RIDGE RACER 7
【りっじれーさー せぶん】
ジャンル
|
レース
|

|
対応機種
|
プレイステーション3
|
発売・開発元
|
バンダイナムコゲームス
|
発売日
|
2006年11月11日
|
定価
|
7,329円(税5%込)
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
廉価版
|
PLAYSTATION3 The Best 2008年3月19日/3,800円 2009年9月3日/2,980円(各税5%込)
|
判定
|
良作
|
リッジレーサーシリーズ
|
概要
『リッジレーサー』シリーズナンバリング7作目。初代からの伝統として、プレイステーション3本体と同時発売された。
ナンバリングこそ7作目ではあるが、『6』をベースにシステムの調整やグラフィックの強化・コースの追加などを施しており、『6』のアッパーバージョンといった主旨が強い。
ただし、ボリュームはシリーズ屈指であり、44車種・22コースに44レイアウト(ミラーを含めると88レイアウト)、そしてメインモードであるリッジステイトグランプリモードでは160ものレースが楽しめる。
オンライン機能も前作からさらに強化されており、全世界規模で競うタイムアタックや、シリーズ初の協力プレイ(チーム戦)が搭載されている。
システム
リッジステイトグランプリ
-
従来作品の「GRAND PRIX」モードに相当する。リッジレーサーの国「リッジステイト」で最も尊敬されている全14シリーズの最高峰レース「リッジステイトグランプリ」を制覇することが目的。
-
RIDGE STATE GRAND-PRIX
-
全14シリーズで構成されたレース。このシリーズで勝利すると、リッジステイト内でのプレイヤーの名声が上がっていく。各シリーズは3~10のレースで構成され、ポイント制で勝者が決まる。最終シリーズ「ファイナルGP」で勝利することが目的。
-
UFRA SINGLE EVENT
-
UFRA主催のシングルレース。大なり小なりの条件が付くレースであるが、基本的にはほぼフラットな条件。勝利すると名声と賞金が得られる。
-
MAKERS TRIAL
-
自動車/パーツメーカーとUFRAが共同で主催するレース。勝利すると、各メーカーとのコネクションが生まれ、使用可能なマシンやカスタマイズパーツが増える。
-
EXTREME BATTLE
-
グランプリ制覇後に参加可能になる、UFRA非公認のレース。実質3対1となる「テトラバトル」や、スペシャルマシンとの一騎打ちなど、難易度はUFRAの「お行儀のいいレース」とは一線を画す。さらなる高みを目指すのであれば腕試しに挑戦。
アーケード
-
コースとマシンを選んでレースをするアーケードスタイルのゲームモード。画面分割による2人対戦もできる。
-
従来作品の中には「まずはグランプリで優勝しないと使用できる車が少ない」という作品もあったが、本作では最初から全ノーマルマシンを使用可能。
オンラインバトル
-
ネットワーク機能を使ってネット対戦が楽しめる。対戦プレイだけでなく、「チームバトル」「ペアタイムアタック」といった協力プレイもできる。最大14人まで対戦可能。
-
テキスト選択式のチャットもあり、外国語のテキストは自動的に翻訳される為、気兼ねなくコミュニケーションが取れる。
ランキングブラウザ
-
ネットワーク上に集計されたグローバルタイムアタックランキングや、世界中のプレイヤーの記録を見ることができる。
-
RIDGE RACERランキング:プレイヤーの強さややりこみ度を競うランキング。
-
OBPランキング:オンラインバトルの戦績で集計されるランキング。
-
RICH RACER ランキング:所持金額を集計したランキング。
-
ヒーローインタビュー:一部の高難度レースをクリアした際にコメントを求められ、自分や、他プレイヤーがそこに入力した内容が流れる。
マシンコネクター
-
獲得したマシンをカスタマイズしたり、鑑賞する事ができる。
-
後述するが、本作ではペイントだけでなく、車両のメインスポンサーの選択や、マシンのチューニングを行う事も可能。
UFRAスペシャルイベント
-
「RIDGE STATE GRAND-PRIX」の中でレースを統括している団体・UFRA(ユーフラ)が贈る、スペシャルなレースイベント。
-
早い話が無料の追加レース。ネットワークにアクセスし、追加データをダウンロードすることで特別なレースに参戦できる。
その他おまけ
-
本シリーズ恒例のボーナスゲームとして、本作では『ゼビウス』のAC版が収録されている。
-
画面はまんまAC版の縦長仕様で、従来通りの起動前ロードに加え、HDDへゲームデータを手動インストールする際にも遊んで待つことができ、例のメッセージもちゃんと入っている。
特徴
シリーズお馴染みの単純な操作
-
これまでのシリーズと同様、左スティックor方向キーでステアリング操作を行い、✕ボタン・□ボタンでアクセル・ブレーキを行う。
-
本作においても、その唯一無二のシンプルさとお手軽さは健在。アクセルを離せば即ドリフト、外に流れるだとか荷重が乗らないだとか、本格的なドライビングの知識は不要。難しすぎず、かといって簡単すぎず、車を「制御する」楽しさが味わえる。
-
『リッジレーサーズ』(以下レーサーズ)から導入されたニトロシステムも続投。L2/R2ボタンを押すと「ニトロ」が発動し、一時的に超高速での走行が可能。
-
ニトロはドリフトをすることでチャージされていき、メーター部分に表示されたゲージが1本以上溜まると発動可能。
-
他社のレースゲームに採用されている一般的なナイトロシステムと違い「一度ボタンを押すだけで決められた量を自動で噴射し続ける」という仕様になっている。
-
カスタマイズによって2本・3本のゲージを同時に使用できるようになり、本数が多いほどより長時間、より速いスピードで走行可能。
-
基本的にはニトロ使用中にチャージを行うことはできないが、効果終了直後はチャージ効率が高い「アルティメットチャージ」のチャンスがある。
-
ニトロ終了直後の、マシン本来の最高速度以上の速度が出ている状態でドリフトをすることでニトロチャージ量にプラス補正がかかるようになっている。チャージ効率がグンと上がる為、TA強者を目指すなら必須のテクニック。アルティメットチャージ判定が発生している間はニトロゲージが赤く点滅するため、成否は簡単に判別できる。
-
なお、判定条件の関係上、ニトロを使用した直後でなくとも、「マシン本来の最高速度以上のスピードが出ている状態」であればアルティメットチャージは可能。
-
その為に『6』のオンライン対戦ではこれを利用した「他のプレイヤーにわざと追突させてスピードを稼ぐ」という迷惑行為が散見され、本作では非正規のアルティメットではそれほどチャージ量が増えないようになった。なお、非正規のアルティメットではゲージは点滅しない。
-
『レーサーズ』以降では共通仕様となっているマシンのタイプ分けも、このアルティメットチャージシステムに併せる形で改定されており、「DYN>STD>MLD」の速度性能差も、傾向としてほんのり残る程度になった。
-
マイルド(MLD)…ドリフト制御がしやすく、ドリフト時減速も緩く、通常チャージ倍率も高い。反面、アルティメットチャージ倍率が低い。
-
スタンダード(STD)…ドリフト制御、ドリフト時減速、通常&アルティメットチャージ倍率共にMLDとDYNの中間に位置する。一応、ややMLD寄りではある。
-
ダイナミック(DYN)…ドリフト制御が難しく、ドリフト時減速も激しい上に通常チャージ倍率まで低い。反面、アルティメットチャージ倍率がかなり高い。
評価点
実質的な「クラス」の撤廃
-
本作にも近作で採用されている「クラス」制度は残っており、下位クラスでは使用できない車両が存在する。
-
反面、本作では車種ごとのクラス上限が撤廃されており、登場クラスが下位であっても、必ず最上位のクラス1まで使用し続けられる。
-
本作と似たような収録体系を持っていた『R4』ではマシンのデザインが気に入っても、同じクラス内での明確な性能差があったが、本作では差別化以上の差異はなく、気に入れば最後まで使えるのは大きい。
-
もっとも、全てのマシンが最低クラスから出現する訳ではなく、主役車である「RC410」や有名車種の「ビゾンテ」などはクラス2からしか使えないといった問題もあるが…。
カスタマイズ機能の追加
-
本作で最も注目を浴び、宣伝でも大々的に打ち出されていた要素。本作ではタイヤやサスペンション等を交換して基本性能を強化したり、挙動を自分好みに調整できるほか、レース中に様々な恩恵を受けられるプラグインユニットの装着ができる。
-
マシンの見た目もカスタマイズできるようになり、フロントバンパー、リアバンパー、サイドスカート、リアウイング、ボンネット、ホイール、ペイント等を変更可能。
-
これにより、歴代でもトップの車両収録数を誇る今作だが、正に自分だけの一台を作り出すことができるようになった。
-
一部車両についてはメーカーが直々にスペシャルチューンを施したコンプリートマシンも存在。性能はそこそこだが、歴代や実在の車を模したようなデザインが光る。
美麗なグラフィック
-
これもシリーズの特徴として挙げられるが、本作もご多分に漏れずPS3ソフトではかなりハイレベルで、いま見ても十分通用するクオリティ。
-
その上PS3では数少ない、フルHD・60fpsで動作するゲーム。TVCMに出ていた「※この映像はゲーム画面です」というキャッチコピーが印象的。
芸の細かい演出
-
これも歴代でおなじみだが、各所にナムコや『リッジレーサー』シリーズのリスペクト要素を取り入れている。
-
上記のカスタマイズパーツやペイントデカールで描かれているスポンサー企業等はもちろん、直接的な所では、条件を満たすことで『ゼビウス』の自機ソルバルウや敵キャラが登場するコースもある。
-
条件を満たした時だけのチョイ役としての出演ながら、PS3仕様のグラフィックに作り上げられており、迫力は中々の物。
-
普段はランキングブラウザ情報が流れているインフォメーションもシリーズファンは必見。現実の様な、各メーカーの動向やPR、コースに関する面白いニュースが流れる。
-
この他、過去作に登場した車両や『R4』に登場したキャラのその後が垣間見れる等、決して厚いとは言えなかったリッジの世界観を掘り下げるのに一役も二役も買っている。
ロード時間の短縮
-
『6』と比べ、全体的なロード時間が短縮。正直、PS3のゲームとしては特別短い訳ではないが、ロンチ+フルHDと考えれば十分な早さだろう。HDDにインストールすれば更にロードが短くなる。
BGMについて
-
BGMも『V』までの曲調からガラッと雰囲気を変えたが、KING STREET SOUNDSが担当した曲に関しては『リッジレーサー』の世界観に非常にマッチしており、評価は高い。
-
他にはリズムを強調した曲が主体。この時点では評価も批判もされていない程度だったが、後作では同系統のリズム重視の曲調が増え、徐々にこれまでのイメージとは離れていく事になる。
賛否両論点
オンライン環境が強く推奨されるゲームデザイン
-
本作はもともとオンラインを前提とした設計なので、ネット環境がないと様々な点で割を食う。
-
UFRAスペシャルイベントがほぼ使用できないため、単純な遊びごたえが目減りする他、タイムアタックでグローバルランキングに載ることができない。
-
とはいえ、PS3のロンチである本作はオンラインへの依存度もまだ可愛いもの。あった方が良いことは間違いないが、仮に完全なオフラインであっても、値段相応に遊ぶことはできるようになっている。
スペシャルマシンの性能が低い
-
マシンスペックの全体的な向上に加え、カスタマイズによりノーマルマシンでもぶっ壊れた性能に仕立て上げられる本作では、速さという点では使う意味があまり無い。
-
一応、各々特徴的なスタイリングや性能・特性自体は健在。例えば「ウルトラノヴァ」は非常に高いアルティメットチャージ効率を誇る。
-
「プロンツィオーネ」は『R4』時代にも存在した、タイヤの存在しない半重力マシン。常にドリフト状態にあり、ハンドルを切る=ドリフトとなる。
-
ただし、前者は同じくアルティメットチャージ効率に優れたノーマルマシン「スザク」をカスタマイズすることで、より高いチャージ効率を得られてしまうなど、性能面での「特別さ」はこれまでと比べ物にならないほど薄れてしまっている。
-
また、伝統のデビルカーとして愛されてきた「クリナーレ」と「アンジェラス」は特に地味な性能になっている上、不評だった『レーサーズ』でのデザインをより不格好にしたような外見に変更されてしまった為、ファンからの不満が強い。
-
さらに、スペシャルマシンは性能関連のカスタマイズが一切不可能。「扱いづらいうえ、結果も出ない」という二重苦を抱えることになってしまっている。
-
せいぜいアルティメットチャージ倍率が高い「ウルトラノヴァ」と「ベースクルーザー」が多少注目されたぐらい。後述するが、結局はニトロ・アルティメットチャージである。
タイムアタックの記録において、マシンごとの最速タイムが記録されない
-
レースゲームとしては一般的な仕様だが、わずかな性質の差が大きくタイムに影響する事も多い『リッジレーサー』シリーズでは、こだわりを持つユーザーも少なくない。
-
近年のレースゲームとしては収録車種が少なめ、しかも同じクラスでも、後述のニトロ問題もあってタイム差は相当なものとなる。腕では絶対にカバーしきれない程の違いが出るため、決して無意味という訳ではない。
問題点
行き過ぎたニトロ依存
-
『レーサーズ』『6』『レーサーズ2』と定着したニトロ機能だが、本作ではいよいよやりすぎた感が強い。
-
「どこでニトロを使うか」「少ないニトロをいかに効率よく貯めるか」がこれまでの命題だったのだが、本作は「とにかくニトロを使いっぱなし」という状態である。
-
従来の作品と比べ、ニトロがより扱いやすく高性能になったことで、その重要性は非常に大きなものとなっている。当然ながら、マシン選びや走り方についても、ニトロの性能が最優先課題になってくる。
-
オンライン対戦やグローバルランキングではレース時間の8~9割方はニトロを使っているのが当たり前の状態である。これは誇張でもなければニトロ無限機能でもないのが悲しいところ。
-
ハイスピードレースを楽しめると言えば聞こえは良いが、同時に順位の入れ替わり手段が最終的にスリップストリームしか無いという問題点も浮き彫りになっている。
-
もっと言えば、カスタマイズパーツの中には「SSキャンセラー」というパーツで、自車の後方に発生するスリップストリームをキャンセルすることまで可能。ここまでされてしまうと、スタートの後は相手のミス待ちしかできない。
-
その一因となっているのが「リバースチャージニトロ」というカスタマイズ。これは「通常走行時のドリフトではニトロチャージができず、ニトロの効果時間中にのみチャージが可能になる」という効果をもつのだが、早い話が「ニトロを使用しながらニトロをチャージし、タイムラグなしにニトロを連発し続けられる」という反則的なもの。
-
一度まともなチャージに失敗すると一気にジリ貧になるというデメリットが存在するうえ、通常チャージの効率が良いMLD車で特殊な走り方をしないと十分な効果は得られないが、使いこなした時の速さは群を抜いている。
-
さらに、よりにもよって最も相性がいいMLD車の中に「高いハンドリング性能+最上位のニトロ性能」を併せ持つマシンが存在している。このマシンのクラス1を上記仕様にすると、まさに別格の速さを発揮する。
-
仮にリバースチャージを抜きにしても「通常チャージにマイナス補正がかかるが、逆にアルティメットチャージ時のプラス補正が大きく強化される」性質を持つ「ノーマルチャージU」が非常に強力。
-
アルティメットチャージ倍率が高いDYNマシンと組み合わせれば、一度のチャージでゲージ3本分を貯めきることも十分可能で、「トリプルニトロ → アルティメットチャージで3本貯まる → トリプルニトロ」の繰り返しが当たり前の光景になる。
-
これだけならばDYN車のドリフト時減速の激しさ故に一定のバランスを保つことはできたのだが、本作は足回りを改善し、ドリフト時減速を抑えるカスタマイズが可能であり、「ドリフトの制御が用意で、ドリフト時の減速が少なく、アルティメットチャージ倍率も高いマシン」を手軽に用意できてしまう。
-
そもそも、常にトリプルを打ち続ける訳でもなく、適切な本数でないとアルティメットチャージの間隔が合わなくなるため、アルティメットチャージ倍率で劣るSTD車やMLD車でもそれなりに同じ事ができる。
-
また、通常チャージ倍率が低くなる点についても、スリップストリームを活用したり、高回転域のトルクを強化するエンジンカスタマイズ「DRUAGA」を装着することで充分にカバーできる。
-
この2つは、いずれも「利用することで最高速度を引き上げられるが、スペック上の最高速度を書き換える訳ではない」という質のもの。つまり、普通に走っているだけで前述した「非正規のアルティメットチャージ」の発動条件を満たせてしまうである。
-
特にDRUAGAエンジンに関しては、なにがしかのハッキリとしたデメリットや代償があればバランスの取りようもあったのだが、「速く走りたければ自然と使うカスタマイズ」で最大の効果を得られてしまうのがまずかった。
-
他にもニトロに種類はあるのだが、いかんせん使いこなせば圧倒的な効率を誇る、MLD車&リバースチャージ/DYN車&ノーマルチャージUの牙城を崩すことはできなかった。
後は対戦用として瞬発力の高いハイニトロが使われた程度。
-
今までにない形とレベルでゲームバランスが崩れただけに、本作のこの一件で、一気にニトロに対する反発の声が燃え上がることになった。
-
ルームの設定でニトロの蓄積量や使用制限をかける事ができるため、実際にプレイヤー同士の交流に積極的な大型攻略サイトでは、閲覧者の意見を募って自主的にニトロ制限ルールを考案するところもあったほどと言えば、当時の評価がお判りいただけるだろう。
-
何より、上記の圧倒的な性能のチャージによるニトロ濫用にばかり目が向けられるが、そこに目をつぶっても、「ビゾンテ」や「フィエラ」といったスタンダードなスペックのマシンでさえ、足回りを変えてストレートでもドリフトした方が結果的にタイムが上がるということからも、本作のニトロ偏重ぶりがうかがえる。
-
一応『6』で直線ドリフトが問題となったため、コーナーの曲率によってニトロチャージ量に補正が入るようになり、上の「一部の車両」以外は損にはなったが、最後の最後でこの直ドリOKの車両が残ってしまったのはバランス調整ミスとなってしまった。
-
本作をやり込めばやり込むほど、ニトロという沼に嵌ることになる点は流石にやり過ぎの一言。元々『6』や『レーサーズ』では悪評になる程の致命的なバランスではなかったため、完全に加減を誤ってしまったと言わざるを得ないだろう。
-
一応、アイテムなどを使ったドタバタバトルレース系以外の、真っ当な四輪レースを題材にした上で、常軌を逸脱したハイスピードレースというのは比較的珍しく、それによって新たな爽快感を開拓した点は、初出の『レーサーズ』含めて評価できる。
-
大勢はともかくとして、従来のリッジを知らない新規勢や、コンマを争う様なやり込みの意図が無いライト層からの評価は決して悪いものではないのも事実と言えばその通りである。
-
しかし、この環境を好むプレイヤーでも「リバースチャージだけは受け入れられない」という声が少なくないことは付け加えておく。
-
実際、後作である『リッジレーサー3D』『リッジレーサー (PSV)』にはリバースチャージは受け継がれなかった。
総評
ロンチタイトルであり、全体的に『6』から小規模の追加や変更、ブラッシュアップが多いが、しっかり『リッジレーサー』らしい良さは健在。
一方で、過剰ともいえるほどのニトロ偏重が批判を呼んだのも事実である。
だが、歴代シリーズの良点や反省を踏まえた部分も多く、据置機向けの集大成としては十分な出来栄え。全体的にはより万人向けに進化している。
国内としては据置機向けの最終作ではあるが、出荷数が多い為か、中古価格はそこまで高騰していない。
在りし日の名シリーズに触れたいと思ったのであれば、ぜひ購入をお勧めする。
余談
-
バンナム側の事情もあるだろうが、本作以降の『リッジレーサー』は徐々に混迷していくことになる。
-
携帯機への中途半端な転向等もあってファン離れを引き起こした結果、2020年代となった現在でも残念ながら『リッジレーサー8』の音沙汰は一切ない。
-
元々『V』『6』『7』『3D』『リッジレーサー (PSV)』とロンチの定番だったため、PS4のローンチで『8』が出なかったことは失望で迎えられた。
-
同様にSwitchとPS5もスルーされたため、このまま『リッジレーサー (PSV)』を最終作にされる可能性が高い。
-
現在のコンシューマー向け最新作は、日本未発売の『Ridge Racer Unbounded』なので、2012年でシリーズが途絶えたことになる。
最終更新:2024年05月14日 10:00