プロギアの嵐
【ぷろぎあのあらし】
ジャンル
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横スクロール弾幕STG
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対応機種
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アーケード(CPシステムII)
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販売元
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カプコン
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開発元
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ケイブ
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稼動開始日
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2001年
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判定
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なし
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ポイント
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ケイブ初の横スクロールSTG ゲーム自体は面白いが癖が強く難易度高め 長年に渡ってされなかったコンシューマ移植
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ケイブSTGシリーズ
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概要
カプコンが当時行っていた、中小企業とのタッグによる「パートナーシッププロジェクト」の一環で作られた作品。
カプコンやケイブにとって珍しいどころか、現在でも珍しい弾幕横スクロールSTGとしてリリースされた。
当時のケイブSTGに存在していた硬派なイメージからの脱却を意図してか、井上淳哉氏のキャラクターを前面に打ち出したデザインとなっている。
ストーリー
風力を生かした永久機関「プロギア」により産業が発展したパーツ王国では、ついに不老不死の技術までもが実現されてしまった。
永遠の命を手に入れた老人達は「元老院」を名乗り、理想社会の建設を実現するべく政府に宣戦布告、その圧倒的戦力をもって後の世に「賢者の制裁」と呼ばれる大粛清を開始した。
抵抗を試みた大人たちは為す術なく倒されていき、やがて残されたのは、子供たちだけで構成された少年空士隊のパイロットだけとなってしまった。
そして、なおも容赦なく繰り返される元老院の攻撃に追い詰められた少年たちは、新兵器「ガンフライヤー」と共に、燃えさかる格納庫の中から戦いの大空へと飛び立っていった。
「大人達はみんな死んだ…。大切なものを守るために今度は僕たちが立ち上がる番だ!」
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要するに「世界征服を目論む悪人を叩きのめす」「復讐」という正統派なストーリー。スチームパンクな世界観もSTGとしてはかなり異色。
とはいえ、当時のケイブは従来の硬派なイメージにとらわれない作品も多く手がけていたのだが。
システム
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横スクロールSTGではあるが、弾を遮蔽したり激突するとミスになるような「地形」は一切ない。地上物も背景の上に重ねて描写されているために縦スクロールSTGの要素がかなり多い。
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ケイブシューとしては珍しく、初期設定でエブリエクステンドになっており、更に敵の弾幕も複雑な動きをする物が多い。
放物線を描く・途中で弾道が曲がる・いきなり止まった後逆走する・分裂する…などと非常に芸が細かい。
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ケイブらしからぬ作風だが、このトリッキーな弾も後の『ケツイ~絆地獄たち~』に受け継がれた要素となっている。
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プレイ機体は、戦闘機二種と補助兵装三種の組み合わせで選ぶ。
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戦闘機乗りの少年(2キャラ)+補助兵装のガンフライヤーを操る少女(3キャラ)の二人一組、という設定になっており、プレイ内容に応じて「好感度」なるものが変動する。また、微妙ながら自機性能も変動する。
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ちなみに、主人公側の名前はネジとかの工具パーツ、悪人側はドリルや削岩機などの土木工作器具に統一されている。
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好感度が最高の状態で1周エンド、もしくは2周クリアするとトゥルーエンドとなり、組み合わせたペアに準じた内容に変わる。このうち、特定の組み合わせでクリアした場合のやけに鬱なエンディングがシューターの間で有名。なぜだァ――――――!!!
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一方で公式設定で接点が最も薄い組み合わせでクリアすると、前述のエンディングと大体同じシチュエーションながら、気色の全く違う暖かなエンディングが見られる。
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通常エンドの方はどれも希望を感じさせる終わり方であり、後味の悪さはないといっていい。
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ケイブ恒例の「2周クリアしないと見られないスタッフロール」はこの作品でも健在。
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おおまかな一周目の説明
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STAGE1
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基本操作を覚えるに最適、特に難所はなく気軽にいける。
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STAGE2
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少し難易度が上がる港ステージ、ジュエリングを活用する事が必要になる。2面ボスからして厚い弾幕を放ってくる。
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STAGE3
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トリッキーな弾が増える工場ステージでいわゆる初心者殺しが多い。針弾や3wayでプレイヤーを殺そうとかかる。
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STAGE4
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STAGE5
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ラストステージにふさわしく難易度は高い本拠地。慣れていても中ボスや後のクレーンステージでミスを誘発しやすい。ノーミスでいけるようになったらかなりの猛者。
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評価点
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ファイターモード(高速モード)・ガンナーモード(低速モード)を駆使したスコア稼ぎは非常に熱い。
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具体的には高速モード時に敵弾を敵機の爆破に巻き込む(ジュエリング)ことで、巻き込んだ数に応じた価値を持ったスコアアイテム(ジュエル)が出現し、最高の価値のアイテムが一定時間記憶される。
この状態で同様に低速モード時にジュエリングを発生させると、その価値に応じたハイスコアアイテム(宝石)が出現するが、現在の記憶されたアイテムの価値は消去される…というもの。
ジュエリングを行うことで左下のジュエルカウンターが上昇していき、これが高くなるほど撃ち込み点も上昇していく。
言葉で書くと説明しづらいが、これは後年の『ケツイ』のスコアシステムにかなり類似したものとなっている。
なお、ガンナーモードは自動追尾ショットであり、このあたりもケツイに強く影響を与えたことが窺える。
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このジュエリングに「弾消し」が組み込まれていることが極めて秀逸。敵弾を巻き込む敵機は発射元の機体である必要はないため、厄介な中型機が出て来るポイントを覚えておき、小型機をある程度残しておくことで中型機の弾幕を消しつつ攻撃できる、という寸法になっている。初心者でも中型機の配置を覚えるというSTGの基本に忠実にプレイしていれば、決して難しくはない内容である。しかもそれ自体がスコア稼ぎに繋がるため、本作の特徴であるエブリエクステンドの恩恵を受けやすい。
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道中、四方から敵がやってきて攻撃も激しい場面はガンナーモードによるサーチ攻撃とジュエリングを有効利用できると圧倒的に有利になる。難度が段違いで上昇する3面以降は、「ダイヤ状態によるガンナーモード維持」という不便だが弾消し能力には非常にすぐれた戦法を取ることも選択肢に入れる必要がある。
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ケイブシューにおいて、高速・低速の切り替えを肝としたスコア稼ぎのシステムや、弾消しによる初心者救済システムを組み込んだという点で本作は極めて革新的であり、『ぐわんげ』のような独特な操作感もない。前述のケツイを始め、多くの後年のケイブSTGのシステムに強い影響を与えた功績は大きい。
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BGMに定評のあるケイブらしく、スタッフロール時のみ流れるBGM「勇者たちへ…」はまさに隠れた名曲。ぜひとも自力で聴きたい所。
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本作のデザイナーは上述した通り井上淳哉氏であるが、後の担当作品を見るに井上氏独特のセンスは本作の時点で大いに発揮されていたようである。
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氏のセンスを表す例には、2周目のボスたちの弾けた台詞が挙げられる。
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不老不死になったことを後悔している後途の4面ボス:ニッパー総議書記長はまだマシだが、麻薬常習犯みたいにトリップする2ボスやいきなり「ヴぢうッ!」という北斗顔負けの断末魔を放つラスボスなどに見て取れるだろう。
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ちなみにラスボスのみ上記の台詞だけでなく、登場時演出での搭乗者の容姿にもある変化が起きる。
下記の問題の関係で到達は極めて困難ではあるが…。
賛否両論点
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稼ぐ快感は非常に良いが、そこにたどり着くためには非常に高度なパターン化が必要な場所が多い。
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実際にプレイすれば完成度の高さは感じられるのだがもはやクリアさせる気が感じられない2周目(道中)は、さじを投げられてもしょうがない。そのためあえて1周目のラスボスで2ミスして3ボムを撃ってトゥルーエンドを出して終わらせるプレイヤーもいるとか。
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横STGで弾幕というのが若干人の眼には対応しづらかったと言われており、横スクロールにしたことに関する疑問も。しかし、縦STGよりも横STGのほうが得意という人もいるわけで「横STGで弾幕モノが出ないのかな」と期待していたユーザーには喜ばれた。
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本作以後は『デススマイルズ』までケイブ制作の横スクロール弾幕シューティングは発売されなかった。
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そもそもCPS2基板が横画面基板であり、縦STGの制作には不向きだったとも言われている(詳細は「余談」の項にて)。
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上述のジュエリングシステムにより弾消し手段に非常に恵まれているが、反面1周目序盤から敵の攻撃がやや激しい。
ある程度ジュエリングで弾消しをしながら進んでいくのが前提のゲームバランスになっているのは否めないが、反面ランクの要素もあり敵弾が増えやすくなるという点も。後述のボムの仕様もあり、本当のSTG初心者には向いているかというといささか厳しいものもある。
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また、ジュエリングは稼ぎに弾消しにと本ゲームにおいて最重要なシステムであるにもかかわらず、インストや操作デモに一切の説明がないというのはあまりに不親切であったことは否めない。
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加えて中盤以降の敵弾は弾消しの操作を意識する余裕などないほど苛烈なものになるためよりボムに頼りがちになるのだが・・・。
問題点
2周目が異様に難しい
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ケイブ作恒例として、本作にも高難易度の2周目がある。突入条件は「1周目を1ミス以内or2ボム以内でクリア」。
しかし、2周目自体の仕様が凄まじいことになっている。
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2周目は「道中でミスしたら面の最初からやり直し」(2周目ボスはやられてもその場復帰のまま)という仕様に変貌を遂げる。
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撃ち返し弾が凄まじく、そのうえ道中が長い上非常に難しい2周目3面と2周目5面で無情に増え続けるリトライカウントと共に心が折れ、本作に挫折するシューターが全国で続出した。
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「2周目道中が戻り復活」という点にばかり注目されがちだが、「道中の大型敵の数が増えている」「各ボスには1周目には無かった攻撃や新形態が存在する」など他のケイブ作品でほとんど見かけない仕掛けも無視できない要素だろう。
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人間の眼の作りから言って人間に不利な横スクロールで弾幕というのも高難易度に拍車がかかっている。一応それを見越して、ジュエリングによる敵弾消去を前提にした戦略的な作りにはなっているのだが、2周目はそうも言ってられない難易度。
ただでさえ普通の弾も速くなっているのに、敵の爆風から高速の時間差撃ち返しが飛んで来てこっちを追い詰めてくる。結果撃ち返しも念頭に置いた正確なジュエリングパターンの構築がほぼ必須となってしまう。
他のケイブシューで2周目クリアを阻む最大の要因は真の最終ボスであるが、このゲームに関しては2周目5面道中が最大の要因である。
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ちなみに最強のボスは2周目4面ボス、「オルソロ=ニッパー総議書記長」(熟女)が操るクラーケン。1周目4面でも、1周目最強のボスとして立ちはだかる。
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余談だが今作に限らずケイブの熟女ボスには、『エスプレイド』のガラ婦人や『ぐわんげ』の尼魏主、『虫姫さま ふたり』のラーサと、終盤かラスボスで大抵非常に強いという謎の伝統がある。ケイブ側が意図しているかは不明であるが…。
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また、2周目は点数による残機エクステンドが一切無くなる(1UP自体は、4面でアイテムを取得すれば一度だけできる)ので、1周目で稼ぎまくって残機をカンスト(残9)させておかないと凄まじく苦しい。
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ただ、屈指の高難度として知られているものの、ノーコンティニューでの2周クリア自体は稼働後比較的早くに達成されている。
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本ゲームは特殊な弾道の弾幕が多いが、2周目のボスはトリッキーさはやや鳴りを潜め、弾の量で押し潰すような弾幕に変化する物が多くなる。
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ケイブ製のシューティングとしては珍しく、2周目突入条件に「ノーコンティニュー」が無いため、ボム使用を2発までに留めてコンティニューの力で2周目をプレイするという力技が可能。
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もっとも、ボムの仕様(下記参照)を踏まえると、この方法で2周目に突入したとしても、クリアはおろか先に進むのも至難の業だろう。
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2周目の難しさを見たい方向け VS真ラスボス「レオナルド=ドリル元老大元帥(2周目)」
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ここまでトリッキーな弾幕というのは珍しいのに、さらにこれを横スクロールで……。
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ケイブシュー屈指の弱いボム
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歴代のケイブ作品の中でもボムが極めて低性能であり、そのことも難しさに拍車をかけている。
効果時間はそれなりに長いのだが見た目の派手さと裏腹にダメージが異常に少ない。しかも敵に当てたり、敵弾を吸収してしまうとジュエルが減る。その上最大でたった3発しかストックできない。
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実はボムの威力にはジュエルカウンターが影響しており、これが低いとボムの威力が弱いままで、ある程度稼がないとまともにダメージが入るようにはならない。かといって稼ぎを狙っては今度はミスを招きやすい。どうしろと。
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ボス敵はボムに耐性を持っているらしく、ジュエルカウンターを相当稼いだ状態で3発+無敵時間を利用した目一杯の撃ちこみを行っても、形態変化すらさせられない場合が多い。
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追い打ちをかけるように、3発持った状態でボムを重ね取りすると+10000のジュエルカウンターと共に「オーエスモード」に入り、打ち込み点やステージクリアボーナスが×2になったり、ジュエリング時の最低宝石価値が上昇する(続けていくと最大でエメラルドまで上がる)仕様のため、1周目で残機を集めたいのなら、ボムボタンを押すことは事実上ほぼ許されない。
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これでは、何のためのボムなのかわからない。そればかりか序盤でオーエスモードに入れなければ、クリア重視だろうと稼ぎ重視だろうと、捨てゲーやむなしな仕様となっている。
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2面ボスからして『弾速こそ遅いが画面を覆い尽くすほどの弾幕を貼るゲーブリエル=ハンマー大師』、3面ボスは『複雑な軌道を描く弾幕を絶え間なく連射し、ごく僅かな隙間をくぐり抜けていく事を強いられる』ジムチャック=スパナ聖特使…と、(かなり慣れるまでは)ボムを使いたくなる強敵が出てくる作りにもかかわらず、である。得点によるエクステンドを欲張るとろくなことにならない場合が多いのだが、
それでも欲張らなければ2周目クリアが遠い
傍ら、逆に1週クリアだけを目指す場合は序盤から躊躇なくボムを使ってボムと残機が無くなればどんどんクレジットを注ぎ込んでコンテニューをした方が1週クリアが近いという
コンティニュー前提の死ね死ね金払えゲーになる
というのが本作の実情である。
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真エンディングの到達条件が過酷。
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本作にはトゥルーエンドと呼ばれるエンディングが存在し、条件は「1周目は好感度全てMAX」「2周目は無条件」となっている。
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1周目にトゥルーエンドを迎えることは相性の良い組み合わせ以外では難しく、意識して稼ぐ必要がある。
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2周目はクリアすれば無条件でトゥルーエンドを迎えることが出来るが、前述の通りこのゲームの2周目は相当な高難易度なので…。
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ボスの耐久力がわからない。
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ケイブの他作品と違い、ボスの耐久力を示すゲージなどが無いため、あとどのくらいで倒せるかがわからない。
本作に限らないが、プレイを重ねればどの攻撃が来た辺りで形態移行や撃破できるかというのがわかってくるが、やはり耐久力表示が無いのは不便である。
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タイプγのガンナーの存在意義が薄い
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γのガンナーはホーミングタイプだが、他のガンナーでもガンナーモードでは敵をロックオンして攻撃するため、独自の強みが無い。また、ホーミング攻撃のため、緻密なジュエリングパターンを構築する際に、意図しない敵を攻撃してしまいパターンを崩す要因になりがちである。
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このため、一度エンディングを見てしまえば積極的に選ぶ理由がなく、不遇と言える。
総評
当時のケイブらしからぬ作風であり、ケイブ自身が『エスプレイド』や『ぐわんげ』同様に硬派なイメージからの脱却を図っていた事が窺える一作。
システム面も後のケイブシューに引き継がれた要素が多く、特に『ケツイ』や『デススマイルズ』に関しては今作の影響が強く見られる等、知名度はあまり高くないものの隠れた功労作といえるだろう。
一方、横スクロール弾幕シューティングである事は、弾幕シューター達の全てには必ずしも受け入れられたとはいえず、更に(特に2周目の)非常に高い難易度は、挫折者も多く生むことになってしまった。
とはいえ、世界観や独自の断末魔「ヴぢうッ!」などの妙な言語センスに魅入られたファン、高難易度故のカリスマ性に惹かれるシューターもいるのも事実である。
STGとしてはクオリティは充分に高く、プレイしてみる価値はあるだろう。「横STGで弾幕」はデススマイルズ1と2を経て『赤い刀』へ。そしてケイブの元スタッフが製作した『ローリングガンナー』へと受け継がれていく事となる。
余談
移植に関して
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本作は携帯アプリ以外には長い間移植が行われていなかった。その主な要因として挙げられるのは下記の2つ。
カプコンの複雑な権利関係
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2000年以前のアーケードゲームはカプコンUSAが権利を持っており、日本のカプコンではどうこうすることが出来なくなったため。
CPS基板の仕様
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ケイブは、本作の家庭用機種への移植に関し、「CPS基板の特殊な解像度により、完全移植が実質不可能なレベルで難しい」とコメントしている(当時のケイブユーザーズルームのアーカイブ)。
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CPS基板の格闘ゲーム等は多く移植されているのになぜ本作の完全移植が不可能なのかというと、CPS基板は正方形ではなく縦長のドットで処理を行っており、それを正方形ドットの他ハードにそのまま移植すると非常に横長な画面(具体的には12:7)が出来上がってしまうのである。
格ゲーやアクションゲームであればキャラクターや当たり判定の処理が大きいため、そのまま4:3(12:9)にリサイズ処理してもさして支障はないのだが、STGの場合はキャラクターが小さく、当たり判定に至ってはドット単位の小ささである。そのドットの仕様の違いがプレイ感覚に大きな影響を及ぼしかねないために「完全移植が不可能」とされているのである。
同様の事情を他の作品でも抱えており、CPS基板で制作されたSTGは移植に恵まれないものが非常に多い。
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なぜCPS基板がこんな仕様であったかというと、「人間の眼は横長なので横方向の情報量が多い方が良い」という設計思想であったからと言われている。そのためCPSにおいて縦画面で運用されたゲームは数えるほどしかない(CPS1では『1941』、『戦場の狼II』、『VARTH』の3作品、CPS2では『19XX』とエイティング/ライジング開発の『グレート魔法大作戦』のみ。CPS3に至っては1作品も存在しない)。本作が横スクロールSTGとして開発された理由もここにあると思われる。
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なお、携帯アプリ版は配信当時の携帯アプリにしては頑張っていたほうだが、ボムが強力すぎるなど調整が投げやり。ボム1発でザコだろうがボスだろうがラスボスだろうが沈む様は所詮携帯アプリか、と思わせてしまう内容だった。
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2019年4月にカプコンUKがPlug&Playタイプの専用ハードである「Capcom Home Arcade」が欧州限定で2019年10月に発売され、収録作の1つに本作が含まれている。
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そして、2021年2月18日にNintendo Switchで配信された『カプコンアーケードスタジアム』にて本作が収録され、稼働開始20周年で念願の日本国内での家庭用ハードへの初移植を果たすこととなった。
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初期Verでは特定の自機の組み合わせでオート連射時にガンナーが弾を撃たないというバグがあったが、わずか1週間で修正された。
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『アーケードスタジアム』はパック販売で、本作はvol.3に収録。同じくカプコンの「パートナーシッププロジェクト」で開発された『1944 THE LOOP MASTER』や『ギガウイング』なども同時収録されている。
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その後、『カプコンアーケードスタジアム』のPS4・XboxOne・PC(Steam)版が同年5月21日に配信され、それと同時に追加機能DLC「無敵プレイ」も同日に配信された。これで誰でも(長丁場になるが)2周目クリアできるようになるものと思われる。ちなみにこのDLCの価格は税込み100円。
その他
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本作でSTG開発は撤退予定だったと言われており、当時のケイブユーザーズルームでも「次にシューティングを制作する機会があれば~」「(STG開発を)続けていきたいとは思っています。思ってはいるのですが…。」などそれを示唆する文言が見られる(アーカイブ,2)。
そんなケイブを救ったのは、皮肉にもライセンス貸与により台湾のIGSが開発した『怒首領蜂II』であり、同作が一定のヒットを記録したことにより『怒首領蜂大往生』の開発に繋がった、と言われている。『大往生』以降、『怒首領蜂II』の開発元であるIGS社の基板「PGMシステム」のアーキテクチャを利用した基板での開発が『エスプガルーダ』まで続くことになる。
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元々ケイブのアーケード開発事業は受託開発体制だった上に、本作開発終盤の時点で他社からの開発依頼がなくなったのをきっかけにリスク回避を考慮した結果、STGの開発から撤退する意向があったことが『怒首領蜂大往生 臨廻転生』の限定版付属冊子のインタビューにて語られている。
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海外版のタイトルは『Progear』。月刊アルカディア掲載時の『Progear War』でも、直訳の『Progear Storm』でもない。
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ちなみに海外版はボイス完全カットのためややシュールさが漂う。基板のサウンドテストで、データ内に日本語版ボイスしか存在しないことが確認できる。
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他のCPSII作品は、日本語・英語など多言語のボイスをあらかじめ収録している。
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横スクロール弾幕ゲームの歴史は本作で幕を閉じた…と思いきや『デススマイルズ』でまさかの復活を遂げる。
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難易度調整はもちろん、ジュンヤーこと井上氏主体のストーリーという正当な後継作になっている。
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『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』のDLC機体として、本作の機体の1つ「ギャンブラー(ギャンブラー+ガンフライヤーα式)」がカプコン枠で参戦。
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本作は作品としてはほぼケイブの正当血統であり、事実上のケイブ4枠目である。
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ちなみに前述の『カプコンアーケードスタジアム』への収録により、一緒に収録された『VARTH』と併せて同作にてDLCとなった全作品の国内家庭用ハードへの移植がようやく達成された。
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2ボスである『ゲーブリエル=ハンマー大師』は井上氏の知人である『ガブリエル中田』氏がモチーフとなっている。かつて井上氏が出していた同人誌などにもカメオ出演しており、氏の本を持っているプレイヤーならばニヤリとした事だろう。
最終更新:2024年07月23日 19:26