無双OROCHI Z
【むそうおろち ぜっと】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション3 Windows XP/Vista/7
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メディア
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【PS3】BD-ROM 1枚 【Win】DVD-ROM 2枚組
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発売元
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コーエー
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開発元
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コーエー(オメガフォース)
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発売日
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【PS3】2009年3月12日 【Win】2009年11月27日
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定価
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【PS3】7,560円 【Win】7,140円
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ【PS3】
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インストール: 4500MB以上 セーブデータ: 300KB以上 トロフィー機能: 50MB
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周辺機器
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【PS3】DUALSHOCK3対応 【Win】DirectX 9.0c対応ゲームパッド推奨
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ディスクレス起動
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【Win】不可(起動時にゲームディスク必須)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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コンテンツアイコン
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セクシャル・暴力
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廉価版
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【PS3】PlayStation3 the Best 2011年11月2日/3,990円
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備考
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【Win】動作環境はこちらを参照
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判定
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良作
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無双シリーズ
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概要
『真・三國無双』の武将と、『戦国無双』の武将が入り乱れる『無双OROCHI』(以下無印)、及び続編の『無双OROCHI 魔王再臨』(以下再臨)の2つを『再臨』基準で収録、新要素を加えたもの。
「魔王・遠呂智(おろち)によってごちゃごちゃになった世界で、『三国』『戦国』の武将たちが力を合わせて遠呂智を倒す」という、オメガフォースのオールスターお祭りゲー。
リストラされていた武将も復活、過去作のコスチュームでプレイ可能など、ファンには嬉しい要素がたくさんある。
移植における変更点・追加要素
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三蔵法師・弁慶が新たに参戦。再臨の妖魔軍モブである牛鬼と百々目鬼もモーションが追加・調整され全てのモードで使用可能に。操作可能な武将数は96名になった。
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全キャラに4つ目のコスチューム、壁紙が追加された。
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三国勢の武将たちには『真・三國無双5』の衣装が追加されている。
ただし、顔などのグラフィックベースが『真・三國無双4』のものとなっているために、劉備や孫権、董卓といった一部武将の違和感がかなり強烈になっている。勿論、あくまでコスチュームが『真・三國無双5』になるだけなので、武器は従来通りのものとなる。
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戦国勢の武将は初代で登場したキャラはその裏コスチューム(義元は表コスチューム、くのいちと五右衛門は新規)、『戦国無双2』で新規参戦した武将は『猛将伝』でのカラーチェンジコスチュームになっている(『戦国無双2』で容姿が変わったお市、伊達政宗もカラーチェンジとなっている)。
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ドラマティックモードに12のステージが追加。全部で40ステージとなった。
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また再臨ではドラマティックモードは指定された武将でしかプレイできなかったが、『Z』では一度クリアすれば自由に選べるようになった。
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イベントを行う武将が変わったり、武将変更をしなければ聞けない掛け合いも隠されている。
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わずかではあるが、遠呂智が仙界で犯した大罪と、それによって永劫の罰(おそらく不老不死の呪い)をかけられ、仙界に閉じ込められていたことが明かされる。この伏線は『2 Ultimate』で回収された。
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無双シリーズにおける、敵の表示数最大値を大幅に塗り替えた(それまでは雑魚は5人一組だったが今作から10人一組、Win版のみ13人一組となった)。驚くほどワラワラした敵の中で放つアクションはかなり爽快で、千人斬りも熟練度上げも達成しやすくなった。
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その影響で難易度も相応に上昇している。これによって簡単すぎると批判された再臨とは異なり、技能や錬成能力を強化した分だけ武将の強さを堪能できる難易度に。
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ただしこの点は思わぬ弊害を与えており、本作より後発の無双作品では「オロチよりワラワラ感が少ないから駄作」というような意見が出るようになった。
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PS2/360版でプレイヤーを悩ませた処理落ちが大分改善されている。
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PS2版再臨で問題点として続出したコントローラーの反応の問題も解消されている。
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新規BGMの追加、無印含めた既存の一部シナリオのBGMも『真・三國無双4』及び、『戦国無双2』以外の過去作からのものに差替え。
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ゲームタイトルにもなっている遠呂智にもようやく専用テーマ曲「THEME OF OROCHI -REBIRTH MIX-」が用意された。
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再臨の一部ステージ(邪馬台や最終章など)でのBGM変更は不評だったのか、ほぼなくなっている。
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遠呂智のテーマ曲「THEME OF OROCHI -REBIRTH MIX-」
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再臨で問題だった熟練度稼ぎがかなり緩和された。
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特に問題だった兗州の戦いはPSP版よりさらに条件が緩くなり、熟練度が解禁条件のステージは軒並み必要な熟練度が少なくなっている。
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ドラマティックモードが全武将に解禁されたこと、敵兵の大幅な増加により熟練度自体も上がりやすくなっているやりやすくなった。
賛否両論点
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グラフィックはPS2よりは多少綺麗かどうかと言う程度。ただしそれと引き換えに、過去最大級の敵のワラワラ感を実現している点は評価に値する。
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元々PS2版の『真・三國無双4』や『戦国無双2』などのグラフィック面で一定の評価を得ている作品をベースとしているので、次世代機のゲームとしてはどうかというのはあっても、極端に見苦しかったり見辛い点がある訳でもない。
解像度が上がっているためPS2レベルのグラフィックでも十分綺麗になっている。
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本作で新たに参戦した武将二人はストーリーに一切関わって来ない。「追加しなくても良かったのでは」と言う声もある。
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一応ドラマティックモードでは三蔵法師・弁慶が主役のステージが3つずつあり、そのうち2つでは本編の裏で彼らが何をしていたのかが描かれている。
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三蔵法師は孫悟空を追って天水に降臨。一度は取り逃がすも魏軍と合流し悟空や平清盛と対峙する。弁慶は源義経とはぐれて途方に暮れていたところ、妲己に半ば騙される形で遠呂智側に付き義経と敵対する。といった内容。
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やりこみ要素として壁紙、別コスチューム、トロフィーなどがあるが、90人以上の武将の熟練度上げをしなければならないため、人によっては作業ゲー化してしまう。シナリオもお約束のものが多く、やや飽きやすい。
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『無双OROCHI』シリーズの共通点として属性が強すぎるため、技の格差が他のシリーズ作品以上に激しい。効率だけを考えると、どの武将を使っても最終的に決まった技を連打するだけになってしまう。
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早い話が天舞無しで属性がつかない技は基本的に死に技。全ての無双奥義・乱舞も例外ではなく、使いどころはあるがダメージ目的では使えないのがほとんどである。
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属性がつく技の中でも、武器の攻撃範囲が広がる「旋風」や分身の効果があるか否かという点で、衝撃波やビームよりも武器を用いた打撃技の方が優位になる傾向が強い。
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武将たちの技の性能は、例外もあるが基本的には再臨の仕様で収録されている。そのため、「無印では強キャラだったが、再臨で弱体化した」という武将たちは弱いまま『Z』に移植されることに。
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無双ゲージ消費量が増えたことでアーツの連射がしにくくなった石田三成、C4の属性付加が最後の一回転だけになった関平、アーツ1の範囲が間の空いた前方になって隙が大きくなった呂蒙など。
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もちろん逆に「無印では弱かったが、再臨で強キャラに」という武将たちも存在する。
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夏侯淵、黄忠、稲姫などがその例。無印では弓のダメージが雀の涙ほどしかなかったが、再臨では与えるダメージが増えた。…というよりは従来のダメージに戻った。
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新要素を加えての抱き合わせ移植には批判も寄せられた。いつものコーエーと言ってしまえばそれまでではあるが、無双シリーズを乱発しすぎと言う声も多い。
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一方で、再臨自体が発売されていないWin版はWin版で「いつになったら再臨が出るんだ」との声もたびたび挙がっていた。
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本作の登場でWin版プレイヤーも再臨をプレイ出来るようになったと言え、仕方のない話でもあるがその前に単独で出ていた無印の立場はほとんど無い。
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錬成能力「天舞」
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正確には再臨で追加された要素。その効果は無双ゲージが満タンの時に全ての攻撃に属性が乗ると言うものなのだが、これと武器に乗せることの出来る、本来はチャージ攻撃にのみ付与される属性「氷」「斬」「陽」「分身」「神速」「旋風」等を組み合わせると、通常攻撃を連発しているだけでもはや余程のことがなければ負けることはない、とされる位の一方的な虐殺を演じることが出来る。
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高難易度(難易度「激難」など)がどうしてもクリア出来ないと言ったプレイヤーに対しての救済措置であるとも言えるのだが、普通に考えればゲームの面白さを損ねかねない。
ゆえに「制作陣は何考えてるんだ」と言ったような批判意見も当然噴出した。
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気に入らなければ自制すれば良いし、能力を作るのも手間がかかるようになっているため(後述)、プレイスタイルの問題ともいえるのだが、「余程弱いキャラクターでなければ使わない方がゲームとしての寿命は長持ちする」というのが攻略Wiki等を含めてのもっぱらの見方となっている。
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なお錬成に必要な前提条件として、4勢力の再臨最終ステージに隠された錬成素材をすべて取得せねばならない他、錬成自体にも8枠全ての属性を指定されたもので埋めた武器を消費せねばならない。公式チートなのは確かだが手軽に錬成できるわけではない。
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クリア後のおまけ的存在であるにもかかわらず存在する否定的な意見は「ゲームバランスの崩壊」それ自体を毛嫌いする人のものであり、同様に無双シリーズという圧倒的な力で敵を薙ぎ倒す快感を求める人は全く問題扱いしない場合も。
問題点
火計が強すぎる
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『再臨』から火計の体力減少速度が非常に強くなり、本作でもこのバランスが採用されている。
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再臨はそれに見合ったステージ設計を行っているが、『無印』ステージの調整放置されているので、一部ステージの難易度が跳ね上がっている。
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後のシリーズでは体力減少に下限が設定され、理不尽さは抑えられた。
難易度
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無印版のシナリオが難易度星1~3に下げられてしまったため、序盤の武器属性集めがさらに難しくなった。
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逆に再臨の序盤ステージは本作では9章扱いになり、★3にまで難易度が上昇している。結果、再臨のステージばかりプレイすることが多い、ということも。
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とはいえ敵の数を差し引いて考えると難易度が低下した…というわけでもない。最序盤でのパラメーターだと★1でも「普通」は厳しいので、要するに最初は「易しい」前提であることは変わらない。
総評
抱き合わせ移植諸々に関しては批判も根強いが、「1本で2つのPS2ソフト分のシナリオがプレイでき、(当時)最もワラワラした敵の中で三国・戦国の武将を全員使用して無双できる」というお得な仕様になっている。
歴史に関する予備知識が無くとも、そもそものストーリーが「『真・三國無双』シリーズと『戦国無双』シリーズの世界の融合」と言う無茶苦茶なものになっていることもあり、
プレイする分にはほとんど問題ないので、歴史に興味のないプレイヤーにも1つのアクションゲームとしてお薦めできる。
余談
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PS2で展開されたそれまでのシリーズの集大成に相応しい内容となっており、それを受けてか無双シリーズそのものも転換期を迎えたとも言える。
その後の展開
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2011年12月22日には『真・三國無双6』を仕様ベースとした続編『無双OROCHI2』が発売された。詳細は作品ページを参照。
最終更新:2022年10月13日 16:30