【ないとくらい】
ジャンル | 3Dホラーアドベンチャー | ![]() |
対応機種 |
Windows プレイステーション・ヴィータ |
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メディア | ダウンロード専売 | |
発売元 |
Playism Games アクティブゲーミングメディア |
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開発元 | ヌードメーカー | |
発売日 |
【Win】2016年3月29日 【PSV】2019年1月31日 |
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定価 | 2,480円(税込) | |
プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:D(17才以上対象) | |
判定 | なし | |
ポイント |
『クロックタワー』の精神的続編 随所の演出とコンセプトは損なっていないが… 意味不明な脚本・演出 インディーゲームと差し引いても作りは粗い |
『クロックタワー』の生みの親である河野一二三が手掛けたホラーアドベンチャー。
「特殊能力を持たない一般人が、巨大なハサミを使う不死身の殺人鬼から逃げる」というクロックタワーシリーズのコンセプトを継承している。
同シリーズの版権はサンソフトが所有しているため、直接的な繋がりの無い精神的続編となっている。
開発に当たってはサンソフトとカプコンから許諾は得ている。
殺人鬼のデザインは『SILENT HILL』シリーズのモンスターデザイナーだった伊藤暢達(*1)。
実写トレイラームービーも制作され、こちらは『呪怨』で知られる清水崇監督が手掛けた。
2015年のクロックタワー誕生20年に向けてその魂を受け継ぐホラーゲーム製作プロジェクト「Project Scissors」によるインディーゲームとして立ち上がった(*2)。
元々はスマートフォン・タブレット・PSV用ソフトとして開発が始まったが、クラウドファンディングで資金を募った結果、予想を上回る支援を得たことでマルチプラットフォーム化と日本語ボイス導入が決定。
2016年にはWin版が、3年後の2019年にはPSV版が発売された。
当記事ではPC版を基準として紹介する。
西暦2016年8月18日。カリブ沖を航海中の豪華客船オシアネス号。
モニカを始めとする大学生達は教授のレナードに引率されて乗船していた。
船内でカクテルパーティーが催される中、一息入れようと会場を抜け出すモニカだったが、
彼女の目の前で友人のハリーが惨たらしい死を遂げる。
そして現れる巨大なハサミを持った殺人鬼「シザーウォーカー」。
訳も分からないまま逃走するモニカだったが、同時に船には怪しい仮面を付けた者達も暗躍していた。
+ | クリックして展開 |
+ | ネタバレ |
かの名作の魂を受け継いだ新作ということで注目度は高く、クラウドファンディングの際にも各所からメッセージやイラストが多数寄せられており、期待されていたことが分かる。
監督自身、「『クロックタワー』のファンがプレイした時に、良くも悪くも『クロックタワー』らしいと思ってもらいたい」と語っている通り、それは果たせていると言える。
また、スマホやSNSを使わせるという現代要素を入れつつも、『3』で失われてしまった『クロックタワー』本来の作風を甦らせようとした心意気は評価されて然るべきだろう。
しかしいざ形になると、現代の3Dゲームと従来のクリック方式の食い合わせの悪さが浮き彫りになり、インディーズであることを言い訳にしたような作りの浅さも相俟って評価はあまり芳しくないものになってしまった。
余談に後述する通り予算と時間の都合もあったのだろうが、それでも新たな『クロックタワー』を待ち望んでいたファンの期待に応えられるゲームとは言い難い。
『クロックタワー4』や『DEMENTO2』を期待するのではなく、古き良き『クロックタワー』らしい雰囲気だけを楽しむゲームとして受け止めるべきと言った所か。
*1 同シリーズの看板的クリーチャー「三角頭」の生みの親でもある。
*2 クリック&ポイント制のゲームは現在のパブリッシャーの多くが見向きもしないという事情もあり、作りたいものを作るべくインディーゲームとなった。
*3 完成版では全くの別人だが、コンセプトアートにはジェニファーに似たイラストもあった。当初はモチーフにしていたと思われる。
*4 旧作では『1』の番犬を欺くシーンを除けば、クリックポイントはアイテム選択に関わらず全てクリック可能だった。
*5 本人も出演していることは知らず、実際にプレイして「これ俺だよね!?」と驚いていた。
*6 ここも意味のわからない演出の1つ。
*7 PSV版では通過時に表示される。