SOL DIVIDE

【そるでぃばいど】

ジャンル 横スクロールアクションシューティング
高解像度で見る

高解像度で見る
裏を見る
対応機種 アーケード
発売・開発元 彩京
稼動開始日 1997年5月
備考 家庭用移植版は下記「移植・続編など」を参照
判定 なし
ポイント アクションやRPGの要素を取り入れた意欲作
緻密なグラフィック
ファンタジーの王道を行くディープな世界観
彩京STGリンク


概要

  • 剣と魔法の王道ファンタジー世界を舞台とする横スクロールアクションシューティング。海外版では『THE SWORD OF DARKNESS』のサブタイトルが付く。
  • 彩京の横STGとしては本作の前年にリリースされた『戦国ブレード』に続く2作目。
    • 戦国ブレードがごくオーソドックスなSTGだったのに対し、本作はどちらかと言うとACTに近く、MPやアイテムといったRPGの要素も取り入れた意欲作となっている。
      実力派イラストレーター・寺田克也氏のデザインによる重厚な世界観、当時のハードの限界に迫るグラフィックの描き込みは見応え十分。
  • しかし洋ゲーを思わせる濃さやクセの強さのためか、プレイヤー受けはそれほど良くなかった。方向性は悪くなかったが地味、惜しいゲームなどと評されることが多い。

ストーリー

太古の邪神の復活をもくろむ魔王の野望を砕け!
いざ、剣と魔法の世界へ。

その男、ヴォーグは精霊石と呼ばれるいくつかの宝玉を魔軍が捜しているという噂を耳にし、ついに復讐の時が訪れたことを知った。
その1つ、故国ミルティアの精霊石は、密かにシルバーナ王の手に渡った事を彼は知っていたからである。

かつて、西方の王都ミルティアの聖騎士であったヴォーグは、魔王イフター率いるダティロス軍がミルティアに侵攻した際、親善使節の護衛として森の都ネラフェイに居た。
凶報を受けた彼は急遽ミルティアに引き返したが、彼の目に映った光景は人ならぬ者達の手によって破壊し尽くされた凄惨な廃虚だった。

それから七年の時が過ぎた今、シルバーナ城のひとけのまばらな宮廷に静かに降り立ち、精霊石のある王室に向かう黒い影があった。
その影こそは、あの悪しき魔王、イフターであった。
そして時を同じく、ヴォーグは魔王の持つ「魔剣ソルディバイド」の対となる「妖剣ヘイロス」を手に、一路シルバーナ城に向かうのだった。
剣と魔法に彩られた復讐の物語が、今はじまる。

特徴

残機制ではなくライフ制。敵の攻撃を受けてライフが0になるとゲームオーバーとなる。
操作系統は1レバー+3ボタン(ショット・斬り・魔法選択)。
通常のSTGとは違ってショットが主力ではなく、斬り攻撃と魔法に重点が置かれているのがポイント。

+ システム詳細
  • ショット(Aボタン)
    • セミオート(1回押すと数発が自動で発射される)。全キャラが前方集中型で、威力は低い。
  • 斬り攻撃(Bボタン)
    • 武器で攻撃する近接攻撃。リーチは短く隙も大きいが敵をまとめて攻撃することができ、威力もショットより格段に高い。
    • 上段攻撃・下段攻撃(レバー右上or右下+Bボタン長押し)
      • レバーを右上で斜め上方向に攻撃する上段攻撃、右下で斜め下方向に攻撃する下段攻撃。
        出が遅いのが難点だが、どちらも攻撃範囲が広く高威力。
    • 4連斬
      • 斬りボタンを連続で押すことで派生する4段攻撃。
        4段目は非常に強力だが、レバーを入れながら押さないと出ない(レバー入力方向はキャラによって異なる)。
      • 3段目で敵を倒すと2倍、4段目で倒すと4倍のスコアが入る。
  • 魔法選択(Cボタン)
    • 画面上部のウィンドウに表示されている魔法を選択する(1回押すごとに右にスライド)。
      最初はファイアしか使えないが、魔法書アイテムを取ることで最大9種類の魔法を覚えられる。
  • 魔法攻撃(AB同時押し)
    • 画面上部に表示されているMPゲージを消費し、選択している魔法を使用する。
      全ての魔法に無敵・敵弾消去能力があるため、オーソドックスなシューティングで言うところの「ボム」の役割も兼ねている。
      + 魔法一覧
      魔法名 MP 性能
      ファイア 前方に火炎を放射。持続時間はそこそこだが、攻撃力が低く効果範囲も狭い。
      サンダー 雷を落として攻撃。威力はそこそこだが攻撃範囲は狭く、持続時間も短い。
      フリーズ 冷気の嵐を発生させ、全画面の敵を一定時間凍りつかせる。
      スロウ 魔法弾を飛ばし、当たった敵の動きを鈍化させる。相手によってはほぼ完全に動きを止めることが可能。
      ウィンド * 風を呼び、全画面の敵弾を長時間封じる。攻撃力は無いが、効果時間中に自由に動くことができる。
      ナイトメア * ヴォーグ専用。前方に波動弾を撃ち出し、当たった相手の動きを長時間完全に封じる。
      フェニックス * カシュオン専用。鳳凰を召喚し、全画面に強力な攻撃を繰り出す。
      サモン * ティオラ専用。前方に大きな波動弾を撃ち出す。着弾すると小さな弾に分裂。
      メテオ * 全画面に隕石の雨を降らせる強力な魔法。
      ヒートボティ * 自己強化魔法。一定時間完全無敵となり、攻撃力が大きく上昇する。
      デス * 即死魔法。効く相手には超大ダメージを与えるが、効かない相手には全く効果なし。
      * が付いているものは一度使用すると再度魔法書を取るまでは使用できなくなる。
    • MPゲージは敵に撃ち込むことで徐々に溜まる(魔法薬アイテムを取ると大幅に上昇)。
  • アイテム
    • Pカード:ショットレベルが上昇(最大4段階)。レベルMAX時に取ると2000点のボーナス。
    • 回復薬:小さいものと大きいものがある。HP最大時に小回復を取ると4000点、大回復を取ると10000点のボーナス。
    • 薬草:最大HPがアップ。
    • 魔法薬:MPを回復。MP最大時に魔法アイテムを取ると2000点のボーナス。
    • 魔法書:絵柄に応じた魔法を習得。「?」はそれぞれのキャラクター専用魔法。
  • 敵に接触しても押し戻されるだけでペナルティなし。一部の特殊な敵弾に当たるとショットレベルが1段階ダウン。
  • スコアはステージ間のデモ画面でしか表示されないが、キャラ選択時にレバー↑+Aボタンを押しっぱなしにしておくと常時表示される。
    また、スコアを常時表示にすると4連斬の3段目、4段目で敵を倒した際に「×2」「×4」の表示が出るようになる。
  • 8ステージ×2周の全16ステージ構成。2P協力プレイ可能。
    3面は行き先を選ぶことで分岐。1周クリアでエンディングが流れ、2周目は各種デモがカットされたエクストラステージ扱い。
    • ゲームオーバー時にはプレイ内容に応じて階級と称号評価が表示される。

プレイヤーキャラクター

  • 暗黒騎士 ヴォーグ
    + "剣の攻撃力はバツグン!!"
    もとミルティア国の聖騎士。復讐の為闇の血を受け暗黒騎士となる。
    7年前、祖国をイフターに奪われた彼は、
    秘術による試練に挑み「妖剣ヘイロス」を手中に収める。
    闇の血を受けながら人間の意識を保つ事が出来た唯一の暗黒騎士。

    年齢:32歳 身長:180cm
    • ショット:投げナイフ
    • 4連斬:斬・斬・斬・↑+斬
      • 孤高の剣士。初期カーソルはカシュオンに合っているので勘違いしていた人も多いかと思われるが、彼が主役である。
        強力な斬り攻撃を武器とするパワータイプだが、魔法の性能もそこそこのものを持つ。
        一方でショットの攻撃範囲が狭く、4連斬がやや使いにくい。至近距離が主戦場となるためどちらかと言えば上級者向けのキャラ。
  • 有翼戦士 カシュオン
    + "長い槍が敵をつらぬく!!"
    森の都ネラフェイの住民である「天翔る民」の族長の息子。
    背に大きな翼を有する勇猛な戦士で、
    森の守り神とされる精霊石を代々受け継いできた。
    だが、精霊石を奪いに来た魔王イフターに父を殺され、復讐に燃える。

    年齢:25歳 身長:192cm
    • ショット:羽根攻撃
    • 4連斬:斬・斬・斬・→+斬
      • 青い肌と翼を持つ亜人。いろんな意味でヴォーグよりも彼の方が目立っている。
        槍を得物とするリーチの長い斬り攻撃が長所。スピードが高く4連斬も出しやすいため、おそらく最も扱いやすいキャラであろう。
        ただし魔法が貧弱で、当たり判定も大きいという欠点あり。中距離戦が攻略のカギを握る。
  • 大魔導師 ティオラ
    + "ド肝をぬく魔法の強さ!!"
    精霊石の創造者であり、光の神殿ランフォスの守護者。
    古の高等魔法や召喚術に長けた魔道師で、
    1000年前に光の神殿ランフォスの門をくぐった時の姿をそのまま保ちつづけている。
    奪われた精霊石を封じる為に魔王イフターを追う。

    年齢:1016歳 身長:168cm
    • ショット:魔法弾
    • 4連斬:斬・斬・斬・↓+斬
      • 見た目は若いが、千年を生きる魔女。
        強力なショットと魔法攻撃を持ち、当たり判定が小さい遠距離タイプ。一方で移動速度が低く、斬り攻撃はリーチも威力も頼りない。
        魔法の使いどころと動き方が重要となるため、戦略要素の高い中級者向けキャラ。


評価点

ファンタジックな世界観とシリアスな人物描写
  • 探偵 神宮寺三郎』シリーズや『カルドセプト』シリーズでもおなじみの寺田克也氏による本格的なファンタジー世界。
    決して華やかでも英雄的でもない、暗く陰鬱な世界観だが、三人の主人公がそれぞれの過去を清算するために魔王イフターに戦いを挑む姿は、古典的なファンタジーファンなら魅かれるものがあるだろう。
    • ストーリーも一貫してハードボイルドで、キャラによってはエンディングにも救いがない。
      一見マトモなようでも実はおちゃらけているノリが特徴の彩京のゲームの中では、異例と言えるほどシリアスな展開である。たまにはこういう彩京も悪くない。
  • 当時のゲームとしてはグラフィックの描き込みも極めて緻密。
    特に背景やボスの描写には力が入っており、高所から見下ろす中世ヨーロッパの街並み、石造りの城砦、ドラゴンや巨大蛇の滑らかな動きなど、リアリティと威厳に溢れた世界を演出している。
    • 陰影の付け方を見るに、おそらく3Dモデルを2Dに落とし込んだ上で細かくドットを打っていると思われ、非常に丁寧に作られていることが伺える。
  • 尤も、後述するように本作のような陰鬱な世界観は、派手なゲームが好まれるアーケードに必ずしもマッチしていたとは言い難く、問題点と表裏一体でもあるのだが…。
接近戦と魔法を使い分ける戦略要素
  • ボスなどを除いて、基本的に敵は弾を撃つ前に呪文詠唱のモーションを取るのだが、この瞬間に斬りをヒットさせると詠唱を中断させて敵弾を封じることができる。
    雑魚の弾程度であれば当たってもさほど痛くないものが多いので、積極的に敵の懐に飛び込んで連斬・上下段攻撃で強引に斬り伏せていくというアグレッシブな立ち回りが可能となっている。
  • 全ての魔法には発動した瞬間から無敵と弾消し能力が付いており、ボムの役割を兼ねる。
    また、ほとんどのボスには弱点魔法が存在するので、これを押さえて計画的に魔法を使っていくことで格段にボス戦を楽にしてくれる。
    • こうした接近戦を仕掛けるタイミングの見極めと、魔法攻撃を的確に使いこなすことが本作の攻略のキモであり、コツを掴めば普通のシューティングとは一味違う独特の面白さを実感できる。
      正統派のシューティングに飽き足らず、アクションや魔法の要素を意欲的に取り入れた開拓精神は評価に値するだろう。

賛否両論点

クセの強いゲーム性
  • 彩京のゲームと言えば『ストライカーズ1945 II』に代表される王道シューティングを想像する人が多いと思われる。
    しかし本作は体裁こそシューティングの形だが、ライフ制を取っていることや敵に当たってもほぼペナルティが無いことに現われているように、アクション要素が非常に強い。
  • ショットは基本的に雑魚敵を撃ち落としたり、弾避けに専念したりダメージを調整する際に補助的に用いる程度のものとなっている(ショットが強いティオラでも遠距離一辺倒では厳しい)。
    また、キャラクターが大きいため当たり判定も大きいが、その分体力があるので、多少の被弾には目を瞑って攻撃を仕掛けていくことがより有効。
    • このため、いつもの「ショットと弾避けがメイン」の彩京シューに慣れている者ほどとっつきが悪かった節があり、コツを掴めないまま投げてしまったプレイヤーも少なくない。
      4連斬による倍率アップが最重要となるスコアアタックの仕様も、彩京の主要な支持層であったシューターたちにはあまり受けなかった。
    • 一方で、接近戦と魔法を中心に攻略法を組む前提で考えれば納得できる難度設定に仕上がっているため、逆にシューティングをあまりやり込んでいなかった者ほどやりやすく感じられた傾向があるようだ。
      「アクション要素のあるシューティング」ではなく、あくまで「シューティング要素のあるアクション」と捉えてプレイするのが正解である。

問題点

操作性が悪い
  • 魔法選択をリアルタイムで行わなければならないため、敵に対応しながら適切な魔法を選ぶのが難しい。また、発動がボタン同時押しというのも慣れを要する。
    このため最初から使う魔法と場所を決めてカーソルを合わせておくのが最良だが、低MP消費で使える魔法がファイアかサンダーぐらいしかないので、いざ緊急回避が必要となった時に咄嗟に出しにくいという問題がある。
    • この手の問題はボタン数が少ないアーケードゲームでは昔からよくあるが、本作もまた解決できなかった形と言える(家庭用では左右にカーソルを動かせるためいくらか解消されたが、代わりに魔法発動をアーケードと同じ「AB同時押し」に設定出来ない)。
  • 4連斬の最終段が出しにくい
    • 最終段を出すにはレバー入力が必要だが、最初からレバーを入れっぱなしにして連打するだけでは出てくれない(きっちり途中で入れる必要がある)ため、肝心なところで不発になってストレスを感じやすい。
      ただでさえ移動に細かなレバー操作を要するゲームなので、普通にボタン連打で最後まで出し切れるようにしても良かったのではないだろうか。
  • 敵味方の接触判定と、接触した際の押し戻され方が分かりにくい。敵に密着してラッシュをかけている最中に別の敵に割り込まれて射程外に押し出される…ということもしばしばである。
  • 攻撃を食らった後の無敵時間が短い。接触判定の曖昧さもあって、連続攻撃を仕掛けてきた敵の前にハマってしまうと連鎖的にダメージを受け、あっという間に体力を奪われてしまうことになる。
    特に連斬を出している間は移動が遅くなる(さらに、攻撃を受けると連斬は中断される)ので、タイミングを誤るとカウンターでこのような状況に陥りがち。
プレイヤー層のミスマッチ
  • シューティングでファンタジーを忠実になぞった本作が、アーケードゲームに求められるゲーム性とマッチしていたかどうかにも疑問が残る。
    • 本作のようなド直球なファンタジー世界は本来RPGやARPGとの相性が良く、長時間かけてキャラを育成し、少しずつ物語を進めていく…という作業を楽しむものという認識が一般的。
      はっきり言って「プレイ時間の短さ」「テンポの良さ」を長所としてアーケードで成功してきた彩京の作風とは全く相反するものである。
    • こうした点から、本作の世界観に魅かれる層には「方向性は良いがボリュームが物足りない」、興味が湧かない層にとっては「どうでもいい地味なゲーム」という中途半端な印象に終わってしまった感がある。
      結局のところ、ウケたプレイヤー層が狭かったことが本作が今ひとつヒットしなかった最大の原因と言えるだろう。
  • 後述する家庭用移植版で追加されたクエストモードのコンセプトは非常に面白いので、最初から家庭用として作り込んでいれば化けていた可能性もあったと思われるのだが…。

総評

シューティングにアクションやRPGの要素を取り入れ、本格的なファンタジー世界に仕上げた一作だが、同時期にヒットを飛ばしていた他の彩京シューティングほどの人気は得られなかった。
「コンセプトは良かったが…」といった歯切れの悪い意見が聞かれることが多い、典型的な「あと一歩の佳作」という感じの評価に留まっている。
総じて独特、かつ地味であるがゆえにとっつきが悪く、プレイヤーを選ぶゲームになってしまったことは否定できないだろう。

とはいえ、決して悪いゲームな訳ではなく、本作の方向性がアーケードゲームの形式に上手く噛み合わなかったことは考慮すべきかもしれない。
移植版でやる分には十分に遊べる出来なので、世界観に魅力を感じられるのであれば手に取ってみても損はないゲームである。



移植・続編など

  • セガサターン・プレイステーション版(1998年7月2日、アトラス)
    • 新たに「クエストモード」が追加されている。簡単に言うとローグライクの探索モードで、死ぬと最初に戻されるが、帰還呪文を使うことで成長したステータスを引き継いだまま再度挑戦できるというもの。
      追加要素としては面白い試みなのだが、いかんせん作りの浅さが否めず、ステージが17面までしかない上にアイテムの収集要素なども薄い。
      あくまでメインはアーケードモードと考えておいた方が良いだろう。
  • プレイステーション2版(2005年3月31日、タイトー)
    • 『彩京シューティングコレクションVol.3』として、同じくファンタジー世界を舞台とする縦スクロールSTG『ドラゴンブレイズ』とカップリング移植。
      AC版のベタ移植となっているが、何故かBGMが遅回し再生される(事がある)ので他機種でプレイ経験があると違和感バリバリ。SS・PS版にあったクエストモードは入っていない。

余談

  • 後に『対戦ホットギミック フォーエバー』に隠しキャラとしてカシュオン(のそっくりさんであるアシュオン)が出演しており、ネタキャラ的な扱いにされたりもしている。
    • 本作の格好そのままで女子高の体育教師という無茶な設定。
      公式サイトでも「年中半裸で背中には大きな翼、そのうえデスラーよりも青いときた。どう見ても教師には見えない」などと紹介されていた。さらに麻雀対決に勝利してある「おしおき」を実行すると女の子になってしまう。
      本作でのシリアスなイメージが台無しである(この何でもアリ具合が彩京のゲームの良いところなのだが)。