ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット

【ぽんこつろまんだいかつげきばんぴーとろっと】

ジャンル ポンコツアクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
開発・発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング
発売日 2005年6月30日
定価 6,800円(税抜)
レーティング CERO:12才以上対象
廉価版 愛コレ!アイレムコレクション
2006年9月14日/3,800円
判定 良作
ポイント ロボットアクション+日常生活
とてつもない自由度
良くも悪くもアイレムの方向性を決めた
そんなことよりお腹がすいたよ



激動する時代のうねりは、
ボク達に歩調をあわせてくれない——。



概要

産業革命をテーマとしたロボットアクションアドベンチャー。
舞台は産業革命初期のヨーロッパをモデルにしつつ史実とは違う「もう一つの産業革命」を迎えたことで、「トロットビークル」と呼ばれる二足歩行型ロボットが普及した世界。主人公は自身のトロットビークルに搭乗し、各地を回りながらこの世界で生きていく。

見た目通りのロボットアクションではあるが、それ以外にも人々との交流といった生活部分がもう一つの柱として存在し、アクションとアドベンチャーの要素を併せ持った正真正銘の「アクションアドベンチャー」となっている。

従来のゲームではあまり考えられない方向への自由度も非常に高く、以降の同社作品に非常に大きな影響を与えている。
制作者たる九条一馬プロデューサーの作風を決定付け、同Pが開発を主導するアイレムゲームの方向性を示した作品と言える。


ストーリー

もうひとつの産業革命期。ようやく自動車の普及が始まった頃、二足歩行の乗物「トロットビークル」が発明された。
悪路に強く、二本のアームを持つトロットビークルは、農耕、輸送、土木など、さまざまな作業に自動車以上の利便性を持っていたため、みるみる社会の中に溶け込み、人々の生活になくてはならない文明の利器となった。
しかし、産業の発達は人々の適応よりも速いペースで進んでしまった。機械の導入で仕事をなくす人々や、機械の力を借りて悪行を繰り返す人々、生活の利便化によって大事なものを失った人も、少なからずいたのである。

主人公であるバニラビーンズ*1は、ウミネコ海岸に倒れているところを、トロット楽団のボーカリストである少女コリアンダー(通称コニー)に助けられる。彼は記憶を失っており、自分のことが思い出せなくなっていた。ウミネコ海岸を出ようとした時に、向かいの崖に現れた何者かのせいで、崖が崩れ出口を塞がれる。バニラビーンズとコニーは協力して出る方法を探し、波打ち際に棄てられていたトロットビークル、「カモミール・タイプII」を見つける。

コニーを助けていくうちにバニラビーンズはトロット楽団の一員となり、仲間と協力したり、かつての自分を知る人達と再会したりする。その間にも産業革命期の世界は、さまざまな問題を生み混乱していく。

(※Wikipediaより引用)


特徴

  • トロットビークル
    • この世界で普及している二足歩行型ロボット。自動車に脚とアームを付けたような外観で、「小走りの乗り物」の名前の通りどこか愛嬌を感じさせる。主に「ビークル」の略称で呼ばれる。
    • 戦闘が可能で、実際にこれを用いた格闘試合「ビークルバトル」が行われたり悪用する者も居るが、現実の車と同様にあくまで移動手段や作業機械である。
      • パーツの換装による汎用性の高さから、輸送・農作業・建築などに幅広く使用されている。主人公機も(初期段階では)戦闘用ではなく平和的なロボットという点も、他のロボットアクションとは一線を画している。
    • 二足歩行型とは言っても脚部は二足とは限らず、多脚型や車輪型、キャタピラ型もある。
  • 生身の主人公と、トロットビークルに乗った状態を切り替えながら進行する。
    • 街の外のフィールドやダンジョンはビークルに乗って行動し、ジャンプやダッシュを駆使したり敵との戦闘もあるなど、こちらはアクション要素が強い。
    • 街の中やビークルでは入れない場所は生身で行動する。人に話し掛けたりアイテムを拾ったりなどで探索し、こちらはアクション要素が無いRPG的マップとなっている。
    • ビークルの操縦は左右のアナログスティックを使うラジコン操作。前後別方向に倒すと旋回、2本を外側に倒すとジャンプ、内側に倒すと防御といったスティックによる挙動やL、Rボタンを使った攻撃などの感覚は2本の操縦桿を使った操作にも近く、『電脳戦機バーチャロン』に代表されるアーケードのロボットゲームを想起させる。
    • 機体HPはパーツに応じた機体重量に比例する。また、敵や物を持ち上げることもできるが、敵の場合は自機の重量が上回っている必要がある。
    • 燃料の概念があり、ダッシュや攻撃などの激しい行動で多く消費する他、機体重量が大きいとさらに消費が激しくなる。無くなっても歩行はできるが、ダッシュ。ジャンプ、攻撃といった基本行動がろくに取れなくなる。
      • また、武器パーツ毎にも耐久力が存在し、使うほど減少する。無くなると壊れこそしないが満足に使用できなくなる。銃器系パーツの場合は残弾数を示す。燃料補充や機体・パーツの修理は整備工場で有料で行う。
    • 生身の主人公にはHPは存在しないが空腹の概念があり、食事を取らずにいると腹ぺこ状態になって移動速度が遅くなってしまう。放置しても餓死はしないがスムーズに進めるならちゃんと食事を取る必要がある。
  • ストーリーを進める以外にも各地にはサブイベントが用意されており、クリアすることで報酬を得る他、作中世界に何かしらの影響を及ぼしていく。
  • 時間経過の概念があり、時間帯に応じて街行く人々の様子も変わる。
    • 時間は街に出入りするなどの特定の行動で進行し、リアルタイムでは変動しない。自室や宿泊施設で寝て進める事も可能。
    • 時間帯は朝⇒昼⇒夕方⇒夜に分かれ。夜になったら就寝しなければ朝が来ない。
  • リズムゲームの要素もあり、コンサートや路上ライブで楽器を演奏することができる。
    • 最初はハーモニカしか無いが、新たな楽器を入手すれば使用可能に。楽器に応じて操作方法も変わり、それぞれの特徴を捉えたリズムゲームがプレイできる。
    • ストーリーが進むと主人公は楽団に所属し、大規模なコンサートや酒場での演奏に参加することになる。担当パートは持っている楽器から選べる。但し、ピアノは持ち歩けないので設置された場所でしか選択できない。
    • 主人公一人でいつでも路上ライブが可能。上手く演奏すれば通行人が立ち止まっておひねりが貰えるが、場所や時間帯を選ぶ必要がある。当然、夜中の人通りの無い場所で演奏しても誰も聴いてくれない。
    • 練習はメニュー画面からいつでも可能。
  • 1日毎に主人公の呼び名が変わる。
    • 呼び名は服装やステータス、ビークルの装備、それまでの行動に応じて2つの語句が組み合わされる形で決まる。真面目なものもあれば変なものも多く、それが組み合わさる訳なので抱腹絶倒の呼び名になることもしばしば。

評価点

  • とにかく高い自由度
    • トロットビークルが汎用性の高い乗り物ということもあってやれる事が多く、正に作中世界での「生活」が楽しめる。
      • 街から街への荷物の運搬、食品や資材などの交易品を仕入れて売る、博物館に展示する遺物や化石を発掘する、人を乗せて目的地へ送り届ける、と言った作業機械としての様々な仕事が行える。
      • 迷路のような構造や敵が待ち受けるダンジョンや、強者が集う闘技場、ならず者からの護衛ミッションなどもあり、ロボットアクションとしての楽しみも充実している。
    • 他にも株取引で稼ぐ、音楽活動に精を出す、部屋を借りて模様替えしてそこでヒロインといちゃつくなど、幅広い行動が可能。勿論、部屋を借りると毎日家賃を取られる。
      • 恋愛要素はそこまでディープなものではないが、ヒロインと他2人の女性キャラにプレゼントを贈ったり部屋に招く事ができる。
      • 細かいところではビリヤードや映画鑑賞といった事も可能で、より生活感のあるプレイができる。
    • サブイベントも多数。本編だけでもそこそこのボリュームはあるが、これらもこなすと本当に長く作中世界を堪能できる。
    • 終盤はなんと善人ルートと悪人ルートが用意されている。前者では最後まで王道の展開だが、後者はクライムアクションも真っ青な悪の道に走ることになる。
      • 一方、悪人ルートでは善人ルートで死亡するキャラが生存したり、善人ルートには無かったようなドラマチックな展開も一部あり、寧ろこちらの方に力を入れているのではないかと思えるほど。
    • 主人公の外見もカスタマイズできる。多くの衣装が用意されている他、髪型も変更可能。
      • 制限は無いので、髪型をモヒカンにしたり、葉っぱの海パンで街中を歩く事もできる。そんな変な恰好でシリアスなイベントをブチ壊しにするのも勿論OK。
  • 豊富な選択肢
    • 何をするにしても多数の選択肢が表示され、プレイヤーの感情を反映させたりその時の気分でコロコロ態度を変える事ができる。
      • 単純に承諾か拒否かというだけではなく、例えば頼み事を引き受ける際にもそれを快く受けるのか、嫌々やるのかといったように主人公の人格も操作できる。
      • 会話の流れを無視して見当違いなことを言い放ったりお馬鹿に走るネタ選択肢も満載。空気を読まず宣う「そんなことよりお腹がすいたよ」は特に有名で、以後増大するアイレム選択肢の代表格として扱われることが多い。
    • そして正統派の優等生選択肢がある一方で、悪党じみた選択肢もまた豊富。主人公の声も悪に傾くと特に迫真の演技となる。実は悪役がやりたかったのかも。
      • 人の弱みに付け込んだり、真っ赤な嘘で人を騙したり、自分が助かるためにヒロインを差し出そうとするなど、外道そのものな選択肢も多い。
    • 金をせびる選択肢は相当拘りがあった模様で、なんとラストバトルの連戦の最中にもある。しかもその時でしか手に入らないヒロインの借用証書なんてアイテムも用意されるほど。
      • そんな有様なので、序盤からヒロインをいぢめる選択肢も満載であり、最初の街に入る直前にはそれまでヒロインに酷いことをした度合いに応じて台詞が変わるイベントすら用意されている。
    • エンディング後にヒロインと再会した際には「告白する」といった王道の選択の他、「ビークルバトルを挑む」ことすらもできる。しかもヒロインもノリノリで応じる*2
    • ネタ選択肢自体は『絶体絶命都市』や『パチプロ風雲録1~3』にもあったが、今作では選択肢の幅と数が爆発的に増大し、正にフリーダムな振る舞いが可能となっている。
    • どの選択肢でも選ぶと相手がそれに応じた反応をしてくれるので全部選びたくなる面白さがある。一見ネタのように見えても中には重大な伏線となっているケースもある。ある人物に挨拶する際に軍隊式の敬礼をすると…。
    • 当然ながら、必ずふざけたり鬼畜に走らなければならないなどという事は全く無く、真面目にやりたい人は気兼ねなく優等生プレイをすれば良い。全てはプレイヤー次第である。
    • 尚、プレイヤーだけでなくNPCにも結構フリーダムかつあくどい行動をとる者もチラホラいる。まだ承諾していないのに「この人がやってくれるそうです!」と勝手に仕事を押し付けてくる者や、いい人そうに見えても実は主人公に払う賃金を値切っている商人など。
      • 商人に関してはプレイヤーの選択肢次第では高額の賃金を払わせることが可能など、そう言った相手にもただ黙って従うばかりではなく時には相応の対応をしてやれる。
  • トロットビークルのカスタマイズ性と操作性の高さ
    • これまた豊富に用意された各部のパーツを組み合わせ、自分だけのビークルを作る事ができる。パーツの付け替えだけではなく塗装も自由自在。
      • 戦闘用の兵装は勿論のこと、収穫用のカゴ、運搬用のキャリー、人間用の座席といった作業機械ならではのパーツもあり、用途に応じて付け替えることができる。
      • 兵装は剣や大砲の他、鉄球、ノコギリ、鞭といったものまである。
      • タイトルの「ポンコツ」に象徴されるような愛嬌のある乗り物ではあるが、R-TYPEシリーズを手掛けたアイレムだけあって機械的な格好良さもあり、見た目に拘る事もできる。
    • 操作は初心者にはやや難しそうな印象も受けるが、タイトル画面から丁寧なチュートリアルがプレイできるので安心。
      • しかもこのチュートリアルは本編の前日談でもあり、後々ストーリーに関わってくる。「チュートリアルなんかいらない」と思う人でも本編前にまずプレイ推奨。
  • こういったカスタマイズ性の高さ、行動の自由度、選択肢、お馬鹿要素などはアイレムのゲーム(九条作品)でお馴染みだが、その基盤を築いた立役者は本作と言っても過言ではない。
    • 過去のアイレム作品でもお馬鹿な演出は少なからず存在し、パートナーを見捨てられる『絶体絶命都市』や悪人寄りのルートにも進める『パチプロ風雲録3』などもあったが、本作ではバカも外道も可能な自由度をより本格的に導入し、翌年の『絶体絶命都市2』『パチプロ風雲録5』と共に「フリーダムなアイレムゲー」のイメージを確固たるものとした。
  • 温かで平和的な雰囲気の世界観だがシリアスな展開や激しい戦いも相応にある
    • 巨大ボスとの戦い、多数の機体が入り乱れる乱戦など、ロボットアクションらしい熱いシチュエーションももちろん用意されている。
    • 終盤にはどんでん返しもあり、九条作品恒例の意外な黒幕や恐るべき陰謀が明かされる怒涛の展開となる。
    • 更にクライマックスではラスボスと格闘しながら川を下っていくという盛り上がるバトルがある。そこから辿り着く決戦の地は…。
  • キャラも個性的且つ魅力的
    • コリアンダー(コニー)は主人公に全面的な信頼を寄せる良きヒロインであり、親密になれば応えてくれる点や歌唱力も相俟ってモデルと声を除けば魅力十分。そして悪モードの主人公(というかプレイヤー)にどんなにヒドい事をされても折れないメンタルの持ち主である。それだけにドSに目覚めていじめっ子と化すプレイヤーも続出した。
      • また、プレイヤー抜きにしても九条ヒロインの例に漏れない不幸体質であり、何かと損な目に遭う。果たしてあなたは彼女を助けるのか、追い打ちを掛けるのか。
    • トロット楽団のメンバーも恰幅が良く温厚なマジョラム、大人の魅力を放つセイボリー、ヤンキーのようだが何かと協力してくれるフェンネル、爽やかなメンバーのお兄さん的存在のダンディリオンと、個々のキャラが立っている。ただ、大人ぶってロクなことをしないバジルは嫌われがちだが。
    • 他にも隠れヒロインのシブレット船長、荒くれ者だがどこか憎めないダッドリー、人格者だがトンデモ兵器を隠し持っている天才科学者ナツメッグ博士など様々なキャラが登場し、この世界に没入させてくれる。イベントの無いキャラにも不思議な魅力が備わっていることもあり、後述のアルバム集めも楽しくなる。
      • 名有りのキャラばかりではなく、名無しのNPCにすらいちいち個性的な肩書きがついており、ただの村人A的なモブでは終わらない個性が与えられている。
    • 今作のキャラの名前は殆どが植物由来であり、中でもハーブやスパイス関連が多い。
      • スタッフは植物が好きなのか、以降の絶体絶命都市シリーズの地名も植物由来が多くなっていく。
  • 良質な楽曲
    • 主人公達の楽団が演奏する曲としてナディア・ギフォードが歌唱する楽曲が複数用意されており、いずれも良曲と好評。そしてこれらの楽曲を様々な楽器で演奏することができる。
    • 作中ではヒロインがボーカルを務めている設定であり、ライブシーンは本作の目玉の1つとなっている。
      • 中にはサブイベントをこなす事でプレイ可能になる曲もある。また、エンディングテーマは演奏不可能な専用曲となっている。
    • アイレム作品の主題歌はいずれも好評だが、これ以前には主題歌を採用した作品自体が殆ど無かった。本作はその点に関しても先駆者的存在であり、以降も良質な主題歌を備えていくことになる。
  • その他
    • 出会った人々を記録するアルバムが存在するが、『パチプロ風雲録2・3』のように街を歩くモブNPCも収集対象であり、その人数は膨大になる。正に「出会った人の顔、おぼえてますか?」と言わんばかりの充実ぶりである。
    • 取り返しのつかない時限要素は少なく、イベントが大半がエンディング後にも発生可能。無論、全く無い訳ではないが、ゲームプレイに差し支える要素は皆無と言っていい。
    • 作中で戦ったビークル乗りとは「ビークルバトルモード」で何度でも対戦できる。中には隠しキャラ的なビークル乗りもいる。
      • また、このモードでは自分でカスタマイズしたビークルを持ち寄って2P対戦も可能。
    • 路上演奏では、トロット楽団の面々と初めて会うシーンだと拍手をして貰える、セイボリー同行中ではコーラスが入る、同行者が水着姿の時は専用アングルが用意されている、などの細かい作り込みも。

賛否両論点

  • 重いテーマ
    • 「機械や産業の発展が本当に幸福につながるのか」というテーマがあり、明るそうな外観に反してその本質は重く暗い。現代社会にも通じるテーマであり、温かいだけではなく考えさせられるストーリーになっている。
    • 物語の軸であるトロットビークルに関しても悪用された危険性だけでなく、排気ガスによる公害やエネルギー源であるガス資源を巡る争いといった元来からの負の面がしっかり描かれている。
      • ストーリー後半で燃料が不足するイベントが発生すると物価が跳ね上がる。リアルな設定といえるがゲーム的に見ればかなり不利な要素である。
    • 基本的には明るく和気藹々とした雰囲気が多いが、所々その暗さが見え隠れし、終盤には重苦しい真実と結末が待っている。黒幕が非道に手を染めたのも、やりきれない事件の所為で悪に堕ちたが故であり、単純な勧善懲悪では終わらない。
    • 本編だけではなく、サブイベントでもそのテーマが用いられており、クリアしても報われなかったり損をするようなものすら存在する。
      + 例えば
    • 絨毯工場を機械でオートメーション化するというサブイベントがあるのだが、これをクリアすると確かに効率は向上して工場主は喜ぶものの、従業員達は職を失ってしまう。
      • 一応、従業員は再就職先を見つけているのだが、中には盗賊団の酒場の女給として働く者も居たりして、あまり良い去就が描かれておらず、やはり後味は良くない。
      • このサブイベントを発生させないと手に入らないパーツがある。しかもウェポンアームなので重要度は高い。
    • 寂れた村に鉄道を通すイベントを発生すると村に活気があふれ発展するのだが、村には鉄道開通に反対する親子がおり、開通時の華やかなイベントの最中に彼らが寂しそうに村を去るシーンが挿入される。
      • しかもその後しばらくしてから村長の元を訪れると、また微妙な気分になるイベントがある。
  • このようなテーマを描きつつ、ラストも事態こそ収束するものの前向きな締めくくりとは言い難い展開となるため、最終的にプレイヤーの心には遣る瀬無い余韻を残す。
  • これらは九条が描きたがっている「人間の無念さ・やりきれなさ」によるもので、過去の九条作品でも『絶体絶命都市』や『R-TYPE FINAL』、遡れば初期の『海底大戦争』から既に片鱗が見られた要素である。本作以降はそれがより色濃く描かれるようになり、切ない・報われない展開が増えていく。本作はその意味でも転換点となっている。
    • 以降の作品のいずれにも共通して言える事だが、リアリティがあって良いと取るか、スッキリしないと取るかプレイヤーによって評価が分かれる点である。
    • ただ、本作の段階ではまだそこまで極端という程でもなく、見た目通りの明るい展開も多い。
  • とある楽曲
    • ナディア・ギフォードの歌う楽曲はいずれも良質な中、別人がボーカルを務めるロック調の曲は明らかに他の曲に劣る。
    • エレキギター開発のイベントをクリアすると演奏可能になるのだが、これが曲、ボーカル共にお世辞にも格好いいとは言えないヘッポコな歌になっている。音程も外れているしボーカル自体も音痴。
    • その曲の名は「Music Revolution」。単に曲が悪いのか、タイトル通り革命的過ぎて常人に理解できないのか…。
      • 以降もアイレムゲームの主題歌・挿入歌はほぼ全てが穏やかで優しいメロディの曲で占められており*3、この曲が唯一と言っても良いロックに当たるのだが、そう呼ぶにはあまりに残念な仕上がりと言わざるを得ない。
      • 一応、その革命的なヘッポコぶりが笑い所になってネタとしてウケていたりもするが、出来れば純粋な格好良さでウケて欲しかったとも思える。ロッコォーン!
  • サブイベントの説明不足
    • 孤児院の経営を支援するイベントや交易、株式売買、女性を自分の家に呼ぶイベント、ビリヤードなどのミニゲームといったサブイベントは特に説明されないので知らない人は存在すら知らずに進めてしまう可能性もある。
    • ただしこの手のイベントを強制的に発生させても自由度の低下やテンポの悪さにつながってしまうので、こまめに町の会話を拾うプレイヤーは楽しめるし、進めたい派のプレイヤーはそのまま進められるという点で一長一短ではある。

問題点

  • 人物の顔がイラストに似ていない
    • ジャケットを見て分かる通り、本作のキャラデザインはデフォルメの利いたポップな絵柄なのだが、ゲーム中のポリゴンモデルはややリアル寄り且つ人形のような表情でかなりイメージが違っている。主人公は説明書に載っている穏やかな顔に反してゲームでは妙にキリっとしているし、ヒロインに至っては顔ばかりか髪型もイラストと違い、お世辞にも可愛いとは言い難い。
      • 特にヒロインはゲーム開始時にいきなりイラストと全然違う残念な顔が大きく映し出される。パッケージや説明書に載っている美少女が出るかと期待すると「誰だお前!」と面食らうこと請け合い。
    • 本作に限らず、『絶体絶命都市』でも『パチプロ風雲録(4以降)』でもアイレムの3D作品のキャラはイラストとポリゴンとでは雰囲気が異なっていることが多いが、それでも他シリーズは元の絵柄や世界観がリアル寄りなので違和感はまだ少なめだった。本作の場合はどちらも掛け離れているので特に目立ってしまっている。
    • 後にPSPで発売された『ブロックス倶楽部ポータブル with バンピートロット』と『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット ビークルバトルトーナメント』では、スペックの関係かイラストのバストアップが表示される形式に変更されているが、結果として作風に合う形になっている。また、『ビークルバトルトーナメント』はキャラモデルもイラストに近付けている。
  • ヒロインの声が棒読み
    • 喋ると言うより朗読しているかのようで、とにかく台詞に抑揚が無く、快活な性格という設定に合わない気の抜けた声を発し続ける。担当者が違うので当たり前だが、普段と歌唱時のギャップが大き過ぎて最早ギャグ。
    • 出演者はアイレム作品お馴染みの声優が大半だがそれだけに他のキャラはしっかり演技をしているので、物語の中心に立つヒロインという事もあって特に浮いてしまっている。上記の顔の件も併せ、表現によって魅力を削がれた不遇のキャラとも言える。一部からは顔も声も母親の方が良いとすら言われることも。『パチプロ風雲録5』でヒロインの母と交際可能なのはこの影響か。
    • ストーリーが進んで徐々に慣れてきたとしても、よりによって終盤の盛り上がるバトルですさまじい棒読みを発するシーンがあり、慣れたプレイヤーをも脱力させてくれる。「タスケテーココヨー
    • ちなみに担当声優は3ヶ月前の『パチプロ風雲録3』(『三洋パチンコパラダイス11 ~新海とさらば銀玉の狼~』)でも上手とは言い難い演技を披露していたが、何故かより下手になっている。
      • 『風雲録3』では別人からの役の引き継ぎで、(前任者がアダルトゲームで実績のある声優だった事もあって)キャラそのものをかなり残念にしていたが、それでも本作に比べればまだ感情がこもった演技であり、キャラ自体も本筋に殆ど関わらないサブヒロインであった。
      • 対して本作では気の抜けた演技に加えてメインヒロイン役なので、残念さが際立ってしまっている。
  • シナリオの問題
    • 敵に攫われたヒロインを助けに行くシーンがあるのだが、ビークルを降りて忍び込んだ先でどう足掻いても捕まってしまう。
      • これが1回だけならまだしも、終盤で全く同じ展開がある。敵は違うが展開はそっくりそのままで、主人公は目的を少しも果たせずあっさり捕まってしまい、不格好な様でヒロインと再会する所まで同じ。まるで成長していない…。
      • 捕まった後も脱出するでもなく、結局、前者はヒロインに免じて解放。後者は主人公だけ放り出される。どちらにせよ全く格好が付かない。あるルートで「ビークルに乗ってないお前なんて怖くねえんだ」と言われるが、正にその通りで生身の主人公では全くの無力なのである。
      • 『絶体絶命都市』でも、スニーキング要素を入れておきながら結果に関係なく捕まるシーンが1箇所存在していた。どうせ捕まるなら寧ろそういう要素を入れない方がスムーズに進むのでは。
    • 街を占拠する盗賊のアジトに乗り込むも(ボスとの勝敗に関わらず)あっさり街が解放される点や、前述のヒロインに免じて助かる展開など、自由度を優先してか一部に妙にご都合主義じみたシーンがある。
      • 一応、この2つの盗賊団(ヒロインを誘拐する方と街を占拠する方)のボスは両方とも根は善人で、時には主人公をサポートしてくれるというフォローはされている。前者で負けた場合も主人公の度胸と自分達のやり過ぎを認めて手を引くというもので展開そのものはそこまでおかしくもない。
        しかしこの2つの展開はあまり間を置かず続くため、「また見逃してもらってる…」と既視感を覚えても仕方ない*4
      • また、盗賊のアジトではボスに直談判しに行ったはずなのに料理人と勘違いされて料理を作らされ、しかも主人公はやたら本格的な調理をノリノリで行うといった変なシーンがある。後の九条作品でも頻繁に見られるお馬鹿要素にはなっているが…。
    • 選択肢は豊富だが、メインのストーリーは終盤を除いて一本道。どんな選択肢を選んでもシナリオそのものには基本的に変化は無く、その場その場の主人公の態度や小さなイベントが変わるだけ。
      • これは九条の「自由度とは分岐があることではなく感情を反映させられること」という持論の表れで、以降の作品に色濃く受け継がれているものである。本作は感情を反映させることで確かに細かい部分では色々と自由にできるが、上記の必ず捕まる展開や下記の勝敗が影響しないことも含め、大筋の展開は何を言ってもどう足掻いても変わらないので、人によってはやきもきする点である。
      • 基本選択肢で受け答えするのと本筋が変わらない関係上、主人公はストーリー上では自己主張がしにくく(してもほぼ意に介されない)、行動が受動的になりやすいのも以降の九条作品に先駆けており、これも時にはやきもきさせる事も。
      • 終盤のルート分岐後は、正統派である善人ルートが完全に一本道な一方、悪人ルートには幾つか分岐がある。やはり悪人ルートの方が力が入っているように思える。
    • 巨大ボスはともかく、ビークル乗りとのイベントバトルは負けても普通に話が進む。苦手な人への配慮とも言えるが、負けたまま進めるのは心情的にも良いものではない。また、形はどうあれ試合扱いなので勝率にも響いてしまう。
      • この関係か、イベントバトルは難易度が高めのものが多い。勝つまで何度も挑戦するにしても、イベントスキップが無いので再挑戦が億劫である。
      • そればかりか、善人ルートラストのボスラッシュすら負けてもほぼ展開が変わらない。ラスボスすらもである。その一方で、悪人ルートの方はラストの戦いの勝敗でエンディングが細かく分岐するほどの凝りようで(エンディング4種類中3種類が悪人ルート)、この辺りも悪人ルートの方が力を入れられている印象に繋がり、ダーティープレイに興味の無い人には不満になりやすい。
  • トロットビークルの制約
    • 街中ではビークルは交通ルールを守らなければならず、他のゲームのように自由に乗り回せない。
      • 具体的には、街中ではビークルは行先を指定して自動で移動する形になるため、自由な移動が出来なくなる。しかも赤信号ではちゃんと止まる。正しくはあるがテンポは悪い。
      • また、街中でのビークルの移動はスピードアップは出来てもスキップはできない。
    • ビークルへの乗降は決められた場所でしか行えない。生身とビークルとで行動範囲が明確に分けられているからであるが、『がんばれゴエモン3』のからくりウォーカーや、後年の『ゼノブレイドクロス』のドールなどのように自由に乗り回せるロボットを期待すると窮屈に思えるかもしれない。
      • 不評だったのかゲームシステムの関係かは定かではないが、『ビークルバトルトーナメント』では乗降場所が決められているのは変わらないものの街中では自由にビークルを操作できるようになっている。
    • 燃料の消費も激しめ。長距離を移動する際はあまり無駄な行動を取っていると到着前に燃料切れになる事も。また、ビークルでの一度の行動範囲・行動時間が狭められ、自由の枷になっている。
  • トロットビークルの戦闘バランス
    • ビークルは様々なカスタマイズが可能だが、対ビークル戦に限れば掴み投げが強い。投げ抜けされるケースもあるが接近して投げるを繰り返せばほとんどの相手に勝ててしまう*5。自機の重量が大きいほど投げ抜けされにくくなり、かつHPも増加する仕様も投げの強さに拍車をかけている。
    • 最強のウェポンアームと呼ばれているエクスカリバーアームも入手して使ってみるとあまり強くない*6。そこまでロボットゲームとしてのパーツ相性や戦術が練られているとは言えないのでそこを期待すると肩透かしになるかもしれない。
  • ロードも少し長い
    • 同じマップ内なら建物への出入りは瞬時に住むが、マップ間の移動をするとナレーションと共にロードが入る。自由度が高いとは言ってもオープンワールド的な快適さは求めない方が良い。
  • 処理落ち
    • 『絶体絶命都市』や『三洋パチンコパラダイス8』などPS2以降のアイレム作品は(後年の作品も含めて)処理落ちが目立つが、残念ながら本作も例外ではなく、場面によってはかなりの処理落ちが起きてしまう。
    • 例を挙げると港町での船上ライブや砂漠で大量のビークルが戦う決戦など。後者はともかく前者は処理落ちする中で楽器の演奏(音ゲー)をすることになるので人によってはほぼ無理ゲーと化してしまう。両方ともシチュエーションは印象的なのだが水を差している。
  • クリア後について
    + ややネタバレ
    • ストーリー上仕方のない話なのだが、楽団でライブを行うとパートが1人欠けた状態になる。演奏としても楽団としても「何かが足りない」感覚に見舞われる。
    • エンディングの内容からして、プレイヤーに喪失感を味わわせることを意図しているのかもしれないが、いずれにせよしっかりした形でライブが行えるのはエンディング前のみという事に。

総評

攻略wikiの表現を借りるなら、「すごく暖かい雰囲気でほのぼのさせたアーマード・コアメタルマックス」。
ロボットのカスタマイズやバトルと自由な冒険を一挙に楽しめ、尚且つそういったジャンルから想起させられるような殺伐さやストイックさがほぼ無いので間口も広い。
それに加えて作中の行動はいずれも自由度が高く、正に思うがままのプレイが可能と言えよう。

ゲームだけではなくエイプリルフールイベント、公式サイトの4コマやネタの通販商品など、様々な笑いを提供してきたアイレムがその本領を発揮した作品であり、本作で見出された作風と方向性は以降のアイレムや、ゲーム部門の後身たるグランゼーラに作品を跨いで色濃く受け継がれている。
反面、「悪行に走った方が得をする」「苦労が報われない展開」といった人を選ぶ癖も本作から本格的に導入され、以降の作品でより強まっていくことになる。そのため、本作もまた好みの分かれる面があるのは否めないが、まだ癖の強さはそれなりに抑えられてはいるので、幅広くオススメできる範疇には収まっていると言っていいだろう。


余談

  • 本作以外にも関連作が幾つか発売している。
    • 同年にはPS2で『ブロックス倶楽部 with バンピートロット』が発売された。翌2006年にはPSP版『ブロックス倶楽部ポータブル with バンピートロット』も発売。
      • 「ブロックス」とはフランス発祥のボードゲームで、アイレムがコンピューターゲーム化を行っていたのだが、日本では『バンピートロット』のキャラを登場させて発売した。そのため、キャラこそ登場するものの本作との関連性は薄い。
      • PS2版は本作同様のモデルを流用した3D作品だが、PSP版はドットキャラとイラストによる2D作品となっている。そのため、本編では残念だったヒロインもPSP版では他のキャラよりも明らかに本編からかけ離れているが本来の美少女として登場する。
      • こちらではプレイヤーキャラは別に居るので、本編の主人公は1キャラとして普通に登場している。
    • 2008年にはバトルに特化した『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット ビークルバトルトーナメント』がPSPで発売。
      • 豊富な選択肢は健在で、更に主人公は男女から選択可能になったことでそれぞれの性別に応じた選択肢が出るため、本編と同等以上に選ぶ楽しさがある*7。携帯機ながら戦闘面ではより充実した戦いが楽しめ、キャラモデルが似ていない問題もかなり改善されているなど見どころは決して少なくないものの、本編の魅力だった生活部分がほぼ無くなっている*8ためファンからは今一つな評価をされやすい。
      • 本編との繋がりは殆ど無いものの、ヒロインがゲスト出演している。本作から月日が流れたのか容姿がだいぶ変わっており、もちろん表現の面でも残念さは無くなっている(イラストが表示される&声無し)。
  • 2007年には続編『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット2』が発表された。当初は同じくPS2用ソフトの予定だったが、後にPS3へとハードが変更された。
    • しかしその後は音沙汰が無いまま年月が経過し、東日本大震災後のアイレムのゲーム事業縮小に伴って『絶体絶命都市4』(PS3版)と共に発売中止が発表。同時に本シリーズも例外無く絶版となり、『ビークルバトルトーナメント』のDL版も配信終了してしまった。
      • その後、開発陣はアイレムから独立してグランゼーラを設立し、「絶体絶命都市やバンピートロットの復活に努める」とも宣言した。その言葉通り絶体絶命都市シリーズはグランゼーラが版権を獲得して復刻や続編の製作も行われているが、一方のバンピートロットシリーズについては特に動きが無く、『2』の開発再開はおろか本作や『ビークルバトルトーナメント』の復刻も未だ行われていない。
      • そんな関係もあってか本作はややプレミア化している*9
    • 『2』の時代設定は『1』の4年後で冬の時期だった模様である。もし発売していれば、『パチプロ風雲録』で実現しなかった「冬」の物語になっただろうが…。
      • 主人公の立場も貧乏から金持ちまで選択可能と発表されていた事もあり、ビークルでの戦闘・仕事やバンドデビューを夢見るヒロインとの音楽活動など、本作の要素や自由度を継承・発展させた作品になる予定だったらしい。
    • 出来るか否かは別として、九条も続編やリメイクを作りたいとは思っている模様である(参照)。
  • 海外では『Steambot Chronicles』のタイトルで発売されているが、キャラデザインがスタイリッシュなアニメ調に変更されており、主人公もヒロインも日本版のポップさが消えて美形になっている(参照1)(参照2)。
    • 『絶体絶命都市』も海外版ではイラストがやたらオーバーな欧米風に変更されていたが、こちらは寧ろ逆と言っても良い位の路線変更である。
    • 一方、『ブロックス倶楽部』の海外版パッケージは何故か海外版『絶体絶命都市』のような欧米リアル調になっている。それでいてゲーム内では同じなのでギャップが激しい(日本版イメージ)(海外版パッケージ)。
  • 同社が開発・発売を行っていたパチパラシリーズにはストーリーモード「パチプロ風雲録」が収録されていたが、その中で『パチパラ12 ~大海と夏の思い出~』収録の『パチプロ風雲録4~銀玉殺人事件~』からは本作のゲームエンジンが流用され、街生活部分のゲームシステムが殆ど同じになっている。
    • 『パチプロ風雲録4』のストーリーは「時代の変化に乗れず取り残された者達の苦悩」「世の中の発展がもたらす悲劇」などの描写があり、本作のテーマと通じる部分がある。
    • その続編の『パチパラ13 ~スーパー海とパチプロ風雲録~』収録の『パチプロ風雲録5~青春編~』ではボリューム増加に加えて本作の自由度までも継承・発展させており、パチンコゲームのおまけモードながら『バンピートロット』の系譜を最も継いだ作品となっている。
  • 本作の設計は「他者に見せるプレイスタイル」とも親和性が高く、2007年頃からゲームプレイ動画や実況プレイ動画の投稿が盛んになるにつれて本作を始めとするアイレム作品の鬼畜&馬鹿プレイ動画が多数投稿され、高い人気を獲得していく。プレイヤーは勿論、視聴者も真面目なプレイにはブーイングを飛ばすほど訓練されていき、「アイレムゲーと言えばこれ!」というほどイメージを定着させていった。
    • スタッフにもそれは伝わっている模様で、以降の作品では上述の作風以上にこれらの要素もより増強されていき、より実況映えするゲームが増えていくことになる。
      • ただ、時には悪ノリが行き過ぎる例もあり、悪い意味でも作品をぶち壊しかねない場合もあるため賛否が分かれる点でもある。特にグランゼーラが開発した『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』はストーリーの陰湿さに加えて、真面目な展開の中に半強制的な鬼畜&馬鹿の奇行をねじ込んでしまい、批判を浴びた。本作くらいが丁度良いという事だろうか。
  • アイレム作品にも小ネタ程度に幾つか客演が見られる。
    • 同社ネタのコンパスが豊富な『絶体絶命都市2』ではもちろん本作モチーフの「トロットビークルのコンパス」が存在する。良く見るとコクピットに主人公とヒロインも乗っている。
    • 『パチプロ風雲録5』ではクリア後に歩行自動車としてトロットビークルが入手可能。近代日本で一般車両に混じってビークルが走る姿はかなりシュールで笑える。但し、あくまで自動車扱いなのか歩行は出来ない。残念。
    • グランゼーラの公式サイトで漫画やグッズなどを展開している「金沢独立戦線」では登場メカが「トロットモービル」と呼ばれており、デザインこそ大きく異なるがネタとして生きている事が分かる。
      • また、グランゼーラが開発・販売している漫画製作ソフト『マンガ・カ・ケール』には「金沢独立戦線」のトロットモービルが素材として収録されており、一応ゲームにも出演している。
      • ちなみに「トロットモービル」とは元々は本作の海外版『Steambot Chronicles』におけるトロットビークルの名称(Trotmobiles)である。
  • アイレムのゲーム部門縮小前に公式サイトで連載されていた「ふるさと4コマ小唄」にも本作関連のネタは少なくなかった。現在も一定時期まではアーカイブで閲覧可能(リンク)。
  • ハッピーガーランド闘技場の最下位ランク選手「ゴーリキー」が異様に強い。ひたすら相手に接近して投げるだけの単純な行動パターンなのだが、前述の掴み投げの強さとCPUの正確な操作が合わさり恐ろしい強さになっている。CPU同士のバトルでも高確率で勝つこととランクの低さゆえのオッズの高さから、彼に金を賭けて大儲けを狙うプレイヤーが多かった。
最終更新:2024年05月07日 15:29

*1 変更可能。開発陣には「バニラ」と呼ばれており、『ブロックス倶楽部』では作中でもそう呼ばれている。

*2 そしてこれがヒロインと戦える唯一の機会である。後述のビークルバトルモードのコンプリートのためには一度は勝負を挑む必要がある。

*3 これ以降のアイレムゲームの主題歌をほぼ全て担当するアーティストのスタイルによる。

*4 占拠していた方のボスに勝つのは難易度が高いので、初見では大抵負ける。

*5 掴める範囲も見た目よりも明らかに広く、お互いが離れた状態でも吸い込んで持ち上げることが出来る

*6 攻撃力や耐久力は最高クラスだが、攻撃モーションが非常に遅い。

*7 この開発陣の例に洩れず主人公の性別に関わらずヒロインが存在するが、女主人公でもそこまで極端に百合百合した選択肢は無く、寧ろガールズトーク的なものが多い。

*8 拠点でミッションを受注したり、トーナメントでランクアップしてゲームを進めるという、この手の作品でよく見られる形式になった。

*9 廉価版である程度解消されたとは言え元々の初期出荷数が少なく、当時の中古店でも殆ど見かけなかった。