トレジャーハンターG
【とれじゃーはんたー じー】
| ジャンル | RPG |  | 
| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| メディア | 24MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | スクウェア | 
| 開発元 | スティング | 
| 発売日 | 1996年5月24日 | 
| 定価 | 7,800円 | 
| 配信 | バーチャルコンソール 2007年12月25日/800Wiiポイント
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| 判定 | なし | 
| ポイント | グラフィック・BGMは非常に高水準 薄いボリューム、やや歪なゲームバランスが難点
 戦闘システムにも難あり
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概要
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高名なトレジャーハンターの末裔である少年レッドが、弟ブルー、謎の少女レイン、猿のポンガと共に世界を廻り、オーパーツの謎を追う物語。
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スクウェア開発ではなくスティング開発だが、スクウェア発売のSFC用ゲームとしては『バハムート ラグーン(バハラグ)』『ルドラの秘宝(ルドラ)』と同年に発売されたSFC最後期の作品の一つでスクウェアのSFC作品としては最後の作品にあたる。
ストーリー
(WiiVC説明書より引用)
はるか遠い昔、まだ世界には誰の姿もなく、ただ世界樹が佇んでいるだけであった。
ある日、世界樹は3つの果実を実らせた。
3つの果実からは「妖精」「人間」「魔族」が生まれた。
聖なる心を持つ妖精は世界樹の国に暮らし、
無垢なる心を持つ人間は地上に生活し、
邪悪な心を持つ魔族は闇の国に潜んだ。
彼らは出会うことも、交流することもなく、そうして世界はバランスを保っていたのだ。
今からちょうど千年前のことである。
闇の国に強大な力を持つ新しい王が誕生した。
王は闇の国の支配に飽きたらず、地上を闇の世界に創り変え、支配する野望を抱いた。
人間たちとの戦いは、簡単に終わるはずであった。
しかし、人間の英知は闇の国の野望を打ち砕く。
人間たちは「地の力」を引き出すための道具を使い、
世界樹の国に住む妖精たちの力を借りることに成功したのである。
妖精たちの聖なる力によって、闇の国の者たちは永遠に封印されたのだった……。
千年後の今、人間たちはもはや過去の大戦や世界樹の国の存在を忘れ去り、
平穏な日々を過ごしていた。
愛し合ったり、喧嘩をしたり、喜んだり、悲しんだりしながら……。
システム
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本作の戦闘システムはアクションポイント・バトルシステムという、マスで区切られた見下ろし型のフィールドを、アクションポイントを消費しながら移動(8方向)・攻撃などを行うSRPGに似たシステムになっている。
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マスは敵ユニットとの距離に応じて青→黄色→赤の順で色が変わって行き、敵に近いマスほど1回の行動で多くのアクションポイントを消費する。
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操作キャラはアクションポイントの許す限り1ターンに何度でも移動や攻撃が行える。これにより、前衛キャラのレッドが敵を引き受け、後衛のレインらがサポートするなどの戦略性が生まれている。
 
評価点
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SFC最終盤のゲームだけありグラフィックスは高水準。
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スーパードンキーコングなどのように3DレンダリングしたCGの取り込み画像(プリレンダCG)を用いている。
 
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豊富なBGMも評価が高い。サントラCDには現在プレミアが付いている。
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曲名はBGMの雰囲気やゲームの内容と全く関係無いものが多く、神秘的なBGMに「演歌の帝王」なる曲名が付けられていたりする。この傾向は作曲者が同一のタクティクスオウガと共通している。
 
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コミカルで個性的なキャラクター。特に主人公の弟ブルーはそのとぼけた性格がともすれば悲しい雰囲気に流れがちなストーリーを和ませている。
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少女レインとそのお供の猿のポンガに関しては最後にちょっとしたどんでん返しがある。
 
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モブキャラの受け答えが面白いものが多かったり、オブジェクトを叩いたり壊したりできる「バシバシシステム」など小ネタが充実している。
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ストーリーの短さに目をつぶれば、設定や世界観などはよく出来ているという声が多い。
問題点
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意欲的な新システムは、行動をキャンセルできない、LRで向きを合わせないと攻撃が当てられないなど若干とっつきづらい点も多く、また後述の戦闘バランスもあり序盤につまづきやすい。
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戦闘バランスがやや極端。
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アクションポイントの上限が低く、使える技や魔法が少ない序盤がかなりきつく、アクションポイントを増やしたり広範囲を攻撃できる魔法を覚える中盤から後半にかけてが楽になっている。
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しかし、最終ボス手前のボスである「闇王」がかなり強く、また回復役であるレインが抜けてしまうため、それまでの感覚で突っ込むと痛い目を見る。一方最終ボスはやたらと弱い。ただこれはイベント戦的な意味合いが強いため、実質的なラスボスは前述の闇王である。
 
 
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アイテムの所持限界が一人20個(装備品含む)と少なく、すぐにいっぱいになってしまう。
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金を稼ぐ方法が少なく、序盤は金欠に悩まされる。が、金の心配がなくなってくる終盤は宝箱や拾ったアイテムでほとんど賄えてしまう。
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このことも、「序盤が厳しく後半になるほど楽」という妙なバランスに拍車をかけている。
 
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ミニゲーム「カエルカジノ」の難易度が理不尽なレベルで、これがやりこみ要素と言えなくもない。
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ゲームは3種類あるがどれもタイミングが異常にシビアで、しかも一度ミスったらほぼアウトな仕様なので普通にやっているだけではまずクリアできない。
 
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シナリオボリュームが薄い
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ようやく盛り上がってきて、さあこれからというところで急に展開が早くなり、あれよあれよと言う間にラストを迎えてしまう。「中盤かと思ったら終わっていた」等と言われることも。
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基本的にストーリーは一方通行で寄り道的なイベントもあまりなく、やりこみ要素も少ないためあっという間にクリアして売ってしまったという人が多かった。
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当然ワールドマップのような要素も存在しない。「世界中のお宝を求めて飛び回る」といったトレジャーハンター的な要素はあまりないので、タイトルからすると肩透かしに感じることも。
 
 
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所々にある欝要素。
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仲良くなったサブキャラが死んでしまう、未来人が不気味なゲル状の物体になっているなど。
 
総評
同時期のスクウェア発売の作品と比べると、薄いボリュームや練り込み不足が否めないシステムもあって埋もれてしまった。
余談
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設定などに繋がりがあるわけではないが流れを汲む作品として『神機世界エヴォリューション』シリーズ(開発元スティング/発売元ESP)がある。
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主人公のレッドは、翌年に同じスクウェアから発売のPS作品『サガ フロンティア』に登場する同名の主人公と名前のみならず容姿まで非常によく似ている。
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どちらも名前に反した青色の逆立った髪が特徴的で、簡単に被る容姿とは言い難いが、実際の所ただの偶然の一致かどうかは不明。
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ブルーも同作に同名の主人公が登場するが、こちらは容姿、性格共にかけ離れている。しかし名前に反した金髪と言う共通点はある。
 
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バーチャルコンソールでは初期にラインナップされた。
最終更新:2024年07月15日 23:53