スーパーパズルファイターIIX

【すーぱーぱずるふぁいたー つー えっくす】

ジャンル パズル



対応機種 アーケード
プレイステーション
セガサターン
Windows95
ドリームキャスト
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1996年5月31日
発売日 【PS/SS】1996年12月6日
【Win】1997年3月20日
【DC】2001年7月5日
定価 【PS/SS/Win】5,800円
【DC】3,800円(各税別)
廉価版 【Win】1999年4月16日/1,500円(税別)
配信 【PS】ゲームアーカイブス
2015年7月22日/617円(税8%込)
判定 なし
ポイント カプコン格ゲーキャラが落ちものパズルに
爽快感高い
キャラバランス劣悪
ストリートファイターシリーズ
CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ


概要

カプコンの対戦格闘ゲームのキャラを使用した落ち物パズルゲーム作品。公式略称は『スパズル』となっている。
主に『ストリートファイター』シリーズと『ヴァンパイア』シリーズのキャラが2.5頭身にデフォルメされた姿で登場。
「同じ色のブロックを積み重ねて大きな四角形に固めてから、破壊用のブロックで消す」という分かり易いシステムを採用。

システムの原型はカプコンが1994年に発売したパズルゲーム『ぷにっきぃず』*1だが、ルールはかなり変更されている。
タイトルは『スーパーストリートファイターIIX』のパロディだが、出典は『ストリートファイターZERO』ベースであり『スパIIX』要素はあまり無い。


登場キャラクター

以下はアーケード版のもの。

  • 『ストリートファイター』シリーズより:リュウ・ケン・春麗・さくら・ダン(隠し)・豪鬼(隠し)
  • 『ヴァンパイア』シリーズより:モリガン・フェリシア・レイレイ・ドノヴァン

システム

幅6マスのフィールドに、赤・緑・青・黄の計4色のブロック(本作ではジェムと呼ぶ)が2個1組ずつ出現する。
プレイヤーはこれを左右移動・急速降下・回転の操作を行ってフィールド内に積み上げていく。
ジェムには以下の種類がある。

  • ノーマルジェム
    • 通常のジェム。後述のクラッシュジェムを隣接させると破壊されて消える。その際、同色のノーマルジェム・パワージェムが繋がっていれば、そのすべてが消える。
    • 破壊数に応じて攻撃力が決まり、相手のフィールドにカウンタージェムを落とす。
    • 逆に言えば、ノーマルジェム・パワージェムは基本的にクラッシュジェムをくっつけない限り消えない。
  • パワージェム
    • ノーマルジェムの派生形態。同じ色のジェムを2x2以上の四角形に並べると合体して1つの塊となる。
    • ノーマルジェムよりも消した時の攻撃力が増大しており、四角形の大きさ(総面積)が大きいほど高威力となる。これを作成するのが基本的な戦術。
    • 形としては一応正方形に近づけるほど強力となるが、面積の依存度が大きいためこちらの効果はさほど大きくはない。
    • なお一度パワージェムになると戻せない。下が消えると段差に引っかかることがある。
  • クラッシュジェム
    • 起爆用の丸いジェム。
    • 前述した通り、同じ色のノーマルジェム・パワージェムに接すると繋がったすべてのジェムを破壊する。同色のクラッシュジェム同士をくっつけても破壊される。
    • この時、破壊中のジェムにカウンタージェムが隣接していると、それも同時に破壊される。
  • カウンタージェム
    • 相手の攻撃により降ってくる、四角いおじゃまジェム。
    • 各色ジェムと同じ色で数字(カウンター)が書かれており、自陣のジェムを1組落とす度に、中に書かれたカウンターの数字が1ずつ減っていく。規定数(通常攻撃では「5」・レインボージェム攻撃では「3」)だけジェムを落として数字を「0」にすると、その場で該当色のノーマルジェムに変わる。もちろん同色が四角形型に揃っていた場合はパワージェムに変化する。
    • カウンタージェムの隣でジェムを消すと巻き添えで破壊される。
    • 変化前のカウンタージェムに同じ色を予め隣接させておき、こちらの攻撃に利用することもできる。変わった瞬間にクラッシュジェムが隣接していた場合は即破壊されるため、時限爆弾のような戦法も可能。
  • レインボージェム
    • 25組のジェムを落とす毎に必ず出てくる、ダイヤモンド型のお助けアイテム。これをフィールド内のジェムの上に置くと、下の色と同じあらゆるジェムが全て消える。
    • ただし、これを使って消したジェムは攻撃力が半分になり、相手に送るカウンタージェムのカウントも通常は「5」のところが「3」になる。ピンチの時に一気にスペースを確保する、大きな四角形を作るのに邪魔をしている色を消す、など使い方は色々。
    • 床に設置すると効果を発揮せず消滅するが、ボーナス点が入る。

落下口である右から3列目が積み上がって塞がれるとゲームオーバー(いわゆる『ぷよぷよ』とは左右逆)。

セオリーとして「降ってきたカウンタージェムを利用して、いかに大きなパワージェムを作り反撃するか」が本作の肝となる。
よって(おじゃまぷよが本当に邪魔なだけの)『ぷよぷよ』よりも、コナミの『対戦ぱずるだま』シリーズ寄りのゲーム性となっている。
本作はその『ぱずるだま』で例えるなら、降ってきた小玉が後で一斉に大玉に変化するようなもので、中途半端な攻撃は相手に塩を送ることになる。
後に発売された『ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』の「こおりづけ」ルールがこのカウンタージェムに近い。


評価点

  • 連鎖を組むのが苦手な人でも取っ付き易い。
    • 本作の攻撃力は、連鎖数よりも固めた四角形の大きさに強く依存するため、相手の攻撃パターンを覚えて利用できれば、初心者でも意外に経験者相手に勝てたりする。
    • 大きなジェムは視覚的に分かり易く、相手がどの程度の攻撃力を溜め込んでいるかが把握し易い。ガラスが割れるようなガシャンガシャンという派手な音でパワージェムが消えていく様は、なかなか爽快。
  • 瀕死からの大逆転が起こりうるゲーム性
    • カウンタージェムは後にノーマルジェムに変化するというルールにより、瀕死級の攻撃を受けても「分厚いカウンタージェム層の下で遊んでいたクラッシュジェムにより起爆して大逆転」といった展開が発生する。
    • これを狙って、カウンタージェムが降ってくると(同じ色の)パワージェムとクラッシュジェムが繋がるように配置しておけば、「中途半端に攻撃すると反撃が確定する」という対戦相手への牽制になり、読み合いに深みを増す。
    • この「時間経過」で勝手に起爆するというのは『ぷよぷよ』や『ぱずるだま』では起こらない本作特有のルールである。だからこそ、一度で即死させる攻撃力が重要となる(賛否両論点にて後述)。
  • 非常にマイナーな存在だったゲームが日の目を見た事。
    • システムの元となった『ぷにっきぃず』は地味な演出や出回りが悪くCPシステム末期の1994年にひっそりと稼働した*2事もあってか「知る人ぞ知る」ゲームであったが、同社の人気コンテンツのキャラクターを用いる事によって、ゲーマーの注目を集め、超マイナーなゲームから脱却する事に成功したとも言える。
      • ただし、『ぷにっきぃず』は「起爆用のブロックを2個隣接させるとそれに隣接した同じ色のブロックが全て消滅」というルールであり、本作とはやや異なる内容となっている。実際にはむしろセガの『ばくばくアニマル 世界飼育係選手権』の方がルール的には近いかもしれない(こちらは「動物ブロックを1個隣接させるとそれに隣接した同じ色のエサブロックが全て消滅」というルール。ただし同じ動物ブロック同士を隣接させても消えないという相違点はある)。
    • その結果、「カプコンの落ち物パズルゲームといったらスパズルIIX」というイメージも確立したらしく、後に本作のキャラを別作品のキャラクターに差し替えた作品(後述)も登場する事に。
  • 同社の対戦格闘のキャラクターによる共演。
    • 世界観やキャラを含めてコミカルにデフォルメ化されているとは言え、当時大人気だったストリートファイターシリーズとヴァンパイアシリーズのキャラが一つのルールの元で共演し、正に「夢のクロスオーバー」が実現した。
    • また、登場キャラクターもリュウや春麗、モリガンにフェリシアといったお馴染みのキャラクター達に加えて、隠しキャラクターとして『サイバーボッツ』から「デビロット姫」がサプライズ的な隠し乱入キャラクターとしてまさかの参戦。
      • デビロットは原作ではパイロットだったが、今作ではお付きの地獄大師とDr.シュタインを従えなんと生身で参戦している。ただし、攻撃自体は原作での乗機だったスーパー8がどこからともなく出現し技を繰り出す。
      • 中でもモリガンは、なんとダンと同等のコメディリリーフ担当になっている。劇中のお遊びデモや連鎖アクションにて、春麗のコスプレで「ゴメンネ」チョップしたり、さくらのコスプレでセーラー服に着替えたり、ダンと2人揃って「余裕ーっす!」とキメる彼女の姿に唖然としたプレイヤーは少なくない*3
      • そんな中にあってドノヴァンは徹頭徹尾原作同様のシリアスキャラを貫いており、逆に周りから浮いた雰囲気となっている。
    • BGMは新曲が少なく、出典の当時の最新作である『ZERO2』や『ハンター』の物のアレンジが大半を占めているが、どれもキャラ同様にコミカルな音が使われている関係で評価が高い。
    • 背景も各作品のパロディであり、元々の背景をベースにゲストキャラ達がちりばめられている。
  • 格闘ゲーム風の演出
    • 本作はパズルでは珍しく、格闘ゲーム風に「ラウンド制」となっており、CPU戦においてもデフォルトでは2本先取の形式となっている(設定で変更可能)。そのため「ROUND 1 FIGHT!」といった演出や勝利マーク等も取り入れられている。
    • 試合中は中央にキャラクターたちが表示され、連鎖や攻撃に応じてアクションを起こす。中でも攻撃アクションは、ジェムを消した時ではなく相手にカウンタージェムが降るタイミングで演出が発生するようになっている。
    • 攻撃アクションは原作の技であり、攻撃量に応じて性能がパワーアップしていく。例としてリュウは波動拳<灼熱波動拳<真空波動拳といったところ。相手に30個以上送り込んだ場合は「スーパーコンボ」扱いとなり、これでフィニッシュすると本家のようなあけぼの演出も発生する。

賛否両論点

  • ストーリーがない
    • ストーリーデモはもちろんエンディングも単一のスタッフロールのみで、それぞれのキャラクターが戦う目的なども特にない。(関連書籍などでのみキャラクター毎のバックストーリーが紹介されている)。
    • パズルゲームにストーリー性の濃さを求めるのも違うだろうが、せっかくの人気キャラクターを使っているのにもったいないところ。
    • キャラクター同士の専用勝利台詞は用意されている(1戦毎に汎用ランダム台詞と交代)などキャラゲーとしてはそれなりだが、進行が味気なく淡泊になっている面は否めない。
  • キャラ選出
    • 本作は女性受けを狙ったのか、出場キャラクターのうち半分以上が女性キャラ*4になっているが、5人中3人がヴァンパイアシリーズからの出演と比率が偏っている。
    • 男性キャラの顔ぶれはボスも含めてほぼ道着キャラ勢で、異なるのはドノヴァンとこれまたヴァンパイアシリーズからの出演。女性キャラに比べるとバリエーションに欠けている。
      • 加えてヴァンパイアシリーズから4名も出しておきながら、主役も務めた事のあるデミトリがハブられていることをネタにされることも*5
      • 道着勢の顔ぶれだけ見るなら、主役級のリュウケン、お笑い担当のダン、ラスボスの豪鬼と一応人気のあるキャラではある。
    • 以降、家庭用への移植版や続編『ポケットファイター』とシリーズが続くにつれて女性キャラの比率も上がる事になった。
  • 連鎖の価値が低い
    • 評価点のところで述べたが、本作ではパワージェム重視のシステムとなっているため、連鎖を組むのが難しいシステムにもかかわらず、連鎖は『ぷよぷよ』のような倍率形式ではなく連鎖数に応じたスコア加算形式となっているために攻撃力の増加が少ない。
      • さらに、パワージェムは離れたものや多色も含め同時に消えたものは一括してカウントされるため、連鎖よりも同時消しの方が圧倒的に時間火力が高い
      • しかも連鎖は一つごとに単一の攻撃として扱われる(攻撃を重ねる形になる)ため、低火力の連鎖だと相手に同色のカウンタージェムばかり降らせてしまう危険性も孕む。
      • このため本作では連鎖を無理に狙わず、パワージェムを育ててまとめて同時に消す方が効率が良い。一応、4連鎖以上からはボーナス点が跳ね上がるものの、それでもパワージェムには劣るため、わざわざ狙う価値は薄い。その割には連鎖アクションは6連鎖まで用意されており、中には専用のアクションもいくつか存在するが、実質的に見るのが困難になっている。
      • 元となった『ぷにっきいず』でも連鎖はほとんど評価されないシステムであった。
  • 不安定な展開
    • 本作のシステムは概して運による理不尽な勝敗が決まりやすい。
      主な原因に「出現ジェムのランダム性の高さ」「どんな消し方でも必ず攻撃が発生」「相殺が不利」「一定以上の攻撃は即死」などがある。
      • ジェムの種類が4色計8種に上る関係で、出現ジェムのランダム性による偏りが想像以上に酷い。
        起爆用であるクラッシュジェムは基本的にノーマルジェムより出現率が低めに降ってくるが、タイミング自体はランダムのため、せっかくパワージェムを大きく育てたのに起爆用のジェムが中々来ないという事態に陥ってしまうことが頻繁にある。いくら待っても出現せず反撃すらできずに敗北なんて事も珍しくない。 一応、フィールドが埋まってくると救済措置としてクラッシュジェムの出現率がアップするように設定されてはいるが、これも非常に雑なもので、不要な色のクラッシュジェムばかり出てきて欲しい色のノーマルジェムすら出なくなるといった事も多い。必要のないタイミングでクラッシュジェムが来てしまい、泣く泣くゴミとして処理せざるを得ないケースも当然頻発する。 ランダムで特定の2色のノーマルジェムの出現率が多く偏るパターンになることも多々あり、その場合は選ばれなかった方の2色のパワージェムを育てるのが困難になるし、中盤以降はカウンタージェムに対応した色のクラッシュジェムが出現しない限り手も足も出なくなる。
        後述のWin移植版のみゲージを消費して任意にクラッシュジェムを作るシステムが搭載されているが、1作限りで他機種には採用されていない。
      • クラッシュジェム1+ノーマルジェム1もしくはクラッシュジェム2で破壊した際も必ず相手にカウンタージェムが少量送られる。
        巨大パワージェム作成のために下手に不要なジェムを掃除すると、敵に塩を送る事につながるため、下記の即死狙いに対する抑止効果は一応なっている…のだが、中盤以降は下記の相殺の仕様と合わせて一発逆転以外ただの一方的な展開になりがち。
      • 相殺は攻撃力が不利に設定されており、同数のジェムを破壊しても消滅しない。
        せっかく巨大なパワージェムを作って破壊しても、その時に相手からの攻撃が始まっていると、これを上回っても攻撃力が(見えている数字以上に)激減してしまう。他にも互いにパワージェムが不足しつつ拮抗している状況の場合、明らかに先手が有利になってしまい、塵も積もれば山となるようにカウンタージェムの降るタイムラグが重く響いてくる。
      • 一定以上の強力な攻撃を行うと即死。
        カウンタージェムが降る際には事前に画面上部に降る数が警告表示されるのだが、1ターンで数値分全てが降り注ぐ。たとえフィールドが空でも、78個(13列)以上の攻撃を受けると一発で即死であり、「爽快」「理不尽」と賛否両論。このため「パワージェムを効率よく溜め込んで致死量の攻撃をいかに素早く作るか」が本作の戦略の肝となっている。
      • 元々2本先取ルールが採用されていることもあり、決着が早いルールが採用されていることには留意したい。
  • レインボージェムの存在
    • 中級者以上にとっては、せっかく作ったパワージェムや連鎖を崩されてしまうため厄介な存在である。
    • ただし出現タイミング自体は「25組ごと」と決まっているため、そろそろレインボーが来そうだなと予測し、予め不要な色をゴミとして集めて表面に露出させておいたり、邪魔な場合は床を開けて処理するといった、レインボーが来ることを前提とした戦法が必要となる。
    • また、レインボージェムの攻撃力半減は1連鎖目のみに適用されるため、育てたパワージェムとクラッシュジェムの間に不要な色を挟んでおき、レインボージェム待ちで本線を起爆するということも可能。ただしこの場合もカウンタージェムの数値はまとめて3に減ってしまうのが欠点。
  • 非対戦のモードは未搭載
    • 本作は対戦格闘をモチーフにしているためか「対戦プレイ」を前提とした設計となっており、落ち物パズルゲームでは一般的な1人用フィールドでエンドレスプレイを続けるモードが存在しない。
      • 後のドリームキャスト移植版ではトレーニングモードが存在するが、格闘ゲームのそれと同じようにあくまでも練習用のモードに過ぎないため、単体でやり込むようなモードとしては設計されていない。

問題点

  • キャラバランス
    • デフォルトで選択できるキャラは、いずれも攻撃パターンに弱点があり、それを逆手に取って反撃を仕掛ける…のがセオリーだが、その攻撃パターンには格ゲーであれば許されないレベルの優劣がある。
    • 同じ列に同じ色しか落ちないリュウ、2x2の並びで落ちる春麗、その2人を足して2で割ったようなフェリシアなどは弱キャラ。一方、色がV字状にずれており春麗の完全上位互換であるモリガン、横段自体は同じ色だが3段以上落とせば段差でバラバラになることが多く厄介なケン、チマチマと3段程度落とすと掘り返すのが面倒なドノヴァンは強キャラとされる。
    • なお隠しキャラのダンのみ意図的なネタキャラとして設定されており、こちらはある意味で好評。*6
    • 隠しキャラの豪鬼とデビロットは斜め攻撃という非常に対策しづらいパターンだが、彼らのみプレイヤー使用時は攻撃力が75%に落ちる補正が掛けられている。

総評

お祭りゲーとしてパズルのシステム部分だけ見れば光る部分がある事は確かだが、いかんせんCPU戦ですら理不尽な展開もあり、粗がないとはとても言えない。
対戦ゲームとして見ても、キャラクターのバランスの問題が目に付くため、もう少し調整していればと悔やまれる作品でもある。
元々がマイナーな作品を同社の人気格闘ゲームのキャラに差し替えた作品であるため、その意味ではシステムを上手く再利用した作品とも言えるだろう。


CS機移植版

  • PS/SS版
    • AC版の半年後に発売。新規モードとして「ストリートパズルモード」が追加され、倒した敵によってキャラクターの追加カラーや専用勝利マーク、サウンドテスト、設定資料イラスト、さくらが歌う本作の主題歌「この思いを伝えたい」*7などを入手できる。
      • 徐々にコレクションを埋めていく収集要素であり、アーケード版には無い楽しさがある。
    • 上級者向けモードとして、相殺システムが廃止されCPUの強さや攻撃力が上昇した「エキスパートモード」も追加。こちらも上記の解禁要素の一つである。
    • さらには家庭用限定の裏キャラクターとして『MARVEL SUPER HEROES』のチート性能キャラでお馴染みのドノヴァンの連れの少女「アニタ」や、レイレイの姉の「リンリン」が変身状態の「おフダ」で単独参戦というマニアックぶり。彼女たちは攻撃力が通常の1.25倍であり、おまけキャラクターながら非常に強力。
      • アニタは『MSH』で使用していた彼女の代名詞とも言える技「LOVE FOR YOU」*8を今作でも使用。リンリンは実はAC版のハードモードのエンディングに人間姿で登場していたため当時「リンリンが使える」というデマが流れており、今回実際に使用できることになった。
    • BGMは全曲アレンジされているが、オプションでアーケード版のものに変更することも可能。ただしAC版にあったピンチ時に音楽が速くなる演出は削除されている。
    • 画面比率の違いから、アーケード版よりもやや画面中央のスペースが狭くなっている(特にサターン版が顕著)。ただし演出部分が狭くなっただけのためプレイには特に影響しない。
    • PS版とSS版の内容はほぼ共通。違いはPS版のみゲーム新作映像紹介ムービーが付いていることくらい。
    • PS版は後にゲームアーカイブスで配信されている。
  • Win 95版
    • プレイステーション版ベースの移植。
    • 本機種のみ搭載の「オリジナルモード」では、ゲージを消費し、任意のタイミングで落下中のノーマルジェムをクラッシュジェムに変えられるシステムが追加。またカウンタージェムのタイムカウント方式を一手ごとではなく時間差ラグを付けることもできたり、カウンタージェムの初期数値の設定変更も可能。
    • LANケーブルによる通信対戦対応。
    • リュウ、ケン、チュンリー、さくらの4名のみ使用できる体験版『スーパーパズルファイターIIX プラクティス』も存在する。
  • DC版
    • 裏キャラクターが増加し、アナカリスの「王家の裁き」を喰らった状態のモリガンが「コウモリ」名義で参戦。他のキャラクターも通常とは異なる技が追加された裏バージョンを使用できる。
      • 例としてリュウは「竜巻旋風脚」や「真・昇龍拳」、ケンは「神龍拳」が追加されたり、春麗は演出が『ポケットファイター』準拠の派手なものになるなど。
      • アニタとおフダも引き続き登場するがより演出が強化され、アニタは「LOVE FOR YOU」が原作準拠になったり、おフダは人間姿のリンリンの演出も追加されている。
      • ただし演出が変わるだけで性能自体はノーマルキャラと全く変わらない。アニタとおフダの攻撃力1.25倍補正も廃止され、通常キャラと同性能になっている。
      • またデビロットとダンには裏キャラクター追加は無し。今作でもダンは挑発しかしない。
    • PS・SS版にあった「ストリートパズルモード」は無いが、該当する隠し要素はほぼ全てデフォルトで追加されている(さくらの歌も収録)。隠しキャラも最初から使用可能。
      • ただし専用勝利マークのみ廃止された。また、PS・SS版のような徐々に集めていく収集要素が無い点については惜しまれる。
    • 通常の「Xモード」に加え、新ルールとして「Yモード」「Zモード」を追加。
      • Yモードは同じく宝石パズルの先駆者『コラムス』に近いルール(ただし2個組かつ回転可能)で、縦・横・斜めの直線上に3個以上の同色のジェムをつなげると消滅する。パワージェムやクラッシュジェムは無い。
      • Zモードは『パネルでポン』や『対戦とっかえだま』に似た床から徐々にせり上がってくるジェムに対しカーソルを操作するシステムだが、4個分の正方形の大きさのカーソルをジェムに合わせると中身を時計周り・反時計周りに回転させることができ、フィールドに紛れた同色のクラッシュジェムに隣接させた状態で一定時間放置していると破壊できる。ただしパワージェムとして一度くっついてしまったものは回転できない。
    • さらに、好きなようにカウンタージェムの攻撃パターン配置を作成できる「カウンタージェムエディットモード」、相手側フィールドに通常のジェムが一切降ってこない状態(送ったカウンタージェムは一定時間でリセット)でひたすら練習できる「トレーニングモード」も搭載。
    • タイトルは「for Matching Service」で、ネット対戦に対応していた(サービス終了済)。
  • カプコン ファイティング コレクション版
    • 2022年6月にSteam/PS4/Switch/XboxOneで発売された、カプコン製対戦ゲーム10作を一つにまとめたオムニバスソフトに収録。「ファイティングコレクション」と銘打っている通り収録タイトルの殆どが対戦格闘ゲームだが、本作のみ対戦パズルゲームとして唯一収録されている。
    • AC版の忠実な移植のため「ストリートパズルモード」や裏キャラクターなどの家庭用で追加された要素*9はないが、オンライン対戦に対応した。
  • カプコンアーケード 2ndスタジアム
    • 2022年7月にSwitch/PS4/XboxOne/Steamで配信されたダウンロード専用ソフト。基本無料のベースソフトのDLCを購入・ダウンロードする形でゲームを追加でき、その購入可能なゲームの一つに本作がラインナップされている。
    • 『カプコン ファイティング コレクション』版と同じく、AC版の忠実な移植なので家庭用で追加された要素は未収録。オンライン対戦にも未対応だが、単品購入でも200円と安価で手軽にプレイ可能。
      • また、『カプコンアーケードスタジアム』シリーズ共通の追加要素としてゲームスピードの変更・巻き戻しなどの便利機能が使用できる。
      • 余談だが、システムの元になった『ぷにっきぃず』も同時にラインナップされている。
  • その他、携帯アプリ版・スマートフォン版や、日本未発売のGBA版・PSP版・PS3/Xbox360配信版などが存在する。
    • GBA版はPS版ベースの移植。英語版だが日本の本体でもプレイ可能。なお、GBA版は当初日本版でも発売予定だったが中止となった(参考)。処理落ちが激しく不安定なゲームとなっていたことも一因とされる。
    • PSP版は『Capcom Puzzle World』内の5タイトルの1つでDC版ベースの移植。こちらも英語版だが日本の本体でもプレイ可能。海外ではDC版が未発売だったため、それをベースにしたPSP版は海外ファンにとっては歓迎された模様。
    • PS3/360版は『HD Remix』と銘打ち、DC版の内容をベースにHD画質になった上で、新モードとして原作のバランスをさらに調整した「X'モード」が追加されている。
      • 「X'モード」は基本的に通常の「Xモード」がベースだが、リュウ・さくら・モリガン・レイレイ・フェリシアの攻撃パターンが改変されてキャラ間の格差が縮められ*10、春麗は原作同様弱いままだが攻撃力が1.2倍の一発逆転タイプに、デビロットは攻撃力補正が85%に上昇、豪鬼は攻撃力が一切下がらなくなった代わりに相手からの攻撃力が1.2倍という原作の「防御力が低い」という性能を再現したものになっている。なおダンは一切調整無し。レインボージェム使用時の補正も80%に上昇したが、代わりに2連鎖目以降にも減少が適用されるようになった。また、ジェムを一瞬で設置させる「クイックドロップ」が追加されている。
      • 日本では残念ながら『スパIIX HD Remix』と同様に未配信だが、Xb360版に至っては北米版『CAPCOM DIGITAL COLLECTION』に両者共々収録されており、輸入版として日本でもリージョンコードの制限無くプレイ可能。ただしHDDインストールには未対応なので、起動中は終始ディスクが回転し続けて本体への負荷が掛かり続ける点には注意。

派生作品

  • 1997年に本作の続編にあたる対戦格闘ゲーム『ポケットファイター』がアーケードで稼働し、こちらも家庭用に移植された。
    • キャラクターデザインやコミカルな世界観を引き継いだ実質的な新作で、ジャンルは(登場キャラの本職である)対戦格闘になっている他、コンボを決めていく度に変化するキャラクターのコスプレ姿が実に印象的。
      • 本作におけるジェムも、必殺技ゲージを溜めるためのアイテムとして引き継がれている。
      • 新キャラも加わっているが、本作のキャラのうちドノヴァンとデビロットはリストラされている。
  • 2012年にはPSPで本作のシステムを使用した派生作『アイルーでパズルー』が発売された。
    • 同作ではキャラクターが『モンスターハンター』の派生作『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』の物に差し替えられた作品で、新たにキャラ毎の「必殺技(特殊攻撃)」の概念が導入されている。
    • 同機種における最後のモンハンシリーズ関連作品でもあるのだが、発売当時はPSP市場が末期に差し掛かっていた時期だった事や、少し前に最新作『3G』がニンテンドー3DSで発売していた事等による発売タイミングの悪さから、大人気のモンハンシリーズ作品にもかかわらず注目度が非常に低い作品になってしまったのは否めない。
  • 2014年12月9日にはスマートフォンで同じく格ゲーキャラを使ったパズルゲーム『ストリートファイター パズルスピリッツ』が配信開始。
    • ゲームルールは全く違い、こちらはスマホゲームでよくある『パズドラ』風のものになっている。
    • しかし人気が振るわなかったのか2017年3月30日をもってサービス終了。
  • 2017年11月27日より本作の久々の新作タイトルの『Puzzle Fighter』が海外でスマホ向けアプリとして配信開始。海外向けだが一応日本でもDL可能。
    • 同年9月の開発発表時のスクリーンショットや動画サイトで公開されている動画から見る限り、ルール自体は本作と特に変更が無い模様だが、『デビルメイクライ』のダンテや『デッドライジング』のフランク・ウエスト、『ロックマンX』のエックス等が参戦している点から、カプコンキャラによるお祭りゲームとなっているようだ。
    • しかしこちらも人気が振るわなかったのか、残念ながら2018年7月31日をもってサービス終了。
  • その他、2004年発売の『お茶犬くるりん』及びキャラ差し替え移植の『子犬でくるりん』が本作とほぼ同様の基本システムを持つが、販売元は別であり関連は不明。

余談

  • ゲームルールの説明デモとして「サイキョー流パズル道場」が用意されており、ダンが親切に教えてくれる。
    • ダンが説明するチュートリアルは『ストリートファイター×鉄拳』でも採用されており、実力はともかく基礎説明でのお手本役としては板に付いている役所となった。
  • アーケード版のデビロット使用コマンドはダンと同じだが、残り時間が「10」になった瞬間に決定するというものになっている。
    • このため、時間がズレるとデビロットの代わりに最悪な性能のダンが選ばれてしまうというリスクがあった。
    • 家庭用では隠しアイテム解禁で常時出現させることができ、さらにドリームキャスト版では最初から使用可能になっている。
  • 『サイバーボッツ』より隠しキャラクターとして参戦した「デビロット姫」は本作の出演をきっかけに様々なカプコンゲーに参戦する事になった。
    • 一方、主人公の「ジン・サオトメ」のクロスオーバー作品デビューは本作より遅れた『MARVEL VS. CAPCOM』からだが、同作でとんでもないイロモノに改変されるとは誰が思っただろうか…。
  • デビロットの攻撃パターンは豪鬼同様の斜め型となっているが、キャラ選択画面では豪鬼の反転で左上がりなのに対し、実際のパターンは豪鬼の色違いで右上がりになっている。
    • スタッフによればこれはミスではなく意図的にわざと設定したもので、プレイヤーがキャラ選択画面で確認できるパターンに従って対策しても上手くいかず初めて何かおかしいことに気付くという、細かいところで意地悪しそうな彼女の性格を表したトラップらしい。
    • しかしあまりにややこしかったためか、ドリームキャスト版以降では実際のパターンそのままで表示されるように修正されている。
  • MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』のモリガンのエンディングは本作のパロディとなっており、リュウと勝負しようとした瞬間に本作をそのまま再現したフィールドが現れ、リアル頭身でパズル対決するというものになっている。残念ながら演出のみで操作はできない。
最終更新:2025年01月19日 12:09

*1 実際はコンパイルとの共同開発

*2 ロケテストは大阪の老舗独立系店舗、さらに、本稼働でも直営店の「アクティ21」には入荷しなかったぐらいである。ちなみに、BGMは同年に出た『クイズアンドドラゴンズ』からの流用。

*3 プレイ中、および勝利後のメッセージはいつもの女王様キャラである。

*4 メインキャラクター8人中、5人が女性。春麗・さくら・モリガン・レイレイ・フェリシア。

*5 一応ドノヴァンは当時最新作の『ヴァンパイアハンター』の主役級キャラである他、同シリーズの看板キャラとも言えるモリガンも登場していることから、「『ヴァンパイア』のメインキャラの登場」自体はきちんと行われているが。

*6 その攻撃パターンは赤一色という最悪なもの。中途半端に攻撃を送り込んでしまうと巨大なパワージェムを相手にプレゼントすることになり、勝つのは非常に難しい。加えてダンは攻撃演出で技を一切使用せず、常に満面の笑顔ですべての攻撃が挑発のみとなっている。ダンからの攻撃を受けた側も敗北時以外はやられアクションを一切取らない。

*7 『ストリートファイターZERO2』のさくらステージのBGMをアレンジして歌詞を乗せた歌で、さくら(CV:笹本優子)本人が歌っている。

*8 手に持った首なし人形から大量の首を放出する技。原作では体力を8割ほど削る極悪技だった。

*9 他の収録タイトルには用意されているカプコンファイティングコレクション独自のトレーニングモードにも非対応

*10 リュウ・さくら・フェリシアは縦が同色だったラインに別の色が混じるようになり一発消しできないようになった。フェリシアとモリガンは中央の色のパワージェム配置がズレて作りづらくなった一方で、容易に繋がりやすくもなっており、フェリシアについてはそれを考慮してか端の縦列部分が縞々に強化されている。レイレイに至っては原作と全く異なり、リュウと豪鬼を組み合わせたような中央だけ完全斜めパターンに変更され、中央が対応されづらくなった一方で左右端の列は弱体化した。