湾岸ミッドナイト ポータブル
【わんがんみっどないと ぽーたぶる】
ジャンル
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レース
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 PS2版(参考用)
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売・開発元
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元気
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発売日
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2007年9月27日
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定価
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5,040円
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廉価版
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2008年9月4日/2,940円 2011年7月14日/1,890円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ポイント
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レビューサイトで超低評価 ボリューム不足 過去作からの流用の嵐 実質PS2版の劣化移植 チューニングシステムが面倒 PS3版の移植と勘違いする人続出
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湾岸ミッドナイトシリーズ
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概要
楠みちはる原作のカーバトル漫画『湾岸ミッドナイト』を題材にしたレースゲーム。
本作は、7月に発売されたPS3版より少し遅れて発売された(当初は冬頃予定だった)。
これが原因で、PSP版がPS3版の移植だと勘違いして購入する人も多かった。
発売前からホームページでは大々的な宣伝が行われ、ファンからの期待もあったのだが…。
問題点
過去作からの流用だらけのBGM・グラフィック
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具体的にはメニュー画面BGM・ライバルを探す場面のBGM・敗北BGM・基本的なゲームシステム・ストーリーモード(文章どころかシチュエーション・勝利条件までも流用)がPS2版の流用、効果音・レースBGM・勝利BGM・スタート地点選択BGM・3DグラフィックがPSP首都高からの流用。
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これらは原作付きキャラゲーでは珍しくないことだが、前述の通りあらゆる所から流用しまくっており、あまりにもこのゲームは過去作からの流用が多過ぎである。
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実は公式PVの時点で勘の良い人なら(ストーリーモードに関しては)過去作の流用(若しくはPS2版の移植)だと分かる。
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しかし知らない人の方が圧倒的なので、そう言う人からは詐欺扱いされてしまった。
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念のために書いておくがPS2版はアーケードゲーム「湾岸ミッドナイト」にストーリー要素を加えた移植作品であり、当然ながらBGMも古代祐三氏が作曲したAC版のBGMが「そのまま」収録されている。
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しかし、今作はそれらのBGMを全てオミットし、PSP首都高のものに差し替えてしまっている。AC版のBGMは評価も高く、今も続く「湾岸マキシ」シリーズにほぼ皆勤の隠し要素であるだけに非常に残念な仕様である。
面倒過ぎるチューニングシステム
今作のチューニングシステムは、チューニングモードで6つのミッションをこなすというあまりに面倒過ぎるシステムである。
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チューニングモードの詳細。ネタバレ注意
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STAGE3とSTAGE6のSPバトルの制限時間は60秒。
ちなみに全ミッション共通で条件を満たしつつ残り時間20秒以内にクリアするとSランクが取れる。
つまり、オールSにするには前半2ステージのせいで非常に難しい。
STAGE 1 高木編(ボディーチューン)霞が関~霞が関の急カーブがあるトンネルの出口付近
条件:一般車両と壁に接触するとペナルティ。100秒以内にゴール。
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6つのミッションの中で一番条件が厳しい。
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特にMR-S(MR)は曲がり過ぎてスピンするし、セリカ(FF)だと曲がりにくい。
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そのため、丁寧に走りつつ、早くゴールに着かないとSランクは無理だろう。
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難所はトンネル内のジャンピングポイント直後の左カーブとゴール手前の急カーブ。
STAGE2 ガっちゃん編(エアロチューン)レインボーブリッジ~芝公園
条件:壁に接触するとペナルティ。180秒以内にゴール。
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かなり長い上に、浜崎橋JCT後のC1外回りへ向かう急カーブがとても難しい。
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しかも、浜崎橋JCT後の直線の右側半分の車線がバリケードで塞がれているので思いっきりアウトから攻めれないうえ、ブレーキング中に滑って壁に接触する危険もあるため、高木編より難しく感じる可能性もある。
STAGE3シゲ編(マフラーチューン)vs神谷エイジ(三菱ランサーエボリューションV)汐入~湾岸線分岐地点付近
条件:エイジに勝つ
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SPバトル(『首都高バトル』でお馴染みのバトル)でエイジとバトル。
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STAGE6のSPバトルもそうだがランクは自分のSPの残量にも影響するので注意。つまり、ライバルを壁にゴリ押ししまくってはSランクは取れない。
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相手のSPが残って自分がゴールに到達してもSランクになれない。
STAGE4大田編(駆動系チューン)~神田橋後の左カーブ~赤坂ストレート
条件:赤坂ストレートで速度を出す。
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原作の赤坂ストレートの如く赤坂ストレートで速度を出すミッション。
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赤坂ストレートでゴールする前に約265km/h以上出したらその場で終了。
STAGE5山本編(ハンドリングチューン)木場~汐留
条件:制限時間内にゴールに到達
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恐らく6つのミッションで一番簡単。
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ぶつかっても良いのでとにかくコーナーをガンガン攻めること。
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強いて言うなら大江戸JCTの急カーブと銀座の橋脚に注意か。
STAGE6リカコ編(エンジンチューン)vs朝倉アキオ(悪魔のZ)(湾岸ミッドナイトの主人公)大黒ふ頭~横浜環状(みなとみらい線)の長い右カーブ後の直線
条件:アキオに勝つ
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SPバトルでアキオとバトル。
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直線だらけで、稀にアキオが横浜環状への分岐の支柱にぶつかることがあるので、その時がチャンス。
そうで無かったらカーブで差を付けるか抜かそう。
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ゲームの仕様として「自分が走っている車線にアザーカーが出現する」ようになっている。これを利用してアキオと同じ車線を走り、僅かながら速度を落とす方法がある。
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ちなみにSTAGE5まで全てSランクを取ると、リカコが北見(悪魔のZを造り上げたチューナー)になり、アキオと島のSPバトルになる。
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以上の全てをクリアするとチューニングが完了し、晴れてドレスアップができる。
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…なのだが、ドレスアップパーツの種類が少ない上に、エアロはセット(部分ごとでは無い上、マフラーやウィングやミラーもセット)でホイールが多い位。
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車やホイールの色を変えることはできるが、そのカラーリングバーの挙動が飛び飛びになり易く、思い通りの色を指定しづらい。
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そして何より一度決めたら二度と変更出来ないので慎重に選ぶこと。
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ストーリーモードの問題点
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自車はSPが減るのに相手はSPが減らない話が多い。だったら双方のSPが減らないようにすれば良かったのでは?
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相手のSPが減るのは「相手とSPバトルで勝つ」が条件の時のみ。
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城島と島にアドバンテージを付けられた上でアキオが追い上げる話のアキオ編のみ自車のSPも減らないようになっている。
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一部条件が難し過ぎる話がある(例:森下マコト編のvsレイナの1000m以上離せ)。
その他の問題点
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アーケードモードにおいてノーマルカーでやるとライバルカーがかなり速い上、時折不可解な事をする事がある(急に速度を上げ、自滅等)。
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さらにはアーケードモードに出てくるライバル車の出現方法は完全ランダムなので狙って出すのは至難の業。これは元のPS2版もそうではあった。
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逆にチューニングカーやライバルマシンでやると、拍子抜けする程弱くなる。
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どんなに頑張っても370km/h以上出せない(これはPSP版『首都高バトル』と同じ仕様)。
評価点
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レース中の処理落ちが無い。つまり携帯機でまともに遊べる首都高ゲームであること。
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クソキャラゲーに付き物な原作レイプは特に無い。ちゃんと原作通り。元を流用しているから当たり前だが。
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チューニングモード後のドレスアップのホイールで、その中にはPSP首都高で装着できなかったホイールが登場している(例:死神ドライバーとユウウツな天使のシルビアS15のホイール)。
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曲(主にレースBGM)はやはり流用で使い所はアレだが聞けないレベルではない。
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一般車がより現実らしく(トラックや一般車が登場)なった。
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車のマフラーからアフターファイヤーが出る。ただこれはPVで誇らしげに紹介している部分であるので誇張かもしれないが。
総評
幾らキャラゲーだからと言っても過去の自社作品からありとあらゆる所を流用し過ぎである。
それぞれの特徴的なシステムも、結局はプレイの障害になりかねない要素も多く、とても褒められた物ではない。
PS2版とPSP版『首都高バトル』の劣化移植としての側面も大きいため、もし今から遊ぶ気があるのならPS2版を買うことである。
それでもPSPにおける首都高系統のレースゲーの中では快適になった環境面もあるので小粒程度には楽しめるかもしれないが、その場合でも過度な期待は完全に禁物である。
余談
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このゲーム(とPSP版『首都高バトル』)の車のエンジン音は、360の『首都高バトルX』に流用されている。
このゲームのPV
最終更新:2024年04月14日 14:00