パワプロクンポケットシリーズ

機種 タイトル 概要 判定
ナンバリング
GBC パワプロクンポケット サクセスは『パワプロ5』の外伝。全ては極亜久高校から始まった。初代から展開次第で彼女が死ぬなどのパワポケ節が炸裂。
パワプロクンポケット2 後に続いていくプロ野球編の原点。モグラーズで1軍目指して勝ち抜け。「裏サクセス」の原型・戦争編も初登場。
GBA パワプロクンポケット3 初代の主人公がサイボーグに改造される。最後は亀田と殴り合い。初代悪の組織プロペラ団とも決着。×練習○金で強くなる主人公。 不安定
パワプロクンポケット4 神隠しを防ぐべく離島高校の弱小野球部が甲子園を目指す。過去作のキャラが出てくるRPG風「裏サクセス」も本格登場。
パワプロクンポケット5 プロ野球編再び。スター野球選手の主人公はモグラーズ2軍の選手と体が入れ替わってしまう。俺ペナ、鬼鮫コーチ初登場。
パワプロクンポケット6 GBAパワポケ完成形の一つにしてストーリーの転換期。「裏サクセス」は本編のBAD ENDの後日談。ほるひす初登場。
パワプロクンポケット7 ヒーローと「別の正義」に焦点を当てた恵まれたシナリオに立ちはだかる異次元野球。
野球自体の難易度も高めで、試合中もそれ以外もバグが多いが、シリーズの傾向の変化を決定付けた。
『パワポケ』らしい作品であり、すなわちゲームができてうれしいな し あ わ せ。
なし
DS パワプロクンポケット8 シリーズ最強の主人公がモグラーズ改めホッパーズに入団! サイボーグとアンドロイドとキミと。新ハード故か野球パートは調整不足。 不安定
パワプロクンポケット9 寂れた商店街を救うさすらいのナイスガイ編。シナリオは『7』の後日談でもあるが、DSでは珍しく単体でも完結した作りに。
『7』と『8』の野球パートと『7』と『ダッシュ』の勉強システムなどの失敗を活かし汚名返上。
バンザイシステムの影響で、初代の頃の選手育成のキレを大きく発揮した。
パワプロクンポケット10 3Dになり大きく改善された野球パート。サクセスは王道の高校野球編。一方で彼女候補は自殺したり超能力者だったり色々と濃い。
パワプロクンポケット11 裏社会の話が増加したシリーズ総決算の戦争バラエティ。不快な新要素魔人システム。真主人公しあ~ん。一方「裏サクセス」は洗練。 なし
パワプロクンポケット12 野球ゲームの中で野球ゲームをするフリーター。裏社会の抗争はまだ続く。メロンパン入れとなっております。 なし
パワプロクンポケット13 裏社会物から一転、ドン底から「逆襲」する高校球児の王道シナリオに。裏サクセスはパワポケRPGの完成形の1つ。
『10』の北乃とマイナス効果を付けられてしまう定期イベント、『11』の魔人システムなどの失敗を大いに活かして汚名返上。
野球パートも洗練され、キャッチコピーに恥じない完成度を誇る。
パワプロクンポケット14 極亜久高校から始まった物語も魔球リーグで完結。札侍・トツゲキ甲子園は概ね好評。いつの時代でも、最後は子供がヒーローさ。 なし
リメイク
GBA パワプロクンポケット1・2 『6』をベースにした『1』と『2』をリメイク。綺麗なグラフィック、能力相応の強さになった野球マスク。詳細は各作品参照。 なし
Switch パワプロクンポケットR 上記GBA版『1・2』の実質的なリメイク。新育成モード「サイバーバル」を搭載。レーティングはシリーズ初のCERO:Bとなっている。 なし
外伝
GBA/
Switch
パワポケダッシュ カード野球オンリー。小学生向けを謳いながらシナリオに自重無し。
Switch版は『パワプロクンポケットR』の早期購入特典としてDL配信。
なし
DS パワポケ甲子園 タイトルの通りパワポケ関連作としてリリースされたが、本編シリーズとの繋がりはない。
続編ではパワポケを名乗らなくなり、シリーズ作からも除外されることが多い。
不安定

関連作品

機種 タイトル 概要 判定
N64 実況パワフルプロ野球5 スピンオフ元。パワポケ1の表の物語に該当する。
ゲスト出演
PS 実況パワフルプロ野球'99開幕版 「冥球島」モードで極亜久高校、大東亜学園、聖皇学園が登場。
実況パワフルプロ野球'99決定版
DC 実況パワフルプロ野球 DreamcastEdition
GC/PS2 実況パワフルプロ野球10超決定版 2003メモリアル 超決定版にあるサクセスオールスターズで『パワポケ1~5』のキャラが登場。
GC/PS2 実況パワフルプロ野球12 『パワポケ8』のサブキャラ輝星也の出典。世界観の繋がりはなし。
チャンピオン大会モードで極亜久高校と日の出高校が登場。
賛否両論
PS3/PSV 実況パワフルプロ野球2013 『パワポケ3』の鋼毅、アンヌ、アルベルト・『パワポケ8』の鬼鮫コーチが登場。 改善*
PS3/PS4/PSV 実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル 『パワポケ3』の鋼毅、アンヌ、凡田大介が登場。
ソシャゲに該当すると判断されたため、当Wikiでは執筆禁止。
執筆禁止

概要

特徴

  • パワプロシリーズと同様に実在のNPB球団・選手を収録し、それを利用した対戦モードなどをプレイできる。
    選手育成モード「サクセス」も存在するが、本シリーズではシナリオを重視したつくりになっており、野球ゲームというよりもアドベンチャーゲームに近い内容である。
    • 初代の仮タイトルは「パワフルプロ野球ポケットサクセス外伝」であり、最初からサクセスに重きを置いた方向性が定められていた。
    • 作成した選手はパスワードが発行され、同時期の据え置き機作品(1作目なら『実況パワフルプロ野球6』と『実況パワフルプロ野球'99(開幕版・決定版)』)でパスワードを入力するとその選手を使用できるようになる。
  • このサクセス以外にも、本家と同じような「ペナント」や「キャンプ」に加え、またサクセス内でのミニゲームをプレイする「ミニゲーム」など様々なモードがある。
    • 初代はサクセス以外には『対戦』と選手データやその選手のパスワードを確認する「データ」しかなかったが、シリーズが進むにつれてこれらのモードが追加されていった。
  • ゲーム内容もだが公式Webサイトも特徴的な作りであり、一時期はユーザーからのメッセージに開発者が直接回答する「しつもんコ~ナ~」なるものを設けていたこともある。
    これがまた非常にフリーダムであり、基本的に適当な回答なのに突如マジレス風の回答をしてみたり、非常に危うい質問に非常に危うい答えを返したりとカオスなことになっていた。
    現在ではコナミ内のWebサイト整理に伴って全ての作品のサイトは閲覧不能になってしまっているのが惜しまれる(WayBackでの閲覧は可能)。

パワプロとの関係について

  • パワプロプロダクション*1開発となっているが、『パワプロ5』以降は本家にあまり関わっていない*2メンバーが開発しており、こちらは「パワポケチーム」と呼ばれる。
    作風の違いがサクセスだけでなく、ある程度共通化できそうな野球部分にまで影響していたのもこのためである(ハードの違いもあるため共通化しようがなかったのも事実だが)。またこの理由で『5』以降で登場したパワプロシリーズではおなじみの早川あおいはサクセス中に一切登場しない隠し選手扱いであり、猪狩守すらも『2』以降はろくに登場しないなどシリーズのスピンオフにしてはかなり異色…というか末期はほぼ雰囲気だけ引き継いだ別作品*3となっていった。
    こうした独自色を強く押し出した作風はファンを増やした一方で結果的に本家ファンとの分断が起きてしまい、挙句の果てには本家派とパワポケ派で対立が起きるなどの事態を招いた一面もある。勿論だが両方ともそれぞれの魅力があり、簡単に比較できる物ではない。
  • パワプロ側も、『パワポケ1』発売直後に発売された『‘99』では極亜久商業にパワポケキャラが登場したことがあったものの、『9』では全て未登場となり、『10決定版』のサクセスオールスターズ以降はパワポケキャラが登場することはほぼ無くなり、繋がりがほぼ断たれた。
    『13』では極亜久商業にパワポケキャラではない追加キャラが登場するなど、別の道を歩んでいる。
  • パワプロアプリへの実装も初期は2013に登場していた鋼とアンヌのみで、長らく追加されなかった。
    これに関しても「実装してほしい」という意見もあれば、「別作品なのだから実装してほしくない」という意見もあり、意見が割れている。
    現在ではパワポケキャラもだいぶ増えたが、大抵はコラボという形を取っており、やはり別作品であることが強調されている。
    • また『7』の花丸高校がアプリで実装された際は『7』以外のキャラもいたものの、パワポケファンを中心に賛否が分かれたためか、パワフェスに実装された際にはそれらがいなくなっている。
  • 現在でもパワフェス等でパワポケファンがパワポケのチームを増やすよう要求する*4ことや、パワプロアプリの歴代投票でパワプロファンvsパワポケファンの構図になることが多い*5ことなど、あまり関係が良好とは言えない。

最大の特徴・シナリオ

野球ゲームなのだが、全体的に野球と関係ない要素があまりにも多いのがパワポケの特徴である。
冷静に見れば本家も野球ゲームとしては突っ込み所が多い*6のだが、本シリーズのせいでそれらが霞んで見えるほど。
メインの話もシリーズ初期はまだ大人しかったが、作品を追うごとに徐々に本家よりダークな展開が多くなっている。

  • 一生懸命野球の練習をして、優勝してハッピーエンド…というあらすじだけ聞けば王道なシナリオも結構あるのだが、パワポケの場合は蓋を開けてみるとそこにたどり着くまでに野球と関係ない大事件に主人公が巻き込まれ野球どころではない*7事が多い。一部の作品ではネット上で野球ゲームをするだけでもはや主人公が現実で野球をしていない話を出し、賛否両論ともなった。
  • 世界を裏から牛耳ろうとする組織と戦う、神隠しの呪いを解くため残された時間を奔走、ぶつかった拍子に相手と体が入れ替わり順風満帆な人生からどん底、時間犯罪者を追いかけ未来からタイムスリップ、正義の味方を名乗るヒーローの不正義を暴くために対決、テロ組織の陰謀を阻止するために犯人を追うetc…。これはすべて歴代主人公のうち誰かの説明である。
  • サクセスには多くイベント・フラグが仕込まれており、本家以上に「アドベンチャーゲーム」寄りになっている。反面、彼女攻略の運要素マイナスイベントの多さなど難易度がやたらと高い。試合に負けると即ゲームオーバーになる事もパワポケでは割と頻繁にある(やり直しは一応5回まで可能だが)。シリーズ末期でようやく少し難易度がマシになってきたところで終わってしまった。
    • エンディングも各チームメイトや彼女ごとに用意されており、イベントを最後まで見るとクリア後にエピローグとして各エンディングが追加される。
    • それらは一度見れば「アルバムモード」で再度視聴できるようになる。アルバムコンプを目指すのも楽しみの一つ。
  • 作品全ての世界観・時系列が繋がっているという大きな特徴がある。
    • 『1』から*8『14』までで実に30年以上が経過している。本家のパワプロシリーズも話の繋がりがあり正史自体も存在するのだが、こちらは時系列がバラバラであったりパラレルの話が多いなどかなり複雑のため、パワポケシリーズの方がシンプルに分かりやすい*9点が魅力。
    • そのため『3』のサイボーグ技術と『8』での世界への技術の蔓延、『6』の歴史改変、『7』の戦隊ヒーローの登場、『10』の超能力者開発と「ワギリバッテリー」の発明による企業間戦争の勃発と激化、『11』での「巨悪」誕生など、世界観を崩壊させかねない出来事でさえ全て続編へと受け継がれストーリーが作られている。
    • 『8』でサイボーグ技術が軍事目的に転用され、『10』で超能力が開発されたことをきっかけに、バトル漫画のような展開も増えた(ルートによっては全く影も形も無かったりするが)。
    • 「重力制御」「攻撃が当たれば殺せる」等、チートレベルのキャラが増え、一部のシナリオでは戦闘力のインフレが凄まじいことになっている。
    • もちろんこれらは良い面ばかりでもなく、シナリオの深みが増す一方で次第に作品の長期化によって新規ユーザーが全くついていけなくなってしまうなど結果的にシリーズ終了の1つの原因にもなってしまっていた。
  • 過去作のキャラも、成長したり落ちぶれたりして再登場する事が非常に多い。幸せになったり、不幸せになったりと人間模様も様々。しかしパワポケの場合は大抵ロクな目に遭わないため、各キャラの幸せを祈るファンからは「むしろ再登場してくれるな」と思われている場合が多い。
  • 過去作から張られている伏線も膨大なものであり、各作品が複雑に絡み合った様子はカオスの一言。過去作をやらなくても楽しめる作品は割とあるが、やっていると2倍・3倍に面白くなる。
    • そのため野球ゲームであるにもかかわらず、シナリオの考察Wikiが存在し現在も稼動中。
  • 以上の事情から、公式でも「野球だけのゲームではない」という意味合いで「野球バラエティ」として本シリーズをジャンル付けするようになった(『8』以降)。

彼女シナリオ

  • 作品には必ず6人ほど彼女にできるキャラが存在し、イベントを上手に消化していけば彼女にすることができる。
  • この彼女シナリオが異常に濃い。
    • 幼馴染・クラスメート・マネージャーはもちろん、妹(義理・実妹*10)・*11・女子高生・中学生(いずれも社会人編)・ツンデレ・悪の組織の団員・サイボーグハンター・お嬢様・女将・未亡人・巫女・ヤクザの箱入り娘・ストーカー・犬・女社長・忍者・怪盗・精霊・幽霊・宇宙人・戦闘用人造人間・生物兵器・最終兵器…。
  • 当然シナリオも普通に進むわけがなく、本編以上に様々な事件や困難が発生する。あまりにも濃すぎていったい何のゲームしているのか分からなくなるのはよくあること。

鬱要素

  • 努力しても報われなかったり、理不尽な目にあったり、どうしようもない現実を突きつけられたりという場面が多い。
    • 人も死ぬ。彼女であろうとも選択肢を間違えると死ぬ。そして主人公も死ぬ。既に死んでいる人間も何人か居る。
    • 「人生は明るいことばかりではないから。それをゲームでも体現した」とはスタッフの言葉。
  • とはいえそれらの展開が話題になるパワポケシリーズであるが、もちろん鬱展開だけのゲームではない。
    あくまでバッドエンドでの話であり、グッドエンドルートではそれらをぶち壊すほどに爽快な展開が待ち受けていることも多い。
  • 本家は本家でメインキャラが正史ではろくな結末を辿らなかったりしている事が結構あるので、この点に関してはむしろ最終的に救われている事も多いパワポケの方がマシな部分もある。

裏サクセス

メインサクセス(通称「表サクセス」)のほかに、条件を満たすとプレイできる「裏サクセス」がある(このほかにも短時間で終る「ミニサクセス」や、試合のみで選手を作る「グッピー」「トツゲキ甲子園」がある)。

  • 『2』から導入され、『4』にて裏サクセスの名称がついた。
  • 『10裏』などは表サクセスとは同一世界*12とも言われているが繋がりは殆ど語られず、各作品ごとに独自のシナリオが展開される。
    • 本編のキャラが別の役割で登場し、剣と魔法で戦ったり、忍者になって派閥争いしたり、全員中学生となって宇宙人に立ち向かったりする。
  • ほぼ確実に野球とは関係なしに進行して*13、選手となる「野球人形」を作成する。

余談

2021年2月26日に電ファミニコゲーマーにインタビュー記事が掲載された。

2021年11月10日にTwitterにて突然告知があり、Apple MusicやSpotifyなどで『パワプロクンポケット』シリーズ作品16タイトルのオリジナルサウンドトラックが配信された。

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最終更新:2024年04月21日 16:00
添付ファイル

*1 『7』以前はダイヤモンドヘッド。

*2 上層部から制作の方針で分裂させられたと語っている。パワプロ2013から再び復帰。

*3 当時の本家も時系列が繋がっていたため、簡単にキャラが出しにくかったのも原因ではある。

*4 特に上述の極亜久商業をパワポケ仕様にする要求は揉めやすい

*5 2023年末時点で5回行われているが、第2回以外はベスト2がパワプロキャラvsパワポケキャラの構図となっている。また3位から下は中間投票で公表されるので、途中の結果を見て残っている2人のうちどちらに入れるかを決められる仕様も相まって作品対決となりやすい

*6 最新作ではピラミッドの建築をして選手を鍛えたりしている。もはや意味不明。

*7 もちろん実際には野球をすることになるのであるが…。

*8 厳密に言えば、本シリーズの原点はパワプロ『5』である。この作品のみパワポケと世界観を共有しており、その2年目が『パワポケ1』の1年目となる。

*9 ただし、1作目から追っている場合に限る。

*10 最終的に別れるシナリオしかないため問題は無い

*11 アルバムで「おばあちゃんと同じ名前の孫」が登場。明らかにアウト。

*12 『14』から数万年後、人類が宇宙に進出し、地球の文明は滅んだ超未来。ただし『14』のBADエンド後とも言われている。

*13 例外としてパワポケ6の裏サクセス「しあわせ島編」だけは一応野球をやっている。ただしこのシナリオは公式の正史に組み込まれており、裏サクセスとみなされること自体が少数派である。