アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団
【あんちゃーてっど おうごんとうときえたせんだん】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション3
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発売元
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Sony Computer Entertainment
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開発元
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Naughty Dog
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発売日
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2009年10月15日
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定価
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通常版: 5,980円 同封版: 7,980円
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廉価版
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PlayStation 3 the Best 2011年8月25日/2,980円
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判定
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良作
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アンチャーテッドシリーズ
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PlayStation Studios作品
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プロローグ
かつて世界一周を遂げた稀代の海賊にして冒険家「フランシス・ドレイク」卿の隠された子孫を名乗る冒険野郎「ネイサン・ドレイク」(通称ネイト)。
彼の今回のターゲットはマルコ・ポーロの「消えた船団」に纏わる伝説。
しかしある日目覚めた時、彼は雪山奥の崩壊寸前の列車の中で血だらけで倒れていた。
一体彼に何が起きたのか? それを紐解くには話を遡らなければならない…。
概要
前作『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』の続編。海外名は『Uncharted2 : Among Thieves』となっている。前作とセットにしたツインパックも同時発売。
開発は『クラッシュ・バンディクーシリーズ』などの制作元として有名なNaughty Dogが前作に続いて担当。
発売前から海外のゲームサイトでは、満点に近いレビューが続出し注目を受けた。
前作から評価の高かったグラフィックはさらに磨きが掛かり、次世代機で出たソフトの中でもトップクラスと評する人は少なくない。
なお、海外版と違い日本語版のタイトルにはナンバリングタイトルが付いていない。
これは前作の日本国内での売上が芳しくなかったのが影響している。
特徴・評価点
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次世代機最高レベルのグラフィックと演出
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PS3/360といった次世代機に慣れ親しんだゲーマーでも思わず声を漏らしてしまうグラフィック。
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グラフィックに目を奪われがちだが物理演算も優秀で、迫力の表現に大きな貢献をしている。本当の意味で「映画を越えたゲーム」と言えるかもしれない。
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落ちてくる列車、雪山でのアクション、崩壊する建物、カーチェイス、最初から最後までアクション映画のクライマックスのような演出が続く。おかげで全く飽きない。
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さらに音響も優秀。高品質のヘッドフォンやサラウンドシステムを使うと、本作の音響がどれだけ拘られているかよく分かる。
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豊富なロケーション
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大きめの島のみが舞台であった前作から一転、世界中を股に掛けてネイトの冒険が繰り広げられる。
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トルコ・ボルネオ島・ネパール・ヒマラヤ山脈・チベットと豊富な舞台が用意されている。これらは全て実際に現地に赴いて取材をしており、よりリアリティが高められている。
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絶妙なバランス調整
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派手さこそないものの、普通に遊んでて素直に「楽しい」と感じられるバランス調整はさすがノーティといったところか。
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新要素「ステルスアクション」が追加。敵に悟られないように1人ずつ確実に屠っていく様は、ハラハラして実に面白い。
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実は前作にも存在していたが、明文化されておらず有用な場面が殆どなかったため、実質本作の新要素と言える。
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難易度「練習」の追加。HP増加・オートエイム・敵のさらなる弱体化など、TPS初心者でもプレイしやすくなった。
逆に難易度を上げていくと当然照準はマニュアルになり敵も身を隠したりとAIも賢くなっていく。アクションゲーム初心者から上級者まで楽しめる様に配慮して作られている。
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グレネードの操作方法や銃弾の視認化・単調なアクションボタンや格闘など、前作の不満点もほぼ全て解消されている。
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特に、ハンドグレネードの投擲がコントローラーのジャイロ機能を使用したものと、通常のボタン操作との選択式になったのは地味にありがたい。
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ロードフリー
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ゲーム開始時のロードを除けばムービーシーンから戻る時やステージが変わる時でさえロードが無い。この技術が本作のテンポの良さをさらに際立たせている。
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ストーリーを進めるためのカットシーンはどれもテンポが良く、プレイを中断しない様に作られている。
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ボーナス
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前作では、有用なボーナス要素をオープンするには上級クリアがほぼ必須であったが、今作では最低難易度の練習レベルでも複数トロフィーゲットすれば十分オープン可能。2周目も楽しめる。
マルチプレイ
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要望の多かったオンラインプレイが実装された。もちろんボイスチャットにも対応している。
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シングルプレイがメインなのでこっちはあくまでオマケだが、もともとのアクションの完成度が高いため非常に面白い。
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豊富なルールやスキン(コスチューム)も用意されている。常時45000~50000人のプレイヤーがおり、相手によるがラグも殆どないため、長く・ストレス無く楽しめる。
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後に新ルールや新マップ・スキンが追加された。有料でちょっと値段が高めだが、新たなマップを新たなルールで楽しめるのには多くのファンが歓喜した。
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ちなみに追加されたスキンは、なんと『KILLZONE2』のゼブや『inFAMOUS』のコールなどである。ファンには堪らないサプライズ。
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協力プレイ(ミニミッション)
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協力プレイ用に調整されたマップで協力してミッションをクリアしていくミニミッション。プレイ人数は最大3人。
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あまりポイントを稼げないものの若干のストーリー性があり、本編を協力プレイで遊びたかったユーザーからは大変好評。ちなみに協力プレイでは「敵が適度に馬鹿」なので、ついやっつけてあげたくなる。
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協力プレイ(サバイバル)
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ミニミッションとはまた別のオリジナルマップで、全10ラウンドに渡る敵の猛攻を撃退するというルール。敵は最大で250人現れる。プレイ人数は同様に最大で3人。
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ルールこそ少ないもののマップの数が非常に多く、それぞれのマップも籠城などが出来ないように丁寧に作り込まれているため、非常に長く遊べる。
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「サバイバル」は次々に現れる敵を撃退するという、最もスタンダードなルール。序盤はそうでもないが終盤の戦闘の激しさは苛烈を極める。
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よほど上手くない限り個人技ではまずクリア不可能、仲間と連携しうまく立ち回らないといけない。難易度は高いが、それ故に面白い。
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「ゴールドラッシュ」は基本的にサバイバルと同じだが、ルールが『特定の場所に配置されるお宝を特定の場所まで運ぶ』というものに変更されている。
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タイムボーナスがあり、早く運べば最大で3倍ものスコアボーナスが付く。ボーナス3倍が終わるギリギリまで稼いで運ぶ、という風に立ち回ればサバイバル以上に稼げるが、難易度はそれよりも高い。この緊張感がたまらないのである。
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「サバイバトリー」はDLCで新規に追加されたルール。特定の陣地に籠城し、一定時間そこを守り切ればクリアとなる。完全に守りに回る上に装備の回収が難しいため難易度は最も高いが、その分上手く戦えば最もポイントが稼げる。
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対戦プレイ
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定番のチームデスマッチとデスマッチの他、宝探しや陣地の奪い合い等が用意されている。こちらではヘルガストやキメラ・悪のコールさんなどのスキンを使用可能。
ローカライズ
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実力派声優陣によるクオリティの吹き替えにより、大作映画の雰囲気を味わえる。
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設定を変えることで、タイトル画面・音声・字幕などを海外版のものに変更できる。日本語吹き替えが嫌いなユーザーにもバッチリ対応。
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海外版に比べてパッケージが
ダサいB級臭いといった意見や、ゴア表現が一部規制されているという不満点もあるが、ローカライズ全体のお仕事としては丁寧で文句の無いレベルといえる。
問題点
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ラスボス戦
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物語のキモのため詳しく言及するのは避けるが、ラスボスの倒し方が作業感が強い上に時間がかかる。
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本作を絶賛するプレイヤーからも不満点として上がる点の1つである。
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なお、前作は今作以上に単調だったため、それに比べるとアクション要素、迫力はある。もっともラスボスに追い掛け回されるだけといえばだけなのだが。
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マルチプレイの調整不足
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発売時には武器のバランスの調節不足、バグが多い等問題点も多かった。
総評
革新性は無いが、それを帳消しにするほど完成度の高いド派手なアクション部分と下手なB級映画を越えた演出。
それを支えるのは美麗なグラフィックだけではなく、プレイの邪魔をしないテンポの良いストーリー展開やロードを感じさせない技術。
あらゆる部分で完成度が高い本作は、次世代アクションゲームの1つの集大成と言えるのではないだろうか?
シングルプレイ中心のソフトとは言え、マルチプレイもオマケというには十分すぎる出来。
PS3を所有していてアクションゲームにアレルギーが無いのなら間違いなくオススメできる一本であろう。
余談
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発売後は前評判を裏切らない完成度で多くのゲーマーから絶大な支持を受け、中でも2009年のGDC Game of the Yearでは技術賞、美術賞、音響賞、脚本賞、最優秀ゲーム賞の5冠という圧倒的な評価を受けた。その他にも150以上もの賞を獲得している。
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これは2009年で最も評価されたゲームと言っても過言ではない。世界での累計売上は500万本以上と、誕生したばかりのタイトルとしてはセールス的にも大成功を収めたソフトである(販売本数はWiki参照)。
最終更新:2024年11月18日 06:04