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モンスターファーム5 サーカスキャラバン
【もんすたーふぁーむふぁいぶ さーかすきゃらばん】
ジャンル
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育成シミュレーション + RPG
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対応機種
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プレイステーション2
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発売・開発元
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テクモ
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発売日
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2005年12月8日
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定価
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7,140円(税込)
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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判定
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なし
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ポイント
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シリーズの名を関した別物RPG ゲームのクオリティは及第点 だがファンの期待からは外れた 外伝として出しておけば…
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モンスターファームシリーズ
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概要
『モンスターファーム』シリーズのナンバリングタイトル第五弾。
『4』でやや従来シリーズの雰囲気に寄せた一方、本作はシステムそのものを大幅に変更し、RPGがメインとなっている。
主人公達はサーカス団の旅芸人兼モンスターブリーダーで、興行の傍らでノラモン退治等を請け負う内、様々な事件に巻き込まれていく。
主人公の個性が強く、チャプターが存在するシナリオなど、これまでにない雰囲気からスタートしており、何から何まで異色な作品。
販促アニメが製作されるなど、宣伝には力が入っているものの、シリーズとしての知名度は低い。
評価としても、モンスターファームとして期待した内容ではなかったことが足を引っ張り、内容面はあまり省みられていない傾向にある。
内容
これまではメニューを選択していく形式が主だったが、本作では実際にプレイヤーがマップを歩いて移動をする。
移動先はサーカス団の拠点の他、買い物や住民に話を聞いたり、従来どおり買い物ができる。街などがある。
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サーカスパート
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ゲームにおいてはまずスケジュール組みから始まる。サーカス団内のテントでその周のトレーニングメニューを決め、さらに調教を行うメンバーも選択する。
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最後にサーカスで行う演目と出演モンスター・出演者を決め、ショーへの出演までモンスターを磨いていく。
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成長度合いについてはその月のスケジュール内容とショーの結果によって決まり、ショーの成果は主人公がリズムゲーム形式で演奏を行うミニゲームが加味される。
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探索パートでは主人公とともにモンスターも操作し、モンスターに指示を下しながらギミックなどに対処していく。
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バトルパート
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これまでのものをモチーフにしつつ、かなりシステムが変わっている。これまでのシームレスな戦闘というよりは既存のRPGっぽさの強いものとなっている。どちらにもガッツの概念が存在する。
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シングルバトルとチームバトルが存在し、それぞれで出来ることが異なるが、基本的にはRPG制度を取り入れたモンスターファームといった趣となる。
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従来のモンスターファーム同様に距離を詰めたりすることが可能で、出せる技が変わる。一定距離になると「リンク」という状態が発生し、近接攻撃が使えるようになるなど使える技が変わる。
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チームバトルはこれを三体で行うが、味方とのリンク状態も発生し、合体攻撃なども使えるようになる。
登場人物
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主人公(ジュリオ)
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孤児で、サーカスの拾われ子。モンスターの世話係を任されている。アコーディオン弾き。得意育成は命中。
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ナユタ
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ヒロイン。アラビアン風の服装を身に纏う。一部ナビゲートに加えて円盤石の再生やモンスターの合体を行う神殿ポジション。各アクション時にはムービーも存在する。
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アルベルト
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サーカス団のリーダー。ピエロのメイクがトレードマーク。
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ゴフレ
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巨人のような男。見た目通り力自慢で、やや話し方に癖がある。得意育成はちから。
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マレーネ
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セクシーなお姉さん枠。ちゃっかりした性格。得意育成はかしこさ。
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ティコ
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獣のような部位を持つ少年。途中でサーカス団に加入する。得意育成は回避。
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ドッティ
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元は敵対していたが、サーカス団に加入する。得意育成は丈夫さ。
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ランバート
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元はカンパーナ王国の重臣だったが、故あってサーカス団に同行する。得意育成はライフ。
問題点
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ナンバリングタイトルなのに「別ゲー」としてしまったこと。
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一応「サーカスキャラバン」とサブタイトルが付いているとはいえ、別ゲーであることに対する予防策にはならなかった。
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『モンスターファームジャンプ』のように外伝作として出せば、もう少し受け入れられたかもしれない。
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メインは飽くまでサーカス経営(と冒険)、モンスター育成はその副次効果に成り下がってしまった。
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ストーリー展開を追う形でゲームが進む(スケジュールで興行を選ぶには街の許可を取らなければいけない等)のだが、あろう事かシリーズの魅力だった「モンスターを鍛え、大会で戦わせてランクアップ」という要素をカット。能力値を伸ばすにはミニゲーム形式のサーカス興行を行わなくてはならず、バトルは冒険でノラモンやボスモンスターを倒して話を進めるor単なるお使いの為のもの。一応対人戦モードは有るが。
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その中で、純粋に一番の問題点と思われるのは「モンスターの休養や消費アイテム投与のタイミングを自分で調整出来ない」事。前者は「育成方針」(厳しさの度合い)を変えて自動で組まれるスケジュールを変更させる、後者はモンスターの方からおねだりされて始めて「与える」コマンドが出現。
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モンスターのチョイス
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前作で登場したガルゥを残して、ディノの跡継ぎとして活躍していたロードランナーを削除するなど、登場モンスターのチョイスも微妙との声も多い。
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パラメータが4桁化したことによるインフレ
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戦闘は技が確実に当たる程度の命中があれば残りは全て力(かしこさ)に振って攻撃力を上げれば、ボスはおろかラスボスすらも楽勝というアンバランスなものとなっている。
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最初こそダメージの低さから焦ることもあろうが、進めるにつれてびっくりするほどインフレを体感できる。
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戦闘システムのテンポが悪い
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これまでの作品のような、原則リアルタイムで進んでいくバトルと比べると、やや引っかかりを覚える部分が多く見られる。この点はチームバトルの弊害と言えるか。
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仲間離脱による弊害
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ストーリーの途中で仲間が離脱するイベントがあり、離脱するキャラにもモンスターを育てる際の得意育成があり、そのキャラの得意を考えモンスターを当てがった場合は急な離脱により想定していたプランが狂ってしまう。
また復帰することもないのでそのキャラの得意としていたパラメータだけ若干伸びにくくになってしまう。
評価点
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ストーリーを前面に押し出した作りのためか、各々のキャラクターは個性的で、感情移入しやすい。
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彼らのキャラが立っているうえに成長劇がメインなため、モンスターの存在感が薄くなるというマイナス点もある。とはいえシナリオには浸りやすくなった。
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当時としてはかなり美麗なグラフィック
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『DEAD OR ALIVEシリーズ』などで培った技術もあって、特に人間面は素晴らしい映像美を誇る。特にヒロインのナユタは
エロい可愛くできている。
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モンスターはやや『3』寄りのアニメ調となり賛否が分かれるが、映像クオリティだけで見れば十分。モーションなどもそれぞれよくできている。
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冒険も立体的なマップ、相棒モンスターと協力して仕掛けを作動等、凝った作り。
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既に育てているモンスターが手元に居る時も、そのモンスターを冬眠させることなく図鑑登録だけの為に円盤石再生が可能という、CDやDVDをレンタル等で借りた時に嬉しい機能搭載。育てたくなったら後で空きが出来てから図鑑再生すればいい。前作で採用して欲しかった、と言うか前作の反省から生まれた機能だろうか。
総評
別物と言える程のシステムの変更によりファンからの失望を買ってしまった作品。
「こんなのモンスターファームじゃない」と、従来のゲーム性を求めていたファンはからは見放されてしまった。
しかし単体ではまあまあ遊べる作品として成立しており、切り離して考えられる人なら楽しめる余地はあるだろう。
つくづくナンバリングタイトルにしてしまったことがおおきなマイナスを呼んでしまったと言える。
余談
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旧来のファンからは当然総スカン。新規層も取り込めず売り上げは散々で、据え置き機でのシリーズ展開が長らく止まってしまった。また、ベスト版も発売されていない。
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海外でのタイトルは『Monster Rancher EVO』であり、要するに続編と言うより外伝扱い。日本でも例えば『サーカスキャラバン ~モンスターファーム外伝~』のようにすれば良かったのでは。
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クリア後のお楽しみでは、ゲストキャラとして『どこでもいっしょ』のトロが登場。
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ただしモンスターとしてではなく、NPCとしてなのでトロを育てることはできない。前作ではピポサルが育てられたこともあり期待してた人は肩透かしである…
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携帯電話用ゲームとして『マジカルドロップ』とコラボした『マジカルドロップモンスターファーム5』が販売されていた。
最終更新:2025年03月04日 02:12