして敵は見張りも全く置いていないので、ブリッジの方に上がらない限り好き勝手に歩き回れる。縛られた状態でも廊下を安全に通過できるし、爆弾作りものんびり行える。さすがに敵の視界に入ると射殺されるが、こちらから近づかなければ全く問題が無い。
  • カッターで縛っているロープを切るという展開は初日にもあるのだが(上述した暴漢から逃げるシーン)、あちらは無人になったコンビニに忍び込んでレジにあるカッターを使うというもので、敵の節穴ぶりやヒロインを放置できると言ったツッコミ所を除けばまだ説得力のある展開であるのに対し、こちらは何もない部屋にカッターが一つだけポツンと置かれているという不自然過ぎる展開。せめて爆弾用のコードと同じように荷物が積まれていて、その近くにカッターが落ちているといった展開には出来なかったものか…。
    • 「敵にロープで縛られ、敵の目を盗み、或いは不在の隙にロープを切る道具を探す」という展開自体、『1』や『巨影都市』で使い古されたものである。しかし『1』では敵がヘリで去った後で破損したパイプを使ってロープを切り、しかも手を傷付けてダメージを負ってしまうというリアルなものだった。『巨影都市』も巨影の襲撃で敵が混乱している中、散乱した部屋からハサミを見つけるもので、パートナーもちゃんと助ける必要もあった。それらと比較すると本作がいかに適当な作りなのかが分かるだろう。何故こうも劣化する一方なのか。
  • 知識を持たない主人公がいきなり爆弾を作るのに整合性を持たせるためか、船の中に爆弾の作り方が書いてある(が、読まなくとも作れる)他、ロープを切った後に拘束されている被災者たちの元に戻っても何の反応もなかったり叫ぶといい、どうも影が薄いらしい、拘束されたヒロインやモブ達を無視して何の脱出手段も講じずにいきなり出航中の船を爆破するという暴挙に走る等、脱出に至るまでの展開があまりに適当過ぎる。
  • シリーズ恒例の陰謀阻止展開であり、ヒロイン二人(弥生も同行していた場合)や序盤から登場していた人物数人が深くかかわるので、おそらく今作の正規エンドと思われるが、話の超展開さや、上記の突っ込みどころしかない適当な脱出劇もあって旧作のような盛り上がりは無い。
  • クリアに必須でありながら時限爆弾をセットした時点で強制的に300ポイントもの悪行ポイントが溜まってしまう。正規と思しき結末なのに強制的に主人公が悪人にされるという釈然としない展開である。これまで何かしらの悪事は行っているので悪人には違い無いが。
    • これまで善人プレイを心がけた人には馬鹿馬鹿しくなる展開であるが、まだトロフィーを獲得していないプレイヤーにはラストチャンスとなる。
+ 後日談では…
  • 組織のメンバーは逮捕された事が雑誌の記事で分かり、『1』主人公の須藤もこの組織について調査していた事が分かる。
  • しかし後日談第一話にて、逮捕されたはずの風間そっくり且つ風間智也を名乗る人物と遭遇するというイベントがある。主人公に問い詰められても意に介する事無く去って行き、更に後日談後編で意味深に公園の男性と話している様子が描かれる。一体何が起きているのか?これにどんな意味があるのか?と謎が深まっていく。…と思いきや、この自称・風間の出番はここで終了。いかにも続きがありそうだが、後はファイルで真相が明かされるだけである。
    • しかもそのファイルは特定のタイミングで特定の選択肢を選ばないと入手出来ない。気付かなければそれまでだし、続きのイベントがあるはずだとフィールドを探し回った挙句何も発見出来ず落胆した人も多く、しかし本編がぶつ切りだらけだった所為で「またいつものぶつ切りか」と納得されてしまう結果に。
    • また、その真相も思わせぶりな演出を入れた割には何とも拍子抜けするもので、イベントの存在意義自体が疑わしくなるほど。存在意義の乏しいイベントだらけのゲームだが。
+ 副都心エンド

副都心へ向かえば物資や施設が充実しているという話を聞いた主人公は副都心の避難所に向かい、
簡易風呂で体を癒し、避難所を見回っていると市庁で暴動を起こそうとしている市民達を発見、特に意味もなく参加すると、何故かそのまま主導者に祭り上げられ、市庁ビルの屋上まで市長を探す羽目になる。
屋上でようやく市長を見つけ問い詰めるものの、今度はいい加減な事を言ったために市民たちに怪しまれて主人公も一緒に追い詰められる。
この時、運悪く余震が発生し、市長の首を絞めながら倒れ込んだのでより立場を悪くする主人公。そして更なる余震で屋上から転落する主人公だが…
それを咄嗟に助けたのが偽店長の熊沢というまさかの熊沢エンドというオチ。しかし熊沢が改心したという展開ではなく、しっかりお金を請求された上に、警官がやって来ると即行で熊沢に売られるというありがたくない展開で物語は幕を下ろす。
しかもラストに語られる種明かしは、「暴動は完全に市民の勘違いの所為で、市長はちゃんと避難民を帰宅させる準備をしていた」という拍子抜けぶり。

  • アクション映画的なクライマックスは抜きにして、最後まで災害ゲーとしてプレイしようとこちらに進んでも、この通りエンディングに至るまでろくな展開にならない。
  • 空港エンドに比べ、あまりにも短すぎる。あちらは一応謎解き要素が存在しているのに対し、こちらは市庁に登るだけなので、ものの10分もあれば終わってしまう。
  • こちらのルートを選んだ場合、ヒロインを含めたほぼすべての登場人物が絡まないまま物語が終わるので伏線が回収されず、消化不良になる。よりによって例外が熊沢で、しかも最後まで下衆なままなので余計に釈然としない。
    • 評価点に書いたように、この「陰謀阻止展開ではないラスト」「敢えて物語の本筋に関わらない、本流から外れる選択肢」を用意した事自体は展開に広がりがあって良いが、内容が酷いので満足度は極めて低い。それよりもっと本編の分岐やエンディングを増やして欲しいものである。
  • この展開は主人公が得たデマを流す事で無意識のうちに扇動者になってしまうデマの恐ろしさを表現したと、九条Pのインタビューで語られているのだが、デマを流す以前に、情報を仕入れてもないので唐突かつ意味不明な展開となってしまい、プレイヤーの頭にはハテナしか浮かばない。
    • 途中、「どうしてこんな事になるんだよ(のよ)!」と、プレイヤーの気持ちを代弁するような選択肢も出るが、これを選んだ所で市長に「それはこっちが聞きたい」と返されるだけ。確かに市長からすればその通りだが、理不尽な展開に進まされ続けたプレイヤーはその感情を吐き出す事すら許されない。
  • 最終的に主人公の誤解は解け、警察に小言を言われるだけで済んだのだが、正に踏んだり蹴ったりである。これまでの所業の報いとも言えるか。もちろん指名手配になっていてもお咎めなしである。
  • 発売から約半年後、後日談となる追加シナリオの配信が前後編として配信された。前編は無料だが、後編はPS4のオリジナルテーマとキャラクターアバターとの抱き合わせで有料となる。
    • 本編終了から数ヶ月後、主人公が再び訪れた街を歩いていく。本編のキャラのその後がある程度描かれている。『1』~『3』までのシリーズに登場した様々なキャラが登場し、一部のキャラはストーリーにも大きく絡むといったファンサービスがなされている。
    • 本編のセーブデータがあればクリアしていなくとも移行は可能。アイテムも引き継がれるので、真冬にも拘わらず真夏の恰好をする変人になる事も可能。
      • ただし、本編で選んだ選択肢は反映されない為、大半のキャラに再会した時にまるで忘れ去られたような反応を取られ、そこから本編で選んだ選択を復唱する形になっている。「大金を渡した」など、主人公が○○したと言えば○○した事になるのである。
    • また、ボイスも多めなのでふざけた選択肢を選んだ時の反応がより楽しめる。言ってしまえば本編より面白い
    • 復興が進んでいる街が舞台なので、死ぬ事は無く、露骨な悪行も出来なくなっている。相変わらず店のバックヤードや会社に勝手に入ったり店の奥を通り抜けたりするが、それに誰も突っ込まないのは、もうそういう人間だと納得されてしまっているのか…。
    • 本編では消化不良に終わった様々なストーリーも全てとはいかないものの、ある程度の結末を見せてくれる為、後日談までプレイし終えると本編の消化不良っぷりが多少は解消される。
      • しかしあくまで多少であって本編の評価が覆る程ではない。また、首を傾げるような展開や適当な流れ、一部キャラのぞんざいな扱い、空気を読まないメタ発言も相変わらず散見される。
    • 更には上記でも幾らか触れた通り、本編との乖離、矛盾点も存在する。
      • 宝石店の扉やダニーの件などは批判の多かった所にフォローを入れようとして失敗したかのような矛盾になっている。本編をよく見ていれば分かるはずなのだが…。
      • 白き衣の会などはフォロー出来そうもないからと本編の設定をブン投げたとしか思えない変貌ぶりである。更に元ウェイトレスのマネージャーも余計な矛盾点に。本編をよく見ていれb(ry
      • また、上述の通り風間を名乗る男や浩子のいじめについてなど余計な混乱や謎も増やしており、消化不良を解消する為のシナリオでまた消化不良を増やすという本末転倒な事にもなっている。
    • 本編と同じく後日談にも善行、悪行ポイントや空腹、便意パラメーター等が存在するが、当然のように何の意味もなく、余震も起こらない為、歩き回ってイベントを見るだけの内容となっている。
    • 前後編とは書いたが、全8話中で無料部分の前編は僅か3話。実質的には体験版のようなシナリオになっている。その1ヶ月後に配信された後編は3時間程で終わるボリュームでありながら1,200円と高めの設定になっている。
      • そして後日談配信後に発売されたSwitch版とPC版については最初から同梱済み。Switch版については後日談配信から3ヶ月も経たないうちの発売である。よって、PS4プレイヤーだけがぶつ切りシナリオのモヤモヤ感を解消するために金を取られるという結果に。
    • 公式サイト、及びPS Storeのアバターの説明文では「後日談にも登場する「比嘉夏美」「十和田アケミ」「笠原弥生」「霧島瞬」「熊沢正義」の5名のキャラクターが収録されています」と記されているが、当然本編で死亡した比嘉が後日談に登場するはずもない。あと、「夏」って誰ですか?
      • 弥生も本人が直接登場する訳ではないが、一応手紙での出番はある。…後日談プレイ前にこの文章を読んだ人に余計な期待を抱かせそうだが。
    • 後日談でのみ入手可能な新コスチュームも幾つか存在するが、本編への引き継ぎなど勿論不可能なので、後日談でしか着る事が出来ずほぼ意味が無い。
+ 後日談に関してのネタバレ
  • スタッフロールには本編と違って背景のムービーが表示されるのだが、なんとこれがPVの使い回し
    • 前述した通りPVには女性主人公のみがクローズアップされているので、男性主人公でプレイした場合、知らないキャラをまるで自分が操作していたかのようなエンディングが流れる事になる。『巨影都市』ではちゃんと主人公の姿が反映された画像が表示されたのだが…。
    • 女性主人公の場合でも上述の通りPVの段階ではスーツのデザインが微妙に違ったので、やはり違和感に。
  • 後日談の途中では抱き合わせで買わされるPS4テーマを使った謎解きが挿入されるのだが、このテーマにはこの後に見るであろう後日談のエンディングのグラフィックが使い回されている為、エンディングの演出が台無しになる。
    • テーマの中に書かれている文字を探すという物なのでテーマ全体を注意して見る必要があるだけにもっと違うグラフィックは用意できなかったものか…。
      • 幸い、この謎解きをスルーしても先に進む事は出来るので、面倒ならば無視できるものではあるが。
  • 後日談シナリオ配信と同時期のアップデートにて、新たなマップが追加された。
    • 作中で最も短く描写が少なかった二日目*17のエピソードで、PVに映りつつも登場しなかったマップである。このマップの登場人物も最初からスタッフロールに載っていたが、カットされたものを改めて収録したのか、発売に間に合わなかったものを遅れて追加したのかは定かではない。
    • このエピソードは作中でもボリュームのある方で、登場人物も多く、ストーリーもアイレム時代のような九条テイストを感じられる内容で、まだ前半部分という事もあってか本作では珍しく大団円となるものになっている。
      • …が、最後に余計な拘りを入れてくる所、ゲーム性の薄さ、一部の強引且つ理不尽な展開、主人公の肝心な所でのダメっぷりは相変わらずである。
    • また、このエピソードでも例によって不具合が(しかも複数)発生しており、修正の為にまたアップデート回数を増やしている。

総評

九条Pと高は車氏のシナリオは、過去にも『パチプロ風雲録』シリーズや『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』などで「悪行に走れる選択肢」「クリアしても報われないイベント」と言った自由度や現実感が度々拘りとして導入されており、賛否両論ありつつも一定以上の評価は受けていた。
しかし今回はリアルな被災地の過酷さをプレイヤー自身に体験させようとしたのだろうが、結果それらの拘りばかりが強調されて他はなおざりになり、「悪行にも走れる」ではなく「悪行が推奨・強制される」「報われないこともある」ではなく「ただひたすら報われない」と、両氏のシナリオの負の側面、悪く言えば両氏の悪趣味だけが暴走して、被災地の過酷さを描くと言うよりはただ被災地を醜く描いただけで、胸糞、粗雑、ぶつ切りの三重苦という誰得シナリオになってしまった。

世界一の災害シミュレーターを目指すというコンセプトで、これまでとは違うリアルな被災地を描くという意気込みは分かるものの、肝心のゲームとしてはつまらないものになり、さらにはフルプライスとは思えないほどボリュームが少なく、かと言ってシナリオ面では被災地の暗部ばかりがクローズアップされて徹底した差別や嫌がらせしか存在しないストーリーなので、長くプレイするにはしんどい内容となっている。
後日談で一定のフォローはされたものの、発売から半年以上経過した上に有料DLCである点は褒められるものではなく、何よりこれで本編の評価が上がるかと言えば答えはNOである。
システム面でも何故か形骸化したシステムの数々により肝心のリアリティを失っており、システム・シナリオ双方でちぐはぐな出来になってしまっている。

アイレム時代から重視されている自由度も、無意味且つつまらない選択肢が多いだけでストーリーは一本道(しかも意に反する事ばかり)で、「意味は無いけど選択肢はたくさん選べる」「報いは無いので現実では許されない悪事がやり放題(と言うかやらされる)」と、完全に「自由」を履き違えており、加えてシリーズ恒例のお遊び要素も悪ノリが過ぎて、寒さしか感じない不快材料にしかなっておらず、最早ネタとしても楽しめない。
災害シミュレーターとしても、防災マニュアルに反する事、倫理的におかしい事ばかりさせられるのでまるで参考にならず、せっかくの監修もほぼ意味が無くなっている。
結果としてストーリー、システム、リアリティ、ボリューム、災害シミュレーターとしての実用性、ネタと、どこを切っても完成度が低く、シリーズの特色も多く失ってしまった。

過去作から進化したとはっきり言えるのはグラフィックや被災地の表現力くらいしか無く、事実上のプロトタイプと言える『巨影都市』からも殆どの要素が劣化してしまっている。
PS3版中止から7年もの歳月を経てようやく発売に至った本作だが、言ってしまえば製作陣のアイレム時代からの拘りと悪趣味だけで出来ているようなゲームであり、長年待ったファンの期待に応えるどころか失望させてしまった残念な作品になってしまった。

『5』の発売の計画が進んでいる様だが、その際には今作が受けた批判を受け止めて欲しい所である。


余談

  • 発売に当たってCEROとレーティングに関して相当揉めたらしく、九条PはPS3版開発中止の主な理由として挙げている*18。ゲーム中の展開を見る限り揉めても仕方ないと思える部分が多いが。
    • もっとも、上述の通り、被災地を無法地帯にしたり、被災者を醜く書きすぎているので、東日本大震災の直後にこんなストーリーのゲームを発売すれば「不謹慎ゲーム」として、今以上に辛辣な評価を受けていたであろう事は想像に難くない。
  • 九条Pは「災害を扱ったゲームを発売することはリスクが高いため、自分たちでその責任を取りたい」という思いから独立したと語っていたが、自身の拘りや悪趣味ばかりが優先されているため、「好き勝手にやりたかっただけ」「自分に都合のいいようにしか考えてない」と思われても仕方ない状態である。
    • 更には居直りのようなツイートまで残しており、批判は承知の模様だがやり方を変えるつもりも無いようだ。以前はTwitterのプロフィール欄に「批判にも感謝」と書いていたのだが…。
    • PS2時代にも九条Pは「人間の無念さ・やり切れなさをゲームで表現したい」「人と人とのやりとりを見ていて、"これは辛いだろうな…"という場面があると"これはいい!"と思い、すぐにシナリオに取り入れる」などと趣味の悪い事を語っていた(参考)。
      • それでもその頃の作品は胸糞悪さばかりという事もなく、明るいエピソードや救いのある展開も相応にあった。シナリオ自体も基本はまとまっており、極端な破綻は無かったのだが…。
      • 一部からは「アイレムを離れたからもう制御する人がいなくなった」「過去作の実況プレイ動画が人気だったから、最初から実況映えを狙って作った」などとも言われている。もっとも、今作は実況プレイすらウケていないが*19
      • また、P自身は「たとえ震災がなかったとしても、アイレムではいろいろなことをやるのが難しくなっていました」とも語っているが、本作の内容を鑑みるにシナリオの酷さのあまりアイレムが止めていた可能性が考えられ、「アイレムを離れたから~」の推測にも説得力が持ててしまう。
  • IGN Japanでの評価もかなり辛辣である。
    • 特にシナリオに関しては「いつしか迷走し始める災害というテーマ」「徐々に悪乗りと感じてしまうほど凄惨なドラマに見舞われる」と実に的確に指摘されている。「いつしか迷走し始める災害というテーマ」に関しては今に始まった事でもないが
  • PS3版時代に「排泄しないとストレスが溜まる」という仕様が公開された際には「絶体絶命都市4は糞ゲーだった」というネタが囁かれていた。
    • 勿論、これは本来の意味の「クソゲー」ではなく、『せがれいじり』や『トイレキッズ』などのようにう○こが絡んでくるゲームという意味である。
      • しかしそれをリメイクした完成品が本来の意味通りになってしまったのは皮肉である。
  • 何故か公式サイトには長らく「登場人物紹介」の項目が無く、追加されたのは発売から3ヶ月以上経った2019年3月1日になってからだった。
    • その「登場人物紹介」にもやはり上記の就活生がいる。なぜモブ同然のキャラをそんなにプッシュするのか。だったらもっといい役に就かせるべきだったのでは…。
  • あちこちに『マンガ・カ・ケール』などのグランゼーラ作品のポスターが貼ってあるが、何故か本作そのもののポスターも貼ってある。こんなところにまでメタネタ…。
    • 更に道中でもグランゼーラの社屋と思わしきビルが崩れ、「絶体絶命都市4は大丈夫だろうか」とストレートに心配しているモブまでいる。自虐ネタなのか、PS3版発売中止をネタにしているのか。
  • 物語の設定は201X年7月ではあるが、比嘉の年齢から前作から4か月後の2011年の7月とされる*20
    • つまり比嘉は、『2』『3』『4』と合わせて7ヶ月の間に三回も大災害に巻き込まれた事になる。『巨影都市』を含めればさらに一回増えるというとんでもない不幸体質の持ち主である。同じく4度の遭難をしている『無人島物語』シリーズのヒロインの一人、中嶋理香を髣髴とさせる。
    • それでも『1』を除けば毎回足を挟まれる程度で大した怪我も無く生還しているので、その点で言えば強運の持ち主とも言えた。…前作までは。
      • 比嘉の死が、ファンや一般プレイヤーの間でさえ、よりエグさを増している問題もある。『2』に比嘉の小ネタ*21と『3』の主人公の救出イベントの選択肢を観察していると、比嘉はまだ独身で死んでしまうのかと思うだろう。その上、『1』と『2』の比嘉に対する主人公たちの(強制的な)救出イベントも、『3』の比嘉を救うという主人公の選択も、結局は無意味だったそう考えた人の中には、彼女を助けるのではなく、食品箱を奪って死なせるという選択をする人もいるかもしれない。
      • ちなみに、九条Pは、『4』で比嘉を死なせるという決断は、東日本大震災前のPS3版『4』の開発段階ですでに決まっていたと認めた。
      • シリーズ常連キャラと位置付けられた以上、今後シリーズが続く限り、大災害に巻き込まれ続けなければならない。…という運命から解放しようとしたと考えられなくもないが、だとしても他にやりようはありそうなものだが…。そもそも無理に被災させ続ける必要などあったのだろうか。
        + また、後日談では衝撃の事実が…
      • 後日談の終盤ではモブから「絶体絶命都市5は初代と『2』の間の出来事らしい」という情報が聞ける為、もし次回作が出たら今度もまた比嘉が登場し、そして死して尚、被災させられる可能性が残されている。
  • 前作、前々作には次回作の名を冠したコンパスが登場したが、今作には「絶体絶命都市5のコンパス」は存在しない。インタビューや後日談のモブの台詞を見る限り作る気はあるようだが…。
    • 2020年末時点の公式ブログで絶体絶命都市5の企画や開発自体は動いているという旨の記述がされている。具体的にどこまで話が進んでいるのかは不明。
    • 2021年後期の生放送にてに比嘉夏海と思わしきキャラクターのビジュアルが公開。どうやら後日談のモブの台詞は真実であり、前述の「死して尚、被災させられる」の予測が現実となる可能性が高そうである。
      • 九条一馬曰く「オープンワールド」の予定らしい。
    • ちなみに『4』の後日談DLCでは、『2』から1年経っても須藤真幸の姿や状態は変わらない*22。須藤の右足は完治しないのか、それとも部分的に不自由になるのか、心配する声もある。2022年3月31日の「グランゼーラの集い2」ライブで、九条一馬は『絶体絶命都市5』において、須藤の『1』から『2』以降の結成過程と脚の怪我の原因が明かされる可能性が高いことを明かした。
  • 「朝顔交差点」「睡蓮公園」など、本作のマップはいずれも花の名前を冠している。平仮名、片仮名表記の地名が目立つのはその為である。
    • 過去の九条作品でも花や植物に由来するネーミングが少なくなかったが、今回のマップ名はストレートに花で統一されている。しかしこんな街の名前にされた花が可哀想である。
  • 『マンガ・カ・ケール』のDLC「絶体絶命都市パック」では本シリーズ関連の素材が『3』を除いて収録されている。
    • 本作からは主人公、霧島、比嘉、高校生の制服、イタリアンレストランの衣装、他にも作中のマップ背景、数々のオブジェクト、関連モーション、霧島と比嘉の髪型と盛りだくさんの収録となっている。…が、その所為で本作の悪夢が蘇るかもしれない。
      • オブジェクトについては乗り物、瓦礫と言ったものは勿論、落とした弁当などの小ネタまで盛り込まれている。他にもっと作るべき素材があるだろう。
    • また、「絶体絶命都市4の本編DL版、後日談の一方でも購入済みユーザーは無料」ではあるが、「本編DL版、後日談の片方のみを購入していたユーザーはこのセットが購入リストに表示されない」という不具合が配信開始から一週間ほど発生していた辺り相変わらずである。
  • その後放送されたwebアニメ『日本沈没2020』は、荒唐無稽でリアリティーが欠如した被災地の描写が非難され、本作の方が被災地のリアリティーが出ているという点では再評価する向きもある。あくまでそちらと比較する形ではあるが。
    • ちなみにこちらは脚本家が「ツッコミ所満載に作った」と公言している。
  • 発売から5年ほど経た2023年、グランゼーラ公式サイトの「ずっこけ4コマ革命軍」にて、絶体絶命都市4PlusとR-Type(Final2)の公式パロディクロスオーバー4コマシリーズ『絶体絶命(バイド)都市』が掲載された。地震ではなくバイドに見舞われたひすい市が舞台となる。
    • 主人公が比嘉の不死身を察知する、バイドが高値で売れるという異常事態に託けて絆創膏を売ろうとするが誰も買ってくれない、作中のモデルがブス寄りだった女子高生がバイドに間違えられるなど、メタギャグやセルフパロディ(自虐ネタ?)が盛り込まれている。本作に失望させられたプレイヤーほど笑えるかもしれない。
  • 上記の通り、被災者を醜く描いている事が批判されているが、実際の災害でも被災者が暴徒と化してしまうケースは実在しており、本作以外の災害を題材とした作品でもそれを描いている事は珍しいものではない。問題はやはり、ストーリーやキャラクター描写が度を越して不快になってしまっている事なのだろう。
  • 2024年1月1日によりにもよってグランゼーラ本社が存在する石川県付近にて能登半島地震が発生。『5』はおろか、グランゼーラの今後の活動に悪影響を及ぼさないか不安の声が絶えない。

移植

  • 後日談シナリオ配信に先駆け、どういう訳かNintendo Switch版が発表され、2019年9月26日に『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories- for Nintendo Switch』のタイトルで発売された。
    • 今まで公式に妙にハブられていた男性主人公はPVにそれなりに登場しており、パッケージにも描かれている。
    • PS4版ではアップデートで追加されたシナリオや後日談は最初から収録されている。しかし、その他の追加シナリオや変更点は特に無いので、評価が上がるものではない。実質ただの移植である。
  • 後にNIS Americaから『Disaster Report 4:Summer Memories*23』のタイトルで海外版がリリースされることが決定。プラットフォームはPS4/Switch/Windows(Steam)。また、Windows版はこれがシリーズ初となる。
    • 当初は2020年初頭の発売予定だったが最早お約束のスケジュールの遅れにより2020年4月7日に発売された。Windows(Steam)版はUI/字幕/音声とも日本語対応している。
    • (ネガティブな方向に偏っているが)一応独創性はある為、海外ではそこを評価する声も無くも無いのだが、案の定、上記で挙げたような数々の問題点は指摘されており、やはり評価は低い。特にゲーム面に関しては「15年前のゲームのようだ」なんて意見もちらほらと。15年前のゲームに失礼な気もするが。
    • 尚、北米でのレーティングはESRB:T(13歳未満は購入時に保護者の同意が必要)。確かに日本のレーティングでCERO:D(17歳以上対象)やCERO:Z(18歳以上のみ対象)になったソフトが北米ではESRB:Tに指定される事もあるにはあるが、この内容で13歳以上対象!?
      • ちなみにヨーロッパではPEGI:18(18歳以上対象)。そりゃそうだ

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最終更新:2024年02月08日 21:38
添付ファイル

*1 日本一ソフトウェアのアメリカ支社。Steamでは全世界配信となる為、ワールドワイドパブリッシャーを担当している。

*2 同じく被災者への配慮なのか、ほぼ同時期にアイレム公式サイトのコンテンツが大幅に縮小。本シリーズを含めゲームアーカイブスやVCなども全て販売中止となり、“アイレムはゲーム開発から撤退”した。

*3 ただし、実際に大勢の死者が出る描写は少なく、基本はラジオで犠牲者数が伝えられる程度。メインストーリーに登場するキャラもあまり死なない。

*4 一か所だけ、ふんばらないと転落死してしまう場所が存在する他、複数回転倒を防止する事で手に入るトロフィーもある為、完全に意味が無いわけではない。ゼロに限りなく近いが…。

*5 ヒロイン2人、比嘉、アパレルショップ経営者のアケミ。比嘉の教え子なども含めればもっとである。

*6 防災マニュアルにも「自分の彼女の~」という項目が幾つかあり、やはり基本的に受け手は男性だと想定している事が窺える。

*7 「地震で面接が中止になったので交通費を返却してもらう」イベントや、弥生に対して「互いに就活をがんばろう」といった選択肢がある。理由をショッピングにしたとしても、面接場では怪しまれる事もなく普通に交通費を貰えてしまう等、不自然な点が多い。

*8 …が、実はヒロインを放置して自分だけ脱出しても、勝手にロープを解いて付いてくるのでその必要自体無かったりする(助けると善行ポイントが入るだけ)。ここまで来るとただ手を抜いているとしか言いようが無い。

*9 モブも含めるのでかなりの人数が登録されるも、主要人物の紹介文は「一行」なのにサブキャラに5ページも割かれていたり、その人物の去就が明らかになっているのに追記されなかったり、名前の分からない人物ばかりが並んだりとかなりいい加減。

*10 一応、「もし地下鉄に行くことがあったら」と頼まれ事はされているのだが、この時のモノローグが「地震のせいか、地下鉄の入り口が開いていた。"中に入ってみた"」なので、つまりそういうノリなのだろう。

*11 実際に水でインスタント食品を調理する方法は存在する。

*12 『バンピートロット』や『パチプロ風雲録』では料理の所持が出来た為、そのノリでやってしまったのだろう。流石にうどんは無かったが。

*13 先述の指名手配を受けたり、同行者がいた際に怒られる程度。しかし指名手配されても逮捕される事はないし、同行者に行動を止められる事もないので何の意味もない。悪行ポイントも入るが、トロフィー獲得の為のボーナス点にしかならないのは先述の通りである。

*14 なお、この親子は人物リストに名前で登録されることがあるが、この親子の名前を知ることの出来るイベント等がないため当初は分岐を用意するつもりだったと思われる。イベントの淡白さはカットの弊害か。

*15 選択肢次第では奇跡の水じゃないと否定出来るが例によってガン無視されて結局、流される。

*16 弥生が襲われているのが分かった後も、ボロボロの弥生本人を彼の所へ連れて行っても反応は事件前と全く同じという手抜きぶり。

*17 午前のエピソードが過ぎたらいきなり日が変わっていた。

*18 本人の主張ではこの事とスケジュールの杜撰さを理由としており、震災との関連については氏自身は一貫して認めていない。ただ、アイレム側は震災の影響を認めていた。

*19 弥生の項でも少し触れたが、特に弥生や比嘉の顛末はウケ狙いでプレイしていた動画実況者ですらドン引きして嫌になったと実況されるほど評判の悪いシナリオであり、女性のプレイヤーや視聴者からも敬遠されている。というか誰が見ても敬遠するレベルだが…。

*20 『1』(2005年6月)で17歳、『2』(2010年12月)で22歳だったのが7月時点で23歳となると2011年しか無い。

*21 西崎編では、比嘉を助けた後、西崎が比嘉に恋人はいるのかと尋ねる。比嘉は恋人がいないことを確認する。

*22 須藤は同じ服を着て、相変わらず杖をついて歩いている

*23 海外では『1』は『Disaster Report』のタイトルで発売されたが、『2』のタイトルは『Raw Danger!』、『3』はそもそも未発売で、『4』ではあるが『Disaster Report』のタイトルとしては二作目になる。