ONI零 ~戦国乱世百花繚乱~
【おにぜろ せんごくらんせひゃっかりょうらん】
ジャンル
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アドベンチャー+バトルゲーム
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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256MbitDSカード
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発売・企画元
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コンパイルハート
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開発元
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ディー・イー・エル 飯島多紀哉
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発売日
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2007年8月30日
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価格
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5,040円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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2007年クソゲーオブザイヤー携帯機部門大賞 グラフィックしょぼすぎ 雑なシナリオ 「戦闘」とは名ばかりのルーレット
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
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ONIシリーズ
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概要
かつてパンドラボックスにより開発されていた和風RPGシリーズ『ONI』の一作。
パンドラMAXシリーズの最終作として発売された『ONI零 ~復活~』以来、6年の年月を経て発売された。
シナリオは前作に続き飯島健男氏で、本作から「飯島多紀哉」のペンネームを使用している。
前作『復活』は中途半端な終わり方で、エンディングにて続編『ONI零 ~流転~』の予告編が流れたものの、
程なくパンドラボックスが活動を停止した事でシリーズの展開も途絶えていた。
そんな中で発表された新作であり、当初は待ち望んでいたファンの期待も高かったのだが…。
『復活』の未来を舞台にしてはいるが、『流転』とはストーリーが繋がっておらず、同人誌で展開されていたストーリーを元にしている。
特徴
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まず主人公を選択し、シナリオをプレイする。メイン主人公のみ、シナリオは章単位で分割されている。
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選択できる主人公は限られているが、章の区切りまでプレイすればキャラが追加されて行き、最終的には15人が選択可能となる。
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シナリオ中には戦闘シーンがあり、主人公と敵の1対1で行われる。
問題点
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15人分のストーリーがあるが展開は完全に一緒、微妙にセリフが変わるだけ。あからさまな水増しにしか見えない。
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しかも「同じ時期に起こった別の出来事」を描いている為、なかなか話が進まない。
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メッセージはスキップできず、文章送りの効果音も甲高く五月蠅い。
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そして結局最後は打ち切りマンガ第一部の様に中途半端で終わってしまい、回収されない伏線も当たり前の様にある。
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というかそもそも未完の同人誌そのままのストーリーである。
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戦闘シーンは、攻撃・防御などのコマンドをルーレットから決定し、その後画面に表示される矢印を一定時間以内にタッチ操作でなぞる事で攻撃、防御を行うのだがそのレスポンスがとにかく最悪。
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そして少しでもミスると最初からやり直させられる。
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必殺技はタッチ操作が難しい為、通常攻撃でチマチマ削った方が早い。
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戦闘に負けると難易度が下がったイージーモードで再トライする事になる。つまり勝たない限りは話は進まない。どこまでも一本道である。
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原画の面影すらとどめていないヘタレなキャラグラフィック。
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戦闘の度にこれを強制的に見せられるのでやる気が目に見えて減退する。
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これについては事情により開発後期にグラフィックを全て別の絵師のものに変更することになったが、時間が無くて会話画面の顔絵しか変えられなかった為らしい。一応、原画と戦闘画面の絵師は同じなのだが…。
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交代前の絵師は同人誌時代からキャラデザを担当していたが、デッサンの狂いが度々あるなど、商業レベルとしては苦しい腕前であった。一方後任の絵師は『四八(仮)』では珍しく評価の高いシナリオ「オンラインゲームの悪夢」のキャラデザも担当する事になる。
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『ONI零 ~復活~』の司狼丸・外道丸も登場するが、キャラグラフィックは(転身状態を含めて)劣化しファンを嘆かせた。
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参考URLはこちら。説明文も他のキャラクターは5行も6行もあるのに彼だけは「1行」…説明する気は無いのか。
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尤も、他のキャラクターにしてもゲーム中では活かされていない「死に設定」が多い。キャラ自体は個性的な面々が揃っているのに展開がどれもほぼ一緒なので、せっかくの個性が見事に潰されている。
評価点
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致命的なバグは見当たらない。商品としては当たり前だがヨンパチと比べれば…
総評
「『ONI』としてどうか?」という以前に、単純にクソゲーである。グラフィックも戦闘システムも褒められない、シナリオも未完の同人誌そのままでは、「そもそもゲームとして出す意味があったのか?」とすら思える。
そして原作者自らにまで半ば見捨てられるような発言までされては…いったい、本ソフトは何のために生まれてきたのであろうか?
その他
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今までRPGで出ていただけに突然のADV化に戸惑ったファンは多い。
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飯島氏によれば「自分はシナリオにしか関わっていない」「アドベンチャーで出すという企画は開発会社から持ちかけられたものであり、今後のシリーズの布石の為にサインした」とのこと。
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「アドベンチャーゲームとして面白ければ」、これはこれで良しと評価もされただろうが…そうとすら言われていない事からお察し下さい。
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本作、及び同時期に手掛けた『四八(仮)』『アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~』でゲーム制作の場に復帰した飯島氏だったが、三作全てで2007年のクソゲーオブザイヤー据置部門、携帯部門の大賞を総舐めするという不名誉極まりない快挙(?)を達成してしまった。
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以後、2018年にNintendo Switch版『送り犬』を発売するまで氏はコンシューマーの場から完全に姿を消していた。
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現在の氏のプロフィールではこの三作は「シナリオを担当するが、各作品とも制作会社が異なり、その開発にはほとんど携わっていない」「シナリオに携わるだけでは求める方向性を描けないことに憤りを感じ」と主張している。これをどう受け止めるかは各人で判断されたし。
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本作はコンパイルハートがディー・イー・エルと共同で立ち上げたゲームブランド「GENE Project」の第一弾として発売された。
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…が、その第一弾がこの出来栄えだった為か、第二弾が出る事も無くGENE Projectは早々に忘れ去られていった。
最終更新:2025年09月26日 23:19