本記事はSwitch/PS5/PS4/Win向けリメイク作品について解説しています。
SFCで発売された原作については『ライブ・ア・ライブ』(中黒あり)の記事を参照して下さい。
【らいぶあらいぶ】
ジャンル | RPG | ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション5 プレイステーション4 Windows(Steam) |
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発売元 | スクウェア・エニックス | |
開発元 |
スクウェア・エニックス ヒストリア |
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発売日 |
【Switch】2022年7月22日 【PS5/PS4】2023年4月27日 【Win】2023年4月28日 |
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定価 | 7,480円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
「伝説のRPG」念願のリメイク 定評のある演出・世界観が強化 さらに一部キャラの掘り下げも 最終編を中心に、プレイの快適さがかなり向上 一部表現規制と名前ボイス未収録が難点 それ以外はほぼ原作通り遊べる良質リメイク 「まだ終わらねぇってのか…!!」「気を抜くな…!」 |
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HD-2D作品 OCTOPATH TRAVELER / トライアングルストラテジー ライブアライブ / OCTOPATH TRAVELER II / ドラゴンクエストIII |
Legend is Alive
『FFVI』『クロノ・トリガー』の陰で根強いファンを獲得したスクウェア製RPG『ライブ・ア・ライブ』のリメイク作品。
2022年2月のNintendo Directで情報が初公開され、同年夏に発売された。
原作は版権の都合で移植等が困難とされており、ファンからは長らく新展開を期待されてきたタイトルであった。
今作は原作発売から実に28年経た上でのリメイクとなり、大きな反響を呼んだ。
ハード性能の進化に伴い、今作のグラフィックは『OCTOPATH TRAVELER』『トライアングルストラテジー』でお馴染みの「HD-2D」を採用し、懐かしくも豪華な仕上がりとなっている。
HD-2Dはレトロゲーム風の作品を最新グラフィックで違和感なく仕上げるコンセプトの元で作られていたが、今作は文字通り当時のレトロゲームのリメイクに用いるという、新しい試みが行われることに(*1)。
さらには新しくCVも追加され、ゲームバランスや仕様に細部の調整が施された。
スクエニe-STORE専売限定版として、ボードゲームやブックレット付きサウンドトラック、そして近未来編のブリキ大王のプラモデルなどの特典が付属した「コレクターズエディション」も発売された。
スクウェア・エニックスはプレイヤーの動画配信等にあたって、発売当初はネタバレ禁止のガイドラインを制定していた(参考)。2022年11月18日より解禁。
ただし隠しエピソードの中世編・最終編は発売前から公式PV等で存在を公表しており、中世編主人公・オルステッドに至っては他エピソードの主人公とともにパッケージを飾っている(*2)。
よって本記事でも、中世編・最終編については(シナリオの核心に触れる部分を除いて)通常通り解説するものとする。
ゲーム自体の詳しい解説は原作記事を参照のこと。
本項では解説をわかりやすくするため、最低限の概要のみ軽く触れておく。
+ | SFC版の攻略ネタバレ注意 |
『ライブ・ア・ライブ』は原作からして演出に定評のある作品だったが、今作はハードの表現力の向上により、更なる掘り下げが為された。
HD-2D化に伴いあらゆるデザインがリファインされ、レトロながらも美しいグラフィックを味わえるようになった。
+ | ネタバレ注意 |
+ | マップ機能について、中世編以降のネタバレ注意 |
+ | ネタバレ注意 |
最終編は特に変更点が多く、かなり遊びやすくなっている。
SFC版は仕様面での初見殺しが多く、中にはゲームを最初からやり直さなければならない難点もあったので、攻略情報無しで遊ぶプレイヤーにとってかなり有り難い。
+ | 中世編・最終編の終盤に関わる評価点 |
+ | 幕末編分岐ネタバレ注意 |
+ | 若干のネタバレ注意 |
+ | 攻略のネタバレ注意 |
+ | ゲームの核心に関わるネタバレにつき閲覧注意 |
+ | エンディングに関するネタバレ |
長年ひっそりと愛されてきた分、『ライブ・ア・ライブ』は慎重なリメイクが求められる作品であった。
終盤の展開も相まって「変に改変して欲しくない」という声は少なからずあり、新しく作り直すにも高いハードルが立ち塞がっていた作品である。
しかし発売後は好評を持って受け入れられ、新規プレイヤーから旧来のファンまで広く勧められるリメイクとなっている。
遊びやすさや演出面の強化はSFC版に対する大きなアドバンテージとなっており、致命的な劣化点は表現規制などごく一部のみ。
UIの向上はもちろんのこと、戦略性の増した戦闘周りや最終編関連の補完は快適性を増しており、気軽なやり込みが可能になったのはかなりありがたい。
新規プレイヤーにとっては原作の魅力が担保されており、旧来のプレイヤーにとっても懐かしい名場面をボイス付きで振り返る事ができる。
今作を遊んでいないSFC版プレイヤーがこれから遊ぶ場合、「大きなストーリー改変はない」という時田Pの発言をしっかり噛み締めた上で、様々な違いを味わいながら最後まで遊んでみてほしい。
そして最後まで遊びきった時、本リメイクのキャッチフレーズ「Legend is Alive」の本当の意味を知ることになるだろう……
*1 先駆けて『ドラゴンクエストIII』リメイクでも同様の試みが発表されているが、発売に関しては今作が先を越す形となった。
*2 上記ガイドラインでも、ネタバレにならない形でこれらシナリオの終盤に言及している。
*3 SFC版ではディレクターだったが、リメイク版ではプロデューサーを務める。
*4 SFC版は元々詳細が不明な状況で戦うことをコンセプトにしており、当初はプレイヤーのHPすら非表示になる予定だった(これは『FF』シリーズの生みの親である坂口氏の提案で廃止されている)。
*5 原作ではそもそも連続ヒットの概念自体が明かされておらず、連続ヒットのエフェクトこそあったものの、ダメージは累計値がまとめて表示されていた。
*6 原作ではごく一部の技の説明文に属性が記載されているのみだった。
*7 原作では技を使うと場の属性が上書きされ、キャラクターが持つ回避属性と場の属性が一致すると直後の技のダメージを半減できるというものだった。戦闘開始時の場の属性も地形別に設定されていた。
*8 耐性の属性は基本的に原作における回避属性が流用されているものがほとんど。
*9 原作では敵と味方のレベル差によって命中率や技のダメージ補正が決定するようになっており、戦闘中一時的にキャラクターのレベルを変更する技が存在した。
*10 本リメイクではさらに主人公の性能が調整されている。
*11 しかも英語表記に至っては技名からモロ直球の記述になっている。
*12 SFC版は「大激怒岩バン割り」だったが、今回は漢字表記。
*13 レイの水鳥脚やアキラのローキック、ポゴのブンブンなど
*14 「忍び斬り」「スピンドライブ」「烈風正拳突き」など。
*15 一応、戦闘開始時に最初にカーソルが当たっていた敵がリーダーではあるが、表示は一瞬のみだった。
*16 HPは低いが防御が高く、やっかいな攻撃を仕掛けてくる、マスタードラゴン&ピスタチオの敵パーティ。キューブ育成に必要な「強化パーツ」をドロップする。
*17 実際はやり直さなくても、一度ニューゲームでSF編を開始して冒頭シーンを覗き見した後にリセットして元のセーブデータに戻るだけで良いのだが、その発想に至らずメインのセーブデータでシナリオを最初からやり直してしまったという体験談は少なくない
*18 キューブに眠り耐性がないことを反映しているのだろう。
*19 さすがに殺されてはいないと思われる。
*20 「いいお天気でしょ!」「猛者達…」「PSYCHOで夜露死苦!!」「届かぬ翼」「CRY・A・LIVE」のアレンジ違い。
*21 英語版では変更されてしまった。
*22 SFC版では入口が一見ただの崖だったが、リメイク版では青く光っているので、いかにも何かありそうな場所になっている。
*23 最終編のサンダウンのスタート地点でもあるが、何かイベントが起こる訳ではない。
*24 しかも、ヒントのセリフは弟子3人分用意されている。
*25 ただし、限定版のサントラには原作に無いBGMが紛れており、ここから追加イベントの存在をゲーム発売日に(つまりプレイ前から)察したプレイヤーもいた。一方で、時田氏が「ストーリーの大きな変更は無い」と発言していたことや、CDの最後に収録されていることから、単なるボーナストラックと考えたプレイヤーが大半であったと思われる。後に限定版サントラと同内容の通常版サントラも販売。
*26 満たさなかった場合はSFC版とほぼ同じ流れで物語が終了する。ただし最後の掛け合いや後日談はカットされるという、微妙な違いがある。
*27 ただし、全体を通してみれば「大筋に変更はない」というのは確かに合ってはいたが。
*28 渡せる武器は「野性バッグ」のみなので必ず「野性バッグ」に上書きされる。これだけならともかく、もうひとつ「野性バッグ」を渡すと今度は左装備が上書きされる。体装備も「野性ドレス」をあげれば「野性ドレス」に上書き。アクセサリーは空いている枠を埋めていく形で装備してくれるが、「ギギガガのワッカ」をあげた時のみ、なぜかアクセサリー5枠目だけが「ギギガガのワッカ」に上書きされる。
*29 ただし、一部には酒の隠語を意味するものが使われている。
*30 クリアに必須なのはパンチ入手までであり、最後の本物入手は強制ではない
*31 ただし、ちびっこハウスはその後火事に巻き込まれることになるため、結果的に見れば「アキラが盗んだ怪我の功名によりへそくりが無事だった」という見方も可能ではある。もっともその後も妙子に返したりはしないが
*32 現代編ではある人物の弱さを指摘する台詞だが、原作ファンからは「強さに関係ないただの悪口」とネタにされる一方「老衰こそがその人物の弱み」と解釈する意見もあり、「老いぼれ」に変更されたことでより後者のニュアンスが強まったと見る向きもある。
*33 ちなみに、彼を演じたのはこれまた大物声優の若本規夫氏である。
*34 例えば近未来編の場合「こ、これは・・・○○じゃねーか!」で、功夫編の心山拳老師の場合「ほお、○○じゃな」といった具合である。
*35 原作ではイベント進行ごとに配置されるマップが変化していく。
*36 幕末編の0人斬り、原始編のとある隠しアイテムなど。
*37 ただし、リメイク版における正確なドロップ率は明らかにはされていない。なお、ある攻略サイトによると、リメイク版において原始編隠しボスと100回戦ってみた結果、アイテムを落としたのは30回だったとのことである。
*38 もっとも「コーラのビン」は入手に苦労するのもSFC版のままであるし、最終編で全キャラ主人公で周回プレイしようという場合にはプレイが楽になり、ご褒美としても実用面でも役立つため、この件についてあまり目くじらを立てるプレイヤーは居ないかもしれないが。
*39 実際、原作の内部データ的には女性専用装備に設定されており、通常プレイでの実現は不可能だがレイも装備可能と設定されていた。
*40 具体的にいうと装備するだけで、原始編でほぼ最強に近くなるもの。
*41 SFC版では、データ上で「装備可能箇所」とは別に「主要装備箇所」が設定されており、攻撃力と防御力は同一のパラメータ(性能値)で管理されていた。性能値は、右手なら性能値=攻撃力、左手・頭・体・足なら性能値=防御力、アクセサリーでは性能値は機能しない。また複数の位置で装備可能なアイテムは主要装備箇所が指定され、性能値はその箇所に装備している時のみ機能する、という仕組みだった(主要装備箇所は回避属性や能力値アップなどにも影響する)。上記アイテムは全てアクセサリーである。SFC版では「ギギガガのワッカ(装備種別:足・アクセサリー 主要装備箇所:アクセサリー 性能値:3)」「水神のウロコ(装備種別:アクセサリー 性能値:25)」なども該当。
*42 原作では透明のシンボルと接触することで戦闘になる。
*43 ゲームなら『バウンサー』やDS版『ファイナルファンタジーIV』その他の舞台作品。
*44 井上和彦氏や佐々木望氏は田村由美作品の常連キャストである。
*45 漫画においてはローキックは父親との思い出と語られていた。
*46 なお現代編まで漫画化するアイディアまであったが、それはただの「超級!Gガ●ダム」ではないかと突っ込まれる。