「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「グラフィックに対する評価の統一」です。
リッジレーサー
【りっじれーさー】
ジャンル
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レース
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ
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メディア
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PlayStaion Vitaカード / ダウンロードソフト
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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セリウス
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発売日
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2011年12月17日
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定価
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Vitaカード版:3,980円 DL版:3,580円
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廉価版
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PlayStaion Vita the Best:2013年4月25日/2,940円 同・ソフト単品版も2,000円で同時発売 |
判定
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クソゲー
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ポイント
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配信開始が遅れたのに致命的なボリューム不足 それを補うかのような商売っ気過剰の有料DLC
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リッジレーサーシリーズ
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概要
架空の自動車を用いた有名レースゲーム『リッジレーサー』シリーズの一作。
本シリーズはPS本体のローンチソフト(本体と同時発売ソフト)としてアーケード版からの移植版が家庭機に初登場して以降、過去に6度もローンチタイトルとして発売された「ローンチソフトの定番作」であり、「新発売ハードの性能はリッジで見極めろ」とまで言われる名物シリーズ。
今作もPSVのローンチタイトルとして登場した。発売前に公開された、綺麗なグラフィックのPVや画像で注目を浴びたのだが…。
問題点
このゲームの問題点はほとんどボリューム不足と内容の薄さに集約されている。
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DLC非購入状態でのボリュームがかなり少ない。コースは3つ、車は5台のみ。
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しかも、コースは全て過去作品に登場したものである。『リッジレーサー3D』も過去作品からの流用コースがあったが、それは一部であり新規コースも存在している。
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系統的に前作にあたるPSPの『リッジレーサーズ』は、発売当時に存在していたPS版1~4の全コース、さらに家庭用初収録となる『レイブレーサー』の全コース、そこに新規コースも追加されるという豪華仕様だったため、余計に本作のボリューム不足が際立つ事となった。
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車の性能差もギア数やドリフトの動き等は多少異なるものの、過去作の車と比べるとかなり個性が薄い。
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特にPS2の『リッジレーサーV』では、ギア数、最高速、加速、ハンドリング、速度計のデザイン、ドリフトの旋回度(ドリフトタイプ)の高さ、ドリフトの挙動で壁に近づきやすいか、カウンターの反動が強いか、ドリフトが小刻みになりやすいか、ドリフト状態になりやすいかほぼならないか(グリップ力の強弱)といったさまざまな性能・挙動が車ごとに大差があった。これと比べると、本作は車種ごとの差異が非常に少ない。
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初代からおなじみであり携帯電話版やiOS/Android版にもちゃんと存在したデビルカーさえない。
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…と思われたのだがデビルカーに関しては、3月上旬に配信されたデビルカーのゴーストバトルのデータと戦って隠し要素が解禁され、それをクリアする事で手に入るようになった。
だが発売当初はデビルカーが使用不可能だったので、本作悪評の理由の一つとなってしまった。
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PS版の第3作『レイジレーサー』以降プレイの中心となっていた、様々なコースを転戦していく「キャンペーンモード」もない。
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その結果、普通のレースをして賞金を稼ぎ、その金でチューンアップするという流れだけでゲームを進めるだけの、単調なゲームに堕している。
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その他の問題点
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レースの種類は各コースの順走・逆走につき1種類しかない。敵の強さ(自車の性能と同程度)やルールはどのコースでも同じであり、そして全てクリアしても特に何も起こらない。
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車のチューンアップも、発売当日からプレイしていればコースが配信されるより前にコンプリートできてしまう程度のボリュームで、コンプリートしてもトロフィーが手に入るだけ。
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他のモードもオンライン対戦やタイムアタック、閲覧機能(AVプレイヤー)のみという、とてもシンプルな内容。
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アップデートで修正済みの問題点
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タイムアタックにおいて表示されるゴースト全てに対してニトロ回生システムのニトロ回収効果が有効となっていたバグがあった。
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発売当初は処理落ちが激しかった。
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アップデートで改善された。しかしそれでも30fpsである。PSPロンチタイトルの『リッジレーサーズ』は60fpsであり、VitaのゲームなのにPSP最初期のゲームに劣っている。
DLCに関して
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発売元のバンダイナムコゲームスはDLC販売に熱心なことで知られるが、本作では発売から2ヶ月以上もの間、DLCが一切配信されなかった。
そのため不満点をDLCで補うというバンナムお得意の商法が長期間行われず、その間に本作はクソゲーとしての評価を完全に固めてしまった。
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そして2012年2月、ようやくDLCの配信が開始。スタートダッシュの遅れを取り戻そうとしているかのような怒涛のDLCのラッシュであり、非常に数多くのコンテンツが配信された。
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追加車種1台250円、追加コース1個400円、既存車種EXカラー1色500円、新曲・既存曲ロング1曲100円、EXソング1曲150円(EX仕様はアイドルマスター関連)と非常に多い。人によっては高価だと感じることもあるだろう。
無論、全てを買う必要はなく、各自が欲しいものだけ買えばいいのだが、なにしろ前述のように本作は元々ボリュームに欠けるので、他のレースゲームと同程度に遊べるようにするだけで結構な出費となる。本作の美点である「定価の安さ」は、ここで帳消しとなってしまう。
評価点
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レースゲームとしては体を成している。リッジレーサーらしさはしっかり健在。
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グラフィックの美しさはVitaの高性能に見合ったもの。ただし同時発売の『アンチャーテッド』や『みんなのGOLF6』等と比較すると見劣りしている。
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もっとも、上記2つのゲームは両者共セカンドパーティ(SCE)のゲームであるので、やや割り引いて考えるべきかも。
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BGMの出来は良い。ただし新曲は人を選ぶかもしれない。
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無料DLCとして、過去作の曲や新曲などが大量に配信された。この点は旧曲でも150円で販売した『リッジレーサー7』よりマシ。
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携帯ハードのリッジレーサーシリーズとしては初めてオンライン対戦を導入した。細かい不満もなくはないが、オンライン対戦があること自体が評価点。
総評
全世界に悪評を轟かせた『ビューティフル塊魂』の再来とも言える、圧倒的なボリューム不足+DLC商法。
ゲーム自体に破綻はないが、DLCを購入しない場合の致命的な(体験版同然の)内容の乏しさに不満が集中した。
確かにソフト価格は安い。そこにマトモに遊べるようにするためのDLC投資を加算しても、他のPSVゲームを定価で買う場合と大差ないとも言える。
しかし、こんな内容でありながらDLC販売開始まで2ヶ月以上のタイムラグがあったことが、本作の評判に致命的な傷をつけた。
また初見での安さに惹かれて購入した人にとっては「実はちっとも安くなかった」という意味で騙されたようなものであり、その点を指摘・批判されることも多い。
余談
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さすがに良心の呵責を感じたのか、本作の定価は3,980円と安い。一般的なソフトの2/3程度のミドルプライス価格に設定されている。これでフルプライスだったらさらなる顰蹙を買っていただろう。
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しかし前述の通り、DLCが無いと「体験版」に等しい貧相な内容。飽きずに長期間楽しむためにはDLCによる出費が前提となり、それを考慮すると必ずしも安価とは言えない。
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インタビュー記事によると、本作の開発が開始されたのはPSV本体発売も迫ってきた2011年4月になってから。全くの新規ハードでたった8ヶ月でゼロからここまで作ったのだとすれば、ある意味すごいことである。
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同じローンチタイトルでありながら、PSP版のリッジレーサーズがシリーズ集大成に相応しいボリュームを誇る良作だっただけに、ファンの失望は大きかった。
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そのため本作については「無理をしてローンチに合わせたために内容が薄くなってしまった」と考えている者が多い。DLCの販売開始が大幅に遅れたことも、これまでのバンナムの方針を思えば不自然なことであり、そうせざるを得ない事情があったのだろうと推察せずにはいられない。
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2013年4月25日に廉価版が発売。カード、DL版とも2,940円で、DLC一纏めの「リッジレーサーパス」のプロダクトコードが付属している。そのため、DL&インストールの手間がかかるものの、Best版で新規購入するとお得で、かつある程度ボリュームがあることになる。
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概要にもあるように、『リッジレーサー』シリーズは初代PS以来の「ローンチソフトの定番作」として存在し続けてきたわけだが、その歴史はPSVと本作で途絶えてしまった。
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本作の2年後に発売したPS4のローンチソフトのラインナップにリッジ最新作はなかったばかりか、その6年後の後継機であるPS5のローンチにも存在せずシリーズ新作が制作される気配すらない。
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バンナム社内における本作及びシリーズがどのような扱いであるか外部からは検証する術はないものの、本作のあまりの悪評が「新ハードのローンチを華々しく飾るのが当たり前」のはずであったリッジシリーズの看板に盛大に泥を塗り、その前途を絶ってしまったであろうことは想像に難くない。
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新作ではないものの、AC版初代の移植である『アーケードアーカイブス2 リッジレーサー』が、Switch2のローンチソフトとして発売予定。
最終更新:2025年04月06日 23:12