リッジレーサー3D
【りっじれーさーすりーでぃー】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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1Gbyte3DSカード
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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ジーン
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発売日
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2011年2月26日
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定価
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6,090円
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プレイ人数
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1人(マルチプレイ時:2~4人)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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出来自体は佳作 極悪なエキスパートGP 発売前はネガキャンのような空気
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リッジレーサーシリーズ
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概要
リッジレーサーの久々の新作。国内ではシリーズ中初めての任天堂ハード単独、且つ3DSローンチで発売されたリッジである。一応、国内でも一応GCで『R-レーシングエヴォリューション』という派生作品が1作出ているが、そのときはPS2とXboxのトリプルプラットフォームである。
携帯機で手軽に楽しめた、PSPの『リッジレーサーズ』の3DSバージョンの様な作品で、本作もレーサーズ以降の作品同様にニトロシステムが導入されている。しかし『リッジレーサー7』の要素の輸入や、しっかりと収録コースや登場車種は変更されており、全体的に洋ゲーチックな雰囲気となっている。
評価点
美麗なコースのグラフィック
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各コースのグラフィックが美麗で、リッジレーサーシリーズの魅力である「美しい景色の中をクルマでかっ飛ばす」魅力を十分に味わえる。
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レースコースは15種類。過去作の再録であるコース12種と、本作初出のコース「レッドストーンサンダーロード」「オーシャンフロントクルーズウェイ」「シルバーマウンテンスカイウェイ」が登場する。様々な見栄えのするロケーションの中でバトルができるシリーズの売りは健在。
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コースの演出として、初代PS版リッジレーサーの様にコース脇を通り過ぎる飛行機や、自車の眼前をホバリングするヘリコプターが登場する。
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他にも「シルバーマウンテンスカイウェイ」で運行しているロープウェイや、「オーシャンフロントクルーズウェイ」のコース付近をすれ違っていく2本の電車、「ユニオンヒルディストリクト」の長い坂道の横を走る路面電車など、走っていて飽きない演出が様々。
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これらのコースの演出は3DSの立体視機能とも相性が良い。
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ただしレース時のマシンのモデリングの評価は低い(後述)。
OPムービーも立体視対応で、クオリティが高い。
3Dの奥行きはかなり深い。コクピット視点で走った際に、綺麗な背景が高速で後ろに流れてゆく爽快感はたまらない。
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New3DSシリーズで遊べば補正機能で3Dのブレもなくなる。
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水をはじくと画面に水滴がついたり、特定のコースではゴール前に花びらが舞う等、立体視を生かした演出は好評を得ている。
ドリフトは初心者向けのワンボタンモードも設定可能。
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1回転ドリフトになっているため、爽快感があり嬉しいという声も。
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他にもレース前の画面ではライバル名とアイコンが往年のナムコキャラクターになっている、プレイヤーが設定できる自身のエンブレムに過去のリッジシリーズ関連のものや太鼓の達人シリーズのキャラモチーフのもの、果てはどこぞのアイドル芸能事務所のロゴなど、ナムコファンやリッジファンへのファンサービスもある。
ニトロシステムも健在。
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本作でもニトロシステムが続投し、更に『リッジレーサー6』からのダブルニトロやトリプルニトロの実装や、『リッジレーサー7』に存在したフレックスニトロやハイニトロなどのニトロパーツのカスタムが可能となった。これらの機能は『レーサーズ・レーサーズ2』には存在していなかった。
ボリュームのあるゲームモード
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シングルプレイでは、あらかじめ指定されたレースを順番に攻略してゆく「グランプリ」モード、同車種8台でレースする「ワンメイクレース」、自分で全て設定を行える「スタンダードレース」に、もちろん1つのコースを敵車に邪魔されずに極める「タイムアタック」などがある。グランプリのイベント数は全48種類であり、比較的多い。
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マルチプレイでは上記の「スタンダード」「ワンメイク」と、3〜4人でチームに分かれ競争する「マルチバトル」の3種類が楽しめる。
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「何分だけ遊びたい」と設定したらレースを作ってくれる、レーサーズにもあった機能「クイックツアー」や、すれちがい通信で不特定の人と走行データを交換してゴースト対戦できる「すれちがいデュエル」等、携帯機ならでは遊びもある。
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近くにプレイヤーが居れば毎日のようにデータを更新してバトルできる、すれちがいデュエルやランキング交換は評価が高い。
バラエティ豊かなマシン群
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マシンは18種類。それぞれに4つのカテゴリー、最高速などが異なるグレードバリエーション3種類に加えて自由度の高いカラーリング設定が用意されており、自分好みのマシンを仕立て上げる事が可能。
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シリーズ初登場の新型車も幾つか収録されており、ゲーム中の「ラッキー&ワイルド」や「ダンヴァー」という企業のアメ車がメインとなっている。
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メインビジュアルにも採用されている、カテゴリ1になるとスーパーチャージャーを剥き出しにした見た目になるアメリカンなマッスルカー「EVOLVER(イヴォルヴァー)」や、テールフィンを持った50年代のアメ車チックな「Hi Night(ハイナイト)」などが初登場となった。
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過去作からリファインされて本作から復活した車もあり、メーカーこそ「ラッキー&ワイルド」に変わったが、過去のグラマラスなボディスタイルを受け継ぎつつ、「R4」の「WISDOM(ウィズダム)」 が10年以上の時を超えて最新型として蘇ることとなった。
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また、初代リッジのマシンモチーフである「FIERA(フィエラ)」のペイントパターンという形で、同作の赤と緑のツートンマシン「RT RYUKYU」が復活した。そのカラーは忠実に再現しつつも、新たなステッカーも追加されてリファインされている。
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他のカラーパターンも新規のものを交えつつ、R4のレーシングチーム「MMM」「PRC」「RTS」「DRT」の再現カラーなど、過去作へのリスペクトカラーも存在する。
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隠し車のネタバレ注意。クリックで詳細。
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デビルカーも健在。シリーズお馴染みの「13TH RACING」枠の「CRINARE(クリナーレ)」と「WHITE ANGEL」枠の「ANGL CONCEPT(名称は異なるが実質的にはアンジェラス)」(両者とも『リッジレーサー7』のデザイン準拠)も勿論登場。
更にR4やレーサーズ2で登場した、ある小さなデビルカーと同じ見た目の「PETIT 500(プティ 500)」、レイジレーサーで登場し、クラシカルなボディのフォルムに似つかわしくないスーパーチャージャーを積みインパクト抜群だった、とあるデビルカーが「Mad Bull(マッドブル)」という名称で復活している。ほかにもパックマンやラリーXモチーフの変わり種も。
これらのデビルカーとの対戦時には「DEVIL」や「ANGEL」、「ECUREUIL」に「TEMPEST」などといったライバル名が表示され、過去作のリッジファンをニヤリとさせる。
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また後述するデュエル戦での敵CPUの挙動もキャラが立っており、基本的なスピードはかなり速く、ストレートでプレイヤーを追い抜く頻度こそ高いもののコーナーが苦手で速度にムラのあるクリナーレや、常に安定したコーナリングで最高速を保ち、こちらが一度でもドリフトできずに壁にぶつかれば勝つのが難しくなるアンジェラス、クリナーレとアンジェラスの中間型の様な走りのプティ500、加速力が高く直線が長いコースも相俟って最高速が伸びて非常に手強いマッドブル、といったように、それぞれの敵デビルカーの走りには特徴的な味付けがされている。
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非常に格好良い「リッジサウンド」ことBGM群
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BGMはリッジシリーズでは珍しく、ゴリゴリのメタル・ロック系がメイン。太鼓の達人シリーズにも収録された「Venomous」や「Angel Halo」など、とにかくギターやドラムがメインに打ち出された格好良いBGMが多い。勿論テクノ系も存在。これらの「リッジサウンド」をレース中に聴きながらドリフト・ニトロが使えるというだけでも本作は評価に値するだろう。
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その他にも新作旧作含め比較的多数が収録されている。レース前に曲を選び、お気に入りの音楽と共に走る事ができる。
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コースの実況も勿論存在。男性と女性、2人のアナウンサーがレースを盛り上げてくれる。
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その中には過去作にあったセリフも新規で再録されており、例としてリッジレーサー2(レボ)の「Great work!」、レイブレーサーの「GO!GO!GO!」などがある。
賛否両論点
エキスパートグランプリのイベントのゲームバランス
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序盤の「ベーシックグランプリ」〜中盤の「アドバンスドグランプリ」までは、同じ携帯機リッジである『リッジレーサーズ』と比べても比較的ゲームバランスが整っている。しかし終盤のエキスパートグランプリの一部イベントは悪い意味で初期の家庭用リッジのデビルカー戦や『リッジレーサーズ2』のMAXツアーを彷彿とさせる理不尽な難易度調整がされている。MAXツアーが大袈裟ではあったが本当に選ばれたプレイヤーにしかできない調整がされている旨の記述がゲーム中であったのに対し、此方は「上級者向けの難易度のグランプリコースです。」としか書かれていない。
一応アドバンスグランプリ制覇でエンディングが流れるため、エキスパートGPは製作陣的にエンドコンテンツとしてのモードの様だが…
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本作でもデビルカーが存在し、デュエルモード(1対1でのレース)イベントで対戦することになるのだが、一定条件を満たすとCPUが後ろから超スピードで追い抜こうとしてくる様になり、ニトロを使いつつある程度リードしているとPS版リッジの1周目デビルカーレベルの速さでぶち抜いてくるなど理不尽気味なバランスの取り方がされている。
その上初期リッジのデビル戦は、「一周目こそ敵車は自車が追いつけない超スピードでぶち抜いていくものの、2周目ではスタート付近で暫くの間一旦停止し、以降はほどほどの速さになるため自車を壁にぶつからせず走ったりブロックで妨害すれば勝てないわけではない=操作の腕が上がり、失速せずに速く走れるようになるほど勝てるようになる」という一見理不尽に見えるがしっかりと考えられていた調整だったのに対し、此方は周回数に関係なく少しでも距離が離れるとスピードブーストを発動し、例えニトロを最大限に活かして速いタイムで走っていても敵車を抜かすタイミングで全ての勝敗が決まってしまう、考えようによっては雑ともとれる挙動調整がされている。そしてデビルカーのブロックも難しく、3周目のゴール目前でこれをやられたらたまったものではない。
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レーサーズ2のMAXツアーでも似た様な問題があり、恐らくそちらと同様に「ニトロが無限に使用可能であり、引き離されそうになることを感知するとニトロを使う」ような仕様になっているものと思われる。しかしレーサーズ2が低グレード車のイベントでの問題であったのに対して、こちらはただでさえ性能が高く非常に速いデビルカー。
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更にニトロを使うほど不利になる反面、イベント42〜44に関しては、勿論しっかりとドリフトをして曲がる前提ではあるが全くニトロを使わずに走ると、最初こそ引き離されるもののすぐに追いつける様になり、3周目のラストのストレートこそニトロのパワーがいるものの、程よい距離感を保ちながら走ることができる。つまり、デビルカーのデュエル戦においてはぶつからずに走ることが重要で、尚且つ最後のストレート以外ニトロを使う必要が無く、寧ろ積極的に使ってしまうと一気に難易度が上がってしまう。上述のレーサーズ2の際は、寧ろある程度ニトロを貯めなければ勝つのが厳しかったのに…
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ニトロを使えば使うほどその分デビルカーも速くなるため、上記の42〜44に関しては性能がそこそこのカテゴリ1の車を使った方が攻略しやすい。此方も性能が高い車(主にデビルカー)に乗ったり、ニトロを積極的に使えばかえって攻略が難しくなる。これだけであれば上級者に対する措置に見えなくもないが、上述の様に相手はゴール付近であろうと追いつけない速さを出してくるため、上級者は上級者で負けイベントになりかねない。
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但しイベント45・48に関しては敵車の高い加速力と直線の長いコースの組み合わせの関係で、カテゴリ1車で距離が離れた場合はシングルニトロを小出しにして追いついて調整する必要がある。
イベント47はデビルカー入手済み前提のためかスピードレベルが上がり、通常のカテゴリ1車ではついていけない速さとなり、デビルでないと攻略が難しいので注意。その上で上述のブーストもあるので難易度は非常に高い。
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一応このデビルカーの特性を知ってニトロをあまり使わないギミックボスとして割り切ってしまえば割と駆け引きは楽しめる。あまりニトロに頼らずに基本的なドラテクでデビルカーに勝つというコンセプトはニトロシステムがなかったリッジVまでの過去作リッジリスペクトと捉えられなくもない。また最後に追い抜くときもニトロの仕様タイミングはやはりシビアであり少しでも焦ると負けてしまうため、どうしてもマンネリ化してしまいがちなレースゲームの弱点を補うために、エキスパート以降はあえて戦略性のある調整にしたと捉えられなくもない。
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上記の仕様はエキスパート最後のデビルカーサバイバルでも同様だが、こちらは相手が全体的に速い上に上位にいないと敵自分含め脱落してしまうので、速度を落とさずにしっかり走りつつも、相手がニトロを使ったタイミングでこちらもニトロを仕掛けて追い抜き下位を脱落させるといった戦略的要素にも貢献しているため、慣れれば楽しめる調整となっている。しかしやり込み要素とはいえこれらの仕様はゲーム中でノーヒントのため、やはり難易度が高いことは否めない。
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上記と同じ問題がエキスパートグランプリのイベント41の「サーフサイドリゾート」でも言える。イベント41のカテゴリ1敵車はデビルカーと同じ様な調整がされており、ニトロを途中で使っていると高グレードでも振り切れない程のスピードを出すことがある。
サーフサイドは短いが比較的直線が多くスピードが出せるコースなので、レーサーズ2のオーバルコースと同条件と見做しての調整なのかもしれないが、彼方に比べるとサーフサイドはカーブが多く、そもそもカテゴリ1ではニトロを使用すればするほど追いつけなくなるというのは本末転倒。
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上記とは別の問題として、イベント37・38・40の「サーフサイドリゾート」「シルバーマウンテンスカイウェイ」、そして「レッドストーンサンダーロード」の敵車のスピードが非常に速い。
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サーフサイドとシルバーマウンテンはスピードが速いだけで追い上げこそしてくるものの異様なレベルのブーストはなく、タイプZなどの速いグレードの車を使用することで解決され、オプション無しでも太刀打ちできるが…
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イベント38のカテゴリ4のレッドストーンサンダーロードの1位は終始、さながら『レイブレーサー』の最上級の青車の如く異様なスピードで独走しており、プレイヤー側がニトロ・ロケスタオプションをフル購入しておかないと追いつくことが不可能なほど速い。少なくともニトロ3本の購入は必須。幸いなことに異様な追い上げブーストはないが…
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ゲーム終盤にもなるとオプションの追加料金(ポイント)は大した額ではないが、上級者向けモードとは言えクリアにオプションが必須というのは如何なものか…
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これ以外のエキスパートの他コースは基本的にスピードこそ速いもののニトロをためて積極的に使用すれば引き離すことができ、理不尽な敵ブーストもない。他コースに合わせて調整しても良かった気がするのだが…
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「シャドウケイブス」「オーシャンフロントクルーズウェイ」は直線が多くスピードが出るのも相まって他より速いが、ニトロは勿論アルティメットチャージやスリップストリームを活かせば低グレードでもニトロやロケスタのオプション無しで1位になれるため、辛口ではあるが上級者向けモードであることを踏まえると良調整。これらは後半戦が尻すぼみだったレーサーズ2のMAXツアーよりもだいぶ改善されているだけに、理不尽調整をされているイベントがあるのはかなり惜しい。
過去作BGMの選出作に偏りがある
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本作の過去作BGMは、初代『リッジレーサー』からPS3の『リッジレーサー7』までの一部派生作を除く、歴代の過去作のBGMがそれぞれ収録されているのだが、その内容に少々偏りがある。
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このうち『リッジレーサー2(リッジレボ)・レイジレーサー・レイブレーサー』のBGMは、レイブのEUPHORIAを除き『リッジレーサーズ(レーサーズ2)』のリミックスアレンジで代用されており、その上『リッジレーサーズ』の完全新規BGMだったRED DISC、BLUE DISCのBGMは一切収録されていない。更に『リッジレーサーV』までのBGMは各1タイトルに1〜2曲のみ。
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収録過去曲も人気曲のほかに若干マイナー気味な曲がいくつかが採用されており、それ自体は一概に悪い事だとも言えないが、例として歴代でも屈指の人気を誇るリッジ2の「GRIP」や、太鼓の達人にも収録されたレーサーズ1・2の「Kamikaze Remix」や、人気の高い同作の「Blue Topaz Remix」やBLUE DISCの「Disco Ball」などは含まれておらず、無難気味な選出になっている節がある。
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これに対して『リッジレーサー6』『リッジレーサー7』出典のBGMはなんと3〜5曲も収録。計8曲で、新規BGMやSP DISCを除いた、過去BGM全15曲のうち半分以上を2タイトルのものが占めている。この2タイトルは新しい作品とは言え、6以降の流れを作ったれっきとした本筋シリーズであるレーサーズの新規BGMを除けてまで入れる必要はあったのだろうか…
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リッジレーサーズ2とのBGMの差別化にこそ成功しているものの、当のレーサーズ2は過去作のBGMが豊富でリッジ6・7のものこそなかったが、人気の高いR4のBGMを除けば比較的バランスよく配慮されていたため、それならばDISC量を増やし、レーサーズ2の過去BGMをそのまま再録して6・7や足りない過去作のBGMを追加すればよかったのでは…という気がしなくもない。
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要するに、全シリーズから満遍なく集めたとも言いづらい中途半端なラインナップとなってしまっている。
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この過去作BGMがDLCやアップデートで追加されることがなかったのは非常に惜しい。
問題点
マシンのグラフィックが少々粗い。
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マシン選択時の車のモデリングは良好なのだが、レース時の車のモデリングが粗い。
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レース時の車のテクスチャも粗く、同じく携帯機だった「レーサーズ(とレーサーズ2)」に比べ、車体のステッカー文字は潰れている。ハードが違うとはいえ七年前のローンチ作品よりも粗いというのは少々引っかかる。
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風景の車体への映りこみも「レーサーズ」に比べモザイクの様になっており、ないほうがマシと感じる人も。アップデートで改善できそうな気もするが、一切されなかったのも残念な点。
長いロード時間
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レース画面に映るまでのロードが長く、旧3DSのパッケージ版だと12秒程度かかり、すれちがいデータを入れる際以上に待つ。更にこのロードはレース後のリトライはまだしも、レース中にリスタートした時にも入る。また、リスタート時にはBGMもデフォルトのものに戻されてしまう。こちらもアップデートで改善されることがなかった。
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3DSカセットとUMDの違いこそあれど、同じく携帯機のレーサーズ・レーサーズ2はリスタートがロード無しでできていたことを踏まえると少々退化しているように感じる。
ライバル車が少々少ない。
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レースのライバル車は8台とこれまでより少ない。
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PSの『R4 リッジレーサータイプ4』も最大8台ではあるが、此方は初代プレイステーションの性能を限界まで引き出した為に少なくなったことが推測できる。その上グラフィックも当時の最高レベルで、その割に処理落ちも少ない。尤もR4はローンチソフトではなく、グラフィックもあくまで「当時の」最高レベルだが。
CPUライバル専用エンブレムの存在
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本作ではエンブレム(プレイヤーアイコン)を設定できるのだが、CPUのライバル用のアイコンは全てプレイヤーが使用することができない。
特にエキスパート最後のライバルのエンブレム3種は、とある過去作がモチーフであり良デザインなのでプレイヤーが設定できないのは寂しい。エキスパートGPクリアの報酬として使えてもよかったのでは…
エンディングが自由に見れない。
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本作のエンディングはクリア後にエンディング単体で見ることができず、アドバンスグランプリのイベント36「ミシカルコースト」を再び1位で走った後にしか観ることができない。同じく携帯機のリッジレーサーズ・レーサーズ2ではクリア後に個別で視聴可能だった。
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本作のエンディングはボーカル曲で非常に良いエンディング曲だっただけに自由に聴けないのは惜しい。
AVプレイヤーで3DSを閉じるとBGMが途切れる。
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本作のAVプレイヤー再生時に3DSを閉じると、BGMが途切れてしまう。
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何を当たり前なことを…と思うかもしれないが、というのも3DSソフトの中には、3DS内蔵ソフトである『ニンテンドー3DSサウンド』や『星のカービィ トリプルデラックス』の様に、サウンドテスト等で3DSを閉じても音楽が再生される機能が搭載されているソフトが存在しているため。
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ローンチソフトであり、BGMが好きなファンにまだ配慮が想定されていなかったであろうとはいえ、外出時にイヤホンでBGMを聴きたい時などにコンパクトに閉じて聴けないのは辛い。特に本作は上述の通り格好良いBGMが多いだけに…
総評
全てが整った良作、とは手放しに言えないもののマシンの挙動や操作感は悪くなく、難易度も中盤までであれば比較的整っておりファンサービスも多い。その中盤のアドバンスドグランプリで一応エンディングが流れクリアという位置付けなので、エンディングまでであればリッジレーサーズ同様、リッジファンは勿論初心者でも楽しめるリッジレーサーとしておすすめできる作品には落ち着いている。
しかし反面レース時のマシンモデリングの荒さやロード時間の長さ、過去作BGMの不足感など、DLCやアップデートなどで化けそうな点が全く改善されなかったりと、過去作に比べて杜撰気味な扱いをされているのは引っかかる。レーサーズ2の様な続編が同ハードで出なかったのも少々残念な点。
上記のエキスパートGPの問題点を除けばゲームとしての出来は比較的悪くないため、3DSを購入していないリッジファンは一緒に購入してみてはいかがだろうか。
余談
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社長が訊くにおいて、任天堂の岩田社長が、本作が発表された当初の画面に言及しており、後の完成したグラフィックを見て「最初からやる気出せ」という様な意見を言いたくなった、との発言がある。
もっともそこまで厳しい言い方では無い上に、その一方でリッジ開発チームに対し、「後半の爆発力が凄い」とも発言している。
インタビュー中では対談相手の坂上氏が、リッジ開発チームは嘘がつけないチームで有り、開発の過程そのものをそのまま出したがるチームである為に、開発中のスクリーンショット等の出来が良くなかった、との発言をしている。
最終更新:2025年03月22日 11:22