【ごっどはんど】
遥か昔、魔王サタンによって支配されつつあった地上に一人の救世主が現れる。
彼は両腕に宿した神にも等しい力で魔王サタンを倒し、世に平和をもたらした。人々はその男を畏れ敬い、「ゴッドハンド」と称した。
それから長い年月の後、旅の青年ジーンは、ふと立ち寄った町でならず者に襲われていた娘オリヴィアを助ける。
オリヴィアを逃がすことには成功したが、ならず者の強さは人間のそれを遥かに超越していた。
ジーンは奮戦するも全く歯が立たず、なす術もなく「ゴッドハンド狩り」の名の下に右腕を切り落とされてしまう。
絶望と失意の中、オリヴィアから伝説のゴッドハンドを右腕に授かり、神の力を手にしようとする悪魔達との戦いに挑む。
素手による格闘戦を主体とした3Dアクションゲーム。ディレクターは『バイオハザード』シリーズを手がけた三上真司氏。クローバースタジオ名義の最後の作品。
上記のストーリーを見る限り一見硬派な世界観と思えるが、その実態は様々なパロディやギャグ要素を内包したPS2でも指折りのバカゲーであり、バカゲー屈指の高難易度を誇る作品である。
隠れた名作、知る人ぞ知る神ゲーならぬゴッドゲー。あるいはバ神ゲーとでも言うべきか。
21世紀のご時世にこんなゲームをリリースすれば普通は「調整不足のクソゲー」と評されかねないのだが、それを補って有り余る爽快感がある。
激烈な敵の攻撃をスウェー回避 → カウンターで吹っ飛ばすようになる頃には、カタルシスの虜になっているはず。
まさに本作には「ドM仕様」「バカバカしい」という褒め言葉が良く似合う。
ただ、難易度が非常に高いゆえに万人向けとは断じて言えない点(*12)が確かに惜しい。
+ | ゴッドリール技集 |
*1 本作では主人公・敵の双方に内部パラメータとしてピヨリ値がある。時間経過で減少。
*2 ただのおバカな演出かと思いきやこの「スカ」は演出中無敵であり、行動可能後も約1秒間無敵が持続するのでテンション・リールストック消費なしで回避困難な攻撃をやり過ごせるため、不慣れなうちは重宝する。
*3 ただし、『電撃プレイステーション』のインタビューでそのことを指摘された際スタッフは「『カンフーハッスル』をイメージした」と語っている。
*4 当時は両名とも須田剛一氏が代表を務めるグラスホッパー・マニュファクチュアに在籍しており、いわゆる外部参加と言う形で関わっている(EDのクレジットにもGHMの名が出てくる)。ちなみに福田氏はED曲である「俺の右手はゴッドハンド」のボーカルも務めている。
*5 一部技の耐性とも関係があるなど、作りこみの面でも優れている。
*6 一部、固定配置の敵もいる。
*7 この「1面から殺る気マンマンでプレイヤーを篩にかける」のは、これまた同社製『魔界村』シリーズを彷彿とさせる。道中の雑魚を倒していると、第2形態としてレッドアリーマが出現するようなものである。
*8 『ビューティフルジョー』シリーズも同じ理由でガードが存在しない。
*9 なお、この闘技場の各ステージは勝利すると賞金が入る(最初の1回のみ)ため、ステージセレクトによる金稼ぎが無いことへの救済措置も兼ねている。
*10 ピヨり中は殴り放題+追加アクションによるダメ押しが出来る。そのため、実際に叩き出すダメージはストック消費の少なさに反して非常に高い。
*11 基本技の設定とは別に、最初から使用可能な「コマンド技」の1つ。ヒットした敵を受け身を取らせずフッ飛ばす。
*12 中でも引き継ぎ要素が無く好きな技・好きなステージで自由に暴れられないなど、痒い所に手が届いていない点も含む。
*13 例として、本作で見られるジーンvsアゼルのオラ無駄ラッシュ合戦がvsジャンヌ戦にほぼそのまま引き継がれている。