【ぽんこつろまんだいかつげきばんぴーとろっと】
激動する時代のうねりは、
ボク達に歩調をあわせてくれない——。
産業革命をテーマとしたロボットアクションアドベンチャー。
舞台は産業革命初期のヨーロッパをモデルにしつつ史実とは違う「もう一つの産業革命」を迎えたことで、「トロットビークル」と呼ばれる二足歩行型ロボットが普及した世界。主人公は自身のトロットビークルに搭乗し、各地を回りながらこの世界で生きていく。
見た目通りのロボットアクションではあるが、それ以外にも人々との交流といった生活部分がもう一つの柱として存在し、アクションとアドベンチャーの要素を併せ持った正真正銘の「アクションアドベンチャー」となっている。
従来のゲームではあまり考えられない方向への自由度も非常に高く、以降の同社作品に非常に大きな影響を与えている。
制作者たる九条一馬プロデューサーの作風を決定付け、同Pが開発を主導するアイレムゲームの方向性を示した作品と言える。
もうひとつの産業革命期。ようやく自動車の普及が始まった頃、二足歩行の乗物「トロットビークル」が発明された。
悪路に強く、二本のアームを持つトロットビークルは、農耕、輸送、土木など、さまざまな作業に自動車以上の利便性を持っていたため、みるみる社会の中に溶け込み、人々の生活になくてはならない文明の利器となった。
しかし、産業の発達は人々の適応よりも速いペースで進んでしまった。機械の導入で仕事をなくす人々や、機械の力を借りて悪行を繰り返す人々、生活の利便化によって大事なものを失った人も、少なからずいたのである。主人公であるバニラビーンズ(*1)は、ウミネコ海岸に倒れているところを、トロット楽団のボーカリストである少女コリアンダー(通称コニー)に助けられる。彼は記憶を失っており、自分のことが思い出せなくなっていた。ウミネコ海岸を出ようとした時に、向かいの崖に現れた何者かのせいで、崖が崩れ出口を塞がれる。バニラビーンズとコニーは協力して出る方法を探し、波打ち際に棄てられていたトロットビークル、「カモミール・タイプII」を見つける。
コニーを助けていくうちにバニラビーンズはトロット楽団の一員となり、仲間と協力したり、かつての自分を知る人達と再会したりする。その間にも産業革命期の世界は、さまざまな問題を生み混乱していく。
(※Wikipediaより引用)
+ | 例えば |
+ | ややネタバレ |
攻略wikiの表現を借りるなら、「すごく暖かい雰囲気でほのぼのさせたアーマード・コア+メタルマックス」。
ロボットのカスタマイズやバトルと自由な冒険を一挙に楽しめ、尚且つそういったジャンルから想起させられるような殺伐さやストイックさがほぼ無いので間口も広い。
それに加えて作中の行動はいずれも自由度が高く、正に思うがままのプレイが可能と言えよう。
ゲームだけではなくエイプリルフールイベント、公式サイトの4コマやネタの通販商品など、様々な笑いを提供してきたアイレムがその本領を発揮した作品であり、本作で見出された作風と方向性は以降のアイレムや、ゲーム部門の後身たるグランゼーラに作品を跨いで色濃く受け継がれている。
反面、「悪行に走った方が得をする」「苦労が報われない展開」といった人を選ぶ癖も本作から本格的に導入され、以降の作品でより強まっていくことになる。そのため、本作もまた好みの分かれる面があるのは否めないが、まだ癖の強さはそれなりに抑えられてはいるので、幅広くオススメできる範疇には収まっていると言っていいだろう。
*1 変更可能。開発陣には「バニラ」と呼ばれており、『ブロックス倶楽部』では作中でもそう呼ばれている。
*2 そしてこれがヒロインと戦える唯一の機会である。後述のビークルバトルモードのコンプリートのためには一度は勝負を挑む必要がある。
*3 これ以降のアイレムゲームの主題歌をほぼ全て担当するアーティストのスタイルによる。
*4 占拠していた方のボスに勝つのは難易度が高いので、初見では大抵負ける。
*5 掴める範囲も見た目よりも明らかに広く、お互いが離れた状態でも吸い込んで持ち上げることが出来る
*6 攻撃力や耐久力は最高クラスだが、攻撃モーションが非常に遅い。
*7 この開発陣の例に洩れず主人公の性別に関わらずヒロインが存在するが、女主人公でもそこまで極端に百合百合した選択肢は無く、寧ろガールズトーク的なものが多い。
*8 拠点でミッションを受注したり、トーナメントでランクアップしてゲームを進めるという、この手の作品でよく見られる形式になった。
*9 廉価版である程度解消されたとは言え元々の初期出荷数が少なく、当時の中古店でも殆ど見かけなかった。