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長靴をはいた猫 世界一周80日大冒険
【ながぐつをはいたねこ せかいいっしゅうはちじゅうにちだいぼうけん】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| メディア | 512KbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | 東映動画 | 
| 開発元 | ショウエイシステム ベアーズ
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| 発売日 | 1986年11月21日 | 
| 定価 | 4,900円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 覚えられないアイテム BGM仕事しろ
 ペロの冒険はまだまだ始まったばかりなのだから!!
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概要
東映製作のアニメ映画「長靴をはいた猫」シリーズの第3弾「80日間世界一周」を題材にした横スクロールのアクションゲーム。
ストーリー
主人公の猫ペロは、80日で世界を一周できるかどうかで金持ちの豚グルーモンと賭けをする。
様々な乗り物を操り、グルーモンが差し向けたガリガリ博士やその部下、
猫族の殺し屋といった攻撃をかいくぐりながら、80日以内での世界一周を目指す。
ゲーム内容
基本動作
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十字ボタン+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。全8面。
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乗り物(潜水艦、気球)に乗っている面ではジャンプボタンで水中のマリオのように浮上できる。
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ライフ制+残機制を併用しており、敵や敵の弾に当たるとライフが1減少し(初期値5)、ライフが全て無くなるかステージ内の穴に落ちると1ミス。一部を除き、ステージの最初から再スタートとなる。
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残機が全て無くなるとゲームオーバー。コンティニューは存在しない。
 
ステージ構成
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メインステージは投てき武器で攻撃しながら進む地上面と、乗り物に乗って弾を撃ちながら進むシューティング風のステージに分かれている。
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最終ステージは上方スクロールで消える床と敵だらけのビックベン(塔)を登っていき、ボスを倒して鐘をならすことでステージクリアとなる。
 
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原作の通り、80日(実時間で1時間)が制限時間となっている。
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ゲーム中は画面右上に表示されている時間が減少していき、80日経過してしまうと当然残機に関わらずゲームオーバーとなる。
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ミス後はステージの最初から再開となるが、減少した時間は回復しない。
 
 
問題点
グラフィックが稚拙
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背景はどのステージもベタ塗りで書き込みは深くない。ステージのグラフィックも同様で、デザイン上どこが足場なのか視認しづらいところもある。
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キャラクターはそれなりに特徴を捉えて描かれているが、アニメのパターン数が少なく動きが貧相。敵の動き方もスライド移動である。しかもジャンプ中や降下中に画面がスクロールすると引きずられて動く。
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なぜかキャラクターが常にディック・ブルーナのミッフィーの如く真正面を向いている。
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横に移動しながら攻撃してくる敵はもちろん、ペロも操作せずに放置している時や乗り物に乗って進むステージでは常にカメラ目線なので不気味である。
 
 
BGMの質が悪い
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原作の主題歌のうちの1フレーズだけを延々ループするもの、クラシック曲「子犬のワルツ」の冒頭だけをループするもの、落雷時の演出とビッグベン用の一曲がある。
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数が少なく、1ループ10秒もなく非常に短いので単調。また、複数敵が出るとすぐに処理落ちして曲も遅くなる。
ゲーム構成が悪い
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ステージが単調
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1つ1つのステージが長い一方で変化に乏しく、ひたすら平坦な道や全く同じ配置の繰り返しなど、同じような景色が長く続くところが多い。
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雑魚敵も乱雑に配置されているのみで、地形とうまく組み合わせるといった工夫がない。
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ステージのギミックと呼べるものは乗っていると壊れる床と、海底ステージの壊せる地形くらいしかない。
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取得してもありがたみの薄い場所にある無敵アイテムや、オブジェクトに重なっていて取得できないアイテムなど、アイテム配置にも疑問がある。
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中ボスが使い回しで全く同じ。しかもステージ1~3に中ボスが登場するのに4以降はボスキャラが存在しないという謎の配置になっている。
 
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アイテムの効果が分かりづらい。
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ステージ各所に配置されているアイテムは種類が豊富なくせに全て同じ形の長靴であり、その上下左右の向きと赤色・灰色・あるいはその2色の点滅、の組み合わせで区別されている。そんなの覚えられるわけがない。そもそもグラフィックが雑なうえに点滅もやたら早いので肉眼で識別すること自体が無理。
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テキトーに拾えばいいかと思えば、マイナス効果の長靴も何種類もあるのでそうもいかない。
 
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乗り物に乗っていくステージがいろいろ雑
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せっかく3種類も用意しているのに操作感覚がほぼ同じで面白みがない。
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また、潜水艦に乗っていくステージではブロックを破壊して進まなくてはならないのに、敵は障害物お構いなしで平然と移動してくる。
 
その他の問題
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目に悪い演出
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2面及び7面において一定エリアに差しかかると発生する雷雲と稲光の演出が、激しいフラッシュによる点滅表現でかなり目によろしくない。
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フラッシュ自体は本作に限らず当時の多くの作品で多用された手法ではある。しかし本作では長時間にわたって背景全体が点滅し続ける中でプレイしなければならない場面があり目に悪い。
 
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操作性に癖あり
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徒歩ステージでは攻撃手段が投てき武器となるが、投げるときに微妙な硬直が発生するので隙が生じる。
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ジャンプ中左右の操作は受け付けるがジャンプ力固定で当たり判定がでかいので避けるのが大変。
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また、被ダメージ時には小さな効果音が一瞬鳴るだけでわかりづらい。
 
 
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最終ステージをクリアしてもエンディングなど存在せず、すぐに次の周に突入。ストーリーのある原作なのだから何かしらのやりようはあったはずである。
評価点
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表現が稚拙なところもあるが各ステージの景色にそれなりに変化をつけてあり、世界を旅しているという雰囲気は表現されている。
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地味に芸が細かい演出もある。
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例えば、クラシックカーで進む場面では未舗装路では車が揺れて舗装路では揺れないようになっている。
 
総評
表現力やゲーム性の面での発想など、力不足な面が多く垣間見える。バグは特に無い点は褒められるが、肝心のゲーム性が単調すぎる。
もっとしっかりと作りこめていればと思わざるを得ない作品である。
余談
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本作発売から4年後の1990年に原作アニメ映画の第2弾『ながぐつ三銃士』に基づいたアクションゲームが	Electro Brainから『Puss 'n Boots: Pero's Great Adventure』のタイトルで北米で発売された。(国内未発売)
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キャラクターのグラフィックやアニメパターンなどは本作から流用されているが、根本的なゲーム性、音楽の種類など、開発元が同じとは思えないほどにグレードアップしている。
 なお、こちらは一部システムなどを同社の『仮面の忍者 赤影』から流用している。
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中にはクラシックカーや飛行機に乗って進む強制横スクロール面など、本作のステージの一部を彷彿とさせるシチュエーションもある。
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簡素ながらもエンディングとスタッフロールも用意されている。
 
最終更新:2023年09月11日 03:48